四谷於岩稲荷田宮神社と陽運寺

2016年11月12日 | 東京のお散歩
四谷於岩稲荷田宮神社は、四谷怪談で有名なお岩さんを祀る神社です。

この地は元々幕府御家人田宮家の屋敷地で、稲荷社も屋敷内社でした。
明治の頃に、一度市川左團次が所有していた新川の土地に移座しましたが、
戦後、四谷左門町に戻り、現在では新川と四谷と両方で、祀られています。




細い道を挟んだ反対には、日蓮宗寺院長照山陽運寺があります。
こちらは昭和初期の創建ですが、境内にはお岩ゆかりの井戸などがあり
お岩信仰の由縁の寺として、畏敬を受けています。




四谷三丁目の交差点近くにあるスーパー「丸正」の入口脇には
「お岩水かけ観音」という観音さまが置かれています。

これは、店舗建築時に建立されたものだそうで、お岩さんのご利益にあやかり
現在も多くの来店客に恵まれているようです。




お岩さんの墓は、かつては四谷鮫ヶ橋の妙行寺にありましたが
現在は寺が移転して、西巣鴨にあります。




史実のお岩さんは田宮家の娘で、婿養子の田宮伊右衛門と仲睦まじく
傾きかけた田宮家を奉公に出て支え、稲荷社を勧請したのちに
田宮家の生活が良くなったと言われ、良妻として土地の人々からも敬愛されていたそうです。

このため、お岩さんは四谷怪談上演時の無事故祈願だけでなく
商売繁盛や浮気封じ、縁切り、縁結び、心願成就や芸事上達など
様々なご利益のある近世の女性として、いまでも崇められています。




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