今日(8月20日・火)午後、防衛局はA護岸工に着手した。
鋼管杭を2重に打ち込んで護岸とする工法だが、鋼管杭を打ち込む前に位置だし等のために導材を設置し、先行鋼管杭を設置することになっている。今日、2本の鋼管が打ち込まれたが、1本の打込みが30分程度で終わったというから、護岸にする鋼管杭ではなく、導材の打込みか、先行鋼管杭だったのかもしれない。
しかし、大浦湾での本格的な工事が始まったことには変わりはない。
本来なら、現時点でA護岸工に着手することは許されない。沖縄平和市民連絡会は、今日の午前、知事宛に、防衛局に対して工事中止を指示するよう求める要請書を提出した(末尾に添付)。
(A護岸工の打込み (沖縄ドローンプロジェクト撮影))
要請書の内容は以下のとおりである。
まず、実施設計・環境保全対策の事前協議が完了しておらず、埋立承認の際の留意事項に反している。
さらに、今回、代執行で国土交通大臣が知事に代わって承認した設計変更承認申請書の本文部分である「2 設計の概要」には、「地盤改良船を用いたサンドドレーン工法による地盤改良を行いつつ、杭打船による二重鋼管矢板の打設でA護岸を、またクローラクレーンによる撒き出し方式でK―8護岸及びK-9護岸、中仕切護岸N-1、N-2及びN-6~N9並びにN-1揚土場及びN-2揚土場を概成させ」と記載されている(「設計変更申請書」P10)。
すなわち、A護岸造成の際には、すでにサンドドレーン工法による地盤改良工事が始まっていなければならないはずである。知事は、代執行訴訟高裁判決の際、「今後も新たな変更承認申請が数回、数十回行われる可能性は否定できない」(2023.12.28 琉球新報)とコメントしたが、A護岸工を地盤改良工事の前に着工するためには、代執行で承認された設計変更承認申請書の内容を再度、変更する必要がある。
この点については、設計変更申請書に添付された環境保全図書でも明確に示されている。下図のように、A護岸工に着手する前に地盤改良サンドドレーン工法を実施するとされている。
従って、現時点でA護岸工に着手することは認められず、防衛局に対してただちに工事中止を指示するよう要請したものである。
県の毅然とした対応を求めたい。
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沖縄県知事玉城デニー様 2024年8月20日
要請書
沖縄平和市民連絡会
代表世話人
高里鈴代、真喜志好一、城間勝、宮城恵美子、松田寛
沖縄防衛局は、本日(8月20日)、大浦湾で辺野古新基地建設事業のA護岸造成工事に着手するといわれている(午前9時半現在ではまだ着手していない)。
しかし、沖縄県は大浦湾の護岸新設工事について、8月15日、沖縄防衛局に7回目の質問書を送付しており、実施設計・環境保全対策の事前協議は未だ終わっていない。今回、A護岸造成工事に着手すれば、埋立承認の際の留意事項に違反する。
さらに今回のA護岸工着工には大きな問題がある。
今回、代執行で国土交通大臣が知事に代わって承認した設計変更承認申請書の本文部分である「2 設計の概要」には、「地盤改良船を用いたサンドドレーン工法による地盤改良を行いつつ、杭打船による二重鋼管矢板の打設でA護岸を、またクローラクレーンによる撒き出し方式でK―8護岸及びK-9護岸、中仕切護岸N-1、N-2及びN-6~N9並びにN-1揚土場及びN-2揚土場を概成させ」と記載されている(「設計変更申請書」P10)。
すなわち、A護岸造成の際には、すでにサンドドレーン工法による地盤改良工事が始まっていなければならないはずである。知事は、代執行訴訟高裁判決の際、「今後も新たな変更承認申請が数回、数十回行われる可能性は否定できない」(2023.12.28 琉球新報)とコメントしたが、A護岸工を地盤改良工事の前に着工するためには、代執行で承認された設計変更承認申請書の内容を再度、変更する必要がある。
上記の点から、下記のとおり要請する。
記
1.A護岸工着工は、実施設計・環境保全対策の事前協議を終えておらず、埋立承認の際の留意事項に反する。沖縄防衛局に対して、工事に着手しないよう指示すること。もし、着手された場合は、ただちに工事中止を指示すること。
2.また、地盤改良工着手前のA護岸工着工は、代執行で承認された設計変更申請書の記載内容に反している。この点からも、ただちに工事に着手しないよう指示すること。もし、着手された場合は、ただちに工事中止を指示すること。
3.A護岸工を地盤改良工事(サンドドレーン工法)に先立って施工する場合は、再度の設計変更申請の手続きを行うよう指示すること。
(以上)