シカゴ1970年発表のセカンドアルバム。
前回の「シカゴの軌跡」LP特集が内外問わず意外なほどに好評を得たので調子にのっての続編です。
今回は6枚を引っ張り出してきましたが、まずはここからバンド名が「CHICAGO」に、そしてカッコイイロゴマーク初お目見えです(コロンビア専属ジャケットデザイナー、ジョン・バーグ、アートはニック・ファシアノによる)。
全23曲からなるトータルアルバム。
全てがメンバー自らのペンによるオリジナル。
ファーストアルバムが2枚組でしたがこれも驚きの2枚組。
よって通常ならば各4面の曲番号を独立させずに1~23の通し番号という凝り様。
デビューアルバムに収録仕切れなかった楽曲もここに収められています。
当時のシカゴの勢いがビシビシと伝わってきますね。
セピア調のポスターも封入されています。
小道具は椅子ひとつ、各メンバーがポーズをとっていますがそこにも個性が反映されているところが面白いですね。
組曲3つ収録。
現在も必ず演奏される7楽章からなる「BALLET FOR A GIRL IN BUCHANNON」(JAMES PANKOW作),クラシック手法を取り入れたひじょうにユニークな4楽章「夜明けのプレリュード~愛の記憶」(TERRY KATH作,PETER MATZオーケストレーション),ストレートに反戦を唱えた過激な4楽章「IT BETTER END SOON/栄光への旅路」(ROBERT LAMM、TERRY KATH、WALTER PARAZAIDER作・・・ただしカーネギー・ホールのライブでは5楽章!)、最後はアナログならでは空間の美30秒をおいてピーター・セテラ初のゴスペル風作品「約束の地へ」で締めくくられます。
オープニングが「僕等は何処へ」、ラストは「僕等は一体ここから何処へ行くのだろうか?」とはお見事。
見開きジャケット内にはシカゴからの熱いメッセージが記されています。
「僕等はこのアルバムを革命に生命を賭ける人々のために僕等自身と、僕等の未来、僕等のエネルギーを託して捧げます。・・・・・そして、如何なる形態の革命に対しても」
写真上段左上は現在も結構な価格の一品「QUADRAPHONIC」
通常のアルバムでは聞けない演奏が飛び出してきます。
特に「長い夜」、ここではしょっぱなからテリーのマシンガン・ギターソロが堪能できますし、「栄光への旅路」その他、随所でレアなサウンドを楽しむことができるのでマニア垂涎の人気盤。
上段右は国内盤の再発物。
帯が緑色、値段も400円アップ。
中段左は国内初回盤。
レーベルは白とオレンジ。
キャップ式帯が懐かしい。
そこに書かれているキャッチ・コピー「シカゴの軌蹟(!?)に続くジャズロック・グループの最新盤」が微笑ましい。
解説は故・福田一郎氏による愛情みなぎる文章で、いやが上にも各曲へ期待に胸膨らみます。
中段右はアメリカ盤の再発物。
何故って中のレコード封入紙袋(インナースリーブ)に「シカゴⅤ」のジャケット広告が載っているからです。
他にもメンバーのフォトや「シカゴⅦ」内に書き込まれていた開拓者のイラストも掲載。
サンタナ、S&G、バディ・マイルス等の記事も。
レーベルカラーは赤。
下段左は国内再々発売品。
レーベル面は青い雲海デザイン。
解説書は一回り小さくなり、しかもオリジナルは2面だったのが一面物に。
解説文章も大幅に割愛されています。
下段左はアメリカ盤ですが紙製インナースリーブにはシカゴ以外のレーベルアーティストがジャンルを超越してずらりと掲載されています。
バーブラ・ストライザンド、トニー・ベネット、BS&T、ザ・バーズ、アンディ・ウィリアムズ、ジョニー・キャッシュ、マイルス・ディビス、ボブ・ディラン、パーシー・フェイス、ジャニス・ジョップリン、タジ・マハール、モビー・グレープ、ローラ・ニーロ、ポール・リベラ&ザ・レイダース、サンタナ、ジョニー・ウィンター・・・・ETC。
レーベル面のカラーは赤ですが「360SOUND STEREO」の表記。