THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

VOL,154 小樽・浅草橋オールディズナイト15(PART,2)

2018-07-23 16:22:05 | Live Set List

~~ライブ・レポート1からの続編、はじまり、はじまり!!~~

8、15:55~16:20

TREE CHIMES(ジャズ、ポップス)

手稲から6年ぶり7回目の出演です。

そうとうにご無沙汰していたけど、元気に帰ってきましたよ。

バンドからのメッセージが届いています「音楽が好きでたまらないメンバー6人、ジャンルを超えたナンバーを、楽しくお客様に届けたいです」

麗しき音楽愛にほだされてみてください。とかく長い年月を音楽に費やしているとこのような純粋なる感覚が忘れ去られになるものですが、彼らのステージを観ていると初心に帰らせてくれたようでハッとさせられてしまいましたね。

DR,G(x2),Bの男性(ナチュラルボディカラーにローズ指板の5弦)、VO,鍵盤ハーモニカ(!)の女性というひじょうにユニークな編成。

シンディ・ローパーの大ヒット曲「タイム・アフター・タイム」

彼等のメッセージにもあるように、メンバー全員の意見を平等に聞き入れて尊重しながらも、世代、性別、ジャンル、国境を超越しながらも不自然な感じを与えないように丁寧に練り上げてきたのであろうセット・リストが観客のハートを自然に打つのです。

しっとりと染み入るポップ・バラードの宝モノ。

鍵盤ハーモニカを巧みに吹きこなすスレンダーな女性奏者が、一際独特なるオーラを発散していてとても可愛らしい。

そこから紡がれる音色が、このバンドの一つのチャーム・ポイントでしょうね。

越路吹雪の圧倒的な歌唱力が印象に残る至宝を堂々とここで取り入れてくれました。

「愛の讃歌」

永遠の金字塔ですね。

ここはじっくりと聞き込ませていただきましたよ。

完成度の高い演奏は熟練の極致。

「ニューヨークの溜息」という異名を誇るジャズ・シンガー、ヘレン・メリル は日本では今も高い人気があります。

その彼女の代名詞ともいえる「YOU’D BE SO NICE TO COME HOME TO」

女性にしか表現できない色香漂う歌声を、存分に振り撒いてくれました。

ワイヤー・ブラシをテクニカルに操ってサウンド全体を引き締めつつ牽引しているドラマー。

白シャツにハンチングとサングラス姿。

「こんな渋いドラムを叩く人がいたんだあ・・・でも知らない顔だなあ・・・・」とずっと見ていたのです。

ところがライブ後にステージ・サイドで彼から気さくに人懐こく挨拶されました!

「どうも、久し振りです!!」

あれ、聞き覚えのある声と笑顔・・・。

先述したけど、なんと元TAKE OFやTHE PARTY’Sで活躍していたコダマくんだあ!

しばらく演奏活動からは遠ざかっていたんだけど、最近復帰するんだ、と聞いてはいました。

それがこのツリー・チャイムだったんですね。

それにしてもあの髭姿・・・

妙に似合い過ぎてるぞ(笑)。

整った彫りの深い顔立ちだから、それも当たり前だね。

付け髭だとは夢にも思わなかった。

その後も彼はその髭をまた付けたり、外したりしながら会場にいる古くからの仲間達と旧交を温めていました。

もちろん、会う人、会う人が皆一様にその髭にビックリしていて馬鹿ウケしていました。

その光景を見ているだけでも微笑ましい。

「最後は思いっきりに、はっちゃけたいと思います。準備の方はいいですか?山口百恵で・・・・・ロックンロール・ウィドウ!!」

ドドッとステージ前に押し寄せてきた観客達が狂ったようにダンシング!憎い曲でラストのトドメをさしてくれましたね。

コダマくんも、遂に現役ミュージシャンとして返り咲いてくれたから、これからの小樽界隈のライブ・シーンは更なる活況を呈してくれる事でしょうね!

9、16:30~16:50

旭川から2年連続2回目の出演となるTHE MATY(洋楽ロック)

「メイテイ」と読みます。私はどうしても「マッティ」と読んじゃう。

このバンド名はメンバー達の頭文字なんだけど、一時はメンバーの入れ替わりでアルファベットが当てはまらなくなっちゃったそうです(笑)。

いつでも陽気なナイスガイのナマちゃんもこれには苦笑い。

今回は4人組でスペルもバッチリ!

そのナマちゃん!去年は旭川のバンドが大挙しての出演でナマちゃん掛け持ち3連発だったんだけど今回は珍しくこのバンドのみ!

ナマちゃんを中心とした顔ぶれを見渡してみたら驚いたことに、知人だらけではないかあ!!

旭川のアイドル「かなえちゃん」を要していた「かなえと家来達」、略して「かなけら」の男性バック陣がズラリと揃い踏み。

残念ながらギタリストのツッチーは欠席だったけど・・・・。

本人たち曰く女性ボーカル以外が「かなけら組」だよ!とのこと。

4人組の布陣は・・・・その女性シンガーをフューチャーして、スティックをクルクルと回しながら余裕のナマちゃんがドラマー。

ベーシストはマサの盟友ツトムくん。黒のスペクター5弦を使用。去年は雨に濡らしたくないからという理由で(STAのコニタンも同様のことを述べていました。他のミュージシャンにも同じ気持ちの人が多かったんじゃあないかなあ)黒のプレシジョン・ベース(メイプル指板)を持参してきたのですが、今回はこの悪天候でも愛器を使用。PUはもちろんEMGの2ハム・バージョン。EU製作のものでネックがすこぶる細めで弾きやすいのだそうだ!いつも必ずマサとスペクター談義に花咲くのだ。

で、ツトムくんはイメージチェンジを図ったのか、楽器に限らず帽子、サングラス、Tシャツ、ジーンズ、リストバンドに至るまで真っ黒に統一。しかも長髪に髭を蓄えているではないか。とても良くお似合いのロッカー一丁あがりだ。

ギタリストAKKIはロンゲにサングラスといういでたちで、チェリーレッドのギブソン335を携えています。

そうそう、この連中を眺めていると旭川の「ビークルス」もダブって見えてきますね。彼等もボチボチと動き始めたようで何よりです。

ナマちゃんいわく、「カナけら」は解散、「アパッチ」は活動停止なんだそうですよ・・・・。

彼等からのメッセージを紹介しましょう!

「昨年は大雨の中、小樽のお客様、出演者、関係者の方々に応援していただき支えられメンバー一同思い出に残る初舞台に立たせていただきました、旭川のTHE MATYです。皆様から頂きました温かさとパワーのお礼に今年も再びやって参りました!

相変わらずの食いしんボーカリスト・マサヨ、益々イケメンの罪作りギター・アッキ、もう剃る事はできない定着髭ダンディベース・ツトム、まだまだ夢見る愛されドラム・ユウイチ。あわせてTHE MATYを今年もどうぞよろしくお願いいたします!」

で、このバンドはライブのたびに凝りに凝った選曲を施すのです。だって観るたびに曲目がコロコロと様変わりを遂げるのです。

それも1、2曲を入れ変えるのではなくて、丸ごとなのですよ!

この日もマリンフェスタと浅草橋では全曲入れ変え!こんなバンドは中々にいないねえ。

よほどの自信と余裕と貫禄が備わっていないと出来ない芸当だ。

たくさんレパートリーがる証拠でもあるし。

司会のヤチヨ嬢がツトムくんの髭をやたらと絶賛。

「素敵です。絶対に剃らないでください!」と熱望のラブ・コール。

「ザ・ビートルズ極めつけのナンバーでカム・トウギャザー!」

これ1発で掴みはオーケー。

ステージ上の足元には雨を心配してなのか、傘が2本そっと置かれています。

ボーカル嬢はカウベルにもはやお馴染みとなった感のある金色テーピング、マイク・スタンドにはキラキラ輝くビーズがビッシリと貼り付けられていて見栄えも豪華さもピカイチ。

女性ならではの配慮と、お洒落心が随所に顔を覗かせています。

335ギターのアッキによるギター・ソロが、クラシック・ロックにおけるアヴァンギャルドな一面を表現しています。

バッキングとの絡みも絶好調。

終盤ではナマちゃんがスティックからマレットに持ち替えて、ドラマティックに臨場感を演出。

「小樽の皆さん、こんにちは!旭川からやってきました私達THE MATYです!よろしくお願いします!!2曲目はレッド・ツエッペリンでイミグラント・ソングです」

女性シンガーの好感度も絶大。

タンバリンを片手にハツラツとして歌うのですが、また新たなる歌姫を発見だ!

男顔負けなパワフル・ボイスを発揮。エンディングでは華麗なるアカペラで締めくくり。

コニタンもしみじみと「うまくていいバンドだね~」と呟いていました。

かなえちゃんの時は「スーパーフライ」中心だったけれども、今回のバンドでは70年代洋楽をターゲットに絞っています。これは男女全員の好みを反映してのもの。

「ありがとうございます。実は今日の天候を危惧して小樽に来る途中でホーマックに寄って長靴を購入してきました。ところが買った瞬間に雨がやみました(笑)。旭川で履きます・・・・・・3曲目もレッド・ツエッペリンの曲でリビング・ラビング・メイド!」

ハードにドライブするロック・ギターとしての役割分担もばっちり。このプレイヤー達の演ずる光景をどれだけ見つめてきただろうか。感無量の心地。

マサはこのバンドの心憎い選曲が、毎回ドツボにはまりっぱなしで琴線震えっぱなしです。

ストレートでタイトに突き抜けるビートが最高!

後半はまたもやザ・ビートルズでへヴィー・メタルの元祖ともいえる「へルター・スケルター」

もうこうなったら、フラワー・ムーブメント真っ只中にドップリと浸かっちゃいましょう。シュアーの骸骨マイクがこれまたお似合い。

ドラムの前にまで移動しての熱唱。

ここいら辺はじっくりと身をゆだねて聞き入りたいもの。

センスのいいセレクションだねえ。

そうなのです。このライブではマリンとはうってかわって女性シンガーの曲は皆無。でもマサヨ嬢は男顔負けのメガトン・ヴォイスで、はち切れんばかりの魅力をあたり一面に発散しまくっています。

しかも女性シンガーの個性にバッチリとはまるように考え抜かれていて、理想ともいえるコンビネーションだ。

本来は骨太な男臭さが肝ともいえる曲なんだけれども、全然違和感ないところは彼らのアレンジ能力の高さの証明。

「皆さん、ありがとうございます!最後の曲となりますがとことん付き合いのほどよろしくお願いします・・・・・リック・デリンジャーの曲でロックンロール・フーチークー!」

結局は意識的に選び抜いたというゴリゴリのハード・ロックのスタンダード中心で網羅。

タンバリンを力強く打ち鳴らしてソウルフルに喉を振り絞る様は、まるでリックが乗り移ったかのよう。

全員でのユニゾン・リフが延々と奏でられる鳥肌モノのアンセム。

アッキによる指捌きとワウ・ペダルが、更なる高揚感を煽る。

ナマちゃんが黙々と刻み続けるリズムが燻し銀の存在感。

「旭川のTHE MATYを覚えていてくれたら嬉しいです。THE MATYでした!ありがとうございました!!」

と満面の笑顔を周囲に振り撒いて、手を振りつつステージを後にしました。

BGM・・・・・エルビス・プレスリー特集で「冷たくしないで」「ハウンド・ドッグ」「ラブ・ミー・テンダー」

さて、このあとに控えしは我等がTHE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY(S・T・A)のステージ。

でもそれは後ほどということで・・・・。

11、17:40~18:05

NO FUSE BREAKERS(J-パンクROCK)

地元・小樽から11年連続11回目と最高の出演回数を誇る一番過激な男性5人組バンド。

STAもそうとうに古株の常連バンドなのですが、このバンドにだけは叶わない。

最多出演回数更新しています。

毎年この小樽イベントでは必ず顔を合わせるバンドです。

だから自慢じゃあないけれども、私は彼らのステージングの細部までけっこう熟知しているつもりであります。

SGのギタリストはマサと同い年のニシヤン。彼はザ・パーティーズではスタイリッシュにおすましが決めまくっていますが、ここでは別人のごとく豹変して暴れています。

このバランス感覚がミュージシャン気質としては、妙にフィットしていてある意味では健全なのかもね。

一歩間違えたら違和感のドツボ地獄だけど、冴え渡る音楽センスをキープしつつも巧みにエンジョイしています。

ステージ裏のテント前で「雨が上がってよかったね」と互いの健闘を讃え合っていざ出陣。

メッセージです「小樽後志電気工事協同組合青年部の仲間で作ったバンドです。

普段は、作業服で電柱に上がったり、天井裏で電気配線工事をしています。

今日は、作業服を脱ぎ捨てて、お客さんと一緒に楽しみたいと思います」

さあてと、今回の内容はどうかな。

このいかにもロックの王道を突っ走るかのごときバンド名は、彼らが電気工事を生業としているからなんですね。

お約束の「カモン・エブリバディ(エディ・コクラン)」からスタート。

序盤から全力疾走の元気印。

ロックンロール誕生直後の定番曲。もうこれ一発で脳天のヒューズはスパーク寸前。

とにかく少ないコードにたたきつけるようなビートが連動してあっという間に終わっちゃうような曲が目まぐるしく放射されるので、レパートリーも膨大です。

「サンキュー!ありがとう。次もノリノリの曲でいきましょう!!ジニー・ジニー・ジニー!!」

これもエディ・コクラン。

ロカビリー・フィーリング振り撒いて加速する一方です。

編成はドラマー&ボーカル&ツインギター&ベース。

ザ・パーティーズのメンバーでもあるニシやん、ここでは立派なロッカーに変身。愛器はチェリーレッドのSG。コーラスも兼任。

もう一人のギタリスト&コーラスはナチュラルカラーのテレキャスター(シンライン。メイプル指板)。

そして一番パンクしている長身ベーシスト&コーラスは白いプレシジョンベース(ローズ指板)に革の上下を着こんで茶髪のツンツンヘアー。

贅肉のない引き締まった肉体も相まって私は「小樽のシド・ヴィシャス」と呼んでおります(とにかくそっくりなんだから)。

「改めましてノー・ヒューズ・ブレーカーです。新メンバーのギタリストを紹介します」

と、ここで若きエリート・ギタリストがこのバンドには異質の泣きのギターソロをチラリ弾き。これがまたツボをおさえた旋律なので驚き。

「もう一人のギタリスト、ニシヤンが年取っちゃったから若いギターが加入しました(笑)。」

さあ、ここからは彼らの真骨頂。

お気に入りのラモーンズ街道まっしぐら。

「BLITZKRIEG BOP」

この2分もない単調な激情波状攻撃に観客イチコロ。日頃の憂さもこれで晴れることでしょう。

「皆、ついてきてください。たくさん飲んで食べてね。お勧めのメニューは餡かけ焼きそばとから揚げです。ああ・・・・いいなあ美味しそう。いい匂い」

ホッとする間もなく間髪入れずに「ドウ・ユー・リメンバー・ロックンロール・レディオ?(ラモーンズ)」

ついつい拳を振り上げて掛け声かけちゃいたくなるような、ブレイクの連続が理屈抜きにかっこいいパワー・チューン。

ここでおもむろにベース君が無言で革ジャンを脱ぎ捨てた!

実は事前にマサが「いつも上半身裸でプレイしていたけど、先月のライブは白いTシャツ姿だったよね。シド・ビシャスそっくりだよ」と声をかけていたのです。そのリクエストに応えてくれたんだあ!(ライブ直後にその件をシドはニヤリとして語ってくれたよ)

ボーカルも「いいぞ!シド・ビシャス!!」

まだまだラモーンズのスピード・ナンバーが出てくるよ「ロックンロール・ハイ・スクール」

シドは身が軽くなったからなのか、開放感に酔いしれているのか大股開きでワイルドなピッキング。リストバンドも1ポイント。

ボーカリストは沈着冷静に淡々と「うるさいですか、俺達?」

「暑い・・・・・ハイスタンダードで・・・・・・好きにならずにいられない・・・・・・1・2・3・4!!」

これってエルビス・プレスリーのとろけそうなくらいの甘いバラードなんだけど、それをこともあろうに疾走感漲るスピード・チューンに料理しているのだ。

こいつがまたカッコイイ!!

そして君等の主張したい心意気が、グサグサと突き刺さるほどにメッセージが伝わってきているよ。

最後は和製パンクロックの伝説ブルーハーツ

「うるさいですか?本当は踊りたいんですよね?皆せっかく盛り上げてくれて嬉しかったんだけど、最後です。いくよ~~・・・・・キスしてほしい!!」

ピョンピョンと飛び跳ねてはじけなきゃあ損ソン。

「ありがとう!追いついてきて!一緒に~~!!」観衆を煽る、煽る。余力を振り絞って。

勢いそのままにメドレーで「リンダ・リンダ」

何度観ても曲目や流れがわかっていても、彼等からは元気を与えてもらえますね。

「ありがとうございました!!ノー・ヒューズ・ブレーカーでした。この後にもドンドン素晴らしいバンドが出演します」

この律儀な連中にカンパイさ。

ベーシストの愛妻と生まれたばかりの可愛い赤ちゃんもステージ前までやってきて応援してくれました。ハッピーモード全開!!

12、18:15~18:35

樽TE音(タルテット)

ジャズ、フュージョンを披露してくれたのは、やはり小樽からで2年連続5回目の出演バンド。

メッセージをどうぞ!

「樽TE音の樽(たる)は小樽の樽、樽TE音のTE(て)は人の手を表し、音(と)は音楽の音です。

小樽在住のメンバーで、手と手を取り合って音楽を奏でたいという意味をバンド名に込めました。

応援よろしくお願いいたします!」

もちろんそれに、4人組を意味するカルテットを引っ掛けた、まことにひねりのきいたバンド名。

リズム隊はマサも一目置く小樽屈指の豪腕ハードファンクバンド「元ゴリラ・ハンマー」のヨッシー&マーちゃん(変拍子炸裂しまくりの妙技は必見!)。

小樽のキャンディ・ダルファーことルーシーがサックス(掛け持ちバンドのロカビリーバンドHOT・WAXは超有名)。長身で髪形も含めてスラリと足も長い見栄え抜群のギタリスト、コバちゃん(EXクラッシュ・ビート)はいつものストラトキャスターからレスポールに持ち替えての演奏となりました。(ST故障のため)でもシングルPUが絶対的に好みとのことで何とLPもシングルが2つマウントされているというこだわりよう。

もちろんST、LPともにブラック・ペイント。

キング・クリムゾンを彷彿とさせるロバート・フリップ風ギターもギンギンに唸っていました。

フォデラの5弦ベース(めちゃくちゃに高価な一品!ナチュラルボディカラー。メイプル指板)でバッキンバッキンにチョッパーを遠慮無しに決めまくるヨッシー、千手観音のようなスティック捌きで叩きまくるマーちゃんのドラミング。いつ観てもお口あんぐり状態です!!

マイクを手に司会のヤチヨちゃんが、元気いっぱいにバンド・コールします。

で、いきなりオープニングに飛び出してきたのはデヴィッド・サンボーンで「SLAM」

私はこれを彼らが取り上げるのを初めてみました!

というか、それも当たり前で、なんと今回が初のトライなんだってさあ。

新鮮なショック。

う~~ん・・・燻し銀の世界満載。

すでに樽TE音ワールドの象徴ともいえるタイトなサウンドが全開。

お気に入りのデヴィッド・ボウイTシャツを着込んだコバちゃんは、シャープなコードカッティングを刻み込んで、格の違いをこれでもかあ!というほどに見せつけてくれました。

安定感抜群のボトムがうねりまくる中を、紅一点のルーシー嬢のサックスがヒステリックなほど縦横無尽にブローしまくる。

ソウルとジャズが、ほど良く溶け合って極上のグルーヴを演出。

的確なプレイを演じるバック陣のコラボも、絶好調で聴き所。

センスの良さに初っ端から脱帽ですよ。

音楽偏差値非常に高し!

88年に人気を博した同名フュージョン・アルバムのトップに収録されている、これはお洒落なNYファンクの代名詞。

洋楽は2曲目でも更にキュンとさせてくれます。

「続いての曲はしっとりと・・・聞いてください」MCはいつでも筋骨隆々な肉体を、トレードマークのタンクトップと革パンで決めているヨッシーが担当。

「スムース・ジャズの父」としても知られている故グローヴァー・ワシントンJRが、1980年に発表して大ブレイクするきっかけともなった「JUST A TWO OF US」

なんという素晴らしいセレクトなんだろう!と、私個人的にずっと密かにほくそ笑んでいたわけなのですよ(笑)。

イントロからノスタルジック満載。

そこからラテン系リズムに導入されていく流れが甘く切なくて、何度聞いていても飽きのこないアレンジとメロディ。ここではメランコリックでけだるいボーカルラインを、ルーシー嬢が大人のムード溢れるサックスで咽び泣くかのごとく盛り上げてくれます。

つまりインストウルメンタルです。

真骨頂コバちゃんのギター・ソロが響く中、誰もが自然と引き寄せられるようにステージ前へと歩み寄ってチークダンスを踊っています。

やっぱり、日本の夏はいいもんだね~!。

コバちゃんのことをマサは以前から「小樽のジェフ・ベック」と呼んでいます。彼くらいエレキ・ギターを持つ姿が様になる男はそうそういないと思います。

実はコバちゃんは相当なギター研究家。

彼のルーツを掘り下げてみたら出てくる、出てくる、錚々たる伝説のマニアック・ギタリスト達。

ギタリストならば誰もが通るであろうカルロス・サンタナからも影響を受けたそうで、よって今でも使用するアンプはメサ・ブギーなんだとか!

3曲目に入る前に再びMCで「ありがとうございます。ちょっと強い風が吹いてきましたね。

この間のライブでもやったジャズ・スタンダードの枯葉を無茶苦茶にアレンジして聞いてもらいたいと思います。よろしいでしょうか?・・・・・」

ここでもメインのフレーズはルーシー嬢が受け持ちです。

いかにも樽TE音風の拘りが、随所に現れていて好感度絶大。

通をも唸らせる涙、涙の選曲群。

どういった経緯でこういう曲達を組み入れているのか、今度一度じっくりと聞いてみたいものですね。

誤解を恐れずに言わせてもらえれば、樽TE音は生真面目すぎるくらい音楽に取り組んでいるバンド。

それはMCも同様。

決して派手なギミックなどを施す事もなく、真摯に音楽に取り組む姿勢は立派だと思いますよ。

ライブも佳境に差し掛かったところで、彼らも仕組んできました(笑)

「続いての曲で最後・・・やっと最後の曲です。

待ってました。いつも中々成功しないんだけど、色々な風が吹いているところで、もちろん我々なりの解釈にてお届けしたいと思います」

世界中のうるさ型たちから、熱烈な支持率を誇るチック・コリアの難曲「SPAIN」

最も樽TE音らしい、カバー・コーナーでトドメを刺す。

バンド・メンバー達が一体となった、痛快なるリズムが弾けて益々熱を帯びてきました。

狙いは的中。大正解。一気に場内はヒートアップ。極めつけは追い討ちをかけるかのごとき炸裂のドラムソロだあ!。

一大センセーションを巻き起こした、リターン・トウ・フォーエヴァーの姿が鮮明に蘇るうってつけの1曲。

小樽という街はお祭り騒ぎで賑やか盛大、華やぐ事にかけたら札幌に全然ひけをとらないですよ。

益々の進化を遂げた樽TE音節炸裂でライブは終了となりました。

「ありがとうございました!」

とってもバランスの取れた流れで、新生面をも覗かせてもらいましたよ。

カモメ達も低空飛行してのっていたんだからね。

実はコバちゃん、この日シティ・ジャズのライブで札幌駅南口で演奏をしてきたのです。

バンドはご存知「イナバ・ミキ&フレンズ(八神純子ノカバー)」。

ステージ終了後は即座に南口より電車に飛び乗って小樽に駆けつけたわけ。

リーダーのセッキー命令で、全員が白い衣装で統一したのだとか。

売れっ子はハード・スケジュールで嬉しい悲鳴状態。

いずれにしても、ギリギリ間に合ってよかったね、ホッ!

北広島でのライブを終えたY-PROJECTのメンバー達も、ほろ酔い加減でこの会場に到着しました!

ここから司会者は、ヤチヨ嬢からサイトウ氏にバトンタッチです。

13、18:45~19:05

LOVEGUN(KISSのカヴァー)

札幌から5年連続7回目の出演。

とうとう出てきたぞ!泣く子もお漏らししちゃう地獄の軍団が降臨だ!(笑)

ありとあらゆる意味において、インパクトが大きい!

派手さでは彼等の右に出るものは、絶対にいないでしょうね。

なんたっていつの間にか、観客席に外国人の集団がズラリと並んで、ラブガンの開演を今か今かと待ち焦がれているではありませんか。

編成は本家本元キッスと同じ不動の男性4人組み。

ヒーロ・スタンレー(サイド・ギター&ボーカル。彼は他にもゴダイゴのカヴァーでマジック・カプセル、デュラン・デュランのカバーでズラン・ズランというバンドでも活躍中!)。使用ギターはあの鏡ひび割れ変形シェイプがかっこいいデストロイヤー。

ノッシノッシと大股開きで威圧的にのし歩く舌ベロベロ男はハニー・シモンズ(ベース&ボーカル)。ジーン・シモンズ・モデルの斧方ベースAXE。

眼鏡姿がミスマッチでお茶目なエースK(リード・ギター&ボーカル。本物は来日間近!)

レスポール・スタンダードのチェリー・サンバースト。

そしてリーダーもつとめるピーター・エロス(オリジナルの電子ドラム)という布陣。

どうですか!

名前だけでも、問答無用のロック・ファイヤーだ(意味不明・・・・笑)。

まずはメッセージをどうぞ。

「毎度おなじみのアメリカ伝統芸能KISSフルコピバンドでございます。今年もよろしくお願いします」

北海道で一番度肝を抜かれるキッスのコピー・バンドとして、すでにバンド界隈では知らぬ者などいません。

もし万が一、いたとしたらその人はもぐり・・・しっかりと勉強し直しましょう。

過去に何度も解説していますが、その徹底振りは半端ではありません。

STAとも顔なじみ(何度も対バン経験あり)ですが、彼らが素顔で会場内にいる時は誰も気がつかないのがはたから見ているととっても面白いですね!

毎回メイクや着替え(その殆どが手づくり)、ドラムセットの準備に3時間以上を要するという念の入れよう(最近ではすっかりと要領を得ていますが)。

特別な場所でなければ、ライブの実現が難しいという小道具山盛り。衣装の鱗や星型などなど細かいパーツやデザイン、カラーなどに対するこだわり具合が半端ない!!

あのめちゃくちゃにカカトの高いブーツも健在(一度ライブ中1曲目に転倒してしまいカツラは飛ぶ、ギターのチューニングは狂う!でメンバーも会場も大爆笑の渦になってしまった思い出があります)。

ワゴン車で現世に舞い降りたメンバー達。以前、駐車場でいきなりヒーロは車のハッチバックドアの角に頭を強打・・・・激痛に耐えながらもステージをまっとうしたという武勇伝もあります。

そのステージ上でも、メンバー4人は、あのブーツ装着だから頭がぶつかりそう・・・・。

で、最高責任者のサイトウ氏の計らいで、今年は天井がものすごく高い状態で設置してくれました。(司会進行時にその説明あり)

ピーター特製ドラムセットの設営が思った以上に手間取っているところを、フォローするためにヒーロが口火を切った。

「今日はビールの売り上げが悪い!ロックと言えばビール!ラブガン、このあとすぐです!」「YEAH!!」

ワイヤレスの周波数帯域が他のバンドが使用している機器とぶつかっているらしく、ちょっとしたノイズ混線トラブル。

事情説明のアナウンスが流れる中、そうこうしているうちに何とかかんとか解決して完了。

「世界ツアーも終盤に差し掛かってきました(爆笑)!小樽大好き!オールライト小樽!!」

フロントの3人ががっちりと横並びに、決めのポーズで定番の「デトロイト・ロック・シティ」

ピーターのエレクトリック・ドラム、強力なる一撃。

イントロのユニゾン部分でコード音を伸ばす際には3人が右手をゆっくりと上空まで回す。本家の動きそのもの。

エース・フレーリー役のKはあのメイクでも眼鏡は必需品(これがなかったら何も見えずギターも弾けないんだよ)。

いまだに本家キッスは北海道の土を踏んでいません(一度は札幌真駒内の日程が正式に決定、発表されましたがポールの奥様のおめでたでやむなく中止。その後はなしのつぶて)。よって道産子ラブガンにはガンガンに活躍してもらいましょうよ。ああ、スカッとするなあ。

ちょいひねりを加味した選曲で「デュース」

王道路線で突っ切らないで、こういったコダワリをチラッとみせるところなんて、貫禄の表れ。

以前は時流を巧みに取り入れて、ももいろクローバーZとのコラボレーション曲も取り上げていましたっけね。あれはレアなライブだった。

ヒーロ・スタンレーは胸毛代わりに黒のマーカーで書いたセクシー(?)胸板を誇示すると大歓声が渦巻く。

サプライズとして観客達がステージめがけて、あろうことか数個のブラジャーを投げ入れた!

悩殺系のロックバンドには、こういうことってよくあること。

良い子たちは、これ観ちゃあ駄目だよん!

それをサッと拾いあげたフロントの3人は、さりげなく意味ありげにマイクスタンドへ引っ掛ける。

3曲目は彼らのバンド名の由来にもなった、キッス黄金期のヒット曲「ラブガン」

イントロではマシンガンさながらに、速射砲ユニゾンが怒涛のごとき波状攻撃。

メンバー達のコンビネーションといい、フォーメーションといい、今までに見てきたラブガンの中でも出色の完成度。

入れ替わり、立ち代わり、ポジション移動を繰り返すアクションがとてもスムーズ。

これ、演奏だけでも相当に大変なのに研究に研究を重ねた血と汗と涙の結晶でしょうね。

努力は決して裏切らない。

握手攻め、投げキッスとサービス精神旺盛のメンバー達。

あの衣装とブーツなんだから、重さやフットワークでスタミナ消耗率も大きいと思われます。

観客はそんなこと、お構い無しに熱狂しているけど、ある程度のキッス通ならば痛いほどに裏事情が伝わってきますよ。

「はい、次の曲では(それまで英語でMCをこなしていたけど、ここからは普通に日本語で!)眼鏡の方が歌います!」

エースKとヒーロ・スタンレーが場所を入れ替える。

「コールド・ジン」

いつもはハニー・シモンズがリード・ボーカルだけど、新趣向でエースKをフューチャー。

もちろん爆音炸裂。

実はミキサー助手のケイタちゃんはキッスの大ファンで、わざわざ東京にまで観にいくほどの本格派(キッスのラブガンから虜になったんだってさ)。

それまでクールに仕事をこなしていたのにラブ・ガンの時には食いつきの度合いが半端じゃあないくらい凄かった。

ギターをやっている彼は以前からバンド、ラブ・ガンの噂は耳にしていたらしいんだけど、この日が生で観るのは初だとのこと。

とにかく衝撃的だったらしいよ。

熱狂、熱狂で大喜び。想像以上だったんだね。

「特にジーンのナリキリ完成度が素晴らしいですね」と絶賛。

暖かい拍手をおくっていました。

エンディングではエースKも、大サービスとばかりに仰け反りギター・ソロ。

トグルSWガチャガチャ奏法も繰り出してトリッキー。

照明も一段と点滅の度合いを増してきた。

たどたどしい日本語で(もちろんわざとね!)「皆さん、飲んでますか~!?実はですね・・・ドラマティック・ソングいきます!・・・・ブラック・ダイヤモンド!」

この曲、とっても刻みが難しいんだよね。凝り性の彼らのこと、頑張ってキッスの雰囲気を導き出していました。

必死にヒーロ・スタンレーは、ひざまずいてなりきりプレイを展開。

今後も過激なステージングをドンドンと導入していって欲しいなあ。

火吹き、血吐き出し、ドラム・セットのせり上がり、火柱、3ハムバッキングPUレスポールのセンターPUからのスモーク、ギター・クラッシュ、ロープによる観客席上空遊泳、バラードを歌う時にはバラを客席に投げ入れる、グラマーでセクシーな金髪モデル達を水着姿でずらりとはべらす・・・・やるほうは大変だけどね(笑)一つくらいは実現させて。

まあ、それはともかくも今回のラブガン・ライブはエースKを中心にスポットを当てているように感じました。

戦慄のギター・ソロが前面にクローズアップされていて、エースKもそれに応えるかのように益々エスカレート。

へヴィーなフィンガリングをフィンガーボード上に描いていました。

オヒネリまで貰っていたし。

練りに練り上げられた演出も、早いものでもう佳境に差し掛かってきました。

「残すところ、あと32曲となりました(笑)。」

この曲をやらなければ彼らはステージを降りることは許されませんよ、とばかりに締めくくりは「ロックンロール・オールナイト」で大合唱。

「パーティ!エヴリディ!!」で決まり。

ロックンロールのお祭りはそんじょそこいらのお祭りとは一味も二味も違いますよ。

一線を画する、まさに別格の境地。

ハニー・シモンズ仕様の斧型ベースは高価なるジーン・シモンズのモデルなんだよ。

ミキサー・ルームでライブを見つめていたマサは外国人の男性に「このバンドはなんというのか?」と質問されちゃいました。

ラブガン!と教えてあげ、ついでにタイム・テーブル用紙も手渡したらニコリとしてイチゴのハイチュウ2個貰ったよん!

そうこうしているうちに曲中でメンバー紹介がはじまった。

「一番の人気者はエースK。後ろの可愛い子猫ちゃんはピーター・エロス・・・・」などと懇切丁寧に1人1人愛情込めて猛アピール。

まだまだライブは終わらないよ!

続けて「アー・ユー・レディ!ヘイ・ヘイ・ヘイ・ヘイ・ヘイ!!カモン!」とコール&レスポンスで繰り広げた。。

フィンガー5の「学園天国」をぶつけられちゃあ、ジッとなんかしてられないよ。心憎いねえ。

ダメオシとばかりに今度は「日本の未来は!!ウオウウオウ!世界が羨む!!ウオウウオウ!恋をしようじゃあないか!!」

モーニング娘。「ラブ・マシーン」の一節をラブ・ガン・バージョンで投げかけひねりを加えてきました。

通常ならばこれでめでたくフィニッシュ・・・といきたいところなんだけど、そこは一筋縄でいかないラブガンのこと。

伝家の宝刀ともいえる秘技が、ここぞというところでお披露目だ。

それは今年惜しまれつつも亡くなった新御三家の一人で伝説のアイドル、西条秀樹の代表作「Y・M・C・A」。

リスペクトと追悼の気持ちを込めて「さあ!1・2・3・4!!」

例のY・M・C・Aを「L・O・V・E・G・U・N 」のスペルで、ヒーロからの説明付きにて繰り返しポーズ。

全員一丸となって、真似るんだけど「Nの文字を体で表現するってけっこう難しいねえ!!(ヒーロ談)」

「ラブガンでした!ありがとう!!」

これでステージを降ろしてはくれなかった・・・・アンコールの嵐。

「みなさん、ありがとう!もう1回やります!・・・・シャウト・イット・アウト・ラウド!!」

こいつをここにもってくるなんて、秀逸。

手を変え、品を変えては妙技の連発。

貪欲なる探究心。

もうここまできたら、これは単なるロックではなくアートの領域ですなあ。

皆、汗飛び散らかしてのはじけまくりでの大合唱。

クラッカーもパンパン!と盛大に音をたてて華やかに弧を描く。

オフ・ステージでは、恒例ともなったラブガン写真撮影会も長蛇の列ができるほどに大盛況。

この後、彼らは残りのワールド・ツアーに突入するのだそうですよ・・・・・いってらしゃ~い!!

メイクを落としたヒーロ・スタンレーからニコヤカに会場で挨拶されたマサは、またまた一瞬、誰だかわからなくて固まってしまいました(笑)。

 ~~はい、ライブ・レポート・パート2はここまで!続編もお楽しみに!!~~

 

 

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