神石高原ホテルを出てから、遠出はやめて周囲を走ってみることにした。今まで、国道を何度も走ったことはあるが、国道から東に入ったことは山野峡へ行った時以外はなかったのだ。
細い道を走って行くとゴルフ場があり、そこを過ぎて進むと道は二つに分れた。もう、ナビに道は表示されていないので、適当に進んで行くのだが、行き止まり。分岐点に戻って更に進むと言った感じ。昔は畑だったのだろうか、今は一面の草原。そんなところを進むと・・・
古い人家が見えた。柿の木に実が沢山成っている。手前にはキウイの棚が見えているのだが、人はもう住んでいないようだ。こんな、過疎の村の廃屋を帝釈でも何度も見てきた。
道は茂った木と蔦のトンネルの中に続いていた。
進むべきか戻るべきか・・・・、戻るとなると大幅に撤退することになる。進むことにした。木々のトンネルを何とか通り過ぎると道は下っていて、何とか車一台は通れる。
左:タムラソウ
右:ムラサキシキブ
更に進むと人家が見えてきた。田圃と里山の風景。里山は自宅の周辺と同じ、コナラが主体となった林に赤松が混じっている。
そろそろ、お腹が空いてきた。何を食べようかと考えて、思いついたのは「蕎麦」。便利な時代になったものだ、スマホで近くの蕎麦屋を検索する。30分ほど走った所にあるらしい・・・・
その店の場所は国道沿いで、今までに何十回と走った辺りなのだが・・・・。ナビに住所を入れ走って行くと、国道から僅かに奥に入った集落の中にあった。
こりゃ、分らんな。
店に入ると満席らしい。入口の椅子に座って待つ。
座ったところから店の中が見えるのだが、これは縁側?住居をそのまま蕎麦屋にしたような店だ。じきに席が空き奥に通された。
よく、蕎麦屋の中では世間とはまったく別のゆっくりとした時間が流れていると感じることがあるのだが、この店でもそうだった。座ってから出されたそば茶を飲み、暫くして注文をした。自分より早く店に入っていた人達も注文した蕎麦が出てくるのを世間話などをしながら楽しそうに待っていた。それから、1時間ほど経ってようやく蕎麦が出てきた。
また、鴨汁蕎麦・・・・。ここは蕎麦を大盛りにしても200円追加だけは良心的。。。
食べた後も蕎麦屋独特の時間の流れは続いていた。母と雑談をしているうちに時間はどんどんと経って行くのだった。
漸く、席を立ち車に戻り、帰路についた。やはり、コナラが綺麗に紅葉していた。
母の家に帰り、少し休憩してから兵庫県の自宅へと走った。
天気は散々だったが、紅葉は楽しめた。でも、晴れていれば、あの紅葉はもっと輝いて見えただろうとも思えるのだ。