ベック式!難単語暗記法ブログ

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「覚えていない」は本当か?

2008-10-19 | 『ベック式!魔法の暗記術』
勉強を進める上で必要なのは記憶の再生力である。

記憶力を格段に上げる

 例えば、英単語の意味を問われて答えられないとき、皆さんは「忘れた」、あるいは「覚えていない」などと答えるでしょう。そして正解を聞いて、「ああそうだった。そういう意味だったなぁ」と言うでしょう。

 覚えているではないですか。

 「そういう意味だった」と言えるということは、忘れてなどいないのです。それは「思い出せなかった」だけなのです。

 「忘れる」ことと「思い出せない」ことはまったく別物です。このことを認識し(recognize)ないまま学習を進めることは、サッカーの試合に向けて野球のバットを素振りするようなものなのです

 逆に言えば、思い出しやすいように覚えれば、記憶の復元に大きな効果が得られることになるのです。
 
 一般に「記憶力がいい」とか「覚えるのが苦手」などという場合の「記憶力」とは、知識を入力することではなく、記憶の再生力を意味するのです。インプットすることよりもむしろ、アウトプットすることなのです。「覚える」ことは簡単にできても、「思い出す」ことが難しいのです。

3つのRで表される記憶の段階

 記憶には、「記銘(Registration)」、「保持(Retention)」と「想起(Recall)」という3つのRで表される段階があります。
 
 記銘は、ものごとを学習し、覚えること。保持は覚えたものをある時間維持することで、想起は覚えたものを必要に応じて取り出すことです。

              ★記憶の3つの段階★

 「記銘(Registration)」
 インプットすべき情報をタイプして書類にする。

 「保持(Retention)」
 記銘した内容をリハーサルによって、長期記憶に変容し、保存する。

 「想起(Recall)」
 保存されている内容を必要なときに取り出す。

 この3つの段階を、引き出しにしまわれたファイルの中の情報を例に説明すると、情報をタイプして書類にすることが記銘であり、その書類をファイリングしてキャビネットに入れることが保持になります。そして、必要なときにキャビネットの引き出しを開けてファイルから情報を取り出すことが想起にあたるのです。

記憶のファイルに紛れ込んだ情報

 それでは「思い出せない」というのはどういう状態をいうのでしょうか。それは、書類を綴じられたファイルにタイトルをつけずに、同じ種類のファイルの中に紛れ込ませてしまった状態に例えることができるでしょう。

 このような場合、必要な情報を取り出そうにも、その情報が書かれた書類がどのファイルに綴じられたのかわかりません。ファイルを順に開いていって、片っ端から( right and left )調べていかなければしょうがありません。ファイルの数が少ない場合には、そのうち見つけることもできるでしょうが、脳のファイルは無限( inexhaustible )ですから、情報を見つけることはほとんど不可能で、あきらめざるを得ないのです。