2012年春ジョニー・ウィンター感動のライブ以来これといった大物海外ミュージシャンが札幌を訪れることはほとんどありませんでしたが、ここのところの連日来札決定ニュースは物凄いですね。いったいぜんたいどうしたことなのか・・・?まんべんなく来てくれれば良いのに、極端すぎます。
ジェフ・ベック、ボブ・ディラン(なんとゼップ2ディズ!)、TOTO、ラリー・カールトン&デヴィッドTウォーカー、ビーチ・ボーイズ(主メンバーはブルースとマイクのみ)。
ビーチ・ボーイズ以外は見たことのあるミュージシャンばかりですが、もちろんセレクトして行きますよ!
TOTOの来札は3度目ですが、残念なことに2代目ボーカリストのファーギー・フレデリクソンが1月18日、癌により他界しました。
享年62歳。
1年半前に、なんともぜいたくな4大ボーカリストの競演によるプロジェクトで来日公演も行ったばかりのこと。
その時の顔ぶれはファーギーをはじめ、元シカゴのビル・チャンプリン、元TOTOのボビー・キンボール、元ジャーニーのスティーブ・オージェリー。物凄い豪華でぜいたくなラインナップでしょう。
ファーギーが癌との闘病に苦しんでいる噂は以前から耳にしていましたが、回復復帰後、みごとに蘇って元気に来日公演。しかしその後、ふたたび癌の再発。そして帰らぬ人となりました。
私を含めて大方の人達がファーギーの名と顔を知ったのは、TOTOのアルバム「アイソレーション」からでしょう。
「Ⅳ」の大成功後、ボビーの脱退、そしてカンサスの加入を蹴ってTOTOに合流したファーギーでしたが、結局は1作のみの参加に終わりました(3代目はジョン・ウィリアムスのご子息、ジョセフ・ウィリアムス)。
しかし、ストレンジャー・イン・タウン、ホリ―・アンナなどのヒット曲、プロモーションビデオも話題になり、なんといってもバンド中一番のハンサムでもあるファーギーに対する評価はウナギ登りでした。
私も見に行った武道館での来日公演も大好評。
安定感のあるテクニカルで良質な楽曲群は当然のこととして、更にエキサイティングになったステージ・パフォーマンスは特筆すべき点でしょう。
体操選手としてオリンピックを目指していただけあって引き締まった体を武器に所狭しと動き回りながら熱唱するファーギー。
エンディングではドラムのところにまで昇って会場に背を向けてバック転を披露して着地と共に「ズドン!!」とフィニッシュする見せ場もいくつかありました(1年半前の来日では、さすがにそれはありませんでしたが・・・)
その頃はマイクも元気、ジェフも存命中。ジェフ・ポーカロがエンディングのドラム・フィルを迫力満点に叩きまくって決めた後、お約束のドヤ顔で立ち上がるのと、ペアでファーギーの体操技も見られる至福のひとときでした。
脱退後はソロ活動をマイペースで行っていましたが、写真は私お気に入りの「EQUILBRIUM」
1999年発表の11曲入り。
あの有名な絵画、映画をモチーフとしたジャケット。
音のほうはといいますと、最初はバラードを中心としたAORだと思っていたのですが、完全に予想をひっくり返されてしまいました。
一言でいえばあまり好きな言葉ではないのですが良質な商業ロック・アルバム。
アレンジ、楽曲、メロディー、構成と丁寧に練りこまれた骨太ミュージック。
ジム・ピータリック(アイズ・オブ・マーチ、チェイス、サバイバーなど)臭濃厚のサウンドだなあ・・・と思っていたらやはりジムのクレジットがコンポーザーの欄に発見できました。
TOTOファミリーの参加は当然としてシカゴからもジェイソン・シェフがコーラスで2曲に参加。
驚いたことに6曲目に収録されている「クレイジー」という曲はシカゴのアルバム候補になりつつも没になったものだそうです(スティーブ・キプナー&ボビー・コールドウェル作ということも納得)
他にも超がつくほどのスーパー・セッション面がバックを固めています。
リッキー・フィリップス、ブルース・ゴーディー、ティム・ピアース、ケリー・ハンセン、ジェフ・スコット・ソート、ダニー・レイン、ニール・ショーン他。
楽曲提供者にリチャード・ペイジ、ジェイソンとは縁のあるジョン・リンド等。
その後も、ファーギーは良質なソロ・アルバムを多数製作発表しています。
機会があればぜひ聞いてみてください。
伸びやかで突き抜けるような華麗なるボーカル・メロディ、そしてかっこいい男のロック魂ファーギーに触れられること、確約しますよ。