会場内にずっとノリノリで流れているのはディスコ・クィーンことドナ・サマーの代表作「ホットスタッフ」
****一昨年から今年にかけて、せっかくライブイベントを立ち上げ対バン、タイムテーブル、フライヤーを決めてもコロナ騒動で直前に中止あるいは延期の連続でひじょうに残念なことばかりでした・・・・。
なんとかかんとか本番に漕ぎつけたとしてもドタキャン、メンバー欠席などで消化不良気味に。
でもやっと最近は比較的スムーズに事が運ぶようになりました。
今回はキャンセルバンドは1つもなし。
快挙だよね。
まあ、これはこれでスリリングな展開。
観客もずいぶんと入ってくれて盛り上がったし。それではいよいよオオトリの登場だよ(実は直前になって出演順の入れ替えが勃発したのさ!!)
このバンドは決定打だ!
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8,パイナップル
20:15~20:45
このバンド名でピンときた方は、筋金入りのアイドルマニア。
そうなのですよ。松田聖子のコピーバンドなのだ。
結成7年目だそうです。
バンド名も大ヒットした彼女5枚目のアルバムから命名(1982年5月21日リリース)。
松田聖子カバーバンドといえば、小樽北運河サウンドエナジーで対バンした愉快痛快なるサックス奏者のミヤッチ率いる「ミルキーウェイ」を思い出すなあ。
でもこちらも負けないくらいに魅力的だよ。
実は去年の3月21日の日曜日「ソリッド・フレンズライブ」、そして今年4月のやはりヒコちゃん企画「フレンズ」ゴールド・ストーンでも対バンしたのだった。(それ以前にも対バン経験あり)
その時のライブを見ていたヒロリン&ミキティ曰く「ボーカルの女性はうまいね」とべた褒めだったもん。
それはともかくもこの日はどこもかしこも女性ボーカル&ミュージシャンが目白押し。
各バンドで華麗にスポットを浴びていた。
これは頼もしい限りだ。
女性のプレイヤーも増えてきたね。
もっともっと女性たちに進出してもらえれば音楽界がより活性化して多種多様に裾野が広がりをみせるというもの。
今後益々の活況に期待しちゃおう。
さてさてパイナップルはラストという重責をものの見事、余裕綽綽に果たしていました。
こちらも地元は札幌からの出演。
今までにも何度となくSTAとは色々なイベントに出演していたのですが、残念なことに曜日違いだったから、私が観るのは今回で4度目。
セットリストも「カワイ子ぶりっ子全盛期」の作品で網羅されているんだから、自ずと目じりが下がってくるというもの。
どの曲も光り輝いていて素晴らしいねえ。
なんたってこの日の出演バンド中、唯一純粋にアイドル色が濃厚なだけに、ジックリと拝見させていただきましょうか・・・・。
もちろん感染対策も万全に。
ステージ上にはパーティションやビニールの幕はなし。
ライブは一昨年の2月「小樽公会堂・雪明りの路(土)」そして同年の12月「小樽運河プラザ~お気楽イベント」、去年3月の「ソリッド」、先述の4月「ゴールドストーン」以来なんだそうですよ。(3月のゴールドストーン・フレンズは残念ながら直前にキャンセル)
年齢不詳の(!?)編成をば記してみましょう・・・・・
5人編成
VO/しっちゃん。G/ヤマグチくん(2トーンサンバーストのシェクター・ストラトキャスター。メイプル指板。ピックアップはSSH)。B/佐藤くん(白いヤマハの6弦がトレードマーク。ローズ指板。渋くフィンガーピッキング)。KB/じいちゃん(ヤマハMO8を使用)。DR/みょうてんくんと言う不動の布陣。
はい、そうです。
ドラマーのみょうてん君は数年前にマサが新札幌FM番組にSTA代表としてゲスト出演した際に大変お世話になった方。
彼のパワフルなドラミングは定評あるんだよ。
久しぶりの再会だったけど、相変わらず元気いっぱいでなによりだ。
彼はサウスポーなんだよね。
そのセッティングだけでも見栄えがかっこいい。
札幌のフィルコリンズ、イアンぺイスだ!
叩き出すサウンドは爆音そのもの。
一聴しただけで誰もがそのパワフルなドラミングに度肝を抜かれること間違いなしだよ。
それは彼が在籍しているハードロック「蝦夷紫」やプログレ「四入囃子」のバンドで既に実証済みさ。
もうねえ、公開リハーサル(バランス調整も兼ねて)の段階から自然と手拍子が打ち鳴らされたもんだ。
今回も厳選された6曲を堂々の披露。
な、な、なんと以前のセットリストからほとんど入れ替えを図ってきた。
手を変え品を変えの、超絶にしたたかなるバンド。
一体全体、どれだけの持ち曲と引き出しがあるのだろうか?
どうせこれだってまだまだ氷山の一角なんだろう・・・・。
さあ、それではいってみましょうか!!
1曲目は「レモネードの夏」
1982年に発表。
アルバム「パイナップル」に収録。
思いっきりはじけまくるイントロからキュンキュンと胸に迫ってくる(ちょっと、アッタカインダカラ♪に似ている・・・これ琴線を振るわせるメロディの法則らしいね)
ほうら、トップのナンバーからまたまた粋な捻りを加えてきたね。
こういうところが、そんじょそこいらにゴロゴロとのさばっているありきたりなバンドとは一線を画している証拠さ。
中々にマニアック。
王道のシングルヒット曲「渚のバルコニー」B面だね。
あえて裏面をとりあげるという心憎い暴挙に思わず乾杯したくなるね。
松田聖子の楽曲は今更言うのもなんだけど膨大で珠玉の傑作ぞろい。
でもあまりスポットライトの当たらない隠れた名曲もそうとうなもの。
その辺の掘り起こし作業と、こうして発表する快感は熱狂的なマニアとしてはたまらないものがあるんだろうねえ。
まあ、コアはファンにとってはどれも当たり前に有名なんだろうけど・・・・。
聖子節がそこいらじゅうにふんだんに散りばめられていて結構な仕上がり具合ですなあ。
これで掴みはオーケー!!
いずれにしても、相当な自信と余裕と貫禄と心意気がなければ成し得ない。
「はい、改めまして、皆さん、こんばんは、パイナップルです。
先ほどのバンドの八神純子や工藤静香を懐かしいなあ、いいなあと思ってずっと聞き入っていました。
今日は彦さんや色々なジャンルのバンドが、続々と演奏を披露してくれましたがパイナップルも頑張りますので最後まで楽しんでいってください。
よろしくお願いします。
2曲目は・・・・マイアミ午前5時」
(1983年6月1日リリース。アルバム「ユートピア」に収録。ちなみにこのタイトルはサイモンとガーファンクルの曲タイトルからの引用)
緻密に計算されつくした驚愕の無機的なバスドラム・キック・リズム音や、繊細なアレンジが感涙にむせぶほどの空気感が絶品だ。
タイトでストレ―トなサウンドが肝。
淡々と進行するほど、不思議と癖になるんだなあ、これが。
誰のセレクション?
やっぱりしっちゃんなのかなあ??・・・・
だとしたら、なんまらセンスがいいよね。
程よい色気と爽やかさを醸し出す聖子ちゃんのイメージや魅力が余すところなく詰め込まれた印象的な構成がお見事。
懐かしくもあり、何故だか凄みさえをも感じられて、迂闊にもときめいちゃう。
バックをつとめる超一流のプレイヤーたちもピカイチの再現力で本領発揮。
的確なる表現力はさすが。
シンプルなメロディと絶妙のハーモニーと余韻・・・・クオリティの高い曲だね。
「昔を思い出しますね。
次の曲はバラードです。
1986年、私が11歳の時、6月1日に発表された13枚目のアルバム、スプリームの最後に収録されていました。
夜明けの来ない日はない、というこの時代にぴったりな、今だからこそ聞いてほしいと思い選曲しました‥‥瑠璃色の地球」
これは単なるラブソングではないですね。
壮大なるすべての愛に捧げられた究極のドラマティック・ナンバーだ。
ぜひともプーチンに聞いてもらいたいよ。
じいちゃんの鍵盤から奏でられる音色に導かれるように、感情をこめて歌うしっちゃん。
ここではじっくりと腰を落ち着けて皆で聞き入ってみようね。
比較的抑えめなプレイヤーの4人。
相当なる腕前の持ち主ばかりだ。
ツボを心得た猛者ばっかり。
テクニックをもっているのに、むやみやたらとひけらかさないで黒子に徹しているなんて、いぶし銀の世界で神々しい。
能ある鷹は爪を隠すとは渋い彼らの事なり。
中間部分ではしっちゃんが愛情とリスペクト込めて、懇切丁寧に各面メンバーを紹介。
羨ましいくらいに仲の良さが伝わってくる。
和気藹々なホンワカムードも漂っている。
「続いては40年以上前の曲を2曲続けてお届けします。
ベストテンやトップテンを知っていますか?
昨日、何年前の歌なのかなあと調べてみたら、ついつい子供の頃を思い出してしまいました。
聞いてください。
いいかな・・・・?
まずは・・・・・野ばらのエチュード」
(1982年10月21日にリリース。11枚目のシングル。アルバム「キャンディ」に収録。週間オリコンチャート、ザ・トップテンにおいては堂々1位を獲得!)
ここにきてやっとメジャーなビッグヒットの登場。
あまりにもキュートでちょっぴりエレガントな仕上がりにグッときちゃうよね。
大満足だよ。
財津さん&松本さんご両人の功績は天才的。
心の奥底にしんみりと染み入る素晴らしい楽曲だ。
個人的にも想い出深き忘れがたい曲。
しっちゃんもウットリしながら聖子ちゃんになり切って、自己陶酔の表情で延々とエモーショナルに歌い込んでいるもんなあ。
元気よく頭上高々とネオンのスティックを振っているお客さんもいるよ。
「それでは雰囲気をグッと変えてもっと明るい曲いきます!!・・・・・夏の扉」
(1981年4月リリース。5枚目のシングル。オリコン週間1位を記録)
ミョウテンくんによるスティック4つ打ちカウント炸裂。
またまた掟破りなことを・・・・・(笑)。
狙ったなあ。確信犯。
これは明らかに反則技だね(笑)
最早、事細かな説明なんて不要の十八番。
もう理屈抜きに心ウキウキで最高の気分だ。
下手な能書きなんか消し飛んでしまう勢い。
これもアイドルソングだからと言って、たかをくくっていたら、思い切り足元をすくわれるよ。
演奏も歌もすこぶる難易度強なんだから。
「皆さんご一緒に~~~♪フレッシュ、フレッシュ、フレッシュ!」
決めの振り付けを思いっきり真似ようとしている、往年のギャル達(死語)も出現。
聖子ちゃんカットの女の子って最近では全く見かけなくなったけれども、(当たり前だ)あのヘアスタイルはとても可愛いのになあ・・・。
いきなりあの髪型が復活したりして・・・なあんて考えていたら一気にエンディングを迎えてしまった。
「え~~、主催のヒコさん、スタッフの皆さん、本当にご苦労様です。
今日の企画に私たちが出演できてうれしく思います。
それでは最後の曲に参りたいと思います・・・・・スコール・・・・」
(1980年8月1日リリースの同名アルバムに収録。初のオリジナルアルバム。これはシングル曲ではありません。本人もファンの間でも非常に人気のある曲)
膨大なるヒット曲の中から厳選するのは、さぞかししんどかったことでしょうね。
聖子ちゃんのカバーライブをやるからには、この何倍もの時間が欲しいくらいだ。
ピアノの軽快なイントロにのって思い切り弾けまくっちゃおう!
疲れ知らずのしっちゃんのボーカルが、余力を振り絞って俄然迫ってきましたよ。
全ての人々に心地よく迫ってくる不滅、珠玉のJPOP真骨頂だ。
もうこれだけでも鋼の涙腺が崩壊寸前。
青春時代の甘くほろ苦いきらめく思い出がキラキラと蘇ってくる。
みょうてん君もここぞという時にすさまじきフィルインで豪快極まりないくらいに、美味しいところをかっさらっていく。
観客もステージ前方にまで飛び出して行って踊り狂いたいんだろうけど、このご時世だけにジッと我慢。
ここでは仕方ないから静かにジックリと、とろけてみましょうよ。
締めくくりは手をグルグルと回転させて、華やかなるフィナーレで大団円を迎えることとなりました。
満面の笑顔に、万雷の拍手が沸き起こる。
お疲れさまでした!
「いやあ~、フレンズライブっていいもんですねえ~!」(水野晴郎風に)
そして主催者のヒコちゃんがマイクを手にこの日のイベントが無事に終了したことを告げる。
「フレンズライブ・ボリューム66,これにて終了です。
毎度ありがとうございました。
自分は物凄く飽きっぽいので色々なジャンルのバンドをやっています。
で、来週は厚別区において初の屋外ライブを開催します。
入場無料でね。
そしてそのうちに女性をフューチャーしたライブも考えていますよ。
お楽しみにね」
その会場は騒音に対してシビアらしい。
最近、そのような話は方々で聞く。
だから厚別区ライブはポップ系のバンドが中心です。
スターライト内でも、アイフォン片手にヒコちゃんは音量のレベルチェックをしていましたよ。
研究熱心な男だ。
責任感漲る行動に感銘した次第さ。
BGMはクイーンの「愛という名の欲望」
カーペンターズの「ソング・フォー・ユー」
****これにてライブ・レポート7バンド分は終了!
でもすぐにメインエベントのSAPPORO TRANSIT AUTHORITYを書きますよ!!
しばしお待ちくださいませ!!****