なんとなくクラシテル

獣医という仕事をしている人間の生活の例の一。
ほとんどが(多分)しょーもない話。

運慶

2004年05月18日 | 
作の東大寺南大門「金剛力士像」大修復を「プロジェクトX」で観る。高校生の頃だったか、見たその像は鳩の糞だらけで、はっきり言って「これが国宝?」というみすぼらしさだった記憶しかないのだが。
 そういえば、少なくともこの修理が施されてから、奈良には行ってないな、実にまずいぞ!
 
 で、今回観ながら、少なからず驚いたこと、それは、この金剛力士像のものすごい写実性!!え~!こんなに解剖学的な正確さでもって、人間の体を写し取ってたの?!ちょっと待て、このレベルの解剖図が西洋で発展しだしたのはいつ頃だっけ?
 で、「アルス・メディカ」展のパンフを引っ張り出す。1989に(なんだ、修理中のまさにその時じゃない)東郷青児美術館で行われた、この「美術で見る医療の歴史」展は、実に興味深いものだったのだが。で、最初のページ、筋肉が正確に写されている初期の絵の年代を見て、ひっくり返る。「大ヘラクレス」が1589、「解剖学の天使」が1746???運慶作の金剛力士像は1203作、番組によれば、たった62日間の仕事だったとか。

 この写実性に匹敵している画家・彫刻家といえば、ミケランジェロ&ダ・ヴィンチでしょうけれど。かのシスティーナ礼拝堂の壁画が1508だぞ、運慶達の仕事、300年も早いんじゃない!!!一体全体、運慶という人、どういう眼を持っていたのだろう?
 これはね、驚くべきこと、というより医者としては「驚愕!」の一言。今回の番組で吹っ飛んだのは、この運慶という方、人間の「指紋」だの、力こぶに浮き出す「血管」だのまで彫刻に写し取っているのよ!!信じられない!!!!!!

 あ~すごい人を先祖に持っていたんだなあ~~~。しみじみしちゃうなあ。で、そういうものを地元で割と簡単に見ることができる我々は本当に恵まれている。うーむ、奈良・京都こそ排ガス規制をすべきだ!!そんで、こういう像の素晴らしさを、未来に伝えなくちゃ!!
 とりあえず、暇見て見に行こう。今年の夏にしようかなあ?かつて、2月に奈良を訪れた時は、クソ寒かったが、さすがにだ~れもいなかった。でも、冬はさすがにちょっとツライし。
コメント
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