チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

辺野古選出の与党議員も「取り下げるべきだ」と指摘 --- 12月16日(水)、名護市議会で辺野古変更申請への市長意見書を審議

2020年12月16日 | 沖縄日記・辺野古

 今日(12月16日・水)も、朝から名護市へ。午前10時から名護市議会での辺野古変更申請に対する市長意見書案の審議を傍聴した。

 今回、渡具知市長が提案した市長意見書案は、辺野古漁港周辺の埋立計画が中止となった埋立地の用途の変更について、「異議はない」というわずか3行にすぎない簡単なものだった。

 今回の防衛局の変更申請書は、埋立地の用途変更と設計概要変更からなる。埋立地の用途変更は、辺野古漁港周辺の埋立を取り止めるというものである。市長は「意見を求められたのは、埋立地の用途変更についてだけなので、今回の意見書になった」と弁明した。

 防衛局が大幅な変更申請をせざるを得なくなったのは、大浦湾に軟弱地盤が見つかり、地盤改良工事が必要になったためである。護岸の安定性や環境への深刻な影響が危惧されている。市長として、市民の生活や環境を守るためにも、その内容を検討すべきだが、今回の意見書案はこれらの設計概要変更の内容については全く触れていないのだ。野党市議団は、これでは市長としての責任を放棄したものだから、いったん撤回して作成しなおすようにと追及した。

 公有水面埋立法第13条は、確かに、変更申請の場合は、告示・縦覧して意見書を聴取したり、地元市町村の意見を聞くのは、埋立地の用途変更の場合とされている。しかし今回は、埋立地の用途変更と設計概要変更が一つの申請書として提出され、別けることも難しいため、県も、両方を合わせて告示・縦覧し、さらに名護市長の意見を求めたのだ。2万通近くの意見書が寄せられたが、そのほとんどは埋立地の用途変更ではなく、設計概要変更に対する意見だったが、県は、これらを全て法に基づく意見書として受け付けている。

 今日の審議の中では、とんでもないことが明かになった。

*県は名護市への諮問にあたって、変更申請書の埋立地の用途変更と設計概要変更の両方の資料(全21頁)を添付した。ところが、名護市は今回の議会提案にあたって、埋立地の用途変更の部分(7頁)だけを添付し、設計概要変更の部分については提出しなかった。そのため、今日の審議は混乱し、名護市は結局、審議中にそれらの資料を追加提出せざるを得なくなった。

*このことでも分かるように、沖縄県は、決して用途変更の部分に限って意見を求めたのではない。県の担当者は「県は用途変更に限って諮問したのではない」と言っているという。今日の審議でも部長は、「県は、意見の内容については名護市で判断されたい」とのことだったと弁明した。

*名護市は、県からこのように説明を受けたにもかかわらず、国土交通省に照会して意見を求めたという。この点についても、「県を飛び越して、何故、国交省に照会したのか」と強い批判が集中した。

 

 野党市議団からこのような批判が出たのは当然だが、驚いたことに、市長与党の宮城安秀議員も次のように発言した。

提出期限はまだ先なので、今回の意見書案はいったん取り下げてはどうか? しっかりしたものにして、理解を求めたほうがよい」

 宮城安秀議員は辺野古選出の市会議員。渡具知市長も取り下げるほかないだろう。

 

 今日の審議は、名護市からの追加資料を検討する必要があるということで、12月21日(月)の議会最終日に再度、審議することとなった。市長は、それまでに取下げを表明すべきである。

 今日も昼休みに市役所前で抗議集会が開かれた。小雨の中だったが、約130名が参加。多くの野党市議らの挨拶の後、私も、市の提案の問題点について説明した。

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