THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

chicagoⅢ

2024-10-14 12:21:35 | CHICAGO
1969年、衝撃のデビュー作品、そしてトータルアルバムとしての傑作セカンドに次いで1971年に発表されたシカゴの3枚目が「シカゴⅢ」(全米2位を記録)
なんと3作連続で2枚組という大作
全てがあのあまりにも有名なジョンバーグデザインによるシカゴロゴで統一
こちらは特にショッキング
ぼろぼろな星条旗へラフに縫い付けられたロゴ
しかも付属のポスターには、おびただしい数の墓をバックにメンバー全員、兵士の服装で神妙な表情にてポーズしています
サイドにはそれまでにおこった戦争年と戦死者の数字まで記載
過激なまでのメッセージを曲に託してきたシカゴが遂にここまでやるか!というくらいに訴えています
病めるアメリカ、行き場を失った若者達、深刻化するベトナム戦争、不安定なる世界情勢を盛り込んだボリューム満点の力作です
サウンド面では幾分の変化が見られます
ホーンが若干後退し、その分コーラスワークの比重が増してきました
またボーカル、ギター、キーボードなどが迫力倍増、曲想も更にバリエーション豊富に
十八番の組曲も3つ収録
過酷なライブツアーにおける内省的な心情を綴った旅行組曲こと「トラベルスーツ」
テリーキャスの独壇場ともいえる渋いブルース「シャワーの時間」は隠れた名作
ラストはジミーパンコウによる深刻なる地球上での問題定義
廃液、大気汚染、騒音、自然破壊などをシニカルかつラジカルに表現した「エレジー」
また、このアルバムからもヒット曲が生まれています
「自由になりたい」は、ただひたすらに自由を求めてシンプルかつソウルフルに叫び続ける熱きストレートなブラスロック
「ロウダウン」はリズムセクションのピーターセテラとダニーセラフィンが初めてタッグを組んだポップな快作
ちなみに北山修さんによる日本語バージョンのシングル発売も話題になりました
(日本公演でも披露)

その他のアルバム内容はといいますと…
マイルスデイビスを彷彿とさせる、もろジャズロックの「孤独なんて唯の言葉」
何から何までシンプルなビートルズタイプの佳曲「朝の光」
いつもは甘い声で歌うロバートラムがドスのきいたガラの悪い兄ちゃん風に迫る「欲しいのは君だけ」
イントロからCS&Nテイストで新境地開拓の「フライトナンバー602」ではポコのラスティヤング直伝のスティールギターが爽やかに響き渡る
テクニカルなダニーによるドラムソロ「火星へのモーターボート」
実験的触手をまた伸ばしてきたクラシカルな「自由の祖国」
映画ベンハーを連想するホーンアンサンブルの展開がスリリングな「母なる大地」
古典ファンファーレ風でホーンが鳴り響く「聖典」
ウォルターパラゼイダーのフルートの音色が美しい「むかし、むかし」
その流れから工事現場やクラクション、工場のノイズを大胆なSEに絡めて導入し、最後は水洗トイレの音で皮肉込めて締めくくる「遍歴」
お祭りのお囃子みたいなリズムアクセントが意外にもカッコいいインスト「近づく嵐」
変拍子がバシバシ飛び出してきて緊迫感満点にクライマックスを迎える「人間対人間:終局」

このアルバムの次に4枚組ライブ、そしてやっと5枚目から1枚モノのアルバムに落ち着き絶頂期を迎えることとなります🎶‼️👍🤠
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