THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

SATURDAY IN THE PARK(EP)

2014-10-18 23:21:33 | CHICAGO

1972年シカゴ2度目の来日公演はボビーの急病により延期されましたが、6月に無事終了。

そのステージにおいて近々発表されるニュー・アルバムからの新曲が数多く演奏されました。

この「サタデイ・イン・ザ・パーク」(3:58)もその中のひとつ。

とりわけこの曲に対するリアクションが絶大だったことは、後に発表された大阪公演を収録した「ライブ・イン・ジャパン」で確認することができます。

1972年、7月発売ビルドード・ホット100で3位を記録。シカゴ初のミリオンとなりました。ちなみに日本での最高ランクは22位。

ロバート・ラム作。この時代のシカゴは迫力あるブラス・サウンドが炸裂するというのがお約束でしたが、私がラジオで新曲が遂に聞けるというので楽しみにかじりついていたら、なんと軽快なシンコペーション・ピアノ(実はこれ結構クセモノ)によるイントロがはじまり、続くホーン隊も控えめにポップな曲調。ビックリしたものでした。(80年代AORの布石でしょうね)

先述の木彫りロゴ・ジャケット新譜「シカゴⅤ」からのファースト・シングル。

アルバムは初の1枚組ということでも話題に(それが普通ですが)なり見事1位をゲット。

このアルバムをレコーディング中にボビーはニューヨークのセントラル・パークを散歩と洒落込んだそうです。その時の人々達の平和な情景にいたく感動。その事を早速サックス奏者のウォルター・パラザイダーに語ったところ「是非ともそれは曲にするべき!」と提案。

時は1974年7月4日のアメリカ独立記念日でした(歌詞にも歌われています)。

この頃、ボビーは初のソロアルバム製作にも着手。シカゴというよりもお気に入りのキャロル・キング、ニルソン、ランディ・ニューマンなどからの影響が垣間見えます。「サタディ・・・」もそんな当時の音楽シーン最先端の先取りソング。

もちろんビートルズに対するオマージュも多分に含まれています。

そして、それまで以上にコーラス・ワークにも趣向を凝らせています。

1番の歌中に聞かれるイタリア語風歌唱・・・・これは長い間、シカゴ・ファン界隈で物議を醸していたのですがボビー本人いわく「あれはイタリア語風に聞こえるようにアドリブで歌っただけで別に深い意味はない」とのこと。

初期シカゴによるヒット曲中、もっとも多くの人たちからの受けが良い人類愛に満ち溢れた名曲。シカゴ版「イマジン」といったところでしょうか。

もちろん現在でもステージで必ず演奏され皆で合唱するという親しみ安い曲。

1995年「ナイト&ディ」来日公演の際には札幌でも、いきなりオープニングで披露してくれました(これにはたまげました)

カバーに取り上げられる率も「素直になれなくて」には叶わないものの、2位には君臨しているのではないでしょうか。

またCMやBGMなどにもよく使用されています。

シングル盤内の解説には「歌詞にギター・コードを付記」と書かれていますがどこにもその痕跡はなし。

ひとつ前のシングル「ぼくらに微笑みを」のジャケット写真は初来日・武道館のモノを利用していましたが、今回は2度目の来日フォトを採用。

EPのB面はテリー・キャス作「俺達の見た未来(ALMA MATER)」(3:52)。アルバム中一番重厚で渋い作品で最後に収録。曲は後半なって徐々にメンバー達の演奏が加わりブラス隊、コーラスも重なり荘厳なムードの余韻を残して終了。(「グッドバイ」の後10秒の空白後に演奏されます)

以前、洋楽名曲1つを取り上げて紹介するという30分のテレビ番組で「サタディ・イン・ザ・パーク」が取り上げられたことがありました。

ボビー自らセントラル・パークを散策しながらエピソードを懇切丁寧に紹介、スタジオではピアノによる弾き語りも披露するというめちゃくちゃに貴重なもの。

 

コメント
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