THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

modern drummer(chicago)

2022-03-16 00:19:07 | CHICAGO
ドラマーという存在が冗談の対象になることは、これまでに度々あった。その冗談の大半は、ドラマーは太鼓を叩いているだけで音楽の才能はないんじゃないのか、そして単にタイム・キープしているだけなんじゃないのか、というものだ。しかしながら、事実は全く違っている。実際のところ、バンドはドラマーの能力で決まるものであり、最高のジャズ・ドラマーは平均以下だったジャズの楽団をかなりまともなバンドへと奇跡的に変貌させることが可能なのだ。

大衆音楽の中で最も技術的に難しい音楽形式と考えられているジャズ界でのドラマーの役割は、大抵のロックやポップスの分野よりも大変だ。20世紀初頭のジャズが新しいジャンルだった頃において、ワクワクさせるような、著しくダンサブルなグルーヴを伴うリズムをジャズに与えたのは、ドラマーたちだった。だが、音楽が進化するにつれ、ドラマーに要求される内容は変わっていく。ビバップ時代以降にジャズが知性に訴えるものになると、最高のジャズ・ドラマーたちは高度な技術を備えたバンド内のソリストたちの演奏に合わせることを期待された。もはや彼らの役割は、一定のリズミカルな拍子を取ることに専念するだけではなく、違った手法で音楽に貢献しなければならなくなったのだ。例えば、ソリストをサポートしつつ盛り上げ、緊張とドラマを築き、パーカッシヴな色彩を提供し、ある気分や雰囲気を誘い出しながらといったように。

そして、非常に複雑なその音楽的性質により、最高のジャズ・ドラマーたちは熟達したテクニシャンでなければならない。もし2014年公開のアカデミー賞受賞映画『セッション』を観たことがある人なら、ドラマーへの道が楽ではないことをご存じだろう。その基準は厳しく、精密さが要求される。それにも関わらず、あらゆる感情の表明であり、色合いや特色を備えるジャズは、長年に渡り多数の“熱弁者たち”を輩出し、彼らはジャズ・ドラムを高尚な芸術へと変貌させた。
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