チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

辺野古・高江不当弾圧事件(被告、山城博治さん・稲葉博さん)控訴審審理始まる --- 裁判所は憲法学者・高作正博さんを証人採用した!

2018年10月16日 | 沖縄日記・辺野古

 10月16日(火)、山城博治さん、稲葉博さんが被告とされた高江・辺野古不当弾圧事件の控訴審が福岡高裁那覇支部で開催された。一審の那覇地裁は本年3月14日、事件の背景について全く触れず、山城博治さんに対して懲役2年(執行猶予3年)、稲葉博さんに懲役8月(執行猶予2年)の不当判決を出した。

 裁判所前の公園での事前集会には200名ほどの人たちが集まった。

 午後1時半、審理が始まる。最初に、2名の被告の代理人(弁護士さん)が、「地裁判決は、事件の背景である沖縄の歴史や基地問題等に全く触れず、裸の行為だけを取り出したものだ。個々の容疑事実の認定内容も誤っている」と、控訴趣意書の概要を口頭で陳述した。

 その後の訴訟指揮がどうなるか注目された。普通、こうした裁判の控訴審は、最初の公判で結審し、事実調べをせずに審理打ち切りとなることが多い。ところが大久保裁判長は、山城博治さん、稲葉博さんへの被告人質問を認めたのだ。予想外の展開となった。

 さっそく、2人への被告人質問が始まった。

 山城博治さんは、今回の知事選で玉城デニーさんが圧勝したことを受け、「私たちの行為は、県民の民意を代表している。私たちは間違ったことはしていない。私たちの行為が民意そのものだ。国は、今までの事業で、県の再三の行政指導にもかかわらず違法行為を続けてきた。埋立承認が撤回されたにもかかわらず、まだ護岸を撤去しようとはしない。工事用ゲート前のフェンスも設置根拠を無くしている。裁判長や検事らに問いたい。国が違法行為を続けているにもかかわらず、何故、それに抗議する私たちだけが罪に問われるのか?」と、いつもの博治節が続いた。

 稲葉博さんも、「私は長く海外にいて、沖縄のことはほとんど知らなかった。今回、逮捕されて初めて、自分のような本土の無関心層が沖縄を差別してきたと気がついた。沖縄の人たちは、しなやかに粘り強く闘っていく」と述べた。

 被告人質問を終え、これで審理は打ち切りかと思ったが、裁判長はさらに画期的な決定をした。なんと被告側が請求していた憲法学者・高作正博関大教授を証人として採用したのだ。高作教授は、今回、2人が罪に問われた辺野古ゲート前のブロック積み行為を威力業務妨害で処罰することは、表現の自由を保障する憲法21条に違反すると主張されている。那覇地裁の審理でも、被告側から高作教授を証人申請したのだが、一審の柴田裁判長は認めなかった。それが、控訴審で証人採用されたのだ。

 もちろん高作教授が法廷で憲法違反だと証言しても、それが判決に採用される可能性は少ないかもしれない。それこそ「ガス抜き」に終ってしまうかもしれないが、即日の結審を予想していただけに、この裁判長の判断は注目される。

 次回、高作教授の証言は11月13日(火)午後1時半~。そして判決言い渡しは、12月13日(火)となった。

 

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