次の文章は明治政府の租税政策に関するものである。これらを読み、下の設問(問 1~7)に答えなさい。
明治政府は近代化の政策を進めるうえで財政の安定をもっとも重要な課題とした。
しかし、主要財源である地租は、a旧来の年貢米の徴収方法をうけついでいたから、収入が不安定であった。
そこで政府は、土地制度、租税制度の根本的改革を企てた。
1872 年、地主に( 1 )を交付して、bその土地の所有を法的に確認すると共に、年貢負担の責任者を明らかにした。
ついで 1873 年 7 月、地租改正条例を制定した。
これにより、 1881 年までのあいだにそのための事業を行い、c地価を定めて、その 3%を地租とし、土地所有権者から貨幣でおさめさせることにした。
この地租改正によって、政府は( 2 )にかかわりなく、毎年一定の租税収入を画一的な方法で確保できるようになった。
問 1 文中の空欄(1)(2)に適語(漢字)を入れなさい。
問 2 下線 a の「旧来の年貢米の徴収方法」における課税基準は何か、答えなさい。
問 3 明治政府が確認したのは下線 b の「土地の所有権」であるが、太閤検地で確認したのは何であったか、答えなさい。
問 4 下線 b にいう近代的土地所有権は、太閤検地で認められた農民の土地に対する権利とはその内容を異にしている。その異なる点を、江戸幕府が農民の土地使用に対して課した種々の制約のなかから、3 点挙げなさい。
問 5 下線c にいう地価とは、土地の①売買価格、②課税基準価格、③生産領から算出した地価、④収益から算出した地価、のうちのどれか、答えなさい。
問 6 明治政府により改正された土地制度、租税制度において、地価修正が行われないままに米価が上昇する場合、国家、地主、小作のあいだの小作生産米の実質的配分はどのように変わるか、答えなさい。ただし、小作料は現物納である。
a)国家の取り分は ①増える ②減る ③あまり変化しない
b)地主の取り分は ①増える ②減る ③あまり変化しない
c)小作の取り分は ①増える ②減る ③あまり変化しない
問 7 明治初期の主要財源は地租であったが、わが国の資本主義が発達するにつれて地租の地位は次第に低下する。地租に代わって増大する主要財源となるのは何か、次の①~④のなかから 1 つあげなさい。
① 関税 ② 所得税 ③ 営業税 ④ 酒税をはじめとする間接消費税
解 答
問 1.(1) 地 券 (2) 豊 凶 問 2 . 収穫高 問 3 . 検地帳に登録された 耕作者の耕作権 問 4 . 田畑勝手作りの禁・ 田畑永代売買の禁令・分地制限令
問 5 . ② 問 6.a) 一 ② b ) 一 ① c ) 一 ③ 問 7 . ④