

ゆるされている。世界と調和している。それがどんなに素晴らしいことか。言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。ピアノの調律に魅せられた一人の青年。彼が調律師として、人として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴った、祝福に満ちた長編小説。








放課後たまたま教室に残っていたから、体育館にやって来たピアノの調律師板鳥に出会った。
外村くんは、森の匂いがした。夜になりかけの、森の入り口・・・って思ったのね。
そっか、この子が調律師になるのね・・・
調律師はただ音を同じに調整するだけかと思っていたら、違うのね。
こんなに奥が深いお仕事だったなんて知らなかった。
「・・・外村君みたいな人が、根気よく、一歩一歩、羊と鋼の森を歩き続けられる人なのかもしれない」
羊と鋼の意味は読み始め少ししてからわかりました。
あたたかくて、やさしくて、静かなお話。
外村君は板鳥さんのような調律師になるのでしょうね。
外村さんにお願いします。って・・・
第154回直木三十五賞候補作品だったのだけれど・・・残念っ!
