気ままに自転車ツーリング♪

70代になり60代からの散歩が中心となりました。50代は健康維持のため何かスポーツをと、消去法でサイクリングでした。

日本人への警告(堺屋太一)

2010-03-01 21:44:54 | 今日読んだ本
日本人への警告(堺屋太一)新潮文庫 昭和63年2月25日発行
原作は昭和57年。

今読んでも主張の古さを感じさせないまさに『警告』の書だ。
あのころ熟読玩味し現今の事態に備えておけば良かったものを、と
思っても遅きに失したか。
2、30年前の本を改めて読み返すと、その本の洞察力の深さが
知れて面白い。

昨日は津波警報で多くの交通機関に影響があった。
津波そのものは大きな被害もなく予測ほどの津波でなかったことを
気象庁が謝罪していたようだが、むしろ、それで良かったと思う。
予測精度を慎重にすればスーパコンピューターだってそれなりの
回答、つまり、大津波もありうるよ、となろう。
まぁ、こういう確実性の伴った自然現象に対してコンピュータでの
予測ではなく、もっと実地に確認することに重きを置けないものかと思う。
要は太平洋上を津波が時速数百キロで日本方面に押し寄せているわけだから
自衛隊機を飛ばして津波の程度を偵察飛行することもできたはず。
政府が危機管理室を設定したと報道されたが、どういう対応をしている、
という情報は皆無であった。ただ、NHKのテレビを見ながら
一方で冬季オリンピックが、と雑談していたのではあるまい、と信じたい。
この自然現象こそ、シミュレーション結果の確かさを迅速に証明できるのに
そういうアクションが見られなかったは残念である。
ある意味たかを括っていた、と思われても仕方あるまい。
国の情報収集能力・機動力を使えば早めに津波の強さを把握でき
適切な、過剰でない警報をだせ、その結果、交通機関も適切な注意走行に
することで利用客への必要以上の不便を強いなくても済んだはずだ。
また、200万からの海岸沿いの住民の避難も必要以上に行わなくても
済んだかも知れない。
無事に済んだとはいえ、課題の残る政府機関の対応であった。
まだ、自然現象に対する知見の蓄積が十分でないということなのだろう。
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