3 一億総「理科離れ」

【意味】かつて技術大国・日本といわれ、またこれからも科学技術創造立国を目指そうとする日本であるが、本当に目指そうとする気があるのだろうかと、筆者は日本の一億総「理科離れ」に警鐘をならす。

【ＷＥＢ検索結果】該当２件　goo：２件　yahoo：２件

【出典】一億総「理科離れ」の深刻（中野不二男：ノンフィクション作家）
～恥ずかしげもなく「科学に弱いんですよ」と言える不思議な国、ニッポン～

【主観的解釈】今時の若い人の「理科離れ」は文部科学省の悩みの種のようだが、「一億総」を付けるほど日本の将来をその延長線上で考えると深刻な状況のようだ。国の富は科学振興によってのみ築かれるという刷り込みからきているのかと考える。
かって、日本は資源小国であるが故に、国策として資源を輸入しそれを加工して輸出する事で発展してきた。しかし、現在の就業者人口構成を見れば、工業よりサービス産業が圧倒的である。
であれば「理科離れ」現象も趨勢にあっている。旧態依然の指標で測るから「理科離れ」が問題に見えるのだ。
むしろ、今後の日本社会の姿を描いて、その萌芽を測る指標により文教政策を策定すべきであろう。優秀な理工系の人間は10％も育成できれば十分だろう。機械や電気器具の修理といっても現実は部品の交換をするばかりだから、それの原理原則をサービスマンが知っている必要も無かろう。
したがって、一億総なんて仰々しい前置詞で警鐘を鳴らすこと自体ナンセンスと思うのだが。
これからの日本は、老人介護、観光ガイド、ビジネス特許等新しいビジネスを発達させ、それで世界に通用させていく政策こそ必要なのではないだろうか。
サッカーやプロ野球が好例である。一方、相撲は国技でありながらハワイ勢そして今やモンゴル勢に席巻されつつある。しかし、憂えることはない、そのように世界的な規模で得意分野で伍していくこと、そのような知力を培う政策こそ大事なのだ。

【類義語】一億総文科系、一億総「理数離れ」、一億総ビジネスマン、一億総サーブス業

【反義語】一億総エンジニア、一億総サイエンティスト

【その他】40年前の科学の知識から見れば現在の知識量は相当のものがあるし、今後も増え続けるだろう。であれば、普通の子供にとって学んでも達成感は得られまい。覚える事ばかりだからだ。嫌いになって当然。少数の本当に理科好きの子供を見出し十分の教育投資を施す事こそ肝要である。それ以外は、理科の１教科を選択させ、科学的な思考法、アプローチ法を学ばせるほうが意味のある教育と言えないだろうか。