この間、沖縄ドローンプロジェクトが、防衛局の大浦湾の工事の監視を続け、杜撰な工事による濁水の広がりの実態を明らかにしてくれている。
6月28日の安和桟橋での死傷事故を受けて停止していた本部塩川港からの石材搬送が始まり、海上ヤード工(大型ケーソンの仮置き場)の工事が再開された。この工事は当初から、船上で粉じんが舞い上がり、石材を投下する度に海が白濁するなど、石材が事前に洗浄されていないことが問題になっていた。
設計変更申請の環境保全図書では、「海中に投下する石材は、採石場において洗浄し、濁りの発生が少なくなるようにして使用する」と明記されているが、全く遵守されていないのだ。
海上ヤード工は今年の1月10日から始まったが、粉じんが舞い上がり、海の白濁がひどいので、オール沖縄会議は1月22日の沖縄防衛局長交渉でも追及した。その際、防衛局長は、「設計変更申請の環境保全図書に基づいて、採石場で150秒間洗浄している」と明言している(沖縄県は1月23日、「石材の洗浄が十分かについて疑義が生じている。協議が調うまで工事を中止すること」という行政指導を行った)。
しかし今回、ドローンで撮影した写真でも、投下箇所からは海の白濁が一面に広がっている。
(2024.12.4)
(2024.12.9)
また、本年7月から始まったA護岸工の現場からも海の汚濁が一面に広がっている(下に沖縄ドローンプロジェクトが撮影した写真を添付)。
鋼管矢板の打設は、設計変更申請で汚濁が多いウォータージェット併用バイブロハンマー工法が採択された(工期を短縮するためだが、それでもA護岸工の工事は約4年もかかる)。
海底の軟弱地盤が高圧水で掘り起こされて汚濁が広がるのだが、周囲の汚濁防止膜が十分な機能を果たしていないのだ。
(A護岸のウォータージェット併用バイブロハンマー工法による鋼管打設のために一面に広がる汚濁)
このように環境保全図書の内容は全く無視されており、大浦湾の汚濁は深刻なものとなっている。