なんとなくクラシテル

獣医という仕事をしている人間の生活の例の一。
ほとんどが(多分)しょーもない話。

雅楽

2017年11月19日 | 
を聴きにアミーゴへ。雅楽を聴くのは、本当に久しぶり。前回は確か、宮内庁雅楽部の演奏会の抽選に当たって、皇居で聴いたと思う。今回は、民間の雅楽演奏団であるところの「花舞鳥歌風遊月響雅楽団」の演奏と舞。アミーゴはいつもながら、面白い演奏会をするなあと思う。今回はレクチャーコンサートとうことで、楽器や楽譜の解説もしてもらって、楽しかったです。

 ということで、今回は楽器。雅楽の凄さは、1000年以上前の楽器が型も演奏法も、曲までもきっちり残って守られている所。民族楽器でないだけに、とんでもない話だと。そもそも、種々の楽器による合奏編成で曲を演奏する形式は日本の雅楽が世界最古らしい。



 これは琴だが、現代の琴とはもちろん違う。手前が「和琴」。これは、源氏物語で紫の上が弾いた楽器。解説によると、この楽器は一種のリズム楽器で、拍子を打ちつつ、ある音を残したり、等々で弾き手のセンスが出るという。成程、紫の上にこれを持たせた紫式部のたくらみが分かりますね。目立たないようだけれども、ハッとするようなセンスを見せる、感じが。奥は別の種類の琴で、あー紫式部は女三宮の描写が酷かったなあ、と。彼女は内親王という地位にありながら、琴もまともに弾けない、と書かれている。ので、源氏がつきっきりで教えて合奏会に間に合わせたと。



これは琵琶。「陰陽師」に出てきた「玄象」を思い出すわけですが。正倉院御物の琵琶とも同型。これも拍子をとる楽器だが、ゆっくりしたテンポを取りつつ印象が強い、この楽器を明石の御方が担当してましたね。これもまた、彼女にふさわしい、当時の人々は、読んだら即イメージが強くわいたと思う。

 で、その合奏の後、紫の上は倒れちゃう。実に不吉な話なんですけども。

 1000年以上昔の話なのに、楽器を見たり聞いたりして更に理解が深まるのは楽しい、がとんでもないことでもある。
 今期の大河ドラマは、今川一族の話でもあるんです。今川家は桶狭間の戦いで潰れた、という理解だったんだけど、ぜーんぜん違いました。確かに今川家は武家としては潰れたけれど、文化で生き延びた。大昔の楽器が保存されて今まで残ってきた理由の一つに今川家が幕府に宮廷文化をきちんと中継して伝えていた、という事もあるのではないか?従って、延々と潰れずに生き残ったと。そんな事を大河ドラマに教えてもらった、のは多分初めてですがね。

 こういう文化をどう継承するか。特に琵琶は、作り手の職人さんが激減して存亡の危機にあるらしい。こういうの、楽器の製作法等も宮内庁できちんと保存するべきではないかと思うんだけど・・・・・・。

 

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