なんとなくクラシテル

獣医という仕事をしている人間の生活の例の一。
ほとんどが(多分)しょーもない話。

「東京の夏音楽祭」

2006年07月05日 | 
のオープニングコンサートへ。私が敬愛してやまないヴァイオリン弾きのイヴリー・ギトリス翁が、スーパーチェリストのマリオ・ブルネロ&才色兼備のピアニストである小山実稚恵さんとチャイコのピアノトリオを演奏する!なんて!!
 ギトリスさん、学生の頃から大好きなんだ。どんな曲でも「ギトリス節」になっちゃう、というのが嫌だ、嫌いだっつう向きも大いにあると思うけど、あっしみたいに、まんず曲一つろくに弾けない人間からすると、ああいう風になんでも自分の歌のように弾けるというのは、羨ましいなんてもんじゃないのよね。ギトリスさんみたいな演奏家は、もう出てこない、と確信してしまうんだが、ああいう演奏は絶対にコンクールで予選落ちするから。
 で、聴いた感想。ギトリスさんは、確かもう80歳を越えていらっしゃるはず、なのに、音はますます輝いて、艶々している、のに驚きました。でね、今回の圧巻はチャイコの「偉大な芸術家の思い出」だったんだけど。ギトリスさんって、ずうっとソリスト人生を歩んでいらしてる、だから、ソロ以外の曲って室内楽にせよ、オーケストラ曲にせよ、ほぼ演奏経験がないと思うのよ。なのに、チャイコのこの名曲が今まで聴いたことのない、しかし、すごく迫ってくる音楽になっていて。さらい込んだんだろうなー。80のおじいちゃんが。名演だったと思います。それに立ち会えて幸せもんだ、あたしゃ。
 ああ、人間の進歩って限りがないんだな。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする