7,ZERO-C7
19:30~20:00
(ハードブギ)
満を持して遂に登場!
パープル・ブリンガーがこの日最大の爆音バンドだとすれば、このバンドは究極のマニア泣かせのバンドだ。
個人的にもずっと楽しみにしていたよ。
なんたって、コアすぎるほどのバンドをカバー。
しかもセットリストがこれまた奥が深い。
ありきたりなヒット曲やスタンダードなんてやらない。
軽々しく流行に便乗したノリなども皆無。
自分たちのやりたいことをとことんまで追求。世間の雑音なんて無視して徹頭徹尾我が道を行く。
素晴らしすぎるくらいだ。
今時、これほど頑強なバンドは珍しい。
貴重な存在だね。
単なるひねくれ者集団ではありません。
実際、一曲、一曲にたいするリスペクト精神は半端ない。
また知識も豊富。
上っ面のカッコつけミュージシャンなんて束になって挑みかかったって消し飛んでしまうからご用心を。
メンバーのほとんどは顔見知りだ。
先月も別のバンドで対バンを組んだばかりのメンバーもいるよん。
それでは超豪華なるメンバーの紹介をしましょう!!
アベマサミチくん(VO&G)
ヤノシンヤくん(G&CHO)
ウメちゃん(DR)
オサムちゃん(B&CHO)
マサミチ君、おひさしぶりだあ。
お互いに再会を喜びあった。
彼とヒコちゃんは長い友人関係。
マサも「メドルムーン」で何度もライブを拝ませてもらっているよ
ウィッシュボーンアッシュやピンクフロイドなどなど通受けするライブで涙腺を何度も崩壊させられた。
この日もサザンロックの雄、レイナード・スキナードの黒いTシャツ姿でバッチリと決めてきた。
ブラウンカラーのポールリードスミスを使用。
シンヤくんは黙々と渋いトーンでエモーショナルかつヘヴィーなソロを紡ぎ出していました。
ナチュラルカラーのレスポールスタンダードを使用。
黒いカールコードに接続する拘り具合。
ウメちゃんは男顔負けなドラミングで土台をキープし続ける。
ロングヘアを振り乱しながらのスティックさばきは、ロッカーサイドの視線から言わせてもらえればめちゃくちゃにセクシー。
何度か別のバンドでライブを見たけど、ど迫力なサウンドは折り紙付き。
そしてオサムちゃんだ!
実は繊細なるフィンガリングも織り交ぜるテクニカルなベーシスト。(シュアーSM58持参)
先月はSOEN,マスクらとのバンド、フラッグで対バンしたばかりだ。
その時には紅いボディカラーのアリアプロⅡを使用(ローズ指板)。
彼が駐車場から豪快に闊歩する姿を見ていたけど、それはロックンローラーそのもの。
黒マスクにサングラス、ジーンズに黒いTシャツの背中にはご存じ「今日もカツラーメン」の文字が!!((´∀`*))
とどめはテンガロンハット!
全てがトレードマーク。
更にはワウペダルをここぞという場面で駆使して盛り上げていましたよ。
先月、オサムくんのベースアクションを見てマサはふと思った。
ボディーパンチ、フレットを上部から押さえる、しまいにはボディの裏から腕を伸ばしてのベースプレイ。
極めつけはアリアプロⅡの同色機種。
ライブ直後に即行で駆け寄って問うた。
「もしかしてルディ・サーゾが好き!?」
「やっぱり、わかりましたあ!!??((´∀`*))」
「だってあのプレイスタイルに、あのベース本体でしょう。
俺がベーシストとして一番リスペクトしているステージパフォーマー!
クワイエット・ライオット初来日の中野サンプラザ最前列で見て狂っちゃったのさ。
あんな凄い動きをするベーシストを見たことがないから、新鮮なショックを受けた。
あの感動は今も冷めやらないよ。
長い髪の毛が巻き付いた汗でびっしょりのバンダナ2枚を受け取ったんだよ。
あれは一生の宝物だよ」
「僕もホワイトスネイクで見ました」
「ベースを床に置いて弾いたり、クルクル回りながら頭に乗せて弾いたりもするんだよね」
「そうそう!!
ところで、数年前に7月の小樽浅草橋屋外ライブに僕が出演した際に、出番直前までステージ裏手のテント前でマサさんとずっと会話したんですよ。
覚えていますか??
アン・ルイスのカバーバンドでした(その時のドラマーもウメちゃんだった!)」
「ええ!!?ああ!?、思い出した!!
あの時はリッケンバッカーだったよね。
それでレミー・キルミスターの事で盛り上がったんだよなあ!
しかし、こんな話題で熱くなって意気投合しているのは、ここでは俺ら2人だけだよね。
ルディのことに気づいた人、ここにはいないだろうなあ・・・・」
いやはやなんとも、マニアックなベーシストコンビが奇遇な巡りあわせを果たした一幕でした。
ちなみにベースの裏側下方からのプレイスタイルはアリアベースでなければ難易度強とのこと。
テンガロンズにマサも加入させてね。
この日は白いギブソンのサンダーバ―ドを使用。
フィンガーとフラットピッキングを臨機応変に使い分けてバリエーションを膨らませていた。
リッケン、アリア、そしてサンダーバードときたらお次のベースは何かな!?
マサもベースの好みが似通っている。
でも、アリア、サンダーバードは大きいので泣く泣く諦めた経緯がある。
グレコのナチュラルリッケン・モデルは持っているけどね。
この不思議なバンド名の意味を説明します。
オサムちゃんのもう一つの顔はコンピューター技師。
プログラムのテスト中にエラーが発生した際のコードが「0C7」。
本人いわく「あまりにも適当というか安易というかそんな感じです。
とりあえず、ライブ用につけて後に改名しようと思っていたのですが何故か浸透してしまいまして・・・・。
私と同業種の人には縁起の悪い名前と言われてます(バッドカンパニー、バッドフィンガーも同様)」
いやいや、どうしてどうして、ひじょうにロックっぽいネーミングセンスに乾杯だ。
絶対に同名のバンドはいないだろうねえ。
いずれにせよ、メンバーを厳選してオサムちゃん長年の夢と理想が具現化されたのがこのバンドなのだ!!
はい!前置きが相当に長くなっちゃったねえ。
ライブレポートに入る前からエキサイト気味。
それでは行ってみよう!!
1曲目はZZtopの「LA GRANGE」
しょっぱなから存分に唸っちゃうよ。
だってワールドワイドにブレイクした曲ではなく、あえて初期の作品をセレクションだもんなあ。
波状攻撃開始の狼煙に鳥肌が立っちゃった。
1974年4月リリース。
3枚目のアルバム「トレス・オンブレス」に収録。
ビルボードにおける最高チャートは41位。
歌詞の内容な意味深い。
曲とリズムはジョン・リー・フッカーの「ブギ―・チレン」とスリム・ハーポの「シェイク・ユア・ヒップス」を下敷きにしている。
「A-HOW-HOW-HOW-HOW 」と低く歌う部分はフッカーの「BOOM BOOM」からの引用。
どうです、お見事の一語に尽きますなあ。
こんなバンドは唯一無二。
不気味な導入パートではマサミチくんの真骨頂。
ウメちゃんの小技の効いたリムショットから豪快な音壁が爆発。
静と動の対比がアーティスティック。
絡みついてくるギターリックはヒステリック。
一気に怪気炎をぶちかます。
潔いほどの炸裂ぶり。
豪放磊落とはまさにこのこと。
ダイナミックなアンサンブルの暴れっぷりにもはやお手上げさ。
ヤワな連中などは叶いそうにないね。
「こんばんは!ありがとうございます!!
次の曲は、フォガットで・・・・・HOME IN MY HAND 」
立て続けに男気溢れる骨太のずっしりとしたドライヴィング・ビートの一撃で猛追。
阿吽の呼吸で、ひと際、異彩を放って盛り上がっている。
電撃のスライド・ギターによる埃っぽくも泥臭いソロが天空を駆け巡る。
汗まみれの攻防は一向に手を緩める雰囲気などみせない。
タップリとタメの効いた重量級なグルーブに辟易するのもまんざら悪い気しないね。
どういうわけか、ここ日本ではこの手のバンドはなかなかに売れないのだよね・・・。
土壌の違いなのか、寂しい限り。
「FOOL FOR THE CITY 」
(同名の漫画があったね)
3曲目も軽快なフォガットで攻め立て続ける。
これ英国出身のフォガット5作目にして代表作の同名アルバムからの曲。
1975年発表。
ブルースバンドだった彼らがアメリカに移って手にした成功がこれだ。
意表を突く米国南部を感じさせるキャッチーなハードブギが持ち味。
研究熱心なフォガットらしい成果でしょう。
奥の深いフォガットのルーツが垣間見えるようだ。
秘密兵器のピッキング・スクラッチが雄たけびをあげる・・・ギュィーン!!・・・・
伝家の宝刀のエフェクト効果も絶大。
メンバー同士のフォーメーションも鮮やか。
明るく元気一杯に弾けまくって恍惚の極致に達しそう。
4曲目もメドレーで怒涛のフォガット。
「HONEY HUSH」
ハイハット連打でのカウント。
原曲はジョニー・バーネット&ザ・ロックンロール・トリオなんだけど大元はもっとさかのぼって1950年代のビッグ・ジョー・ターナー。
ナイスガイのオサムちゃんがわざわざ調べて連絡をくれたよ。
壮大なる歴史を紐解いてくれた。
これ、最も有名なのは「トレイン・ケプト・ア・ローリン」のリフなんだけど、こちらが本家本元。
ヤードバーズ、エアロスミス、日本では博多めんたいロックの代表格サンHOUSEやシーナ&ザ・ロケッツの「レモンティー」が有名どころ。
ライオットは明らかにフォガットのヴァージョンをお手本にしている。
ヤードバーズのものをスピードアップさせて、歌詞を変えギターの掛け合いを盛り込めばフォガットの完成型。
他の数多くあるカバーなんて一変に霞んじゃう。
中には単調で野暮ったいカバーもあるし・・・・。
粗削りだけど、刺激的で贅沢極まりない威勢の良いひと時。
引っ掛かり気味に突っ込むところが癖になってドツボにはまるんだ。
そんじょそこいらにゴロゴロと転がっている日寄った輩とは雲泥の差。
暴力的に歪みまくる弦楽器たち。
ヘッドバンギングの応酬で、硬派の神髄を堂々と誇示してみせてくれる。
ダレる箇所なんて皆無。
「普段はここで終わるんだけど、1曲増やしたんで巻き気味ですね・・・・。」
「もうやめない!?・・・疲れた・・・・(ディッキー矢野)」
「((´∀`*))それでは2曲続けてやります!
まずはまたまたフォガットで・・・・・・I JUST WANT TO MAKE LOVE TO YOU!!」
(原曲は巨匠マディ・ウォーターズ。ストーンズも取り上げている。作者はウィリー・ディクソン。1972年リリース。デビュー・アルバム「フォガット」の1曲目に収録。最高ランキングは33位。邦題は「恋をしようよ」)
ソウルフルなボーカルはインパクトあるなあ。
ギターが加わってドンドンと高まっていくイントロと、這いずり回るベースライン主体で繰り返される展開が印象的。
シンヤくんのねちっこいリードギターと、マサミチくんの鋭いカッティングワークにいつのまにか陶酔してしまう。
熱きデンジャラスなロックンロールの誘いに痺れっぱなし。
下手な屁理屈抜きにラフでワイルドでタイトでストレートなご機嫌バンドさ。
油断も隙もあったもんじゃあないなあ。
ナンパな心構えじゃあ一瞬で骨抜きにされちゃうよ。
迂闊に気を緩めていたら、脳天直撃に息も絶え絶えに悶え狂っちゃうよ。
持ち得る余裕と貫禄と自身漲るオーラは本物。
まるで楽器という武器を使い、火花散る喧嘩をしているみたい。
とどめの一撃「BORN IN CHICAGO(THE PAUL BUTTERFIELD BLUES BAND )」ですっかりと息の根を止められる。
ラストにふさわしきマスターピース。
シカゴ出身のポールはホワイトブルースの先駆者。
古き良き時代のジャズフュージョンとブルースとカントリーとエレクトリックロックのシンクロに尽力。
その功績は偉大。
あの「ウッドストック」にも出演していたね。
そしてこれは彼の記念すべき1965年のデビューシングル曲。
日本では今だに過小評価されているけど・・・・。
余力を振り絞っての極めつけで熱演。
入れ替わり立ち代わりにがっぷり四つに組みながらも咽び泣くギター。
仲の良さがこちらサイドにまで伝わってくる。
オサムちゃんは、もうこれで最後と知ってか完全燃焼を目指すべく所狭しと動き回って衝撃のランニング・ベースを延々と刻む。
ウメちゃんとのひたむきなボトムは鉄壁。
そしてお約束のベースボディトップにメガトンパンチを見舞う。
「ドッカ―ン!!」
今度はZERO-C7のハープやホーンセクションが参加している編成も見てみたいなあ・・・という欲がムクムクと沸いてきた罪なバンド。
何も思い残すこともなくやり切ったね。
満足ゆくまで情熱の30分はアッという間に過ぎ去った。
お疲れさまでした。
またすぐにでも観たいな。
今回の倍くらいの持ち時間でね。
その時はよろしく!!!((´∀`*))