ルイス・ジョンソンからブラザース・ジョンソンまでの音源関係をそうとうに網羅しているノブに聞いてみたところ、ルイスのオフィシャル映像ソフトって2本の教則ビデオとジョージ・デュークとのライブくらいしか思い出せないとのこと・・・。
ゲスト・プレイヤーとして出演したプロモーション・ビデオなら確認した事あるよ。
で、彼の膨大なるセッションのことを探って超大物ミュージシャンあたりで蘇ってきたのが写真のもの(本業のレコーディング音源群は半端じゃあないくらいの量です)。
ついこの間の来日公演の熱狂も記憶に新しいポール・マッカートニーが、あの忌まわしい大事件で留置場にいる時に考えついたというストーリーをもとに製作された映画「ヤア!ブロード・ストリート」。
内容はしごく単純なのですが、とにかく出演者&プレイヤーが物凄い。
ジョージ・マーティンを筆頭にディブ・エドモンズ、クリス・スペディング、ジョン・ポール・ジョーンズ、エリック・スチュアート、デヴイッド・ギルモア、トレイシー・ウルマンetc・・・・・。
ストーリーがわかりやすい分、その超豪華な顔ぶれを思い切り注視して楽しめますよ。
もちろん主人公ポールの演技やビートルズ、ウィングス、ソロなどの曲もニューアレンジで堪能できるし、新曲も素晴らしい。
さて、ルイス・ジョンソンの貴重なシーンですが、幻想的なセットにたたずむバンドメンバー達の一員としての出演。ここでの面子がまた貴重ですよ。ポールと愛妻リンダ、TOTOからはルカサーとジェフ・ポーカル、4人のブラスセクション、右後方にルイス・ジョンソンの総勢9人。さらにダンサーが1人。
彼らは全員が衣装はもとよりメイクも白塗りで全身真っ白。このような特殊メイクを施したのは皆初めてだったそうで、TOTOもルイスも仲間が見てもわからないほどだったとか(上段フォトブック見開きページ右サイド眼鏡姿の男性がルイス)。
曲はウィングスのヒット曲「心のラブソング(スピード・オブ・サウンド)」
ルイスの教則ビデオ2で本人がこの曲についてのエピソードを語っています。
「スタジオでTOTOのメンバーとプレイしているとポールが入ってきたんだ。僕は何もいわずにニヤニヤしながらベースであのリフを弾いたんだよ(と、ここでシリー・ラブ・ソングの有名なイントロをファンク調にプレイ)。するとポールが、おいおい、ちょっと待ってよ。それは僕の曲だ!いいねえ、それでいこうよ!!と言ってくれてレコーディングしたんだよ。」なんとも微笑ましいことですね。
この曲は当時、ポールの多くの曲が一部のマスコミ連中に安っぽいラブ・ポップロック・サウンドと揶揄されていたことに対するアンサーソング。
映画では一流ミュージシャン達によって、更なる高度な息吹を吹き込まれて蘇りました。なんといっても肝はポールならではのキャッチーでのりの良いベースライン。それをルイスは独自の解釈でプレイ。後半では不敵な余裕の笑みを浮かべつつもサンダー・サム炸裂のソロも披露(使用ベースはYAMAHA)。
ルカサー、ポーカロも主張していて負けてはいませんが、ここでの軍配はルイスに上がるでしょうね。
映画は109分。
ポールは、この頃、パンクロックの元祖「セックス・ピストルズ」の録音テープが盗難にあったというニュースをヒントに物語を構成。
私は1984年ロードショー公開時に新宿の映画館で拝見しました(チケット半券も写真中央に写っています)
パンフレット、フォトブック、レーザーディスク、LP、CD、12インチも購入しちゃいました。
贅沢なPVロック・ムービーとして屁理屈抜きにリラックスしながら観ちゃってくださいな。しかしリンゴは愛妻でもあるボンドガール、バーバラ・バックとまた共演しながらも風格溢れる名演奏&演技はさすがです。