

少年の日、西の町で暮らす母と僕のアパートに「てこじい」がふらりと現われた。謎めいた祖父に僕は魅かれてゆく。忘れられない町、忘れられない時。祖父の生涯と死、母の迷いと哀しみを瑞々しく描く。第127回芥川賞候補作。








西日かぁ・・・
母は夜更けに爪を切った。てこじいのうずくまっているそばで・・・
そのくせ僕が同じことをしようとすると「親の死に目にあえなくなるよ」
てこじいは母の父親
邪険に扱ったかと思うと好物を食卓に並べたり・・・
いろいろあったものね。
もうそろそろかな?と読んでいてわかってくるじゃない?
母は以前なら爪を切っていた時刻になると、今度は死神にむかって不屈の意思を示すかのようにシジミ汁をつくった。
てこじいに一滴でも多くすわせなくてはならないのだ。
てこじいの臨終の瞬間が・・・なんかすごく感動した。
