キクザキイチゲに会えなかった日、帰り道を運転しながら考えていた。2年前の記憶を辿って訪ねてきたけれど会えなかった・・・・、去年も何かのついでに来てみたけれど、自分の記憶にあるイメージに一致するような場所は無かった・・・・
あの日のことは日記に記してあって、確かな記憶だと思っていた。でも、どうも怪しいのは自分の記憶・・・・、その記憶を記した日記なんじゃないのか・・・・・。あの日、あの辺りで道に迷ったような記憶も薄っすらと残っている。
あの日に撮影した写真をじっくりと見直してみるしかないな・・・・・、そう思いながら帰った。
翌朝、昨夜に見つけた手がかりを頼りにまた、出かけた。そして、記憶にある道にようやく出会い、記憶に残る場所に車を停め歩いていった。
フキノトウ
そうそう、フキノトウが山ほど出ていたっけ・・・・。
ゆるやかな斜面を下り、川沿いの道を辿る。
やっぱり、ここだ・・・・・。やっと出会えた。ツァイチェンと書こうと思ったが、これは「バイバイ」らしい。
ツァイフィ、再見。再会できたな・・・・・。でも、まだ、蕾だ。
唯一見つけた、開いたキクザキイチゲの花、一輪。
まだ、昼過ぎだ。昼飯を食べて、暫くしてからまた来てみよう・・・・・。