なんとなくクラシテル

獣医という仕事をしている人間の生活の例の一。
ほとんどが(多分)しょーもない話。

2018年03月14日 | 仕事
の問題行動、と呼ばれているものって、しかし、いったい何なんだろうか?実は、これも色々と揺れ動いているのだ。

 訓練所に持ち込まれてた、ギャンギャン吠えまくって飛び掛かりかねないような暴れ犬、昭和の家の庭先ではかなり普通だった。実家の近く(一応首都圏のベッドタウンだったが)の家で、庭で離されている犬なんか、自分とこの通りを人が通るたびにキチガイみたいに吠えまくる、というのがごく普通で、当時はおっかねえと思ってはいたが、それを「悪犬だ、ダメ犬だ、しつけがなってない」とはそうそう言われてなかったんじゃないかな。まあ、近所では内心うるさいなあと思う人はそこそこいた可能性が高いが。
 そういう犬が、平成ではダメ犬として、訓練所に放り込まれちゃう。

 つまり、「問題行動」なるものは、その時々の人の判断基準のみで作られているわけだ。これは、かなり不公平です。

 動物病院を始めて、いわゆる「問題行動」なるものの相談を受けるようになってきたのはいつ頃だろうか?どうしよう、と言われることも増えてきて、本も読んだし、しつけ講習を受けてみたし、まあ色々やりましたね。本当に考えた。で、気が付いたことがある。

 しつけで困った、と言ってくるのは、ほぼ全員「犬の飼い主」なのだ。「猫の飼い主」は皆無、といっていい。どうなってるんだろうか?猫だって、野良猫みたく懐かない、あちこちで爪を研ぎまくる、おしっこを家中にかけまくる奴、噛みつく奴も、いやもっと獰猛な猫もいる。けど、飼い主はへらへらしている人が多い。「うちの子はこんなだから」で済んじゃう。のに、犬の飼い主は深刻顔になって、下手をするとノイローゼみたいになってしまう。なぜだ

 おそらくは、犬は「しつけしてヨイコにして飼わなくちゃならない」という変な掟が社会に出てきたからじゃないでしょうかね。犬なんて、可愛けりゃいいじゃないかと思うんだが。

 で、さらに分かってきた事。犬の「しつけ」というけれど、飼い主の「困った」ってすごくシンプルなんですよ。結局この4つに集約されるとみていい。



 なあんだ、でしょ。しかも、これって本来、犬ならどんな犬でもやること。これを全面的にやめろというのは「犬やめてください」というのと同じことなのだ。しつけの目的がそれなら、もう、犬を飼わなけりゃいいじゃない、となります。

 最近、犬の飼育頭数が減ってきているのは、この辺をみんなが理解しつつある、という事かも知れない。
 
コメント
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