

沢井涼子は一人息子の良平を引き取り、横浜・鶴見に居を構えて八年。離婚した夏、雑居ビルに楽しげに荷物を運び込む青年を見かけ、なぜか話してみたいと思った。それが弁護士・芳川有仁との出会いだった。開設された事務所に採用されて以来、誠実に最善を尽くす芳川のために頑張っている。今日もまた、苦しみを抱えた新たな依頼人が…。
卒業を唄う
もう一度、パスを
川はそこに流れていて
雪よりも淡いはじまり
明日も、またいっしょに
疲れたらここで眠って








芳川有仁が独立したきっかけの事件・・・北門の息子の過労死
十年間この裁判と向き合っている。
自殺は過労が原因だったことを裁判所に認めてもらい、「労災認定を受けることだけ」だが、会社側は・・・
ところがその時の上司が同じ思いをしたことによって・・・
「もう一度、パスを」
ふとしたことでいつもと違う帰り道、そこで巻き込まれた。
さらにさらに・・・
加害者になってしまったけれど、周りの大人たちも仲間たちもみんな見ていてくれたのね。今までまじめにしてきたことを。
あちこちでこういうことが起こっているのだろうね。
いい弁護士さんでよかったです。また一緒にいる沢井涼子の存在がとても大きくて・・・
おめでとうございます。って、まだ早いかっ!
依頼人に寄りそう弁護士と気配りの事務員、二人だけのちいさな弁護士事務所のあたたかいお話
いつ自分たち家族に降りかかってもおかしくない話、そんな時こんな弁護士さんに巡り合えればいいね。
