防衛局が4月26日、地盤改良工事やそれに伴う各護岸工等の設計を行うための「シュワブ(H31)土木基本設計」の委託業務の入札をやっと開始した。県への設計概要変更申請の資料作成業務も含まれている。同時に、これらの工事に伴う環境保全検討業務も同時に入札が始まった。
契約は7月下旬頃、工期はどちらも来年3月末までだ。当初は、年内にも地盤改良工事の設計概要変更申請が出されるのではないかと言われていたが、申請は来年度になるようだ。
辺野古新基地建設事業の工程は大浦湾側の工事の進捗で決まる。いくら辺野古側で工事を進めても、それは全体の工期とは関係がない。設計概要変更申請までこれから1年、申請が出ても県の審査にはかなりの期間が必要となる。知事は変更申請を承認しないから、政府がそれを不服として違法確認訴訟を提訴しても確定までには相当の時間がかかる。
さらに、大浦湾全域で地盤改良工事を行うためには、その前にサンゴ類を移植しなければならない。移植対象となっているサンゴ類は合計7万4千群体にもなる。知事は特別採捕許可を出さないだろうが、それも裁判に訴えてたとえ認められたとしても、これだけの膨大な量の移植にはいったいどのぐらいの期間が必要だろうか?
これらの問題が全てクリアされて、やっと地盤改良工事を始めることができる。その工程は、現時点では海上施工3年8ケ月、陸上施工1年としているが、これは詳細設計で大幅に延長されるだろう。
つまり政府が何回も裁判に訴えて、それがなんとか認められたとしても、地盤改良工事が終了するまでだけでも、これから何年もの年月が必要となるのだ。それからやっとケーソン護岸等の工事が行われ、深い大浦湾への土砂投入が始まるが、これもかなりの期間が必要である。
辺野古にこだわり続ける限り、普天間の返還は果てしなく遅れるのだ。
<下は防衛局のホームページより>