今日は大晦日。浜のテントで恒例の忘年会が予定されているので昼前に辺野古へ行った。
まず瀬嵩に向かい、灯台跡から大浦湾を見わたした。目障りなフロートは残っているが、作業船も海保も全く見えない。いつまでもこの静かな光景が続くといいのだが。
(以下、写真は全て12月31日撮影)
(大晦日。全ての作業が停止され、静まりかえる大浦湾)
海上ボーリング調査、11月末に搬入された大型コンクリートブロック、そしてシュワブの浜で始まった「仮設道路」工事。防衛局は年末までにはもう少しこれらの事業を進めたかったはずだが、全てが途中で頓挫したまま年末になってしまった。辺野古新基地建設事業は大幅に遅れていることは明らかだ。以下、最近の事業の進捗状況についてまとめてみよう。
1.1年以上遅れている海上ボーリング調査
長島近くには海上ボーリング調査のスパッド台船が残されたままになっている。さらに少し離れた場所には深場のボーリング調査用のガイドパイプが海面に残っている。この2ケ所の調査で海上ボーリング調査は全て終了する。
(スパッド台船) (深場の調査用のガイドパイプ)
海上ボーリング調査の契約は昨年5月末に締結されたものだ。その当時は昨年11月30日までの工期だった。それが、カヌー隊の抗議行動等もあって調査は大幅に遅れ、本年3月末、6月末、そして9月末と何度も工期が延期され、ついに来年3月末まで延期されてしまった。海上ボーリング調査は実に1年4ケ月も遅れていることとなる。
2.大型コンクリートブロックも大浦湾に投下できなかった
防衛局は、11月21日、コンクリートブロックを積んだクレーン船を大浦湾に進入させた。このコンクリートブロックは、埋立本体の護岸工事に先立って設置する汚濁防止膜を固定するためのものだ。私が公文書公開請求で入手した防衛局の設計書では今後、最大57トンのコンクリートブロック108ケを含め、合計236ケものコンクリートブロックの投下が予定されている。しかし防衛局はその事実を県にはいっさい説明していなかったのだ。
(11月21日にコンクリートブロックを持ち込んだものの、年末になってもまだ投下できない状態が続いている。)
県も15トン以上のものについては岩礁破砕許可の手続がされていないことを問題とし、防衛局への文書照会を行なった。すると防衛局は、なんと全てのコンクリートブロックを15トン以下に変更すると言い出した。あまりのいい加減な説明変更には呆れるほかない。
防衛局は、結局、11月21日に持ち込んだコンクリートブロックを年末になってもまだ大浦湾に投下できない状態が続いている。もし、我々の指摘がなければ、防衛局は11月中にでもコンクリートブロックを投下していただろう。
3.シュワブ海岸部の「仮設道路」工事も中断したまま
シュワブ海岸部で11月末から始まった「仮設道路」工事についても、私たちの情報提供により県も公有水面埋立法に基づく設計概要変更申請の手続が行われていないことを問題とし、防衛局に文書照会を行なった。また工事箇所は、名護市教委が埋蔵文化財の試掘調査を予定している一帯だが、防衛局は名護市にはいっさい連絡もしないまま工事に着手したことも問題となっている。
(シュワブ海岸部での「仮設道路」工事も中断したままになっている。)
「仮設道路」工事は違法だという声が高まってきたため、防衛局はここ2週間ほど工事を停止せざるを得なくなっている。先端部にはまだ栗石を入れた袋が積まれたままで、工事はまだ完成していないことが分かる。埋立の護岸工施工のための進入路にするために始まった工事だが、途中で中断したままになっているのだ。
以上、説明してきたように防衛局の狙いはほとんど頓挫し、新基地建設事業は大幅に遅れている。
**********
浜のテントで行われた忘年会。嘉陽のおじいたちから豚の丸焼きが差し入れられた。フィリピンでよく食べたレチョンで懐かしい。
(京都の真由美さん、きむきがんさんらも来てくれた。)