開場内で賑やかに流れ続けているBGMは・・・
ザ・ビートルズ「プリーズ・プリーズ・ミー」
トーケンズ「ライオンは寝ている」
ロバート・パーマー「恋に溺れて」
そして、ジェームス・イングラム・・・・など。
8,5:10~5:40
「BOZ PRO」
隣り街・札幌から初出演のこのバンドは、名物ダンサーのアベさんも、たいそうお気に入りなのです。
バンド名の通り、ボズ・スキャッグスの完コピバンドです。
ボズ・スキャッグスといえば・・・・・そうです、TOTO誕生のキッカケとなった遅咲きベテラン・ミュージシャン。
スィート・ヴォイスの持ち主。
ネオン街の帝王、伊達男・・・・・
切れはないけど、味はあるその風情で最初にホワイト・ソウルした男。
顔が高田純次似なのはご愛敬。
最近は声までもが似てきたような…(-_-;)
ファンの皆さま、ごめんなさい・・・・。
人気絶頂の当時は、そのあまりの異常な盛り上がりに渋谷陽一はやっかみ半分で「アメリカの五木ひろし」のあだ名を献上したほど((´∀`*))
この日の出演バンド中、一番渋いサウンドを届かせてくれました。
なんたって、AORの大御所がレパートリーですからね。
次々と繰りされる楽曲に、琴線が振るわされっぱなしですよ。
もちろんフロントセンターに陣取る、ボズ役のレオくんがいなければなりたたない。
しかし、改めて言わせてもらうけど、レオ君の許容範囲の広さには超絶脱帽だ。
プログレ、ブリティッシュロックからサザンロック、時にはNWOBHMを徹頭徹尾に貫いたと思ったら、今度はダンディーないで立ちで甘く囁くような歌声を披露する。
全くもってムード満点で心憎い男だ。
実際、ライブハウスで会うたびに、出演バンドが違うんだもんなあ。
一体全体、どれだけのバンドに所属しているんだい。
呆れるほどですよ。((´∀`*))
彼と知り合ってから軽く10数年という歳月が経過しているけど、このボズ・プロのシンガーがメドルムーンのギター&ボーカルと同一人物だとは夢にも思わなかった。
もう笑い飛ばすしかないねえ((´∀`*))
天晴だ!
レオ君いわく、ゆるゆる感覚でボズ・プロは活動しているそうなんだけど、そんなこと微塵も感じなかったよ。
レパートリーだけは、テッパンで15曲くらいあるそうです。
今度また対バンの機会があれば、全曲じっくりと聞きたいもんですなあ。
絶対に、聞きごたえ満点なんだろうなあ・・・・。
(ちなみにSTA,パープルブリンガー評は絶賛してくれました。
ありがたいことだ)
この日のメンバー構成とセットリストは、事前に特別こっそりと内緒で教えていただきました((´∀`*))
ベース・・・ワッキー(しばらく病気で休養していたけど、この度、満を持しての復活劇を果たしました。
よかった!
おめでとう!!
お帰り!!!
緑色のボディカラー5弦ベースを使用。ローズ指板。
ヒョウ柄のストラップを装着)
この人もレオくんに負けず劣らず、ハードロックからAOR系までをも網羅してエンジョイしている人だね。
欲張り~!
ドラム・・・タカヤさん
ギター&コーラス・・・カサマイさん(黒ボディカラーのストラトキャスターを使用。メイプル指板)
以前はイスに座ってのプレイで、ロバート・フリップやジェフ・スカンク・バクスターを彷彿とさせていたね(ストラップも黒のフェンダー)。
そしてツイン・キーボード&コーラスには左右に女性2人を配置するという、見た目にもアットホームな空気が漂うセッティング。
つまりボーカルのレオくんは両手に花というラッキーマン。
キーボード&コーラス・・・ユカぴょん(ローランドVR09使用)
同じく、キーボード&コーラス・・・クリムンさん(YAMAHA MONTAGEを使用)
以前にワッキーが率いていた、もう一つのバンド、ブレイク・フリーではジョン・ポール・ジョーンズ役を、見事男顔負けな腕前で弾きこなしていましたよ。
テナー・サックス・・・ブンキさん(このバンドとのホットタイム対バンがキッカケで、STAに何度かライブ参加してもらった経緯があります。
この日もわざわざ直々、挨拶にきてくれてとっても嬉しかったなあ!!)
そして、ボーカルには先述のマルチな才能を惜しげもなく披露してくれる・・・レオくんという布陣だ!!
本当にこのバンドを見るのは、超絶久しぶりのような気がする。
もしかしたら、数年前にワッキーが主催した年末ホットタイム・イベント以来かい!?
(手元の資料で改めて調べてみたら、何と2017年12月17日の日曜日だった・・・・)
とにもかくにも、時間がちょっと押しているそうなので、早めに進行・・・・。
「BOZ PRO」
さあ、ここからはいよいよ佳境だよ。
グッといぶし銀のサウンドで迫ってくるボズ・プロの登場。
大人の落ち着いた貫禄ある雰囲気が漂うステージを展開してくれました。
前後対バン達との対比がすこぶる面白い。
これはワッキーが狙ったのかな?
まずは名刺代わりに・・・・「ジョジョ」で幕開けだ。
このタイトルは、ザ・ビートルズ「ゲット・バック」出だしの歌詞を聞くたびに思い出す。
あと、あの有名な漫画「ジョジョの奇妙な冒険」とかもね。
日本で一番売れた1980年のアルバム「ミドル・マン」に収録。
30万枚もの売り上げを記録したのだから大したもんです。
日本ではシングル化されてはいませんが、アメリカではセカンド・シングルとしてヒット。
全米チャートでは最高3位を記録。
サウンド、アレンジと、ソフトロックとは一味違う、これぞAORというべき、究極のスタイルに達している。
R&Bチャートにおいても成功を収めています。
天才デヴィッド・フォスターの真骨頂。
貢献度が絶大。
ただひたすら文句なしにかっこよくも、オシャレでゴージャスですなあ。
イントロのピアノがはじまった時、一瞬で真夏の爽やかなポップス気分に浸れちゃいました。
メロディ、コードワークと、もはや言うことなし。
キレッキレで申し分なし。
無意識のうちに、ほろ苦き青春時代もフラッシュバックしてきたさあ・・・・。
なだらかなギターによるカッティングから、シンコペーションに至る流れや進行は、もはや流行なんか超越するほどに輝きを発しています。
ギターの大御所カサマイさんは、フロントにせり出してガンガンに弾きまくってのプレイ。
ステイーブ・ルカサー並みに、しっかりと主張していましたよ。
だからなのか、「ジョジョ」も最初の方とかが「ジョージ―・ポーギー」みたいだったりする。
ノリノリでタイトなグルーブを、ただひたすらに淡々と叩き出すタカヤさん。
ジェフ・ポーカロが憑依したかのよう。
しかしサックスのブンキさんは、ここぞというところで、頑固なこだわりもちらつかせつつ、さりげなく見せ場全てをバッチリと一気にかっさらっていっちゃうナイーブなプレイヤーですね。
そんじょそこいらにたむろっている、ガキンチョ・ロッカー共が束になって挑んできても、この味は絶対に出せないよね。
経験豊富な熟練の業師。
ブンキさんは、ジャズやプログレもたしなむという凄腕の持ち主。
(だから、メドルムーンにも在籍しているレオくんとも意気投合するのかな!!?・・・・そうそう確か、ピンクフロイドのカヴァーでも吹いていたはずさ)
「こんばんは!ボズ・プロです。
このステージは・・・初めての出演です。
次にお送りする曲は・・・・・イッツ・オーバー」
邦題は「すべてはおわり」
これまた、ひじょうにマニアックでキザな冒険的セレクションに突入。
全米チャートでは最高38位を記録。
デヴィッド・ペイチ作品。
レコーディングの魅力的なメンバー達に腰が抜けるほど驚愕。
いきなり力強く鳴り響く型破りでキャッチーなビートに、痺れるアレンジを施したバッキングで追随するキーボード群。
超一級の陽気なポップ・バラード。
伸びと張りのある声の持ち主、レオ君は八面六臂の活躍でグイグイと全体像を牽引。
下手くそなシンガーならば、絶対に成立しえないジャンルですから、もちろんその起伏に富んだ表現力やフェイクは太鼓判。
自信と余裕が滲み出ている。
軽快に引っ張るランニング・ベースラインと、ファンキーなチョッパー奏法が芸術的な音壁を構築。
正確無比で、やや歪み気味なギターによるサスティーンだけれど、何故か、トーンははかなげなご様子・・・・。
そして美味しいところで、ブンキさんのサックスがエモーショナルにブローしながら掛け合いを演じる構成は完璧。
でも決して気取った嫌味な感じは与えないところがミソ。
そのリフ絡みとインパクトの匙加減が絶妙に漲っている。
「いつもは2曲続けるんだけど、今回は曲順を変えてジョージアもやめました・・・・じゃあ、最近うちのバンドの定番・・・・・シモーネ・・・いきます」
1980年リリースのAOR3部作と呼ばれている奇跡的な最高のアルバム「ミドル・マン」に収録。
シングル化はされていませんが、うるさ型に通受けする傑作・・・・。
最初のリリースでは「夜のシモーヌ」という邦題が付いていた。
今は「シモン(僕の心をもてあそぶ)」と言うタイトルに変わっている。
なんと、ここでも、共作者にデヴィッド・フォスターがペンをふるっている珠玉のメロー・ソング。
咽び泣く哀愁の旋律が、グッとムードを引き立ててくれます。
静かにリラックスして身を任せ、紡ぎ出される音絵巻に心底浸りましょうよ。
エレクトリック・ピアノやシンバルの響き一つとっても、アートの域に達していますね。
ゆとりをもたせた良い意味での地味な演奏からも、風格が漂っています。
ドレスアップした服装で、じっくりと美味いお酒などをたしなみながら(だけど私は下戸です!(;^_^A)夜景などを眺めつつ聞くというのが似合いそう。
「さあ、お待たせしました。
ロウダウン・・・いってみましょう!」
シカゴにも同名異曲がありますが、正直な話、悔しいけれどクオリティではこちらに軍配が上がるでしょう。
このスラング言葉をタイトルに入れた最初のホット100ヒットは、1969年ジェームス・ブラウンの「ロウダウン・ポップコーン(41位)」、そしてシカゴ1971年の「ロウダウン(35位)」。
1976年7枚目のalbum「シルク・ディグリーズ」に収録。
全米では最高3位を記録。
当時ビルボードと競合していたチャート誌「キャッシュボックス」では全米1位を獲得。
画期的な大ヒット曲は今でも色褪せることなく、アンセムとして愛され続けています。
ハードでリアルな歌詞と、魔法のようにうっとりとするエレガントな空気感がたまりません。
都会の現実と、ダークサイドのニュアンス・・・・。
懐かしき感慨深さを禁じ得ません・・・・。
TOTO初期のデモ音源をボズが気に入り、一部のコード進行にデヴィッド・ぺイチがマーヴィン・ゲイを参考にコーラスを考え出して完成させた曲。
それにしても、ボズのボーカルってけっこう音域が広いのですよ。
野太い声をしているからあまりそうは感じないのですが・・・・。
ハイハットの刻みにのる形で、黙々と弾かれるベース。
なんたって画期的なリズムのボトム・キープが要。
特にスクエアなレベルのスーパー・ドラムに尽きる。
やっぱりいいなあ、達人ジェフ・ポーカロと職人デヴィッド・ハンゲイトによるリズム・セクションの融合。
しっとりとクールで不思議な躍動感。
それをナチュラルにプレイするボズ・プロのインストメンらも、なかなか的確にコダワリぬいた、いい仕事をしています。
皆さん、よほど耳がいいんだろうなあ。
流麗なるシンセサイザーによるストリングス・サウンドが描き出す情景が、ドラマティックで効果も絶大。
スモークがモクモクシューッと焚かれ、ミラーボールもキラキラと回転して益々の臨場感を醸しだしています。
ちなみにこの曲をヒントに、日本が誇るスーパーギター・ヒーローのチャーは、ソロ・デビューアルバムで傑作「シャイニン・ユー・シャイニン・ディ」を書いています。
「ハイ、ありがとうございました。
演奏の最後は迷いかけましたね・・・・大丈夫でした?
それではメンバー紹介をします」
マイクを手にメンバーらのバックボーンや内輪受けするような小ネタの露出やら、プライヴェート・エピソードなども交えて和気藹々。
「じゃあ次いきましょうか?
もうご存じでしょう・・・・リド・シャッフル」
威勢のいいカウント「1・2・3・4!!」から飛び出してきた・・・・・。
こちらも500万枚以上を売り上げた1976年リリースのアルバム「シルク・ディグリーズ」に収録。
最高位は1977年5月14日と21日の2週連続11位。
ボズとぺイチの共作。
ちょっと歌詞の内容は意味不明で難解・・・・。(;^_^A
曲にのせて韻を踏んでいるだけ。
ボズ本人いわく「曲が良ければ意味なんてどうでもいい!」
それは、言えてるかもね((´∀`*))
世界中のファン達の間で、色々な説が飛び交っている。
それまでとは色合いをガラッと変えて、後半戦に相応しく陽気なお祭り気分で、タイトルどおりシャッフルの洪水で鬩ぎ合い。
シャッフルとはブギとロックンロールの中間程度で、ジャズではスィングと呼ばれるテンポ。
ズンズンと前に進んでいくようでゾクゾクする恍惚のロック。
皆もここではピョンピョンと飛び跳ねてノリノリにはじけまくり。
聞いていると体が勝手に動き出す。
余力を振り絞って濃厚なる大熱演で汗だく。
会場内も急激に過熱気味です。
やっぱりライブはこうでなきゃあね。
「最後の曲となりました。
超スタンダードで締め括りたいと思います・・・・皆、独りぼっちじゃあないよ。
明るい日差しが見えてきました、という、まさに今現在の世の中にピッタリなアクティブソングです・・・・・ウィ・アー・オール・アローン(ボズ・スキャッグス。」1976年にリリース)」
オーケー、一気に非の打ち所なき、甘美なまでのパーフェクトなAOR界の金字塔へと突入します~・・・・・!!
多くの国の人々を感涙させた、モンスター級のビッグヒットソング。
熱冷ましとばかりに、この曲をここへもってくるなんて、粋な配慮ですなあ。
レオくんの声質、キーやキャラクターから吟味された選曲の妙も爽快。
ステージの進行具合を、詳細に計算しつくした組み合わせは素晴らしい。
ここでもユカぴょん嬢による、情感の籠った鍵盤からはじまった。
懇切丁寧なる指さばきが伝わってくる。
盛り立てるべく、この場面にはもってこいだね。
アダルトな気分に浸りきって、チーク・ダンスへと洒落こむカップルも数組出現。
驚いたことにSTAのタッキーが「一緒にチークはいかが・・・!」と言ってきて焦ったよん!!(;^_^A・・・・・
いやが上にも、ドラマティックなエクスタシーワールドへと誘われてしまいます。
クラブさながらに色彩も鮮やかなスポット・ライトが揺れている・・・・。
心にシミジミと染み入るほどに切ない、泣きの決定版チューンだもんねえ。
この日3番目に出演したベリージャムも、ずっと大切なレパートリ―にしているのは有名。
そちらはチエミ嬢がリードボーカルなので、リタ・クーリッジのバージョンをお手本にしていますよ(札幌のテイナ・ターナーと呼ばれている。
ちなみに邦題は「みんな一人ぼっち」)。
噛み締めるように、優しく歌い紡いでいたのが印象深かったなあ。
ハイハットの繊細な刻みから、思いっきりエモーショナルなギターによる美しい旋律を筆頭に、徐々に高みへと登り詰めていく様は感動的ですらあります。
起承転結の絡みはお手本のようなもの。
誰もが言葉を失うほどに聞き入っている。!!
ワクワクものですよ。
ベテランならではの味わい深いひと時。
もう余裕綽綽に構えているんだからなあ。
全体を覆いつくすかのような、壮大なるキーボードの音色が効果覿面。
ツボへと、モロにはまった感ありのオーディエンス達は脳天ヒューズ・スパークしまくり。
シンプルだけど、タイトでストレートなバッキングが圧巻だよ。
皆でニコニコウルウルと大合唱だ。
華麗なるバックメンバー達によるコーラスも絶品。
もちろんこだわりにこだわりぬいた趣向を施して、へヴィーな演出で場を盛り上げていました。
敬服しちゃう。
ギターのよるアンサンブルは見事過ぎだ。
まあ、いずれにせよ、決して古臭くなったりしない、これは光輝くトドメのポップ・アイコン。
今もって別格だ。
よりコンパクトに纏め上げられた、もってこいの一撃ですね。
何から何まで申し分ない・・・・皆、楽しそうだよ。
この光景を後方の席から眺めていたんだけど・・・うかつにもシミジミと感動しちゃったさ・・・・。(そのことは、終了後しっかりとレオ君にも伝えた)
何度もしつこく言うけどギターのカサマイさんが、これまた卓越した腕前なんだから恐れ入っちゃったよ。
堂々とムーディーに請け負っていたし。
時にはオーディエンスを凌駕するほどの存在感も発揮しているよ。
起伏のあるセットリストで全6曲がアッという間に終了。
「ボズ・プロでした。
まだまだ、この後もイベントは続きますよ。
最後までゆっくりと気軽に楽しんでいってください。
どうぞ、よろしくお願いいたします。」
****心地よい疲労感が漂っている。
誰もが満足な表情で席に戻っていきました。
ソフトドリンクがすこぶる美味しいだろう!!
このバンドの立役者ワッキーの今後の大躍進にも期待していますよ!
本当にお疲れさまでした!****