THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

VOL,153 (PART,2)マリンフェスタIN小樽ベイサイドライブ9

2018-07-19 18:21:34 | Live Set List

~~ライブ・レポートの続編です!!~~

8、13:45~14:10

EGOISM-WRAPPIN’(ジャズロック)

札幌から3年連続3回目の出演。

早くもマリンフェスは、佳境に差し掛かってきた!

そういう意味でも、うってつけの味わい深いバンドが参上です!

バンド名からもわかるとおり、エゴ・ラッピンのカヴァーバンドです。

といってもそんじょそこいらにいるバンド達とは比べ物にならないほど、本家に負けないくらいの勢いでかっ飛ばしてくれること、絶対にお約束しますよ!

本来エゴ・ラッピン同様に6人編成なのですが、今回はトロンボーンのSTAタクがスケジュールの都合がつがず。でもなんと去年からトランペットのクニが合流して、そしてなんとキーボードが新たに加わっての7人編成で更なるグレードアップでライブに望みます。

といっても、どの顔も見慣れた連中ばかり。

まずは管楽器のお二方は、STAからジュン(AS&SS)&クニ(TP)。

職人ドラマーのマルさん、AXIAの超絶技巧ギタリスト・クルさん(桃ちゃんカラーのAXIA。とここでこの伝説のギターについてクルさん直伝のうんちくを一節。クルさんが崇拝してやまない日本が世界に誇るフュージョンバンドの頂点ともいえるカシオペアを率いるギタリスト、野呂一生氏。彼はヤマハのコンテストで貰ったSG2000をずっと愛用していたのですが、その後オリジナル・モデルが誕生!1992年IN-1の前にシグネイチャー・モデルとして製作し薄紫色にするつもりが下地の木材色と混じりピンクに!それがこの名前の由来であります!で晴れて翌年ヤマハよりIN-1という青いシグネイチャーモデルが商品化されました。桃ちゃんギターは正式モデルではないため、驚いたことに全国でこのギターを所有しているのはクルさんただ1人なのだよ!凄い!唯一の違いはトラスロッドの位置が本家はヘッドに。クルさんはボディジョイント部にあります。もちろんヘッドロゴには燦然と輝くAXIAの文字が!PU配列はHSH。白のシングルはディマジオ製。コントロールノブの並びもマニア泣かせ。昨年クルさんは一度色を剥がして浅めだったピンクの前にイエローを塗りより深みを演出したそうです。ちなみに現在はIN-DXを野呂氏は使用しているのですが、クルさんも同じものを製作中とのことです。そしてエフェクターはYAMAHA DG-1000プロトタイプからLINE6PODラック型を経て、今回から野呂氏同様にHELIXを使用しているとのこと。)、ナイスガイのギタリスト・テッチャンはなんとベース!(元々彼はベーシストでもあるのですよ。フェンダーUSA62ビンテージ・ジャズベース3トーンサンバースト使用。だけどもネックはノーブランドのモノにチェンジ。これがまた奥行きのある重低音を醸しだしていて説得力満点。ROSE指板)、そしてKBは元40高中のアキちゃん!。

そして艶やかにあらわれたのが我等がスバル姫です。

彼女のセクシーなるパフォーマンスももちろん楽しみですが、毎回のカラフルなる衣装も要注目!

今回は妖艶なる黒ドレスとストールを身にまとって颯爽とステージへ。ファッションリーダーとしての面目躍如。

左サイドの髪を刈り上げ豊満なる胸元も露に。黒のハットとピンヒールもポイント高し。一昨年は着物姿が艶やかで男性陣の目を釘付けにしたものですが、今年はガラッと趣向を変えているものの結局は大サービスで

「ご馳走さま!」です(笑)。

お色気タップリなオーラを発散していて、一瞬で皆を虜にしてしまいましたよ。さすがです。ジッと見とれている男性もちらほら。

創作アーティストの肩書きを持つ彼女らしく、凝った衣装とステージングで観客を魅了していました。

このバンドは札幌のバンドにも関わらず、小樽ライブにとても縁があります。

 「BIG NOISE FROM WINNETKA~黒アリのマーチングバンド」で幕開け。

1930年代に一世を風靡したスィング・ミュージックの空気感を、クニによるマイルス・ディヴィスばりのミュートトランペットに追随する形でジュン渾身のソプラノ・サックス・コンビネーションで巧みに演出。昭和初期のレトロサウンドをフレッシュに再現。イントロのトランペットによる旋律に戦慄!

ね!やはりこやつら只者ではないでしょう。幾重にもひねりの効いた芸術品を鑑賞しているようなもの。

エゴラッピンはご存知のとおり複雑な曲展開で有名な最強を誇るライブバンドです。それらの楽曲陣を涼しい顔してノリノリにこなしていくこのバンド。それらを一手に束ねて歌いこなすスバルちゃんもたいしたもの。

毎年のことではありますが、後方ではヨット上でくつろぐおじさんも、生の音楽を堪能しています。

テッチャンの的確なるフィンガー・ピッキング(ジャズベースは敬愛するジャコ・パストリアスとジョン・ポール・ジョーンズにちなんでいます)がリムショットのマルさんによって叩き出されるビートに溶け込んでうねっていますね。

 「皆さん、ありがとうございます!こんにちは。私達エゴイズム・ラッピンと申します!小樽のためにオメカシしました!次の曲は・・・・サイコアナルシス!」

ベースをフィンガーピッキングで弾く姿がよく映えるテッチャンはハートキーアンプから極上のグルーブを再現(より雰囲気を再現するためにブリッジ手前にピンクのスポンジを挟み込んでミュート効果を出すという頭脳派)。

クルさんはマーシャルアンプに連結したAXIAギターで緻密なフレーズを醸しだす。

クニのトランペットがまたもや吠える!この時、不覚にもジュンは「やばい・・・まだSTAのステージがあるんだ!VOも・・・」と脳裏をよぎったのだとか。屋根のテント骨組み手すりに手をかけて最後の歌詞を歌い終えたスバルちゃん。

「皆さん、一緒に歌ってください!色彩のブルース !!」

クニはテントのヒサシに吊り下げたウィンドウチャイムを奏でる。(うまい場所を見つけたものだ)

スバルちゃんはマルさんの渋いワイヤーブラシにのって渾身の思いを込め体をくねらせつつの歌唱。そして甘く囁き、時には切なく訴えかけてくる・・・。

クニのクラベス熟練の技。スバル嬢も鈴を揺らして音のアートに参画。ベースソロでラインを描くテッチャンはじめ、メンバー全員が一つの目標めがけて心底楽しんでいる様子。

益々入り組んだ曲構成に通常の人ならば舌を巻くのでしょうが、ひたすら巧みにこの5人組は聞かせる、見せるを信条に貫いています。

ニューフェイスのアキチャンの鍵盤ソロも軽快に冴え渡る。

ちょっと風でスコアがめくれ上がって弾きにくそうだけど・・・・。

クルさん太鼓判の鉄壁リズム・セクション。テッチャンも潮風でスコアが何度もはためき、はた迷惑な表情(笑)。

「GO ACTION」

まるでこいつはキング・クリムゾンだあ!変態チックな(失礼!)開巻から一気に引き込まれます。

ブレイクの連発。凡人には到底太刀打ち不可能なるチャレンジ精神に拍手。天晴れだ。

けっこうプログレッシブで一気に駆け抜けていくのですが皆さん、冴え渡っていますね。

これって想像以上に難攻不落の曲でしょう。

バッチリ伝家の宝刀ともいえる秘密兵器も繰り出してきた。

ジャジーなテンポでアダルトな個性派集団でもあるエゴ・ラッピンの音楽性に柔軟に対応している腕前は快感。素晴らしい。絶賛に値します。

連日多種多様なるジャンルにまたがってミュージック・ライフを満喫しているメンバー達ですから、それも頷けますがね。

気だるき退廃的ムード漂うステージングに拍手喝采。

無意識に反応して、全身でリズムをとっている人もいます。

マルさんはパール(シルバー・カラー)のドラムセットを1タム仕様に組みかえてスティックをさばいています。

クルさんの決して妥協をしない完璧なる音つくりの秘密は、足元にそっと忍ばせているマルチ・エフェクターを駆使しての技あり攻撃。これ絶対に企業秘密です(楽屋でもしきりに自分の音はどのように出ていたのか、他のバンドマン達に尋ねていましたよ。研究熱心だよね。もちろんパーフェクトでありまする)。

「NEON SIGN STOMP」

気合の入ったコアなセットリスト。なんせ久し振りのライブだから内容一新。

思い切りタメの効いたドラム・フィルから、やや抑え気味で退廃的にアンニュイな怪しきムードを醸し出すスバル嬢が熱く咽び泣く・・・・。

手にしたミニメガフォンでノイジーにスクリームする姿も効果覿面。

エンディングではサイレンの効果音いう凝り様。

お祭りソング「くちばしにチェリー」の頃には、かなり日差しも強烈になってきましたよ!

「最後の曲です。一緒に踊ってください!」

心晴れ晴れでウキウキしてきた。

エゴイズム・ラッピンがモヤモヤしていた雨雲をぶっ飛ばしてくれたんだよ!!

そのメンバー達は汗まみれの大熱演。

感情移入したスバル嬢は観客を指差しつつ、しゃがみこんで渾身のパフォーマンス。

トランペット・ソロからバトンタッチした、クールでポーカーフェイスの知性派ギタリスト・クルさんが紡ぎだすシャープなフレーズの1音1音は説得力に満ち満ちています。

しかし、難解極まりなく込み入った曲の場面構成はいつ聞いてもスリリングでエネルギッシュかつ勉強になります。

音に引き寄せられるように観客が続々とステージ周囲に、集まり出してきました。

全曲がエゴラッピンからのレパートリーなのですが、なかなかに一筋縄ではいかないひねりの効いた今日この頃のエゴイズムであります。

生真面目な策士スバル嬢の新生面を垣間見せられたよう。

コダワリの昭和歌謡テイスト満載の上に、海風が爽やかで気持ちいい。

「エゴイズム・ラッピンでした!ありがとうございました!!

まだまだ素晴らしいバンドが出演しますので皆さん楽しんでいってください!」

もっともっと見ていたいバンドの一つでしたね。

その後もずっと頭の中で曲が鳴り響いていますもん。

先ほどまでの空模様とは打って変わって青空が広がってきた!

冷たいビールやおつまみもはかどるね。

ここで演奏を終えたバンドのほとんどはゆっくりする暇もなく、速やかに後片付けを済ませて次のライブ会場「浅草橋オールディズ・ナイト」へひとっ飛び。

9、14:10~14:20

5分間の潮まつり「小樽潮太鼓」保存会の皆さんによる太鼓演奏。

バンドによるエレクトリック・サウンドがずっと続いていたので、ここで急遽飛び入り参加です。

毎年、タヒチアン・ダンスのコーナーがあったのですが、今回から新趣向。

太鼓はステージではなく会場建物の出入り口に設置されました。

景気付けにはもってこいですね。鉢巻に白足袋と法被姿の老若男女保存会の皆さんがバチを手に轟かせる太鼓の響きに圧倒されました。

「ドドドドド~~ン!!」

和のテイストによる音楽は我々の誇り。

日本人に生まれて良かった。

第4期ディープ・パープル来日時、レセプションにてイアン・ペイスも鉢巻締めて和太鼓叩いていたフォトを思い出しました(笑)。

このあとに我等がTHE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY(S・T・A)が登場なのですが、それは後回しにしてマサの仲間でもあるバンド2つのレポートを。

11、14:55~15:20

THE MATY(メイテイと読みます。私はどうしてもマッティと読んじゃう。ナマちゃんも苦笑い。ジャンルは洋楽ロック)旭川からの初出演にしてトリ前。

このバンド名はメンバー達の頭文字なんだけど、もうすでにアルファベットが当てはまらなくなっちゃったそうです(笑)。

STAは自身のライブ終了後、次の会場に移動したので彼らのフォトも浅草橋ヴァージョンを掲載させていただきます。ご理解のほどを。

ドラムはお懐かしやのナマちゃん!去年は旭川のバンドが大挙しての出演でナマちゃん掛け持ち3連発だったんだけど今回は珍しくこのバンドのみ!

ナマちゃんを中心とした顔ぶれを見渡してみたら驚いたことに、知人だらけではないかあ!!

旭川のアイドル「かなえちゃん」を要していた「かなえと家来達」、略して「かなけら」の男性バック陣がズラリと揃い踏み。

本人たち曰く女性ボーカル以外が「かなけら組」だよ!とのこと。

4人組の布陣は・・・・その女性シンガーをフューチャーして、スティックをクルクルと回しながら余裕のナマちゃんがドラマー。

ベーシストはマサの盟友ツトムくん。黒のスペクター5弦を使用。去年は雨に濡らしたくないからという理由で(STAのコニタンも同様のことを述べていました。他のミュージシャンにも同じ気持ちの人が多かったんじゃあないかなあ)黒のプレシジョン・ベース(メイプル指板)を持参してきたのですが、今回はこの悪天候でも愛器を使用。PUはもちろんEMGの2ハム・バージョン。EU製作のものでネックがすこぶる細めで弾きやすいのだそうだ!いつも必ずマサとスペクター談義に花咲くのだ。

で、ツトムくんはイメージチェンジを図ったのか、楽器に限らず帽子、サングラス、Tシャツ、ジーンズ、リストバンドに至るまで真っ黒に統一。しかも長髪に髭を蓄えているではないか。とても良くお似合いのロッカー一丁あがりだ。

ギタリストAKKIはロンゲにサングラスといういでたちで、チェリーレッドのギブソン335を携えています。

そうそう、この連中を眺めていると旭川の「ビークルス」もダブって見えてきますね。彼等もボチボチと動き始めたようで何よりです。

ナマちゃんいわく、「カナけら」は解散、「アパッチ」は活動停止なんだそうですよ・・・・。

「伝説の人バディ・ホリーのナンバーでザッツル・ビー・ザ・ディ!」

ステージ上の足元には雨を心配してなのか、傘が2本そっと置かれています。

ボーカル嬢はカウベルには金色のテーピング、マイク・スタンドにはキラキラ輝くビーズがビッシリと貼り付けられていて見栄えも豪華さもピカイチ。

女性ならではの配慮と、お洒落心が随所に顔を覗かせています。

335ギターのアッキによるギター・ソロが、クラシック・ロックにおけるアヴァンギャルドな一面を表現しています。

バッキングとの絡みも絶好調。

終盤ではナマちゃんがスティックからマレットに持ち替えて、ドラマティックに臨場感を演出。

「皆さん、こんにちは!旭川からやってきましたTHE MATYです!よろしくお願いします!!2曲目はリンダ・ロンシュタッドでイッツ・ソー・イージーです」

女性シンガーの好感度も絶大。

タンバリンを片手にハツラツとして歌うのですが、また新たなる歌姫を発見だ!

男顔負けなパワフル・ボイスを発揮。エンディングでは華麗なるアカペラで締めくくり。

いいバンドだね~と呟いてしまった。

かなえちゃんの時は「スーパーフライ」中心だったけれども、今回のバンドでは70年代洋楽をターゲットに絞っています。これは男女全員の好みを反映してのもの。

「3曲目もリンダ・ロンシュタッドの曲でヒート・ウェイブ!」

ツインギターとしての役割分担もばっちり。このプレイヤー達の演ずる光景をどれだけ見つめてきただろうか。感無量の心地。

マサはこの曲をジャムで知り、それ以来のお気に入りソングです。

ストレートでタイトに突き抜けるビートが最高!

後半はキャロル・キングの至宝「アイ・フィール・ザ・アース・ムーヴ」

もうこうなったら、フラワー・ムーブメント真っ只中にドップリと浸かっちゃいましょう。シュアーの骸骨マイクがこれまたお似合い。

ドラムの前にまで移動しての熱唱。

ここいら辺はじっくりと身をゆだねて聞き入りたいもの。

センスのいいセレクションだねえ。

女性シンガーの個性にバッチリとはまるように考え抜かれていて、理想ともいえるコンビネーションだ。

本来はピアノが肝ともいえる曲なんだけれども全然違和感ないところは彼らのアレンジ能力の高さの照明。

「皆さん、ありがとうございます!最後の曲となります。またリンダ・ロンシュタッドの曲でホエン・ウィル・アイ・ビー・ラヴド!」

タンバリンを力強く打ち鳴らしてソウルフルに喉を振り絞る様は、まるでリンダが乗り移ったかのよう。

全員でのユニゾン・リフが延々と奏でられる鳥肌モノのアンセム。

アッキによる指捌きとワウ・ペダルが、更なる高揚感を煽る。

ナマちゃんが黙々と刻み続けるリズムが燻し銀の存在感。

「旭川のTHE MATYを覚えていてくれたら嬉しいです。THE MATYでした!ありがとうございました!!」

と満面の笑顔を周囲に振り撒いて、手を振りつつステージを後にしました。

 

12,15:30~15:55

 オオトリに控えしは大御所のOVERLAP(洋楽邦楽ポップス)

札幌からの参加で4年連続4回目

常連5人組バンドでロック・ソングをたっぷりと見せつけてくれました。

女性シンガーのクボッチを取り巻く男性バックバンドは・・・・ローランド:ジュピター2段積みキーボードの魔術師ジュリー。

ギタリストは黒のストラトキャスターを使用(ローズ指板)。

べーシストは驚愕の6弦を所持(ゴールドパーツ。シースルーのブルーカラーでローズ指板)。そしてドラマーが加わりガッチリと的確な演奏でまとめあげています。

実はジュリーとSTAマサは、一昨年G-HIPライブにて初共演した仲なので会場内にてお互いがガッチリと握手にてのご挨拶。 

さて、毎回このバンドの目を見張るようなライブ・パフォーマンスはとっても勉強になりますが、今回もご他聞に洩れずパーフェクト。

感嘆の声しきり。

女性シンガーのイメージにピッタリなハートのヒット曲「ALL I WANNA DO IS TO MAKE LOVE TO YOU(アルバム:BRIGADEからのファースト・シングルで全米チャート2位を記録)」で幕開け。

筋金入りの大人の女性が貫禄たっぷりにロックするんだから、こいつはたまったものではありません。

一発目の音で、すでに「オーバーラップ」独壇場。

しかしこの人数での圧倒的破壊力と重量感はどうだろうか。

ゆとりをもって生み出されるウネリともとれるフィーリングは参考にしたいところ。

これでもか!というほどに一世一代の超絶メロウ極めつけ。タフでへヴィーでグラマラス。大人の味わい深いセクシームードに満ち満ちたメロディ。

「ハロー!小樽!!イエイ!今日はやっと晴れましたね。オーバーラップの夏は小樽を中心に回っています。今日も最後まで張り切って盛り上がっていきましょう。皆様、よろしくお願いします!!」

2曲目はジョス・ストーンで「SUPER DUPER LOVE」

フューチャリング・クボッチはスレンダーボディーで長身だからなのか、いつも素足でステージに立ちます。見栄えも抜群。

今回はサングラスまで着用しているんだから、尚更の事、目をひきます(後半では外しちゃったけど・・・)。

歌いこなすのがメチャクチャに難しそうなこの曲を、独自のものに消化して演じきっているところなんかは脱帽モノですなあ。

熱視線込めて、バッチリと決めまくってくれました。

日本人版ジョス・ストーンはクボッチで決定!

しかしこのバンドの音造りは完璧。

バランスやトーンのまとまりがビックリするくらいです。

「どうもありがとうございます!イエー!」と最前列の観客とハイタッチを繰り広げる中、キーボードが力強いビートにのってアップテンポのコードを弾き出した。

3曲目は聞き覚えのあるリズムだ!

興奮した観客がホイッスルをピーピーと吹き鳴らす。

「その笛が欲しい!一緒にいっちゃいましょう!

熱く熱く盛り上がっていきます。ドナ・サマーで・・・・HOT STUFF・・・1・2・3・4!!」

ボーカルには臨場感増幅のために深めなリバーブがかけられていて、オリジナル音源ソックリ。

随所に至るまで事細かな手腕がほどよく音作りに発揮されていて、感心しきり。

ステージの左右を、ファッションモデルのように闊歩する姿も様になっているよ。

「HOLDING OUT FOR A HERO(BONNIE TYLER)」

選ばれる曲がいずれもが、時代に着実な足跡を残している女性歌手のものばかり。

憎いネエ。特にレディ達に大受け。ここは思い切り乱入してきた男性陣を誘惑しちゃいましょう!

ボトムのグルーブも充実していて、燻し銀のごとく光っています。

エフェクター操作で余裕シャクシャク。

このバンドは巧みなキーボード処理で何の違和感もなく緻密に再現しています。

歌のお姉さんが紹介します。「後半に差し掛かってきました!さあ!一緒に歌いましょう~カモン・エブリバディ!1・2・3・4!」5曲目ダメ押しの「真夏の夜の夢(ユーミン)」に突入。

タイトルが示しているとおり、この季節にはうってつけのユーミン・レパートリーの中で最もライブで人気の高い珠玉のナンバー。

オーバーラップ・バージョンは、この編成だとは思えないくらいな音圧で迫ってきましたよ。

このバンドにしては珍しいラテン系でミステリアスな含みもある曲。

もちろんステージ手前では踊りまくっている観客達でごった返しています。

誰もがジッとしていられなくなるようなダンサンブルなアレンジもメロディアスでムード満点。

度々繰り返すフレーズも高度なテクニックなしでは達成するのは不可能。

それらを涼しい顔して演じているんだから敬服しちゃいます。リズム感、スィング感覚が研ぎ澄まされているんでしょう。

ベースとドラムのソロにもやんやの喝采。

会場中が一体となって両手を左右に振る光景は圧巻。撮影隊も合流。

ギター・ソロではここぞとばかりにへヴィー・メタリック。クラッカーが爆発!「パンッ!」

はい!お待たせしました!時間を戻してこれからはSTAのライブ・レポートにまいりましょう!

じっくりと読んでね!

10、14:20~14:45

THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY(S・T・A)

何を今更ではありますが、一応説明しますね。

バンド名からもわかるとおり、札幌からの参加でジャンルはブラスロックバンド。9年連続9回目!つまり第1回から唯一の皆勤賞バンド(メンバーの入れ替わりが激しいのでマサのみ全部参加)。

またまたメンバーの顔ぶれが違います。自慢ではありませんが(!?)一度たりとも同じメンバーでこのステージに立ったことはありません。なんと言っても今回、一番の目玉はコニタンとタカです。

STAの将来を担う若者達ではありますが、実質的にはサウンドのキーマンといってもなんら差し支えはないでしょう。

紆余曲折STAのターニング・ポイント的なライブを共に苦楽味わった仲間です。

これを驚かずにいられようか?!方々から「STAが若返った!」というスクープを嗅ぎ付けて問い合わせがきたほどです。

(タカは会場に着くまで迷子になって、マサに電話連絡が入りましたが!笑)

メンバー全員も相性が良くて、彼らとのライブに全身全霊で燃えていますよ。

もちろん、このメンツでのライブは初!

ドラムスのヤスは「昔とった杵柄」とばかりに、余裕の表情で待機しています。

そしてステージに備え付けられている、シルバー・シェルのパール・ドラムセット・チャレンジャーにいたく感激。

彼が中学生の時、初めて使用したものらしくて懐かしさに思い切り浸っていました。

3枚の写真撮影も行い自らフェイスブックにそのことを伝えていました。

もうその姿はまるで10代のドラム小僧そのもの。微笑ましいね。 

さて、STAのメンバー達はこの日の豪雨を心底不安に感じていたようで、マサに続々と「ライブは本当にやるの?」「大丈夫??」などなど問い合わせ殺到。

でも大丈夫!どんなことがあっても、屋根付きステージにてライブは敢行しますよ!と返信したらば、安心したのか続々とやってきましたよ。

駐車場は冠水していて、足元がずぶ濡れになっちゃったらしいけど・・・・。

晴れバンドの面目躍如!とばかりに、あれだけ土砂降りだった雨もSTAの時間になったらすっかり止んでしまった。

伝説はいまだに健在だね!もうこうなったらライブに全力投球するのみです。

サイトウさんは「STA全員ステージにのれるかな?」と不安げだったけど(今回は全然平気。問題なしです!)。

集まりはじめた大所帯バンドの連中は、各自でウォーミングアップ。

クニは例のディジー・ガレスピー・タイプのトランペット復活!ベルの部分が斜め上部にせり出しているあのタイプね。これ見栄えも派手派手にバッチリで最高!

それを指慣らし、口慣らしのために吹き込んでいます。マサも楽器からワイヤレス類に至るまで準備完了。

バンドとしては湿気も炎天下もなくて、かえってベスト・コンディションを維持できそうなので期待にワクワク。

セットリストは、いつもとはかなり入れ替えがあります。

この日のオーディエンス、対バン、主催者サイドの主旨、空気感などをできうる限り考慮しての組み立て。

BGMが流れる中を、スタッフのイガラシくんとテヅカくんは雨合羽を着こんでミキシングルームとステージを行ったり来たりと走り回りセッティングに汗しています。

1人1人のミュージシャンとも意見調整。時と場合によってはイガラシくんの支持で接続変更もあるのですよ。本当に大変な作業です。ご苦労様!

彼等スタッフの尽力で、バンドマン達は安心してプレイに専念できるわけですからね。

雨はあがっても、まだ遠くのほうで何度も不気味に雷鳴が轟いている・・・・。

だけど、ロックのシチュエーションとしてはムード満点!

最終チェックとしてマサはヤスとカウント入りの確認。

そうそう、北国唯一無二の存在でもあるSTAは活動14年目にして初トロンボーンなしライブです。

そこはそれで逆境に強いバンド。4管編成にてクニがフリューゲルホーンを手に奮戦。他のメンバーらもあの手この手で駆使して出来うる限りのアレンジやアドリブ合戦で対応。

難関を見事に乗り切りました。

2回きりのスタジオ練習も結局は残念ながら全員集結は個人的スケジュールの関係で叶わず・・・。

当日もリハなしのぶっつけ本番。

開き直りの精神状態にて、100%濃厚なるブラス・ロックを叩き付けました!

おっと、ここでちょっと笑い話を!

ステージセッティング中、いきなりコニタンが「なんか焦げ臭い!!それもかなりヤバイくらいの匂い!!」

メンバー全員焦ってチェックする。スイッチを切ったり、匂いの出どこを探ったり・・・。

でも全く原因がわからない。音も普通に出てるし・・・。そうこうしているうちに本番の準備が整った。

結局、それって屋台で売っていたイカ焼きの匂いだったみたいだよ(大爆笑!)。これがまたいいタイミングで焦げ臭くステージ上にほんわかと漂ってきたんだよねえ~~。

ビックリしたけれども、事故ではなくてホッと一安心。

***MEMBER***

MASA・・・B VO CHO

YASU・・・DR

KONITAN・・・G

JUN・・・AS VO CHO

KUNI・・・TP CHO PER FLUEGELHORN

TAKA・・・TS

SHIGE・・・TP MINI・HORN

***SET LIST***

1、INTRODUCTION

2、MAKE ME SMILE (ぼくらに微笑みを)・・・CHICAGO

3、VEHICLE・・・IDES OF MARCH

4、IF YOU LEAVE ME NOW(愛ある別れ)・・・CHICAGO

5、GET IT ON(黒い炎)・・・CHASE

6、25OR6TO4(長い夜)・・・CHICAGO

マサがすかさずヤスに手拍子でテンポのメッセージを送ると、小刻みなハイハットで応える。それに便乗するかたちでコニタンも剃刀のごときミュート・カッティング。

「ハイ!たいへん長らくお待たせしました。いよいよはじまりますよ!大所帯バンドの登場です。そして凄まじき管楽器が鳴り響くバンド。

WE ARE BRASS ROCK BAND!THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY!!1・2・3~!!」

波状攻撃へ、火蓋が切って落とされました。

猪突猛進の狼煙を上げる「イントロダクション」。

さすが、この人数だけに迫力が桁違い。

プレイしている我々でさえ自分たちの音にエキサイトして、アドレナリンの噴出が止まらない。

普段はクールなヤスもスティックを手にスィッチが入ると、ドラム・ビーストに豹変するのです。

その上、4月にマサが東京で観て来たCTAの土産話が相当に感動的だったらしくて、今だに刺激を受けている御様子。如実にドラミングの随所にそのダニー・セラフィン成果が現れていますよ。!

もうどれだけの回数この曲をオープニングでプレイしてきたことでしょうか。メンバー一同愛して愛してやまないじゃじゃ馬のような曲。その中でもこの日ほど迫力一杯の完成度を誇ったことはなかったのでは?!出色の出来と自画自賛。

しかしメンバー全員あの少ないリハ期間で、よくもまあここまで纏め上げたものだ。

各自は多くを語らないけれどね。

モニター・スピーカーに片足乗せて、マサが野獣のごとく吠える。コニタンはアグレッシブなアクションを巻き起こす。

計算されつくしたコニタン独特なるシャープな音色のフェンダーUSAカスタムショップ・ストラトキャスターが、ヤスのタイトかつパワフルなドラミングに絡みつく(このギターは購入したばかりの超がつくほどの高級お宝品。サーモンピンクのボディカラーが鮮やか。ギター・ヘッドを何度も激しいアクションでPAにぶつけたらしいよ。でもエイジド加工ノボロ仕様なのでどこをぶつけたのかがわからないそうです・・・・笑)。

看板ともいえるホーンセクションのリフは、益々厚みを増してきましたね。

舞台両サイドからの弦楽器達による絶え間ない猛追。後方サイドからは、ドラムが遠慮なしにグルーブを構築しながらの進撃展開。

会場をまるごと覆いつくすかのような、ホーン隊による異次元空間模様の高鳴り。なんという高揚感であろうか。

鉄壁を誇るホーン・アンサンブルが嵐のごとく吹き荒れて、全体をリズム・セクションが引き締めるという構図が今回のおおまかなる課題。

さてさてライブの魔物はどこに潜んでいるのかな?・・・・今回は一体全体何を仕掛けてくるのか??

さあ、第一関門の変拍子地獄にガッシリと突入だ。

先月の反省点は見事にクリア。手堅く突破した後に待ち受けていたのは、ブレイクによる一瞬の静寂。切り込み隊長タカによる流麗なるテナーサックス・ソロで場面転換。

 彼は、ほとんどリハなしのぶっつけ本番だから正直な話、不安要素てんこ盛りだったんだけど、それも取り越し苦労だったようです。

大した度胸の持ち主だ。さすがに百戦錬磨の達人だからこそ成しえる技。何事もなかったかのように振舞っていたよ(ヤスによる縁の下の力持ちも忘れてはいけない)。

実はこのソロ・パートはトロンボーンが担当なんだけど、不在なためにクニのフリューゲル・ホーンで演奏する予定だったのです。

ところが最終スタジオ練習の際にタカにもソロを振り分けよう!とマサが提案。クニも快くスコアをタカに手渡したのです。ここからがタカの凄いところ。

なんと自宅に宿題として持ち帰り3つのコードで繰り広げられるソロ・パートを極上のラインで纏め上げてきて披露したのだ!!

能あるタカは爪隠す!とは昔の人はうまいことを言ったモノだ。ねえ、タカ君よ!

そしてマサいわく「STAのバディ・リッチ」と言わしめた手数王から、リム・ショットに切り替えてのヤスが猛然と先導しつつ、お次はシゲの出番。

彼のトランペット・ソロは熟練の極致なので、大船に乗った気分に浸れます。

安定感抜群で、時折ヒステリックなハイノートなどもクールにヒットしてニンマリ。

バッキングによる強弱のサポートも効果覿面で鳥肌が立ちっぱなしだ。。

そして第3の男、コニタンのギターが火を噴いた。

いきなり過激なアーミングとピッキング・ハーモニクスを導入部分に最前列へ一気呵成に飛び出して、益々進化したソロを、これでもかあ!と言うくらいにぶちかます。ただひたすらにエキセントリックでテクニカル。

序盤はテリー・キャスに敬意を表して、ラインを忠実に再現。

へヴィーなサウンドは、これだけにとどまらずフィードバックにより加速。

音数がドンドンと増していき、とどまることを知りません。身をのけぞらせてイナバウアー・アクション。

チョーキングなどを交える際にはギターを激しく揺さぶって身をよじる。あれだけのプレイだけでも引き攣るところなのに、ビジュアル面も大きい。(2月の小樽ライブでは3曲目まで寒くて指がまともに動かなかったらしいです。そんなことは微塵も感じさせなかったけどね・・・・今回も大成功!)

そして遂にテリー・キャスのギター・ソロをほぼ忠実にコピーしちゃったんじゃあないのかい!?ビブラート、グリッサンドに至るまで再現しているよ。

極めつけは第2期JBG時代のコージー・パウエル直伝によるヤスが、力漲る稲妻フィルインで拍手喝采。

サンキュー!

いつもは沈着冷静なるヤスもノリノリな様子で、このヒトトキを満喫している様子。すっかりと脳天ヒューズはスパークしちゃったみたいだ。

エンディングにおけるベルトーンも、キーボードがいないのでコニタンを筆頭に見事な連携で繋がった。

コニタンからホーンセクションへと渡る流れへ。ここで繰り出したコニタン入魂の1音がジミヘンのようにウォームで破壊力があって戦慄が走りました。これぞまさしくロックの原石。いかなるアクロバティックなテクニックをひけらかすよりも、「ギュウイ~ン!」一発でひれ伏させるほどの衝撃と説得力。

マサが右手を天井高く掲げてグルグルと回転。ヤスと呼吸合わせて、フィニッシュ。

ASの女傑ミキティいわく「マサとコニタンは何かにとりつかれているようだった」とのこと。 

「サンキュー!改めましてTHE SAPPOO TRANSIT AUTHIORITYです。皆、楽しんでる!?今の曲は知ってる?」「知ってるよ~」「え!?知ってるの?!素晴らしい!!S・T・Aはどこで演奏しても浮きまくりなんだけど、今日のお客さんたちの反応はとても励みになるよ。大体この手のジャンルに熱狂してくれる人達って昭和30年代の生まれなんだよね(笑)。

こんな感じで派手にお送りしていきたいと思いますので最後まで楽しんでいってください。よろしく!

じゃあ次にお送りするのもシカゴ初期の大ヒット曲なんだけど、実はこれ7楽章からなる組曲なんですよ(ああっ!知ってるよ!)。

でね、時間の関係も考慮しまして今日は第1楽章のみのスペシャル・バージョンでいきたいと思います。

邦題はぼくらに微笑みを・・・・原題は・・・・MAKE ME SMILE!!」

ヤスがスティック打ち鳴らしカウントで「1・2・3・4~!!」

この曲もドテッパラに炸裂する一撃が狂おしいくらいに激しくて、やはりイントロが目まぐるしく、それでいてごり押し感なくスッキリとスマートにまとまっているところがやたらと痺れます。

最近のS・T・Aはけっこう馴染んできたよ。「快感・・・・」

この曲ではリード・ボーカルを初めてジュンに受け渡し、マサとクニはバッキング・ボーカルに専念。

ジュンなかなか堂に入った喉をソウルフルに発揮。

バッキングは疾走感漲った塊のようなブラスロック代名詞。

タンバリンにフリューゲル、コーラスにと、ここでも相変わらず多忙を極めるクニ大奮闘。

エンディングではコニタンによるマシンガン・ピッキング・ギター・ソロ。

クニのウィンドウ・チャイムで、第1楽章は終了。

メドレー部分は入念にスタジオで打ち合わせたとおり、コニタンの流麗なるコードとヤスによるデリケートなトップ・シンバルのカップ部分による装飾音で彩を添える。

間髪入れずに「ネクスト・ナンバー・・・・アイズ・オブ・マーチ・・・・・ヴィークル!」

観客も両手をあげ、全身全霊を込めて大歓迎のジェスチャーを掲示。

文句のつけようもないくらいに、ヒップなアタック感が刺激的。

ジュンはアルトサックスとボーカルの二刀流。

エモーショナルなボーカルが優雅で圧巻。

トレードマークの腰振り歌唱スタイルも健在。

今回のライブはトップとラストはマサ、それ以外は全てジュンにボーカルを託すというシステム。

ホーン隊は体を仰け反らせて、渾身の吹き込み。

マサは大股開きのままで、ネックをグルグルとひねり回してのピッキングで狂喜乱舞。

後ろを振り返ったり、クルクルと回転。

一時たりともジッとしていません。ロックバンドのライブはやっぱりこうでなきゃあね。

それだけにとどまらず、ドラムセットにまで駆け寄って右足をバスドラムに乗せて煽りを入れてシンバルを蹴りまくる。

時折ヤスとマサが向き合っての、火花散るプレイも微笑ましい。

時代を反映してか、サイケデリック臭を狙ったコニタンのギター・ソロは確実に的を得ているね。

マサとコニタンがミュートピッキングと、跳ねる音でテンションを高めます。

コニタンはこの手の曲でも、的確なるコードワークで盛りたてる。

アヴァンギャルドなギター・リックも一際異彩を放つ。コニタンは独自の解釈論を発揮。

決めのブレイクタッチ・フレーズでは、メンバーと観客達が何度も拳を突き上げる。(マサは左足でキック)

観客の中にはプレイ・スタイルを真似ている猛者も出現。

エンディングにおける目一杯にタメをきかせて喉を振るわせるジュンの絶叫に、観客達が痺れまくっています。

「うちのバンド唯一のバラード・ナンバーです。セクシー部門担当のジュンがみたび心を込めて歌います。シカゴ珠玉の金字塔・・・イフ・ユー・リーブ・ミー・ナウ!」

この曲はオリジナルとは違うキーでSTAはプレイしていることを、コニタンへ最初のスタジオ練習に入るまでマサが伝え忘れていたという曰くつきのモノ・・・・。

でも彼は即座に曲の本質を理解してくれて(相当に大変だったと思うよ)、本番では美しい仕事を果たしてくれました。

キーボードによる壮大なオーケストレーション・パートがストーリー映像を描きあげるのですが、現在の編成上、歌詞から練り上げた構想をコニタンは、それまでの彼とは一線を画する極力抑え気味のメリハリあるプレイに没頭して演出。足元に設置してあるエフェクターのスイッチを踏み込んでディレイ効果を加えた控え目なるナチュラルトーンのソロも、マサのアドヴァイスで1オクターブ上げて、より曲の魅力を引き出すことに大貢献。

ジュンはマイクを手に、甘美なまでにとろけるボーカル。

「ジュンちゃ~ん!」と声援が飛ぶ。

マサとクニによる繊細なるコーラスもいい味を出している。そしてヤスのワイヤー・ブラシ&リムショットが目立たないながらも最高の隠し味。

もちろん、体を軽く揺らしながらのホーンセクション(シゲのミニ・ホルンを筆頭に)の響きが咽び泣いている。

タカのテナーサックスもドラマティックな色合いでムード倍増。

それぞれのメンバー達が持ち味をフル稼働。

「残り2曲はメジャーなところを選んでお届けしていきます。

次の曲はブラスロック界における重要なるターニング・ポイントと言われています。

シカゴ、アイズ・オブ・マーチときたからには、このバンドをやらないわけにはいきません。

本来ならばトラペット4本の曲なんだけど、俺たちはアレンジしてプレイしてみます。

先のエゴイズム・ラッピンでも活躍していたクニはフリューゲルホーンから(その時、クニは高々と誇らしげに楽器を掲げる)、この曲のみシゲちゃんとツイン・トランペットになります。

邦題は・・・黒い炎。

ジュンちゃんが情熱込めて歌います・・・・燃え上がってください(と、ここでジュンちゃんの方を指指すと大きく手を振り返す)。

皆、聞いてね!・・・チェイスで・・・・ゲット・イット・オン!!」

ヤスが、待ってました!とばかりにスティック・カウントで・・・1・2・3・4(マサも)1・2・3~!

アグレッシブに「黒い炎」が帰ってきた。

歌詞の内容は卑猥そのものだけど、火傷しそうなくらいのヴォイス攻め。

このようなやさぐれたボーカル・スタイルのジュンちゃんを聞けるのも激レア。ハードロックも歌いこなせる器用なシンガーには脱帽だ。さりげない仕草が板についてるね。

会場内では大きく手をあげて手拍子を打っている人々の姿が見えてきてハッピーですよ。

ホーンセクションの3人も、吹き出す直前まで観客に向けて手拍子の要求。

コニタンはアドリブをこなしながらも、嬉しそうにピョンピョン飛び跳ねプレイ。シゲも常に半身のポーズにてコニタンとアグレッシブに暴れまくりながらのプレイが鮮烈だ。

ホイッスルが絶え間なく鳴り響いてきて、益々の活況を呈しています。

マサは調子にのりすぎて足元に設置されていたドリンクをスキップの途中でステージで倒してしまいました。

「ウオー!」とアイドルタレントに対する声援にも似た図太い声が沸き起こる。

タイバンの連中もマサの正面にやってきて、煽りをかましてきますよ。

レッドカーペットがメラメラと炎のごとく炎上しているようだ(黒い炎だけどね・・・・)。

ヒステリックなホーンセクションは、バック陣も腰を抜かすほどの威力を確立。

特にシゲ&クニの乾いた金属音ハイノートは特筆モノ。

メイナードファーガソンか、はたまた本家ビルチェイスを彷彿とさせる超絶悶絶なるトランペットソロ。。

ジャズのエッセンスをたぶんに含んだ超絶技巧ワウワウ・ペダルのバッキングもドライブしていて光っている。

後半、転調後のダメ押しに至っては、レッドゾーン振り切れギリギリ。

普段はポーカーフェイスな佇まいのシゲもビシバシと要所要所でしのぎを削るかのよう。

ホーンが競い合ってピッチを上げるところなんか、ぶっ倒れるんじゃないか?と、心配になってしまうほど。

スタミナ消耗率が激しい・・・・燃費が極端に悪い曲ばかりだもんね。

でもクニやタカちゃんも一種独特なるSTAワールドにエクスタシーを感じているはず。

それだけにやりがいがあり、一度味をしめたら脱出不可能なジャンルであります。

決めのエンディングでは更なる進化を遂げたヤスが、目一杯にタメをきかせて美味しいトコ独り占め。

マサとのリズムコンビネーションも阿吽の呼吸でピッタリさ。

ブラス隊含めて全員が残響音を轟かせる中、息も絶え絶えな暴れん坊。

燃え盛る炎で焼き尽くされて真っ白な灰になったかな・・・?

まあ、いずれにしても鉄壁なるハードロック爆弾脳天逆落としに対して口笛がピューピュー!

「それではラストをぶちかましてみたいと思います」

マサは前傾姿勢で、モニター・スピーカーに右足を乗せたまま「ありがとう!正真正銘これで最後です!ラストいきます!こんなに太陽が出てきた中でこれをやるというのも乙なもの。盛大に盛り上がっていきましょうー!!!ロック至上永遠に輝く極上のミッドナイト・ソング

・・・・・・25or6to4!!!」

マサがコニタンを左手で指差すと、それまでフィードバックを不気味に唸らせていたギター・アーミングで「ギュイーン!」のスライディングから

「ガガガガガーン!」

ギターが、これ以上ないほどにファンキーで過激な爆音を叩き込む。

コニタンは更にダメオシで気合の入った雄叫び付きだ。

メインリフの流れから、マサ&ヤスも

阿吽の呼吸でそれに便乗する形にてなぞってくる。

疾風のごとく耳をつんざくホーンの狭間に、的確なるリズムの鬩ぎ合い!

10PMのショウジ・アツシくんいわく「STAはスーパー・スペシャル軍団」

テッチャンいわく「ニュー・ギタリストはよく動くし、いい音を出していましすね~!」

サワケン親分いわく「STAはレベルが高い」

MDいわく「STAはブラス殺しのナンバーばかり・・・・」とはよく言ったモノだ。

コニタン&マサが両サイドのフロントにて仁王立ち。この躍動感あるロックなコントラストが長年の理想形だったのさ。

コニタンはギターが熱い注目を浴びる場面になると、必ず最前列に飛び出してきて自己主張。

拳を突き出すタイミングが絶妙。

誰言うともなくホーンセクションが合間を縫って

「イェーッ!!」観客も「イェーッ!!!」のコール&レスポンスで半狂乱。

もうこれが本当にラストだと察してか、全員グチャグチャでどこもかしこも総立ちです。

それまでのタイバン達も総出。

STA全員が右手を何度も振り回しての熱演。

マサはヤスのドラム台後ろにまでホップステップで駆け寄って、コミュニケーションをはかる。

終いにはコンクリートの海面スレスレにまで降り立つ始末。

両膝をついて、ヘッドバンキングにて気迫のヴォーカルを続行。

コニタンは、虎視眈々、隙間という隙間をびっしりと雷鳴のごときソロで埋めつくすほどに我を忘れて、

これでもかあ!というほどにギターの鬼と化しています。

でも、起承転結のメリハリはバッチリ!!!

その横ではテナー・サックスとトランペットで対等に渡り合うタカ&シゲ。上空を舞うカモメたちを脅かすほどの勢い。

メンバー達が色めき立ってきた・・・この状況。

どいつもこいつも、ビックリするぐらいに凄い奴らばっかりだ。

ヤスによる痒いところへも手が届くプレイが職人技。

何が飛び出して、どんな展開になるのか。我々にも皆目見当がつきません。

まぁ、こういったスリリングな崖っぷち綱渡りパターンもSTAトラの穴(クニ曰く)ならではの持ち味であり、魅力のひとつだね。やはり役者が違います。

エンディングではマサ&コニタンが自分の楽器を垂直に天井近くまで高々と突き上げて揺すりまくるの図。

尚もコニタンのソロは止まらず、ホーンセクションは管体が破裂するんじゃない!?と、思えるほどの気迫プレイをクローズ・アップ。

撮影隊もSTAのメンバー達を追うのが大変な作業だ。

マサは、ベースギターを肩からはずして、観客席めがけ片足上げて思いっきり床に振り下ろした。スキップ後に一礼して、マサ&コニタンが同時に持ち上げたベースとギターをジャンプ一閃で渾身のTHE END!!!

獅子奮迅の一撃でフィニッシュ。

「ありがとうございます」

完全燃焼、ブラスロックは爆発だ!!

「皆さん、最後までありがとうございましたー!!!」

まあ、たいしたアクシデントもなく、お蔭様で何とか充実感に満たされた表情で無事に大団円。

この後はステージ関連の器材、セットの後片付けを敢行。心地よき疲労感を楽しみながらも交流のヒトトキって貴重なる体験。

お互いの近況にはじまり、プライベートな話題から、もちろん多種多様なる熱き音楽談義も弾んで盛り上がる。MCが上手いと褒められちゃったさあ。と言うわけでして、一息ついた後には次なる戦地「浅草橋」が待っているよ。

戦闘態勢は万全さ!

レッツ・ゴー!

VERY SPECIAL THANKS TO・・・MUTCHAN&TAMAKISAN&NAMACHAN&TSUTOMUKUN&IGARASHIKUN&SUBARU&TETCHAN&MARUSAN&KURUSAN&JULIE&SEAGULL&AKICHAN&THUNDER&LIGHTNING&MINERAL WATER&KURICHAN&JK&RAIN&SUGICHAN&SUN&KAMADASAN&MIDORISAN!!

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SNARE(chicago)

2018-07-19 17:38:08 | CHICAGO

名称は、英語でsnareと称する細いコイル状の金属線が底面の膜に接するように張られ、これが振動する膜に副次的な打撃を与えて独特の音響を発揮することに由来する。日本ではこの金属線を「スナッピー」「響き線(ひびきせん)」とも呼ぶ。

古来、西洋の軍楽隊などで伝統的に用いられ、後にはオーケストラブラスバンド(吹奏楽)編成にも加えられる。ドラムセットの重要な構成楽器でもある。

打面は他の太鼓同様、本来は動物の皮であったが、今日では主にプラスチックフィルムが使われる。他の両面太鼓と違い、裏側に打面と比べてきわめて薄い鼓膜を用いることが特徴で、響線の効果を高めるよう工夫されている。

打面のプラスチックフィルムは、表面が滑らかでツルツルな「クリアヘッド」と、ざらつきを持たせるために表面を加工した「コーティングヘッド」がある。ジャズなどでワイヤーブラシを用いて擦って演奏する場合、このコーティングヘッドでないと摺動音が出せない。

また、ブラスバンドから派生する吹奏楽やマーチングなどでも花形楽器の一つであり、マーチングの場合、今日ではキャリングホルダーを用いるのが一般的。テンポを整える中心的存在なので、パレードなどでの縦隊では中央、ドリルなどにおける横隊では列の後方で演奏することが多い。

ルーディメンツと呼ばれる基礎奏法が存在する。マーチング、ドラムコーで現在も発展してきている。

masa's art chicago logo respect gallery

〜ウィキペディアより〜

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする