内容紹介
フランスで生まれたぼくはパパによって育てられた。パリのバスティーユ広場に近い場所に、ぼくらの家はあった。小説家であり、書道家でもあるパパは、ぼくのために毎日、料理を作り、家事をし、学校の送り迎えをしてくれた。
大学生になったときから、ぼくは実家を離れて一人暮らしをするようになり、今はパリの語学学校で教師をしている。70歳を超えたパパは実家で暮らしているが、時おり健忘症の徴候を示すようになっていた。パパは自分で出かけたのち、どこにいるのかが急にわからなくなることがあり、そんな時は電話がかかってくる。ぼくはその度に、パパを探してパリ中を駆けずり回った。
ぼくには、フランス人の父と中国人の母のもとに生まれた恋人がいる。だが、ぼくと彼女の始まりは、普通の恋人たちのそれとは違っていた。そこには、ぼくのパパの物語が深く関わっていた。ぼくはそのドラマと向き合いながら、自らの未来を見据えていく……。
フランスで子育てする著者が描く、家族と愛をめぐる運命的な長編小説。
読書備忘録
ご自身もパリで一人で男の子を育てているって聞いていたから・・・と、まずは思った。
恋人から婚約者になろうとしている二人、母親のいない充路と父親のいないリリーの出会いに、うわぁーそうだったの?
ホントだ・・・ドラマだ!
充路の父親の一過性全健忘症はやっかいだな!と思っていたのに、リリーの中国人の母と出会って書で、漢字で、会話してる様が、とても微笑ましくて、これは結婚は無理じゃない?って思ってのが吹っ飛んだ。なかなかやるなパパは・・・そしてどうやら健忘症は・・・
あらあらイネスがお手伝いさんしています。
よかったよかった。
パパの主治医が・・・
「脳は壮大な宇宙です。人間には手つかずの未知の空間がまだ銀河に負けないほど広がっています」
わからないのよね・・・やっかいです。
みんな素敵!読後感がとてもよかった。
★★★★★