4月28日、広島での辺野古問題講演会を終え、29日、「ピースリンク広島・呉・岩国」の新田さん、田村さん(前岩国市議)らに岩国基地を案内してもらった。
岩国基地は、厚木からの空母艦載機、普天間からの空中給油機が移駐し、今では極東最大の米軍基地となった。滑走路の沖合移設のために、213haもの公有水面埋立が行われ、着工から13年目の2010年に新滑走路の運用が開始された。埋立土量は約1900万㎥、大規模な地盤改良工事が行われた。また、埋立承認取消訴訟(「海の訴訟」)も争われるなど、辺野古新基地建設事業を考える上でも参考となる。
(岩国基地の正門。ここでもイエローラインがひかれている)
(海軍艦載機スーパーホーネットなどが並ぶ)
(市民らは、毎日、米軍機の離発着を監視し、詳細な記録をまとめている。)
岩国基地では、特定外来生物であるセアカゴケグモ、クロゴケグモ、ハイイロゴケグモが見つかっている。そのため、フェンス内側に防除柵とトラップ(右側の丸い筒)が設けられている。米軍機が持ち込んだものと思われるが、嘉手納や普天間など沖縄の米軍基地でも同様の対策の必要はないのだろうか?
(山口県のホームページでは、昨年10月22日からの3ケ月間で、岩国基地内でこれらのゴケグモが36件も見つかっている。)
辺野古新基地建設事業では、山口県からも埋立土砂が搬送されるが、こうした特定外来生物が侵入する恐れが高い。土砂条例の厳密な運用が必要である。
埋立用の土砂1980万㎥は近くの愛宕山102haを削ってベルトコンベアで運ばれた。跡地は住宅団地とされるはずだったが、4分の3の土地は米軍住宅と米軍管理のスポーツ施設とされてしまった。住民らは今も抗議集会を続けている。
(愛宕山の米軍住宅)
下は、広島防衛施設局(当時)の資料。岩国基地の埋立では、海底から20m~30mほどの範囲に軟弱地盤があり、大規模なサンドコンパクションパイル工法、サンドドレーン工法による地盤改良工事が行われた。