【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

神奈川の立憲民主党よ、いずこへ往くのか     櫻井智志

2019-03-25 19:47:33 | 政治・文化・社会評論

[*この拙論は「週刊金曜日」に投稿した『立憲民主党よ、初志は何処へいったのか~2017衆院選と2019神奈川県知事選』を土台に趣旨のみ生かして短く編集したものである。投稿採用の有無と採用されても2か月は同時掲載はルール違反となる。万一週刊金曜日に掲載されたら、そちらもご覧いただきたい。]


4月7日は、2019統一地方選挙の前半、2019神奈川県知事選が実施される。自民党公明党を支持母体として現職の黒岩祐治氏が2期当選して、今回3期をめざしている。黒岩氏は、日本共産党以外の政党すべてに支持を呼びかけ、自民、公明、国民民主が推薦している。立憲民主党も黒岩支持に参じたが、黒岩氏は立憲民主党の推薦を断った。
 よこすか市民9条の会共同代表でよこすか・みうら市民連合事務局の岸正子氏が、自ら立候補した。市民連合横浜の代表は、横浜駅前の演説会で経緯を述べた。日本共産党は、岸正子さんを推薦すると同時に他の野党に「市民と野党の本気の共闘」を呼びかけ待ち続け、ついに告示日を迎えた。その告示日に、なんと「緑の党」(正式には「緑の党グリーンズ・ジャパン」)が推薦を岸さんに名乗り出た。
「緑の党」や「新社会党」など議席数は少ないけれども、政治運動や市民運動に日常的に国民サイドで誠意ある有意義な日常的実践を継続している。
一方、自民党から推薦を断られた立憲民主党神奈川は、今回はどの候補も推薦しないことを決定した。

 立憲民主党は、枝野幸男代表が「地方組織の拡充」を喫緊の課題としている。神奈川県知事選への対応にも、立民党の内部の事情があることだろう。ただ、最近の政局では、横浜市市長選での自民党推薦候補支持や京都府知事選での自民党推薦候補を支持する側に回っていることは、やはり納得しがたい。
 今回の統一地方選挙で立憲民主党は、北海道知事選や沖縄衆院補選では、他の立憲野党と協同して野党共闘を構成するスタンスにある。立憲民主党が神奈川県でも、市民運動候補サイドに立てば、立民と友党の神奈川県地域政党の「神奈川ネットワーク運動」も反自民候補の側にたつだろう。
 
立憲民主党の誕生をふりかえる。
2017衆院選の直前に、小池百合子都知事が、民進党を分裂させ「希望の党」を立ち上げたことで順調に進んでいた野党共闘は頓挫した。なかでも、野党第一党の民進党が分裂瓦解することに、戦後民主勢力の旧社会党の流れをくむ民進党を心配する世論がわいた。
しかしその混乱の中で、枝野幸男氏が「立憲民主党」をたちあげ、民主党=民進党の中での立憲主義と国民側に立つ政策を継承する志を示したことに、国民は強く共感を示した。
 だが、国会勢力が維持されるかどうかの現実問題として危機は続いた。この時に、立憲民主党に手を差し伸べ支援したのが、日本共産党だった。従来全選挙区に候補者を擁立してきた共産党は、立憲民主党が立候補した選挙区で早くから内定し準備をしてきた候補をおろすという、驚天動地と言って大げさでない方針を決めて全国の選挙区で実施した。
  例を私が住む神奈川県の実際に焦点をあてて考察したい。
神奈川選挙区は18の小選挙区にわかれる。立憲民主党は、6つの選挙区に候補を出した。日本共産党は立憲民主党が候補を擁立した5つの選挙区で候補をおろした。両党が候補を出したのは、現内閣官房長官菅 義偉氏が立候補した神奈川2区だけである。
 また日本共産党は、社会民主党が唯一立候補した選挙区でも、自党候補をおろしていえる。
 2017衆院選では、そのような選挙協力によってどうなったか。2区15区は重複を避ける。


神奈川1区
当 松本  純 (67) 自民 南関東ブロック 前 103,070票 47.8%
当比 篠原  豪 (42) 立憲 南関東ブロック 前 78,019票 36.2%
長島 一由 (50) 希望 南関東ブロック 元 34,433票 16.0%

神奈川4区
当 早稲田夕季 (58) 立憲 南関東ブロック 新 67,020票 34.8%
当比 山本 朋広 (42) 自民 南関東ブロック 前 55,700票 28.9%
浅尾慶一郎 (53) 無 前 51,495票 26.7%
風間 法子 (47) 希望 南関東ブロック 新 18,618票 9.7%


神奈川6区
当 青柳陽一郎 (48) 立憲 南関東ブロック 前 86,291票 44.6%
上田  勇 (59) 公明 前 82,788票 42.8%
当比 串田 誠一 (59) 維新 南関東ブロック 新 24,424票 12.6%

神奈川7区
当 鈴木 馨祐 (40) 自民 南関東ブロック 前 103,324票 47.0%
当比 中谷 一馬 (34) 立憲 南関東ブロック 新 87,819票 40.0%
川野  案 (35) 希望 南関東ブロック 新 28,685票 13.1%

神奈川12区
当 阿部 知子 (69) 立憲 南関東ブロック 前 86,550票 43.2%
当比 星野 剛士 (54) 自民 南関東ブロック 前 83,924票 41.9%
原  輝雄 (43) 希望 南関東ブロック 新 29,852票 14.9%

5人がすべて当選している。3人は前職、2人は新人である。ここには、力強い野党共闘とそれをつないだ市民連合の働きがある。神奈川の18の小選挙区すべてに名前はさまざまな市民連合が立ち上がった。日本共産党を中心に自由党、社会民主党、立憲民主党が連帯して、神奈川において立憲民主党は見事な成果をあげた。


以上の経緯を踏まえて、立憲民主党は立党の精神を忘れず、2017総選挙の教訓を、2019統一地方選挙・参院選に、大いに発揮してほしい。


【日本歳時記2019.3.23】~TBS報道特集~  櫻井 智志

2019-03-23 19:06:07 | 政治・文化・社会評論

Ⅰ:マララさん来日・日本の女性差別

マララさんの要請に応じる安倍首相の約束の言はよいと思う。だが、日本では大学医学部の入試で、あまりに不条理な不公平な合否判断が次から次から明るみにされた。女性は出産すべしと言う閣僚もいれば、女性は子育てですぐやめるからと就職に女性差別を続けている。日本社会の世論を牽引するような指導的な対応策はどこからも出されておらず、自明なものにはなっていない。

Ⅱ:ゲノム編集と科学技術者規範

自然界は、人類の利益や便利さに対応しているわけではない。人類の浅知恵では及びもつかない未解明の領域のほうが多いかも知れない。遺伝子操作やゲノム編集を実験研究する領域が、やがては自然科学の発展に至ることもあろう。だが、ゲノム編集食品が家庭に出回ることを厚労省は認めた

戦時中にあった満州での「石井七三一細菌部隊」。外国人捕虜の生体実験が数十年後に大問題となった。生体外科実権を行った医師から心臓外科の権威もでた。医学や科学の進歩は、一層の慎重な《見通しー実験ーふりかえり》のサイクルをおろそかにせずに専門家は開発研究を行ってほしい。

Ⅲ:児童相談所の過大な業務と国民的宿題

取材で発言された児童相談所長さんがおっしゃるように、学校、警察少年課、児相はそれぞれが役割をもっている。三者が連携しながら教育上の問題に取り組んできた。少年・子どもへの学校教育力の低下が、児童相談所に大きなしわよせを負わせている。

学校が管理主義的になり、生徒も教師も行き詰まりながらそれぞれが模索している。警察少年課も大きく変化する状況下で現場は困難も抱えている。いじめを告発する親の悲しみ。社会全体が転覆しつつある。 日本社会が地域再生と子育ての大きな国民的課題として協同の知恵をだしあう時だ。

神奈川県知事に岸牧子さんを❶市民連合・9条の会の市民とJCPの共闘形成のあゆみ

2019-03-21 22:09:26 | 政治・文化・社会評論
櫻井智志
➀革新メガロポリスの歴史
②市民が立ち上げれば燃える刻があった
③あさか由香と岸牧子の共闘
➃告示当日



➀革新メガロポリスの歴史
70年代前後、革新自治体は太平洋メガロポリス、国民総人口の三分の一を占めていました。その後共産党員首長も何人も各地に。今市民と野党の共闘はその成果を継いでいます。「正義」と「独善」は異なりますが「腐敗」よりははるかにマシです。共産党の意義を正確に知るのは自民首脳部かも知れません。


②市民が立ち上げれば燃える刻があった

巨大な伽藍洞のような県庁へむかって
小さな人影が二つ
いや市民の理性の力に後ろから
「がんばれよ」とつぶやく
神奈川の #市民が立ち上げれば燃える刻があった
共産党よりやや中道よりの立憲民主党が市民連合とたちあがれば
社民党も神奈川ネットも応援する
風見鶏代表の素顔をみた想いだ

③あさか由香と岸牧子の共闘
#かながわReBorn #神奈川県知事選挙 #岸牧子

#前回参院選あさか由香市民選挙の熱風を
多くの手作り市民団体はたちあがる
参院選を7月と思わず4月7日が
神奈川全県の市民との共闘第一段階ととらえる
ゴールは有権者の獲得票率だ

#神奈川燃ゆなら民意は大きく動く


➃告示当日
NHK夜7時のニュースも9時のニュースも、#神奈川県知事選の自民大政翼賛会政治と市民と共産党の共闘には少しも触れなかった。華々しいショーが、終わったら前と同じ結果では、参院選は総崩れとなる。"#確かな市民立憲と救国の共産党の成功は市民一人一人が足固めしていこう。


【日本歳時記2019.3.16】~TBS報道特集~  櫻井 智志

2019-03-17 08:19:41 | 政治・文化・社会評論
Ⅰ:過疎地の交通対策―社会的貧困化の視点から

タクシーなどの乗り物は社会的公共性をもつ。ITの活用?利用者の便利?安全性や運輸労働者の生活保障は担保されるのか。過疎地の公的交通機関を政府が見通しをもって高齢者の暮らしを保障しているのか。自治体や民間まかせにして胡坐をかいて政府はきちんと取り組んでいるのか。、政府はすべての国政に、きちんとした 戦略をもって取り組んでいるか。展望のない無策の安倍政権に、どこまで出鱈目政治を続けるのか、呆れる。。


Ⅱ:「いじめ」問題と教育の本旨

思春期の生徒は、一生の中でも最も激しい心理的身体的変動期にはいる。その成長を支えるには、教師自身に生徒のこころを読み取りやわらかな対応で指導する技量が必要だ。教師の中には「生徒の自殺を絵画や詩・文章から読み取り防止する実践」を具体例と実践を提起する報告を、戦前からの作文教育実践家から最近2000年代に自家出版として世に出ている。

いつもいじめの有無や責任のなすりあいに終始する現状。正しいかどうか、やや解決のピントがずれたところで自殺論議がパターン化して展開されている。教育が貧困な事態収拾次元でとどまり、いかに生徒に生きがいをもたせるか見失われている。こんな時代に学校を希望を紡ぐ現場にする実質的営みがなければ、イタチの追いかけっこは止むことは無い。

汚染土から直視した福島原発の現在【日本歳時記2019.3.9】~TBS報道特集~

2019-03-09 19:15:23 | 政治・文化・社会評論
 櫻井 智志


あったことをなかったことにしてしまう隠蔽によってわがニッポンは、歴史を修正してきた。だが9.11大地震と原発事故によって、世界に衝撃を与えた。オリンピックや万国博覧会で、この国民的不幸をなかったことにできようか。政府や大企業が口先だけの詭弁を弄しても国民は忘れない。

 2
9.11原発事故は、戦後自民党政権がおこなってきた原発政策の結果だった。責任を問われているのは中曽根康弘首相など自民党政権である。安倍政権はたびたび美辞麗句を弄すが、被災者の援助政策など次々に打ち切りにして、進んで巨大米国軍事物質をトランプから際限なく買っている。


環境省は常磐自動車道路小高ICの盛り土に八千ベクレル以下の汚染度を使うと決めた。汚染土はたまる一方だ。この実現は高速道に次々に汚染土が使われていくことを住民は予測し強く反対。当初中管利用施設に仮置き場の汚染土を移動する国策が遅れていることが背景にある。全国的課題だ。



汚染土の再生利用を受け入れた長泥地区の区長さん。広範囲の除染を条件に汚染土再生利用を受け入れた。現場にきて話し合う環境庁役人は腹をわって話せるが永田町は全く別。「現地で苦しむ住民達は東京電力とは全く無縁なのになぜこんな苦渋を負わされるのか」日下部キャスターの深い怒りに共感。



夕闇の気仙沼市から、膳場キャスター、金平キャスターが実際の取材を通して伝えた言葉は、私をはっとさせる。汚染土はまったくめどがたっていないし、福島原発は今も事故は終わっていない。オリンピックなどと浮かれた状況ではないのではないか。国民的対応が必要な重大局面ではないのか。

沖縄県民投票の原動力となった元山仁士郎氏を直撃!「投票結果を無視する菅官房長官と安倍政権に言いたいこと」とは?

2019-03-08 22:27:17 | 転載
転載リテラ   横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」55
2019.03.08 09:18



写真:外国人特派員協会での元山氏(と玉城知事)会見



 辺野古埋め立て反対が7割以上(71.74%)という明確な民意を示した沖縄県民投票の結果を伝えるために玉城デニー知事は3月1日、官邸で安倍首相と面談、日米両政府に沖縄県を加えた対話の場「SACO(日米特別行動委員会) with沖縄」(SACWO)を提案したが、安倍首相は「普天間飛行場の危険除去のために辺野古移設(埋め立て工事)を進める」という従来通りの常套句を繰り返すだけ。同日の日本外国特派員協会での会見で、玉城知事が「首相からポジティブな意見はなかった。何か進展をしたことはなかった」と報告したのはこのためだ。
 この会見に同席した「『辺野古』県民投票の会」代表の元山仁士郎氏は結果報告の後、民意無視の安倍政権への怒りを込めるかのように「この後、官邸前で抗議行動がありますから、そちらにお越しいただければ」と告知。そして「辺野古は埋めるな!」「安倍は辞めろ!」というコールが鳴り響いていた官邸前集会に駆け付け、マイクを握った。

「今日、『もっと多いかな』『沖縄の声を聞いてくれる人はもっと東京にいるのかな』と思って来ました。これじゃ、まだまだですよ。こんなんじゃ、沖縄の声、安倍さん、聞いてくれないですよ。菅さん、聞いてくれないですよ。皆さん、もっと周りの人に伝えて下さい!」
 まるで県民投票が行われなかったかのように振る舞う安倍政権の姿勢は、投開票直後から露わだった。玉城知事の得票数を上回る反対票43万4273票が投じられた「結果」を「真摯に受け止める」という安倍首相発言はリップサービスにすぎず、県民投票の翌25日に土砂投入をする言行不一致ぶりが露呈。菅義偉官房長官も県民投票について複数の記者から問われても、「普天間飛行場の危険除去と返還」を錦の御旗のように振りかざして辺野古移設を正当化、沖縄県民の民意を無視する回答を繰り返したのだ。
 午前中の官房長官会見では、まず朝日新聞の記者が県民投票の受け止めを聞いたが、「普天間飛行場の危険除去と返還が原点」「固定化を絶対に避けなければならない」と強調。「県民投票で示された新たな民意を無視する形で辺野古移設工事を進めていく考え方に変わりはないのか」との質問に対しても、再び「普天間飛行場の危険除去と返還」という常套句を繰り返し、辺野古移設(埋め立て工事)を進める姿勢を表明。続いて毎日新聞の記者が、県民投票で浮き彫りになった県民と政府の考え方のギャップの原因について質問したが、「原点の問題」と再び錦の御旗を振りかざした。

 さらに、沖縄タイムズの記者が軟弱地盤による工事長期化を政府も認めていると指摘した上で、「『(辺野古移設が)普天間飛行場の早期返還の唯一の解決策』という考え方に変わりはないのか」と問い質しても、「(軟弱地盤改良工事は)通常使われる工法」「一般的で施工実績が豊富」と答えながらも、具体的な新基地完成時期(普天間飛行場の返還時期)は示さないまま、「辺野古移設が最も早い普天間返還の方策」という従来の立場を繰り返した。
 この後も「県民投票の結果で政府見解に変化が生じたのか」という主旨の質問が出たが、菅官房長官は常套句を使った同じ説明をするばかりで、午後の会見でも目新しい発言が飛び出すことはなかった。最後に指名された東京新聞の望月衣塑子記者は「工期・工費が発表できず、そして軟弱地盤があるような工事を『一回立ち止まって止める』という選択肢を政府として決断する必要性をどう考えるのか」と問い質すと、菅官房長官は再び常套句で答えた。
「午前中にも申し上げましたが、辺野古移設の原点は、市街地に位置し、住宅や学校に囲まれ、『世界で一番危険』といわれる普天間飛行場の危険除去と返還です。飛行場がこのまま固定化され、危険なまま置き去りにされることは絶対に避けなければならない。このことは地元の皆様も共通認識ではないでしょうか。この工事が始まってから今日に至るまでの危険な状況は続いています。一昨年にまさに普天間飛行場に隣接する小学校にオスプレイの窓枠が落下したこともありました。そういうなかで、一日も早く辺野古への移設が出来るように粘り強く説明をさせていただいて、取り組んでいきたい。いずれにしろ、危険な状況を置き去りにされることは……、(中略)……(菅に訂正のメモが渡される)失礼しました。ヘリの窓枠でした。オスプレイではなくてヘリの窓枠だそうですけれども、いずれにしても窓枠が落ちて危険な状況にあったことは事実ではないでしょうか。そういう状況が続いているということであります」
 司会者が「この後の日程がありますので次の質問で最後でお願いします」と制限をするなかで望月記者が「今後も含めて、あらゆる形で辺野古基地にノーという県民の民意が示されても、政府としては認めない。県民の意向は無視していくという理解でいいのか」と再質問をした。
 しかし、菅官房長官はここでも、「普天間飛行場の危険な状況は置き去りにされることを避けなければならない責任も政府にはある」と繰り返すだけ。県民投票を無視する姿勢に変わりはなかったのだ。

「【元山代表「菅官房長官は自分の選挙区の横浜で同じよう誠をするのか」】


 筆者は、県民投票投開票の3日後の2月27日に上京して千代田区と文京区での集会で報告した元山氏を直撃。「(県民投票の全県実施を求める宜野湾市役所前での)ハンスト中も、政府の受け止めを問われて『本人に聞いて下さい』と答えたことを含めて菅官房長官に一言、言いたいことは?」と訊くと、こう答えた。
「自分の身になって考えて欲しい。『菅官房長官の選挙区の横浜で同じようなことが起きたら、同じようなことをしますか』と伝えたい」
 そして、1日の官邸前集会ではこうも訴えていた。
「残念ながら、沖縄県が示した意思は、まだ形になっていません」「『いじめはだめだ』との考えは一致できるはずです。『まずはいじめをやめよう』『沖縄の声を聞いて埋め立てを中止しよう』。そこから、みんなで話す。みんなで知恵を出し合えば、必ず他の選択肢が見つけられます」
 辺野古問題をめぐって悩んでいた元山氏に「県民投票を実施するといい」という助言をした武田真一郎・成蹊大学教授も、27日の集会「沖縄県民は答えを出した 私たちはそれにどう応えるのか」で、沖縄県外(本土)の有権者に訴えかける選挙態勢づくりの重要性を次のように訴えた。

「(県民投票無視で工事強行の“沖縄イジメ”を黙認することは)本土でも廃棄物処理施設とか新しい軍事基地が強行されることを認めてしまうことになる。結局、人間は損得で動くところがありますから、選挙のときには『自民党に入れたら、あなたの住んでいる地域で(辺野古新基地建設と同じように)何が強行されるのか、わかりませんよ。あなたがせっかく収めた税金をこんなバカな埋め立てに使って無駄にされてしまう』と候補者が発言をしていかないと駄目だ。『沖縄のことをちゃんと考えよう。本土の人も損する』ということを(選挙で)訴える態勢をつくっていかないといけないと思う」

【枝野幸男代表の辺野古問題への決意と元山代表の危機感】

 この具体的提案について翌28日の会見で立憲民主党・枝野幸男代表に「辺野古問題は参院選の争点になるのか」「参院選に向けてどういう動きをされるのか」と質問。「武田教授は『沖縄の県民投票を黙認することは全国各地で同じように住民無視の事業、米軍基地(建設)とか放射性廃棄物(最終処分場)の事業が進みかねない』という問題提起をしている」とも紹介すると、次のような前向きな回答が返ってきた。
「立憲民主党は昨年の秋に辺野古基地に対する明確な方針を示しました。当然、国政の重要問題でありますから、参院選でもそれを訴えます。争点にするのかどうかを決めるのは国民です。国民の皆様は残念ながら、現状で『沖縄以外の皆様が自分の問題として考えている方が必ずしも多くない』という残念な状況です。それは変えていきたいと思いますが、参院選挙までに変わるのかどうかはわかりません。国民の皆様の判断です。変える努力はします」
 菅官房長官へのコメントを求めた元山氏に、枝野代表への期待についても訊くと、こう答えた。
「県民投票で示された県民の思いを、沖縄県民が望む形にして欲しいと思います。立憲民主党に限らず、与野党の国会議員に望みたいと思います」
 安倍自民党(政権)が考えを変える可能性を頭から否定しないのが元山氏の立場。官邸前集会では、SEALDsのメンバーとして「安倍辞めろ!」コールをした当時を振り返った上で、「しかしながら今、『安倍政権が一強だ』ということが言われていて、『安倍さんでも沖縄の意思を聞いてくれるのだったら、それでも致し方ないのではないか』という思いも持っています。もちろん安倍首相が何よりも、聞かない、ウソをつく、信用できないのはわかっています。しかしながら、それを変えられない現実も受け止めて欲しいと思います」とも語っていた。この後、冒頭で紹介した発言に続くのだが、スピーチ後に「安倍辞めろ!」コールをすることはなかった。

【県民投票の意思をかたちにした活動のバトンを誰が引き継ぐのか】

 3年半前との違いを目の当たりにしたので「元山さん、安倍一強を崩すのは難しいということですか」と声をかけると、「(この参加者数では)まだまだじゃないですか」と回答。しかし、参院選で野党が安倍自民党を大敗させる可能性についても訊くと、「わからないが、もちろん頑張って欲しいと思います」とエールを送り、「参院選で野党が結集して」と言った途端、「もちろん、そうなれば、いいと思いますが」と答えた。
 参院選向けの期間限定のSEALDs再結集についても訊いたが、「元SEALDsのメンバーと県民投票について話をしていますが、それを受けて何かをやるのかどうかは微妙だと思う」と答えるにとどまった。

 一方、元SEALDsの奥田愛基氏は2月25日、「あまりにも酷くてグロテスクだ。沖縄県民を日本国民として認めないというメッセージにしか見えない。どんな神経してたらその翌日から土砂投入できるんだよ。何故全国メディアは他人事なんだよ。分断されて、触れられない話題を勇気を出して、話して投票した沖縄県民をなんだと思ってんだよ。クソが!」とツイートしていた。
 SEALDsの再結集・官邸前集会開催の主導的役割をたとえ元山氏が担わないとしても、県民投票実施に向けて全力投球、明確な辺野古埋め立て反対の民意を初めて示した奮闘ぶりに触発された元SEALDsのメンバーを含む人たちが、県民投票の意思を形にする活動のバトンを引継ぐことは十分に考えられる。市民と野党が結集する場となった官邸前集会の盛り上がりが安倍政権打倒の気運を高めて、野党選挙協力を促進して参院選一人区の善戦につながった3年前と同じような展開となる可能性が芽生えたともいえる。官邸前集会への参加者がどれだけ増え、沖縄の民意を無視する安倍自民党を参院選で大敗させようとする気運が全国各地に広がっていくのか否かが注目される。
(横田 一)

【日本歳時記2019.3.2】~TBS報道特集~ 櫻井智志

2019-03-02 20:48:00 | 政治・文化・社会評論
❶米朝会談・ベトナム戦争

ベトナムの国民は、傷心の金委員長を温かくもてなし、最後まで北朝鮮に友好的。ベトナムは世界の人権宣言を咀嚼し、戦争下に訪問した芝田進午氏を驚かせた。アメリカ独立宣言と並ぶ人権憲法。超大国アメリカの黄昏に、小国開発国と差別される国家から次のリーダー国が胎動を示している。

 オバマ大統領までは、ベトナム戦争の教訓を生かしていた。アメリカのもうひとつの民主主義は、国際的人権思想の正統な継承者だ。だが現在のアメリカは冷戦に勝利し、危険な国家である。世界史に突出した反動の潮流はアメリカ国内部から克服されるだろう。反動勢力は大統領2人も暗殺した。

米朝会談分析、両国の国民にとってどうかを基本に据えたい。金正恩委員長は、国民の暮らしにマイナスを及ぼす制裁の解除を求めた。アメリカ側は「ノーベル賞だ、大統領選だ」と落ち着いた態勢になかった。トランプに比べ、金正恩は冷酷な独裁者とは思えない。貧困は北の国民を苦しめる。


❷福島原発と川・魚の放射能❶米朝会談・ベトナム戦争

ベトナムの国民は、傷心の金委員長を温かくもてなし、最後まで北朝鮮に友好的。ベトナムは世界の人権宣言を咀嚼し、戦争下に訪問した芝田進午氏を驚かせた。アメリカ独立宣言と並ぶ人権憲法。超大国アメリカの黄昏に、小国開発国と差別される国家から次のリーダー国が胎動を示している。

 オバマ大統領までは、ベトナム戦争の教訓を生かしていた。アメリカのもうひとつの民主主義は、国際的人権思想の正統な継承者だ。だが現在のアメリカは冷戦に勝利し、危険な国家である。世界史に突出した反動の潮流はアメリカ国内部から克服されるだろう。反動勢力は大統領2人も暗殺した。

米朝会談分析、両国の国民にとってどうかを基本に据えたい。金正恩委員長は、国民の暮らしにマイナスを及ぼす制裁の解除を求めた。アメリカ側は「ノーベル賞だ、大統領選だ」と落ち着いた態勢になかった。トランプに比べ、金正恩は冷酷な独裁者とは思えない。貧困は北の国民を苦しめる。


❷福島原発と川・魚の放射能

 政府は「風評被害」という言葉を多用する。福島県で人々は、放射能の汚染と数値に強い不安と懸念をもっている。現実がどんな状態か、それが社会に正確な認識とならなければ、実態を克服する正確な対策を講じることができない。


 最近川の水と魚の放射線量があがった背景に福島原発の排水設備の故障がある。事実があきらかになれば対応策も講じられる。チェルノブイリ原発事故がソ連解体の原因という識者もいる。オリンピックだ万博だとイベントを連続しても、原発対策不十分なら原発事故は終わらない。


自然は、生きている。
福島原発も、全国地震も、土砂災害も。
人間が自らの内なる自然にどう自覚的に対峙して、取り組むか。
そこは隠蔽も改竄も通じない厳格な世界だ。


 政府は「風評被害」という言葉を多用する。福島県で人々は、放射能の汚染と数値に強い不安と懸念をもっている。現実がどんな状態か、それが社会に正確な認識とならなければ、実態を克服する正確な対策を講じることができない。


 最近川の水と魚の放射線量があがった背景に福島原発の排水設備の故障がある。事実があきらかになれば対応策も講じられる。チェルノブイリ原発事故がソ連解体の原因という識者もいる。オリンピックだ万博だとイベントを連続しても、原発対策不十分なら原発事故は終わらない。


自然は、生きている。
福島原発も、全国地震も、土砂災害も。
人間が自らの内なる自然にどう自覚的に対峙して、取り組むか。
そこは隠蔽も改竄も通じない厳格な世界だ。