THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

VOL,165 SUSUKINO live house HOT TIME (PART,8・・・・S・T・A編)

2019-07-05 14:50:46 | Live Set List

ステージ前のスクリーンに映されているのは「ジェームス・イングラム」「ボニー・タイラー」「ホール&オーツ」のプロモーション・ビデオ。

トリに登場したのが、このブログの主役でもある「the sapporo transit authority(S・T・A)」

15、9:50~10:20

この日締めくくりのライブだけに、力の入りようが半端ではないです。

しかも9人編成。この日最大人数でのやかましいブラスロック大所帯(まあ、いつものことではありますが・・・)

他のバンドで管楽器が所属しているのは、ベリー・ジャムの知性漲るサックス奏者チエミさんただ一人。

徹頭徹尾、ほとんどの曲を初期シカゴで熱烈網羅。

どこでやっても浮きまくりのバンドですが、この日はちょっと事情が違った。

何と言ってもマサのバンド仲間でもある盟友達が一同に集うSTA主催「リブレーション」の集大成というイベント。

よって客層はほとんどが熟練のロック通で占められているわけです。うるさ型が大挙総動員。

こりゃあ、初心者みたいに下手な演奏をやらかしたら速攻で袋叩きにあっちゃうという危険も伴う。

初心に舞い戻って、気持ちを引き締めて、ライブにのぞみました。

結果ですか?!もちろん大成功!!大受けでした。それはこれからのレポートで堪能してね(ところどころにまたもや反省点は勃発しているけど)。

で、このホットタイムに以前STAが出演したのは2017年、12、17(SUN)でした。早いもので1年半が経過していたんだ・・・・。

しかもその時の主催者はマサのベース友人ワッキー。「大人のクリスマス」というイベントでした。

他のバンドでヤスがツェッペリン、パープルを嬉々として叩きまくっていたのが微笑ましい。

さてさて、ゴージャスなる布陣が揃いましたよ。久し振りにカツがトロンボーンで復帰(以前、ここのステージに立ったときは体調不良だったっけね・・・・・)。

キーボードはツイン編成。

ステージに全員が収まるのか?とライブ・ハウスのスタッフさんも危惧していましたが、S・T・Aはすっかりと手馴れたものです。

毎度の事ですからね。相変わらずメンバーの出入りは激しく、人数やらパートやら移動が頻繁。

その顔ぶれや担当楽器、ライブハウスの空気感、イベントの主旨、客層、出演時間などを慎重にマサが吟味しつつ、メンバーらの意見を取り込んでタイム計測のもとセット・リストを慎重に組み立てました。

現実問題として、毎月、毎月S・T・Aという名前のもとに新しいバンドを組んでいるような事態が続いています。周囲からは「よくもまあ、13年もの間、休みなく活動できるね。コツを教えてほしいくらいだよ」と感心されちゃうくらい。

それがわかったらこんな苦労しないよお・・・私が教えてほしいくらい。もうこれは単なる意地です。

いつになったら演奏のみに集中できる日が訪れるのか。それを追い求めてただひたすらに前進あるのみです。

マサが唯一のオリジナル・メンバーとしてバンドを運営していますが、今年からは心機一転ニューS・T・Aで再起動する所存であります。

そういった意味でも大きなヒントともいえるライブだったのが、今回のホットタイム。

ターニング・ポイントを迎えた感が強くて武者震いしちゃいました。新鮮な気持ちでGO!GO!GO!

改めて強力なる布陣の紹介をば・・・・・・

毎度おなじみのマルチで器用なジュン。

ライブの度にファンが増殖しているモテモテのミキティ(この日もカウンターで囲まれていたよ~!)

心強き相棒のヤスはマサとリズム・セクションに専念。

新たなるコンビ誕生か?のユミ&ナオによる絶妙なるキーボード部門。

ナオくんはギターのクル氏からの紹介で、マサとはシカゴ、ファイターズの話題で即座に意気投合したクールガイ(この日はマサが陽岱鋼のバッジをプレゼント)。

人気者ゆえにあちこちから引っ張りだこの売れっ子。この日もヒロ率いる「ブラック・リスト」で、すでに1ステージをこなしているツワモノだ。

ユミ嬢は昨年の小樽ゴールド・ストーンでのライブに特別ゲスト扱いにてSTAのステージをつとめてくれた男顔負けのテクニシャン。

目を見張るプレイとパフォーマンスに一同、惜しみない拍手を送った次第。その後、めでたく2度目のライブ参加と相成ったわけです。ユミさんも「またSTAでライブをやりたかった」とのことだから、相思相愛だったわけです。

心境著しいクニちゃんも、トランペット・パートに返り咲いた。

カツちゃんも久しぶりに合流。カツから「夜9時半からの本番ならば参加オーケー!」と言われた瞬間からこの日のタイム・テーブルは組み立てていったのですよ。

女性2人の華麗なるファッションも楽しみの一つ。

そして頼もしきNEW GUYとしてギターのクル氏が今年初頭、正式に加入したということが最大の収穫です。

クル氏は今回S・T・A至上最も難しいセット・リストをごく短期間で完全にマスターしてきたのです。恐るべき驚愕の男。

ずっと頭を悩ませて続けていたギター・パートも、これで無限の可能性が拡大したわけですから、早くも今年後半のライブが待ちきれませんよ。

本当に近年はS・T・A出戻り組みが多くて懐かしいやら、賑やかやらで盛り上がっています。S・T・Aの長い歴史の重みを痛感する次第。

とにかく人数が多いS・T・A。しかもホットタイムのスタッフはコデラくん一人で切り盛りしているものだから、セッティングに膨大な時間を要します。

まずは立ち位置決めでひと悶着。

ツイン・キーボードを含む4管編成。

見た目だけでも圧巻。

その後は各ポジションごとに譜面台を立ててチューニングとイメージ・トレーニング。

マサはミキサー・サイドとステージ上との中継役も担って意思の疎通を図る。

これいらにてウォーミング・アップは完了。

マサの正面テーブル席に座っている観客の会話から何やら「テリー・キャス」とかのウンチク話が聞こえてきて、とても気になります。

まあ、時間は押し状態のため、けっこう焦りがありますがオーナー夫妻から「時間のことは全然気にしないから自由にやって!」と心強い励ましの言葉をもらい十分にリラックス。

カツ、STAライブは久し振りなんだけど、そんなこと微塵も感じさせないほどに(そんなことを知らない人が見たら、まるで毎日ステージに立っているような佇まい)不敵な構えでスクリーンの裏側に仁王立ち。

最終チェックとして(この日は15バンドなので時間の都合上、本番トップのアコースティックユニット、2番手のロックバンドのみリハありで他のバンドは一切リハ無しだった)コデラくんの指示に従って、各パートがマイクから軽い音出しのバランス&音質コントロール。

マサはボーカル用ワイヤレスヘッドセットマイクのチェックで「HA~I!1・2~!オーケー!サンキュー!HEY!HEY!ロックンロールもっと恋や~!!!」と叫んだら、酔いのまわった観客達も熱狂して「がっつりこいや~!」とコブシを突き上げて挑みかかってくる。まるでプロレス会場みたいだ(笑)

さあ、準備万端整いましたよ。「オーケー!ゴーゴー!!いいですか!?」

マサとコデラくんとでアイコンタクトを交わして、「いつでもいいよ」のオーケー・サイン,頭上高く円を描いて発信。

次いでユミ嬢がないつの間にかスペイシーかつプログレッシブなSEを開始。(それとともにBGM・OFF&スクリーンも上昇)

ヤスへ手拍子でテンポのメッセージを送ると、ハイハットで正確無比なリズムを刻み追随のガイドライン。サンタナばりのラテン色で彩を添える。クニもウィンドウ・チャイムで狼煙をあげる中で、マサによるアナウンス。

「そろそろいくよ~~!!」

焦らしに焦らされた状態の観客達からは早くも歓声があがる。

BGMストップして鮮やかなる照明がいっせいに焚かれる。

 

***SET LIST***

1、INTRODUCTION・・・CHICAGO

2、BEGINNINGS・・・CHICAGO

3、MAKE ME SMILE(ぼくらに微笑みを)・・・CHICAGO

4、VEHICLE・・・IDES OF MARCH

5、IF YOU LEAVE ME  NOW(愛ある別れ)・・・CHICAGO

6、SATURDAY IN THE PARK・・・CHICAGO

7、25OR6TO4(長い夜)・・・CHICAGO

===ENCORE===

8、ONE FINE MORNING(ある晴れた朝)・・・LIGHTHOUSE

***MEMBER***

MASA・・・B VO CHO

NAO・・・KB

MIKI・・・AS PER

YUMI・・・KB

JUN・・・TS VO CHO PER

KUNI・・・TP CHO PER FLUGELHORN

KATSU・・・TB PER

KUL・・・G

YASU・・・DR

 

早速うねりまくっての追随。

それに便乗するかたちでクルさんも剃刀のごときミュート・カッティング。

プレイが待ちきれないという様子でギターのグリッサンドで「ギュィーン!!」

この辺で早くも期待に胸躍る雰囲気作り大成功。

これから繰り出されるS・T・Aワールドに興味津々のオーディエンス。

マサによる洒落た口調での・・・・・・ナレーション開始。

「はい、たいへん長らくお待たせしました。いよいよはじまりますよ!

時間となりました。(拍手があちこちから打ち鳴らされる)

華々しくこれから開演です。

濃厚なる大所帯バンドが登場します。

北国唯一無二の札幌発ブラスロックバンド!

賑やかに、ド派手な迫力ホーンセクションの熱きサウンドを心ゆくまでドップリとご堪能ください!メンバー一同この日この時この瞬間を心待ちにしていました!それではヨロシク!THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY~!!」 

マサは腰を低く落としてスタンバイ。

ジャストなタイミングで「1・2・3~!!」

波状攻撃へと、火蓋が切って落とされました。

猪突猛進の狼煙を上げる「イントロダクション」。

(四入囃子のGASくんのお気に入りソング)

さすが、このメンツだけに迫力が桁違い。

いつもの倍近い勢いを感じます。それは気のせいではなかったようで友人のバンドマンらにも同様の感想をいただきました。

プレイしている我々でさえ自分たちの音にエキサイトして、アドレナリンの噴出が止まらない。

普段はクールなヤスもスティックを手にスィッチが入ると、ドラム・ビーストに豹変するのです。

彼の今回のいでたちはシンバルの一流メーカー・ジルジャン黒Tシャツを基本として、スポーティに動きやすい全身を渋くシックなロック系で統一。

去年4月にマサが東京で観て来たCTAの土産話が相当に感動的だったらしくて、今だに刺激を受けている御様子。如実にドラミングの随所でそのダニー・セラフィン成果が現れていますよ。!

ヤスの卓越したツイン・ペダル連打が、速射砲のごとき爆音で後方から襲いかかってきます。

ツイン・キーボードによる力強いサウンドも効果覿面に響き渡る。

イントロが飛び出した途端にアベさんらいつものお馴染みの面々がドドッとステージ前方へ雪崩れ込んできて、全身リズムの権化に。

皆さん、この変拍子の連続やコロコロ変わる変態的なリズムに、よくもまあピッタリとあわせてくれますねえ・・・と舞台上から失礼ではありますがしばし見とれてしまいました。

もうどれだけの回数この曲をオープニングでプレイしてきたことでしょうか。メンバー一同愛して愛してやまないじゃじゃ馬のような曲。その中でもこの日ほど圧倒的完成度を誇ったことはなかったのでは?!出色の出来と自画自賛。

うるさ型のクルさんでも、絶賛していたくらいだから驚きです。

しかし、何度も言いますがメンバー全員、あの少ないリハ期間で、よくもまあここまで纏め上げたものだ。

各自は多くを語らないけれどね。

特に2度目参加のユミ嬢は、さすが何の遜色もなく打ち解けているよ。

もう何年もSTAでプレイしている古参のような佇まいを醸し出してもいる。

多分この日ギリギリまで各人念入りストイックなまでに詰めへと没頭していたのだろう・・・・痕跡がビシビシと伝わってきます(本当にそうだったらしい)。

今年からSTAライブ参加したナオちゃんも、すでに風格さえ漂わせています。

モニター・スピーカーに片足乗せて、マサが野獣のごとく吠える(ミキサースタッフの方に頼んでヴォーカルのリバーヴを深めにかけてもらいました。Wのジョニー曰くマサのベースラインによるヴォーカルは異常だあ!!とのこと。モダンタイムのマスター・タケさんにも同じ事を以前言われたなあ。あれ普通は歌えるようなベースフレーズではないと。)。ミキティはアグレッシブなるプレイで、色気も振り撒いています。

エフェクターを駆使して周到に計算されつくしたクルさん独特なるシャープなセンス良き音色のギターバッキングが、ヤスの冴え渡るパワフルなドラミングに絡みつく。

看板ともいえるホーンセクションのリフは、益々厚みを増してきましたね。

舞台両サイドからの弦楽器達による絶え間ない猛追。後方サイドからは、ドラムが遠慮なしにボトム構築しながらの進撃展開。

会場をまるごと覆いつくすかのような、ホーン隊による異次元空間模様の高鳴り。なんという高揚感であろうか。

鉄壁を誇るホーン・アンサンブルが稲妻のごとく吹き荒れて、全体をリズム・セクションが引き締めるという構図が今回のおおまかなる課題。

マサの知人3人が正面に座っていたんだけど、STAの強引なまでの音像に圧倒されっぱなしだったそうです。

さてさてライブの魔物はどこに潜んでいるのかな?・・・・今回は一体全体何を仕掛けてくるのか??

縦横無尽で、空間を縫うように駆け巡るツイン・キーボード相変わらず天下一品。

今年からSTA合流して数ステージを経験してきただけに、ナオくんにも遊び心が芽生えて、随所に思わずニヤリとしちゃうロバート・ラム風エッセンスが盛り込まれています。

特に包容力のある心地よいピアノの響きは、天下一品の安心印。完成の領域に達した感あり。

さあ、第一関門の不気味な変拍子地獄にガッシリと突入だ(2番の歌詞をエディットする本番チャレンジは、もう染み渡ってきたね)。

先月共々に見事クリアでワクワクゾクゾクだ。手堅く突破した後に待ち受けていたのは、ブレイクによる一瞬の静寂。切り込み隊長カツちゃんによる卓越した鋭きトロンボーン・ソロが食い気味に吹き鳴らされて場面転換。

涼しい顔で見事にこなしたのです。

しかも、やる気満々のガッツポーズで構える。

大した度胸の持ち主だ!

さすがに最近は多方面で揉まれているという百戦錬磨の達人だからこそ成しえる技。何事もなかったかのような表情で振る舞っていたよ(ヤスによる縁の下の力持ちも忘れてはいけない)。

さりげなくジャジー・フレイヴァーのファンファーレ風アドリブを散りばめているところも、彼の凄いところ(ジュン&クル氏談)。

能あるタカは爪隠す!とは昔の人はうまいことを言ったモノだねえ!

あふれ出る意気込みが全身からビシビシと伝ってくるようだ。

そしてマサいわく「STAのバディ・リッチ」と言わしめた手数王から、リム・ショットに切り替えてのヤスが期待通りに猛然と先導しつつ、お次はとうとうクニの出番。

スポット・ライトを全身に浴びる瞬間が訪れた。

そこへの架け橋ともいえるロバート・ラムによるピアノタッチがオリジナル音源には入っているのですが、STAでは今まで一度もトライしたことがなかったのです。

そこを最近はナオさんに、忠実に再現してもらっているのです。

慎重にマサとヤスが注視する中、ナオさんも丁寧にプレイ。

マサとヤスは阿吽の呼吸だけに、おかげさまで綺麗に入れた!気持ちいい!グリッサンドまで加えて、また一つ前進だ。

ナオ君は「現在自分が大好きなシカゴを演奏しているなんて信じられない!」と大喜びしているのです。

クニのソロは熟練の極致なので、大船に乗った気分に浸れます。

意外にもエモーショナルで、色香漂う艶かしき音色もナイス。感嘆の声があちこちから漏れてきましたよ。

本人自身は照れからなのか苦笑いしていたけれど、不安要素なんて微塵も露呈していなかったよ。

安定感抜群で、時折ヒステリックなハイノートなどもヒットしてニンマリ。

ヤスはことあるごとに遠慮気味な振る舞いが多いんだけど、ここぞという場面では見事バッチリと決めてくれるんだから頼りになるんだよね。

バッキングによる強弱のサポートも効果覿面で鳥肌が立ちっぱなしだ。

もうこのあたりにたどりついた時点で会場中の空気は一変。

なにやら恐ろしいことがステージで起こっているぞ・・・てな感じですでにかぶりついている。

それにしてもジュンは、いつでもどこでもナイスガイ。

そのジュンに指をさされた第3の男、クルさんのギターが火を噴く。

しっかりとクニとジュンは彼のために花道をつくる。

いきなり過激なサスティーン・ピッキングが導入部分で一気呵成に飛び出して、益々進化したアヴァンギャルドなるソロを、これでもかあ!と言うくらいにぶちかます(よくもまあチューニングが狂わないねえ)。ただひたすらにテクニカル。

序盤はテリー・キャスに敬意を表して、ラインを忠実に奏でる。

へヴィーなサウンドは、これだけにとどまらずフィードバックにより加速。

音数がドンドンと増していき、とどまることを知りません。身をのけぞらせての恍惚状態。

チョーキングなどを交える際にはギターを揺さぶって身をよじる。あれだけのプレイだけでも引き攣るところなのに、エフェクター操作での効果もすこぶる大きい。

テリー・キャスのギター・ソロをリスペクト込めてほぼ忠実にコピーしちゃったんじゃあないのかい!?ビブラート、グリッサンドに至るまでバッチリ。

色々な本家の動画やら、マサから送られたキーボード・コード譜なども研究資料の一環として相当参考にしたらしいです。

それは現在でも進化の途中なんだよ。ストイックに決して妥協を許さないその真面目すぎる真摯な姿勢は誰もが見習うべき。

リズム・セクションはここでも全身全霊込めてのバックアップ。

極めつけはヤスが、紆余曲折を経て第2期JBG時代のコージー・パウエル直伝による力漲る究極稲妻フィルインで拍手喝采。

サンキュー!

マサもヤスのドラムセット手前にまで何度も駆け寄って煽りまくる。

いつもは沈着冷静なるヤスもノリノリな様子で、このヒトトキを満喫している様子。すっかりと脳天ヒューズはスパークしちゃったみたいだ。

エンディングにおいて冴え渡るベルトーンも、クルさんを筆頭に見事な連携で流れるような繋がりをみせた。

クルさんからキーボード、そしてホーンセクションへとバトンを受け渡す。ここで繰り出したクルさん入魂の1音がジミヘンのようにウォームで破壊力があって戦慄が走りました。これぞまさしくロックの原石。いかなるアクロバティックなテクニックをひけらかすよりも、「ギュウイ~ン!」一発でひれ伏させるほどの衝撃と説得力。

マサとヤスとで取り決めたダメオシ連打も今回から導入。

マサが右手を天井高く掲げてグルグルと回転。ヤスと呼吸合わせて、トドメはジャンピング・フィニッシュ(タイバンの先輩からは「ムラカミくんはエネルギッシュだね!」とお褒めの言葉を頂戴しました)。

あるミュージシャンに言われた事があります・・・・・「マサとヤスは何かにとりつかれているようだった」と。

めくるめくSTAのスピーディなる音像シャワーを、一身に浴びまくって酔いしれている観客達は身をゆだねるのみ。

ただただ目が点状態で放心・・・・。

 

「皆さん、こんばんは!改めましてTHE SAPPORO TRANSIT AUTHORITYです。楽しんでいますか!?

イエイ!うちは大所帯なんですが、このホットタイムを気にいっていて、ちょくちょく出させていただいています。ここのライブは1年半ぶりかな?

今日のタイバンは、おかげさまをもちまして、凄くゴージャスでクオリティの高い仲間達ばかり総勢15バンド。多方面のジャンルから集まってくれて昼過ぎ12時半の最初から最後まで盛り上がりっぱなし。僕個人としても楽しませてもらっています。え~そんな感じでね、僕達は10年以上にわたりブラス・ロックを追及して毎月ライブ活動しています。今日もいっぱい色々なタイプの曲を用意しています。ここからも我々の基本コンセプトに基づいて、初期シカゴを中心にお送りしたいと思います。

最後まで盛り上がっていきますのでお付き合いください。

デビュー・アルバムからのヒットチューンで・・・ビギニングス!」

(この曲はクルさんのリクエストによって組み込んだのです。アメリカンロックのお手本のような曲だと大絶賛。2017年9月17日のピグスティ以来の演奏)

クルさんはいつもジャストなタイミングで、イントロの爽やかなるストロークに入ってくれるんだよ。今回から試行錯誤を繰り返しながらもコーラスやフランジャーも軽めにかけているもんだから、尚更の事、気持ちの良い響きだ。

ここが肝。

そしてちょっぴりタメの効いた、ヤスとマサによるアクセント・ビートが加わる。(もちろんマサとヤスも念願が叶ったと狂喜乱舞だ!)

やや抑え目で静かな音色のブラス・セクションも、そっと彩を添える。

ここでのジュンのメロディアスなボーカル(彼がこの曲を歌うのは初。覚えるのに苦労していました)、そしてマサのセンス溢れるコーラスが絶妙の光を放つ。

「WOWOWOWOW~!」と後追いハーモニー。

ただひたすらに美しい進行。2番歌詞部分にあるシンコペーションの連続は、スタジオ練習中も、ライブ中も、何の打ち合わせも無しに全員がパーフェクトにバッシバシとこなしていました。(ギターも、そしてキーボードの2人も)こいつは正直な話ビックリ。だってそれまでは説明しても、できるメンバーがいなかったもので。

鳥肌が立つほど。密かに皆は習得してきたんだね。頭でっかちな能書きなんて一言も語らずに、ただただ実践あるのみ。

観客達が満足している雰囲気は、確かに伝わってきています。手ごたえあり。

循環コードだからスムーズに進行。前半部分は歌心に重点を置き、後半部分はホーンセクションが徐々に加熱していくという趣向が凝らされています。

クニとカツが逞しき肉体を誇示するかのごとく、トランペットとトロンボーン交互に迫力ある名物ソロを貫禄たっぷりに披露。

超懐かしのこの曲には毎回泣かされているのです。見事にこなしても、あまり報われない曲でもあります、何故かね・・・。でもこの日の完成度は特筆モノ。

ヤスのダニー・セラフィンそのものともいえる完コピフィルインは何度聞いてもゾクゾクするよ。

ミキティも「いい曲」、ユミ嬢も「爽やかな曲」と褒めてくれました。

でもユミ嬢がアレンジを施してオルガンサウンドの響きを加えてくれたおかげでとてもクオリティが増してきたよ。

ブレイク時におけるベース・リフにも歓声が沸く。ほとんどのメンバー達が、今回はこの曲に賭けていたのです。

エンディングも、より迫力倍増で決まった。

 

「次もシカゴ初期の濃厚なる本格的ブラスロックをお届けしたいと思います。

コロコロと複雑に変化するややこしい曲です。ちょっと聞いてみてください。

お楽しみに!!

NEXT NUMBER ・・・・・メイク・ミー・スマイル!!(1・2・3・4!)」

 ヤスによる軽快なるハイハット4カウントが即座にそれを打ち破る。

 この曲もドテッパラに炸裂する一撃が狂おしいくらいに激しく、やはりイントロが常に豹変、それでいてごり押し感なくスッキリとスマートにまとまっているところがやたらと発揮されていて痺れます。

 実はね、この曲、小樽でSTAがライブのたびに、会場にいる外国人の方達から「MAKE ME SMILE !」とリクエストされていたのですよ。

 あちらサイドのほうにめっぽうウケがいいみたい。

 でもいろいろとややこしい事情があってしばらく封印いていたんだけど、最近はめでたくそれも解除されて徐々に日の目をみてきたというわけ。

でも再度取り組むからにはグレードアップは常識。

不協和音も排除されて、無駄のない王道ともいえるパーフェクトな曲ですよね。

 最近のS・T・Aはけっこう、こいつに馴染んできたよ。

 この曲でも前曲同様にリード・ボーカルをマサからジュンに受け渡し、マサとクニはバッキング・ボーカルに専念。

 ダンディーなジュンは、なかなか堂に入った喉を男ならではの色香をタップリと漂わせて歌い込む。

 バッキングは疾走感漲った塊のようなブラスロック代名詞をはかる。

 ヤスは、ここでも千手観音のごとく、相変わらず虎視眈々と大奮闘。

 エンディングではクル氏によるトリッキーなる16フュージョン仕込みのマシンガン・ピッキング・ギター・ソロ。

 クルさんのギター音って大きいんだけど、ちっとも耳障りだったりうるさく感じたりしないんだよね。これってやっぱり巧みなる音作りの技。

 血沸き、肉踊る現象とはまさにこのこと。

 それにしても各メンバー達は相変わらず多方面の分野にまたがって八面六臂のフル稼働。

 ブラス隊による緻密に構築されたアレンジの妙が、更なる完成度と緊張感を増幅させつつも第1楽章を終了(この曲は7楽章からなる組曲なのです)。

 エンディングのフェイドアウト部分は入念にスタジオで打ち合わせたとおり、テナーサックスの音色が揺らめく中、クルさんの流麗なるコードとヤスによるデリケートなトップ・シンバルのカップ部分による装飾音、シンセなどが奏でる残響音の余韻で幻想的なトーンを漂わせる。

「HEY!我々はどこでやっても浮きまくりですが今回は特にですね(笑)。フルメンバーが揃ったので、頑固一徹今後もブラスロック街道をガンガンに突き進んでいきますよ。

ひじょうにマニアックなものも織り交ぜつつ、さて早くも4曲目へ突入します。次の曲は5大ブラスロックの一つでシカゴの強力なるライバルとも言われた一発屋の悲劇バンド。ダンサンブル・ビートがディスコでも大受けしてもてはやされた、アイズ・オブ・マーチで・・・・ヴィークル」

 これも、「イントロダクション」に引き続きエディット・バージョン。

 観客席から出てきたアベさんもミキティ嬢と共に両手を高々とあげ、全身全霊を込めて大歓迎のジェスチャーを掲示しながらも拍手で合流。

アベさんは最早いても立ってもいられない、といった様子にてホイッスル鳴らして参戦だ。
踊り好きにとっては極め付けとばかりに、血液逆流しそうな炎のナンバー。

文句のつけようもないくらいに、ヒップなアタック感。

伊達男ジュン、ここではテナー・サックスとボーカルの二刀流。

彼はライブごとにアルトだったりテナーだったりと、よくもまあ混乱をきたさないものだね。

それでも十八番だけに、まるで自分のオリジナルソングのように捲くし立てる。

ボーカルが優雅で圧巻。

熱唱に次ぐ熱唱という構成。

今回のライブ構造はマサ、ジュンとでボーカルを2分するというシステム。

ホーン隊は体を仰け反らせて、渾身の吹き込み。

マサは大股開きのままで、ネックをグルグルと上下にひねり回してのピッキング。

後ろを振り返ったり、お馴染みのブレイク・パートではアベさんと向き合って一緒にクルクルと回転。

前後左右にと行き来しながらキックをぶちかます。

一時たりともジッとしていません。ロックバンドのライブはやっぱりこうでなきゃあね。

それだけにとどまらず、頻繁にドラムセットまで駆け寄って右足をバスドラムに乗せてシンバルを蹴りまくる。

調子にのりすぎて左肩がぶつかったシンバルスタンドが傾いて倒れそうになるも、グイ~ンと元に戻った。

ジェームス・ブラウンのマイクパフォーマンスさながらの状態にマサとヤスは苦笑いさ。

長年ライブをやっていると予期せぬ突発的なことが起こるというもの。

後日に気付いたんだけど、この曲中マサはベースヘッドをミキティのスコアにぶつけて床に落としてしまったのさ。丁重なる謝罪をしたら優しく許してくれたよ。本当に申し訳ない・・・・。

それはともかく、時折ナオやジュンとマサが向き合っての相乗効果を煽りあう、火花散るインター・プレイも微笑ましい。

時代を反映してか、サイケデリック臭を狙ったかのようなクルさん渾身のギター・ソロは確実に的を得ているね。

フロントにまで飛び出してきたクルさんはこの手の曲でも、的確なるコードワークの度に腕を突き出して盛りたてる。

そこへといっせいに群がるオーディエンス。凄まじき光景。

ギター・リックも伸びやかなるサスティーンも一際異彩を放ち、ここでも獅子奮迅。

決めのブレイクタッチ・フレーズでは、メンバーと観客達が何度も大合唱。

観客の中にはプレイ・スタイルを真似ている輩も出現。

エンディングにおける一瞬の空間を突き破るがごとく、目一杯にタメをきかせて喉を振るわせる官能的でブルージーなジュン絶叫ソロボーカルパートでは気持ちよさそうに自己陶酔!

このひとことで観客達が「ヒューツ!!」と大歓声。

プレイしている我々でさえも、手前味噌ながら震えがくるほどの高評価を下したくなるほど。

皆が皆、一様にエキサイトしていて、万雷の拍手が鳴り止みません。 

 
 

「それでは後半戦に入ります。アベさん、膝の具合は大丈夫・・・?。気分転換・・・・次の曲でちょっと熱冷ましをしたいと思います・・・・知っているかな?セクシー部門担当のジュンがここでも心を込めて歌います。シカゴ初の全米1位に輝いた珠玉の金字塔。STA唯一のバラード。邦題は・・・愛ある別れ・・・・・原題はイフ・ユー・リーブ・ミー・ナウ(STAはE♭キーの故ジョン・オバニオン・バージョンで)」

 原曲のキーからの変更を伝達忘れしちゃってスタジオでそのことを初めて知ったメンバー達もたまにいます。でも彼らは即座に曲の本質を理解してくれて(相当に大変だったと思うよ)、本番では美しい成果を遂げていました。

イントロではお約束のウインドウチャイムが優しく全体を包み込む。

ここでクニがトランペットからフリューゲルホーンに持ち替えるシーンもおなじみになりましたね。

さらには今回ホーンセクション達の連携でいつもとはまた違った神秘的な音作りに挑戦してみました。

 全体を覆うようにナオとユミ嬢の見事なまでのキーボードが叙情的なタッチで采配をふるう。

ツイン・キーボード(オルガンとエレクトリック・ピアノ)というファンタジックな特性が一番発揮された曲でしょうね。

スモークが漂う中、煌びやかなキーボードによる壮大なオーケストレーション・パートがストーリー映像を描きあげるのですが、現在の編成上、歌詞から練り上げた構想をクルさんは、それまでの彼とは一線を画するメリハリあるプレイに没頭しています。足元に設置してあるエフェクターのスイッチを踏み込んで深めなディレイ&リバーヴ効果を加えたナチュラルトーンのソロも、マサのアドヴァイスで1オクターブ上げて、より曲の魅力を引き出すことに大貢献。

よりドラマティックなる効果を狙い、サスティーン音色を膨らませての装飾。

中間部でのバッキングによるコード進行もバッチリと体得したから、水を得た魚のようにノビノビと演出しています。

中々にやるもんだねえ。八面六臂の大活躍。

さすがシカゴ・ミュージックのノウハウを究極に熟知している猛者だけのことはある。

ヤスのリム・ショットも痒いところに手の届くくらい、程好いグルーヴを生み出している。

繊細なる刻みも味わい深い。何も言う事なし。文句の付けようもない。

 ジュンはマイクを手に、とろけるような哀愁に満ち溢れたボーカルで言葉に表せないほど切ないくらい感情移入。

 「ジュンちゃ~ん。可愛い!」と黄色い(!?)歓声が浴びせられる。

口笛もピーピーと鳴り響いている。

ハードからAOR、ソウル系からミディアム・ナンバーにいたるまで何でもこいの頼りになる奴。

さすがクルさんが絶賛、太鼓判を押したシンガーだけはあるね。

 マサによる絶妙なるハーモニーも後押しして、いい味を出している。そして、もちろんクルさんも大人の魅力で光を放って貢献。

 控えめに体を軽く揺らしながらのホーンセクションが、思い切り咽び泣いて盛り立てる。

 特にカツ君のトロンボーンが刺激的な色合いでムード倍増。

 グッと抑え気味のクルさんも、アルペジオとさりげないハーモニックス効果でジックリと持ち味を発揮。

エンディングでのメンバー一丸となっての連携プレイは、芸術の域に到達しちゃいそうなくらいに練りこんだモンね。

ここだけはチーク・ダンス・タイムのシーンにウットリと落ち着きました。

 

「オーケー!ありがとうございます。じゃあ次はアベさんの大好きな曲でこれもずっとリクエストを貰っています。

特別に組み込みました。

今日は日曜日だけど土曜日の曲をお届けしたいと思います。

一番万人受けするシカゴ初のシカゴⅤ収録初ミリオンを記録した、輝しき珠玉のポップアイコンともいえる記念すべき名曲。」

  優しい音色でピアノの調べに乗せて・・・・SATURDAY IN THE PARK・・・・・マサがナオの方向へ向き直った瞬間、絶妙のタッチでシンコペーションを基調としたあまりにも超有名なるイントロを演奏。(素早く音色チェンジとスコアめくりをこなす)

当然ここでの主役は最初から最後までナオくん。

一番彼が演奏することを夢見ていた曲なんだから、そりゃあ至福の瞬間で天にも昇る心持ちでしょうねえ。

全身汗まみれながら、とても気持ちよさそう。

もちろん、それに呼応するように熱烈なる声援へと反応が変わっていく。

マサも相変わらず絶え間無く左右に、トレードマークともいえる軽快なステップを踏む。

とにもかくにもユミ嬢による知性に満ち溢れたシンセサイザー・プレイのおかげで、より誰もが贅沢極まりないハッピーモード全開に浸れちゃうのだから不思議なものですよね。

よくよく見てみると会場のあちこちで嬉しそうに、ピョンピョン飛び跳ねている人たちが見えるではないか!?

ステージ手前では、ある女性が簡単な振り付けを指導しながら皆と一体になって踊っています。

クルさんも目の前の観客達の笑顔に癒されたそうですよ。

世界平和を声高らかに提唱する、スケールの大きいビッグヒット。

まさしくシカゴ版「イマジン」との呼び声高きアンセム。

マサが歌いながらアベさんのそばに歩み寄ると、ニコニコと微笑み返し。

他のミュージシャンらも、すこぶる気を吐いていますよ。

ジュンとクニもコーラスに人一倍のこだわりをもって挑んだ曲。クニは2番の一部をリード・ボーカル。

エンディング最後の1音に至るまで、気合十分パーフェクトに完奏。

普段はホノボノと佇んでいるクルさんではありますが、やる時は綿密にバッチリと決めてくるところなんかさすがですよね。

 

「皆さん、満足してくれてますか?」「イエ~ッ!!」「今は何時くらいかな?こういうパターンも乙なもの。それでは正真正銘のこれがラスト、極上のミッドナイト・ソングで締めくくってみたいと思います」

この時、すでにクルさんはギターを掲げて小刻みに震わせつつも不気味な唸りを発する・・・・・「ウィ~~~~ン・・・・・・」

マサは前傾姿勢で、モニター・スピーカーに右足を乗せたまま「ありがとう!最後です!いきます!盛大に盛り上がっていきましょうー!HEY!!!・・・・・・25or6to4!!!」(EDIT VER)

マサがクルさんの方向を左手で指差すと、「ギュイーン!」のスライディングから

「ガガガガガーン!」

メンバー全員が「ヘイ!ヘイ!」

ジュン「後ろの方も一緒に!!HEY!HEY!」

驚いたことに他のホーン隊もそれに連動して、ノリノリに飛び跳ねて手拍子を交えている。

その上、管楽器を振り回している。

ギターが、これ以上ないほど、過激にピッキング。

マサも一緒にメインリフを弾き始めると、ヤスもシンバル類総出で

それに便乗する形にてなぞってくる。

疾風のごとく耳をつんざくホーンセクションの狭間に、リズムの鬩ぎ合い!

あるバンドは「STAはスーパー・スペシャル軍団」

あるギタリストいわく「ニュー・ギタリストは上手いし、いい音を出していますね~!」

あるパーカション奏者いわく「STAはレベルが高い」

あるトランペッターいわく「STAはブラス殺しのナンバーばかり・・・・」

あるミュージシャンいわく「STAは歴史と伝統あるバンド!」

マサは1フレーズごとにステージフロント右から左に並べられているモニター・スピーカーに左足をのせながら移動。

クルさん&マサが両サイドのフロントにて陣取り。この躍動感あるロックなコントラストが長年の理想形だったのさ。

ギターがスポットライトを浴びる場面になると、必ず最前列に飛び出してきて自己主張。

ホーン隊が拳を突き出すタイミングが絶妙。

誰言うともなくメンバー達が合間を縫って

「イェーッ!!」観客も「イェーッ!!!」のコール&レスポンスで半狂乱。

もうこれが本当にラストだと察してか、余力を振り絞って全員グチャグチャでどこもかしこも総立ちです。

STA全員が右手を何度も振り回しての熱演。

マサはヤスのバスドラム前、更にはホップステップで目前にまで駆け寄って、コミュニケーションをはかる。

ヘッドバンギングにて中央で両膝ついて、気迫のヴォーカルを続行。

クルさんは、虎視眈々、隙間という隙間をびっしりと雷鳴のごときソロで埋めつくすほどに我を忘れて、ギターの鬼と化しています。

でも、起承転結のメリハリはバッチリ!!!

締めはエフェクター設置スペースにもどってワウワウペダルを踏み込む艦砲射撃で爆発寸前。

ホーンセクションが各自で手にしたパーカッションで応戦。(タンバリンはカツ、カウベルはミキティ、ウッドブロックはジュン)

クニはシカゴ・ライブバージョンでのブラス・フレーズを吹き込む。

逆方向ではウォルター顔負けなテナー・サックスで対等に渡り合うジュン。

マサが3番を歌いながらベースのネックを観客方向に突き出す。

これもライブでなければ味わえないハプニング。

メンバー達が色めき立ってきた・・・この状況。

どいつもこいつも、ビックリするぐらいに凄い奴らばっかりだ。

何が飛び出して、どんな展開になるのか。我々にも皆目見当がつきません。

まあ、こういったスリリングな崖っぷち綱渡りパターンもSTAトラの穴(クニ曰く)ならではの持ち味であり、魅力のひとつだね。やはり役者が違います。

マサが自分の楽器を垂直に突き上げて揺すりまくるの図。

尚もクルさんのソロは轟き渡り、ホーンセクションは管体が破裂するんじゃない!?と、思えるほどの気迫プレイをクローズ・アップ。

照明もSTAのメンバー達を追うのが大変な作業だ。

エンディングではベースギターを天井高くに突き立てホップステップしながら、ベースギターを肩からはずして、尚も観客めがけてマシンガン乱射のポーズ。

そしてハイタッチ後はベースを掻き毟ってもらうようにアベちゃんに突き出す。もちろん即座にアベちゃんも「ベベベ~ン!ジャラーン!!」。他にも2人ほどが弾いてくれた。

ノリが最高!やはりこうでなきゃあね。

モニターやPAスピーカーめがけてベース本体をワイルドに擦りつける。

片足上げて思いっきり床に振り下ろした。一礼して、マサがジャンプ一閃でTHE END!!!

「ありがとうございました!」

温かい拍手に感謝です。

「アンコール!アンコール!!」の声が鳴り止みません・・・・。

「どうもありがとう!それじゃあ、お言葉に甘えて、時間がかなり押しているのでスピーディーにいこうかあ!ヤス、ゴー!!」

口笛がピーピーと吹き鳴らされる中、マサとヤスとの目配せで瞬く間にスリリングな「ある晴れた朝」。

「YEAH!」と吠えながらジュンはグイッと水を一飲み。

重戦車のごとき恐ろしいまでの、ヤスによるアグレッシブなるビートがガッチリと炸裂。

カナダのシカゴ、BS&Tと言われたライトハウスの代表作をフィナーレに持ってきた。度重なる強烈なる一撃。

今回参加のアルト・サックス・プレイヤー・ミキティ一押しなんだよ。

マニア心をくすぐりまくる選曲。

 ユミ嬢のシンセブラスは、お飾りに終始することなく華があるねえ。

 もうすっかりと板に付いてきた感あり。

 縦横無尽に絶え間なく駆け巡るナオ君のピアノの響きも絶妙の味を噴出。

マサがドラムに絡みつくようなベースランニングで挑みかかる。

鮮烈なるクル氏のフィンガリング。

リズム・セクション・スクランブルが猛然と確立された瞬間だ。

マサによる熱きヴォーカルが、ここでも雄叫びをあげる。

これをリード・ボーカルで担当するのは最近からなんだけど、目一杯に頑張りましたよ。

ベースだけでも運指やピッキングが忙しいのに、ボーカルも非常にへヴィー(延々と伸びやかに上昇するハイトーンが後半へ向かうにつれて複雑に増してくるという構成)。

総立ちの観客群からの熱視線も加味されて、グイグイと牽引の好サポート。

おそらく会場のお客さん達でこの曲を知っている人、ほとんどいないであろうことは確実。

でもそんなこと問題なし。関係ないね。

このうねりまくりのバツグンなグルーヴはどんな世代、人種、男女問わずビンビンと伝わっていることでしょう。

今までに聞いたこともない一種独特で異様なまでの先読み不可能楽曲群に、多少は戸惑いつつもぶっ飛んでいる御様子。

もちろん何度もSTA体験している人々にいたっては、言わずもがなですなあ。

中間部分では怒涛のキーボード・ソロが展開され。、今回ナオ君にはピアノに専念してもらうためユミ嬢のお手並み拝見。

マサが引導をユミ嬢へと投げかける。

過激に奏でられる攻撃的なる弾丸ソロがヒートアップする様は、したたかでいて素晴らしい。

コード・バッキングとアドリブ・フィンガリングとの連動が神がかり的。

上半身をくねらせてのゴッドハンドが降臨だ。

ここも重要なるポイント。

主役の座を独占したユミ嬢による全身全霊を込めたフレーズが、鍵盤上をスムーズに滑りまくる。

御大のクニは休むことなくタンバリンやウイドウチャイムを交えて小刻みにバックから屋台骨を支え続けます。これって最も重要なお仕事。

なるほど、その手があったかい。工夫の痕跡が垣間見える。

ならばと、曲の後半戦ではメンバー一丸となってのダメオシ応酬。

マサ、ヤスとがガッシリとスクラム組んでの骨格リズム・セクションもクセモノなんだよ。

緊迫感ほとばしるメリハリも冴え渡っていて切れ味バッチリ。

マバタキ厳禁。息つく島も与えないほどに攻め込み突入してくるS・T・A。

体全体でリズムをとりながら、腰振りミキティも見栄えが中々にロックしていてナイス。

ブラス&シンセは笑みを浮かべながらも、余裕の構え。

マサは耳をつんざくほどに、お得意のハイトーンをダメオシ連発ヒットで締めくくり。絶賛拍手の嵐。盛大だ。

ひじょうに体力の消耗が大きい、はっきりいって燃費の悪い進行なんだけど、メンバー達はいたってクールに対応。

STAの割にはスッキリとシンプルな編成ゆえ、音の分離や輪郭がクッキリ。

マサは単独で歌うので冷静にペース配分を考慮しなければいけないところではありますが、結局はおだってしまって(!?)すでに全力疾走で魂の咆哮。

誰一人として一切の手抜きなし。力を抜こうとするなんて微塵も考えていないよ。

観客もネオン・スティックを振りつつそれに応戦。

 

これにて正真正銘「リブレーション」全工程がTHE END!!

大した事故もなく(ケネスくんは唯一、長時間による機材のトラブルを危惧していたけど、大丈夫だったよ)めでたし、めでたしだ。

恒例、まさによる出演バンドの読み上げ。

そしてオーナーとスタッフ、オーディエンスにねぎらいの言葉を贈って幕となりました。

「お疲れ様。またここに戻ってくるよ~。帰りは気をつけてね。オヤスミ~!!」

いつまでも、拍手、歓声がやみません。

満足だよ。この人達の情景を見つめていると達成感一杯。

さあ、次なる計画を練ろうっと!

 

VERY SPECIAL THANKS TO・・・KYOKO・CHAN&ABE・SAN&MICHIKO&WATANABE・SAN&SUGI・CHAN&SHIGE&GAS・KUN&MYOUTEN・KUN&CHABO・KUN&HIRO・KUN&TAMA・CHAN&FUMIO・KUN&HIKO・CHAN&KAZU・KUN&KENNETH・KUN&CHIE・CHAN&CURRY RICE&COCA-COLA&100!!&FUKU・SAN&MUCTHAN&KYON・KYON&TACKEY&TAKASHIMA・KUN&KATANO・KUN&JOE・CHAN&KEI&IKU&MINATO・SAN&NORI・SAN&NAN・CHAN&HINUMA・KUNTUKMOTO・KUN&MAE・KUN!!

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