2015年1月、辺野古新基地建設事業で、防衛局が岩礁破砕許可のないまま大浦湾に巨大なコンクリートブロックを投下した際、私たちは、カヌーと船で懸命の抗議行動を展開した。
私も抗議船の船長を務めていたが、臨時制限区域の外で乗り込んできた海上保安官らの暴行を受け、全治1ヶ月以上の大けがを負った。そのため、その海上保安官らを特別公務員暴行陵虐致傷罪で告訴した。ところが、2年後、検察官はこの件を不起訴としてしまった。そこで検察審査会に申立てたのだが、本年1月、検察審査会は「本件不起訴処分は相当」という議決をした。
先日、その議決書が送られてきたので下に添付する。
(2015年1月29日、臨時制限区域の外で海保の規制が始まった)
(私が操船していた勝丸に横付けし、海保らが無理矢理乗り込んできた)
(そして、「海保太郎」を名乗る保安官により暴行を受ける)
議決内容は、「暴行には該当せず、同罪は成立しないとの検察官の裁定を覆すに足りる証拠がない」として不起訴相当としたのだが、「議決の理由」には注目すべき指摘がされていた。
・「高齢者である申立人に対して、海上保安官が逮捕術を用いて行ったことについては、いささかやり過ぎであるように思われる」
・「正当な抗議行動は、憲法で保障された権利なので、取り締まる側はそこをきちんと踏まえて、けが人が出ることがないよう慎重に業務をしていただきたい。警備に当たる海上保安官は体格も良い方も多いので、抑制的な警備を行うようにして頂き、くれぐれも過剰な警備にならないように留意してもらいたい」
なんと私への暴行は、「逮捕術」だったというのだ。「高齢者」というのは余計だが、私たちの抗議行動は「正当」であったとして、海保の規制は「やり過ぎ」だと認めている。そうであれば不起訴不当とするべきだろう。
しかし、2016年に検察審査会が受理した申立ては2,190件もあるが、起訴相当としたのはわずか3件(0.1%)だったという。検察審査会としてはこれが精一杯だったのかもしれない。
今後、海保に対して、この検察審査会の議決を突きつけ、抗議していきたい。