クサレダマ
もう何年も前のこと、山野草に詳しい友達にウチの近くにクサレダマの咲く野池があるらしいのだが知らないか?と聞かれたことがあった。
ウチの周りには野池は山ほどあるし、池の周りの湿地で花を探すことをしていなかった頃なので、探しておくよ、とは言ったもののそのままになった。
その後、加東市のため池の植物を調べてまとめた本が存在することを知り、図書館で借りてみたが、確かにクサレダマの記録はあるのだが、
ため池の場所までは書かれていなかった。諦めてはいたのだが、このブログにあげたウエマツソウの記事を見て連絡をくれたY氏から、
何とその池の情報を貰うことが出来たのだった。Y氏は京都の人なのだが、なぜウチの近くのアプローチも困難な野池の情報を持っていたのかは???
教えてもらった場所に車を停めた。
その場所は野池の脇の僅かなスペースなのだが、道が細くてこの場所以外に車を停める場所を探すのは難しい。Y氏は長靴は必要とのことだったので用意した。
道の右側は大きな池なのだが、進む方向は逆。左の林の中に入って行く。踏み跡があるとのことだったけれど、10mも進むと踏み跡は消えた。
薄暗い林の中、野ばらやサルトリイバラに行く手を阻まれたり、溝にハマったりしながら進んで、何とか水辺に出ることができた。
池は増水しているのだろう、林からでると岸辺に僅かな湿地があるだけですぐに水面となる。
サギソウも盛りは過ぎているが咲いているようだ。
サギソウ、ギボウシの仲間、驚いたことにハッチョウトンボも居る・・・・
岸辺の狭い湿地を見て廻ると・・・・
ミズオトギリ
自宅近くにミズオトギリが居るとは思わなかった・・・・。
この時期にクサレダマが咲いているとは思っていなかったけれど、咲き終わりの実(玉)をつけた穂くらいは残っていないかと見回すと・・・・
クサレダマ
本当に・・・・、あった!!
そして、水際にも・・・・
次のシーズンには咲いているときに来なければ。場所を確認できたので戻ることにした。林に入り込むところで・・・・
サギソウの株
日陰の場所でサギソウを見たことがないからなのか、違和感。こんな人が来そうもない場所なのに葉は刈られている?
車に戻る道が分からなくなり、薄暗い林の中をウロウロする。林の中の湿地を避けて斜面を登って行くと前方が明るくなった。
目の前には田圃。その前にはイノシシ除けの柵がある。そして田圃の先には見たことのある家の屋根。知人の家だが、何で??
車を停めた場所とは随分離れた場所に出て来てしまったようだ。田圃の畔を歩いて車道まででて、それから10分ほど歩いて車まで戻った。
道から見えないような場所に知らない大きな池が本当にあったのだろうか、頭が混乱していた。帰り道、近くの、以前に歩いたことのある池の櫃堤に立って、
池の奥を眺めてやっと理解ができた。
今までに来たことのある大きな池への流れ込みで、道からも岸伝いにも近づけない場所に湿地があったのだ。来シーズンにまた、訪れたい場所。