

東京下町に暮らす主婦・志乃子、50歳。もうすぐ閉店する「かささぎ堂」という近所の喫茶店で、文机と朝鮮の手文庫、そして薄茶茶碗という骨董品を女主人から貰い受ける。その茶碗は、なんと三千万円は下らない貴重な鼠志野だという。一方、志乃子の姉、美乃も長年勤めていた仕事を辞め、海雛という居酒屋の女将になるという。予想もしなかった出会いから、人生の扉が大きく開きはじめる―。


志乃子は一個の鼠志野の茶碗をきっかけに、骨董の世界へ足を踏み出していく。茶碗と同時に貰い受けた手文庫には、小さな手縫いのリュックサックと、敗戦後に命懸けで、北朝鮮から三十八度線を越え帰国した、ある家族の手記が入っていた。残りの人生で何が出来るかを考えた彼女は、その持ち主を探し始める―。ひたむきに生きる人々の、幸福と幸運の連鎖から生まれた、喜びと希望の物語。








残りのページが少なくなって、寂しくなった。
わー、もう終わっちゃうの~・・・
あとがきに、ご自身の周りで、善き人たちのつながりによって生じたとしか思えない幸福や幸運の連鎖が起こっていました。って書いてあった。
なるほど・・・それは志乃子
水のかたちのままに浮遊して、のんびりと笑っている白いナマズの赤ちゃん・・・夫が写真を持っていたわけは・・・
水の流れのまま ではなく 水のかたちのまま・・・
え?また?って繋がっていく。それが善き人ばかりで、なにかしら 良い を連れて来る。
きっかけは近所のお店で、もらった鼠志野の茶碗 この茶碗がすごい物だった。目利きであるんだかないんだか、これ、好き!と思ったら・・・
ちょこっと寄った京都の珈琲のお店のマスターとの出会いが面白かったわ。
運も良いのよね・・・赤ちゃんの頃、小学生の頃、大学の卒業旅行のお話に強運じゃん!
能勢志乃子という人
人間はすぐにうぬぼれる。絶えず嫉妬する。他人の幸福や成功をねたんだり、そねんだりする。自分を周りからいい人だと思われようとする。
それがないのだろう。
だから、ずっと読んでいたいと思ったのだ。
