【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

【報道特集2023.6.24】

2023-06-26 21:13:47 | 転載・政治社会と思想報道
  「ひとも思想も滅多に信ずるなよ。本当に信頼できるもの以外はな」

五味川純平は「人間の条件」「戦争と人間」で15年戦争を描いた。後者の作品で、戦場へ駆り出された兄が、弟に話す場面。「ひとも思想も滅多に信ずるなよ。本当に信頼できるもの以外はな」。私はロシア・ウクライナの戦争でどちらもたやすくは情報をうのみにすまいとかんがえる。

 「戦い続けるミャンマーの今」

軍事政権に闘い続けてきた若者たちに変化がおきていること。大事な課題であり、問題である。都内の焼き鳥酒場で働く学生はミャンマーの軍事政権と闘う若者、日本にやってきた。焼き鳥酒場で働き結婚し祖国のことを心配しながら後輩たちを支援する。現地のアウンカさんは、戦場で撃たれなければ殺されるので抵抗し打ち返す。襲撃戦で顔の、表情もひきしまり、同時に感情も。弟は銃撃されている。前線で片目を撃たれ義眼で戦場へむかう。足に大けがをしても犠牲者を想いながら。日下部キャスターの質問に答え「戦争が終わるまで」と話す。ビルマの人々は、祖国とそれをになう若者たちを真剣に心配し励ます。ビルマの国民は、まっとうな国民として長い民主化闘争で得た政権を軍部が倒したことに闘い続ける。日下部キャスターはなにが起きているか、正確に伝え、若者たちの希望と闘いへの連帯を私たちに投げかけてくれている。

 「カネミ油症」55年前の毒 今も


カネミ油症が、どんなものでどんな害をもたらすか。PCB汚染の人体への被害は重度のもの。被害は次世代にまで及ぶ事実がでてきて、被害の保障も子や孫世代の代になされるか。新たな問題。政府官僚は子の代、孫の代には民間の責任であり国家には責任はないと主張。現在は厚労省が子や孫の調査をおこなっているようだ。


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東京新聞<著者は語る>ジャーナリスト・堤未果さん

2023-06-25 17:27:34 | 転載・政治社会と思想報道
<著者は語る>国民と対話ない政府 『堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法』 ジャーナリスト・堤未果さん

2023年6月25日 07時00分東京新聞/鈴木伸幸氏執筆




 「ショック・ドクトリン」とはテロや戦争、自然災害などで私たちがぼうぜんとしている時に、平時なら批判が強い施策をこっそり導入する手法だ。「火事場泥棒」とでも言えばいいだろうか。カナダ人ジャーナリストのナオミ・クラインさんが命名した、そんなドクトリンの後遺症に日本は悩まされている。コロナ禍のどさくさに紛れて進められたマイナンバーカードだ。

 他人の住民票が出てきたり、他人の医療や年金の情報が閲覧できたり-とトラブルが相次ぐマイナカード。それをジャーナリストの堤未果さんは本書で海外事例を参照に予測していた。「カード取得者にはポイントを付与、健康保険証を廃止してマイナカードに一体化-とまるで『アメとムチ』。普及ありきで進められている」
 日本がモデルとするデジタル先進国のエストニアでは個人情報の漏えい防止が最優先課題とされ、問題発生時の政府責任が明確化されている。個人情報を政府は勝手に見ることができない。個人情報の主権が尊重され、本人の意思で情報を削除できる。ところが、日本ではいずれも保証されず、個人情報の扱いに明確な縛りがない。しかも政府の信頼は地に落ちている。

 堤さんはマイナカードに反対ではない。問題は普及に向けた拙速ぶりと強引なひも付けだ。デジタル化に成功している台湾のデジタル担当相、オードリー・タンさんは「一番、弱い人に合わせて作ることが大切」と高齢者など情報弱者と対話を重ねながら制度を設計してきた。ところが日本は…。堤さんは言う。「国民の声を聞き、手間暇をかけて民主的にやり直すべきだ。そのプロセスで政府への信頼も回復する。今こそ立ち止まり、検証して再構築するラストチャンス」 (鈴木伸幸)

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【孫崎享のつぶやき】2023-06-22 06:5

2023-06-22 18:59:03 | 転載・政治社会と思想報道
大統領候補が有罪判決を受けた場合、選挙に出れるのか。1世紀前独房から(大統領)選挙活動を行った例あり。トランプ前大統領には選挙運動の制限はない。出馬可能。監獄で選出されたらどうなるかー規定なし。判決前だったら、任命する司法長官が起訴撤回がありうる。




大統領候補が有罪判決を受けた場合はどうなるか? Can Trump run if he is convicted?NYT

憲法とアメリカ法は、生じるであろう疑問の一部に対してのみ明確な答えを持っている。不明確な部分は、米国を真に未知の領域に導く。
1世紀以上前にユージーン・V・デブスが独房から(大統領)選挙活動を行って以来、米国は、重罪の有罪判決を受けた著名な候補者が大統領に立候補するということを経験していない。そして、その候補者が本当に勝つ可能性のある人物だったということはこれまで一度もなかった。

トランプ前大統領には選挙運動の制限はない。同氏は連邦事件とニューヨーク州事件の2件で数十件の罪で起訴されているが、判決が出るのはまだ先のことだ。そして、この手続きが実際的な面でトランプ氏の選挙活動を妨げるのか、それともこれまでとは違った形で世論調査に悪影響を及ぼし始めるのかなど、不確実性は多い。
しかし、もし彼が有罪判決を受けた場合、事態は複雑になる。憲法とアメリカ法は、生じるであろう疑問の一部に対してのみ明確な答えを持っている。
重大な決定が連邦判事の手に委ねられ、国を真に未知の領域に導く可能性もある。

トランプ大統領は有罪判決を受けても出馬できるのか?これは最も単純な質問。答えは「はい」である。
憲法は大統領の資格要件をほとんど定めていない。立候補者は少なくとも 35 歳、「生まれながらの」国民で、少なくとも 14 年間米国に住んでいる必要がある。
性格や犯罪歴による制限はない。 (一部の州では重犯罪者が州および地方公職に立候補することを禁止していますが、これらの法律は連邦公職には適用されない)
文書事件におけるトランプ氏の起訴から得られる教訓(起訴状内容については省略)トランプ氏の選挙スタッフはトランプ氏の不在中に資金集めやその他の選挙活動を行うことができ、トランプ氏が投票用紙への出席を剥奪される可能性は非常に低い。
共和党と民主党はすべての州で総選挙投票用紙に記載される枠を保証しており、両党は誰の名前をその枠に載せるかを選挙管理者に指示している。理論的には、各州は無罪の犯罪歴を義務付ける法案を可決することでトランプ氏を投票から遠ざけようとする可能性があるが、これは法的に不安定な立場にあるだろう。
彼が刑務所から選出されたらどうなるか?誰も知らない。

カリフォルニア大学バークレー校の憲法専門家チェメリンスキー氏は、「私たちはこれまでに起こったことからはほど遠い」と語った。 「それはただの推測です。」
法的には、たとえ投獄されてもトランプ氏には大統領の資格が残る。憲法にはこれに反することは何も書かれていない。 「立案者たちは、私たちがこのような状況に陥るとは思っていなかったでしょう」とレビンソン教授は語った。実際には、投獄されている大統領が選出されると法的危機が生じ、ほぼ確実に裁判所による解決が必要となる。

理論上、トランプ氏は合衆国憲法修正第25条に基づいて権限を剥奪される可能性があり、大統領が「職務上の権限と義務を果たせない」場合に副大統領に権限を移譲する手続きが定められている。しかし、それには副大統領と閣僚の過半数がトランプ氏が職務を遂行できないと宣言する必要があるが、これらの人々がトランプ氏自身が任命した支持者であることを考えると、その見通しは遠い。
むしろトランプ氏は、投獄により大統領としての憲法上の義務を果たせないとして釈放を求める訴訟を起こす可能性が高い。このような訴訟ではおそらく三権分立が焦点となるだろうが、トランプ氏の弁護士らは正式に選出された大統領を刑務所に閉じ込めておくことは行政府の運営に対する司法府の侵害に当たると主張している。

彼は自分自身を赦免しようとすることもできるし、あるいは減刑して有罪判決はそのままにして投獄を終えることもできるだろう。いずれの措置も大統領権限の異例の主張となり、最高裁判所が「自己恩赦」が合憲かどうかの最終裁定者となる。あるいは、バイデン大統領が退任の際、「国民の意見があり、統治できるよう彼を赦す必要がある」という理由でトランプ氏を恩赦する可能性もある、とチェメリンスキー教授は語った訴訟が進行中の状態で彼が当選したらどうなるか?

ありそうな結果は、トランプ大統領が任命した司法長官が告訴を取り下げ、事件を終結させることだろう。司法省は現職大統領を起訴しないが、これはニクソン政権時代の1973年のメモに概要が記されている方針である。すでに起訴された次期大統領をどうするかについて政策を策定する理由はこれまでなかった。しかし、現職大統領を起訴しない理由、つまり職務遂行能力に支障をきたすという理由は、この仮説のシナリオにも同様に当てはまる。

「我々が現職大統領を起訴したくない理由は、我々が現職大統領を訴追したくない理由でもある」と同省の推論に同意しないチェメリンスキー教授は述べた。 「私の推測では、もしトランプの訴追が何らかの形でまだ進行中でトランプが当選したら、司法省、つまりトランプ司法省は『我々は1973年のメモに従っている』と言うだろう。」

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【ニュース23視聴メモ】2023・6・19

2023-06-19 23:52:22 | 報道と思想
【ニュース23視聴メモ】2023・6・19



#news23_tbs
過疎地では利用客が減少してバス会社が倒産や路線の廃止
都内ではバス運転手が不足してバス路線を廃止
地域コミュニティでは、役所が公的循環バスを設置
ぐるりんバスなどの愛称で車のない家庭に親しまれている

#news23_tbs

財政学の宮本憲一氏は、1970年代に『社会資本論』を執筆。社会的公共部門の考察に新たな地平を拓いた。資本家企業にとって、公共性の高い運輸手段、水、排水など一企業を超えて公共性が高く社会性のある概念にカテコライズされるものを、社会科学の領域で研究し対応策を考察した。日本のバス、電車、上下水道、排水確保など一企業だけでは対応しきれないものを地方行政や国家行財政のテーマとして設定を提起した。2020年代、もう50年が過ぎた。改善されたり取り組んだりしている事例はどの程度だろうか。

#news23_tbs

「教育×AI」がブームのような賛歌?
たとえば生徒学生に数学を教えていて、c2=a2+b2
のピタゴラスの定理は、数値をあてはめるだけでなく空間概念をどう系統的に算数から数学へ、算術から数学へと概念形成をわかりやすく陶冶しないと数値の操作としか思っていない大人側は見過ごす。


#news23_tbs
岸田文雄首相の評価。複雑で入り組んだ政界事情があることを考える。ただ政治報道・マスコミがまっとうに取り組んでこなかった事実はゆるがせない。政治家の懐に入りこんでも、政治家の本音や功罪を国民に伝えることが役目だと私は思う。西山太吉、村上義雄、筑紫哲也。現在匹敵する人は?



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【報道特集2023.6.17】

2023-06-19 10:12:33 | 転載・政治社会と思想報道
 ウクライナ・ロシア戦闘和平をめざす南アフリカの意義

和平の仲介にアフリカ7か国がウクライナとロシアの大統領を訪れた。南アフリカの代表はゼレンスキーよりもずっと現代戦争の破滅を熟知している。ロシアを私はがっかりしているのだが、セレンスキー大統領の表現と行動にずっと納得いかないものがある。深められたら意思表明にまとめたい。


 「ジャニー氏の性加害」

2つの問題がある。1つは、成人男性の少年愛であり、もうひとつは商品の論理に少年たちを巻き込んでいった音楽資本の問題だ。プラトンはプラトニックラブで知られているが、それは「俗愛に対する聖愛」ではない。外国でも日本でも男女の愛情は不潔な俗愛であり、同性どうしの愛が一段上という偏見の歴史で、女性の人権を差別し偏見をもつ社会意識の長年の悪しき伝統がある。アメリカのハリウッドでは世界的に優れた映画作品が作られてきたが、同性愛は特に問題とはならなかった。日本でも外国でも、「商品の論理」にまきこまれていって、映画・芸能をも人間としてでなく、商品の論理が渦巻いてきた。社会にある「商品の論理」の悲惨さを見逃してはならない。


 沖縄の歴史

沖縄の歴史はきょう特集を見ていて驚きと無知の発見でもある。沖縄県民が味わった苦痛は本土人には理解していない次元の領域。平和運動に携わってきた糸数慶子さん、太田元知事のことば。
沖縄に、日本軍国史の矛盾と原点が刻まれている。「国にいのちを捧げた英霊」ということば。「国家が強制したことがいのちを多くの人々が失うことになった」佐古忠彦さんや番組キャスターの村瀬さんたちが語る穏やかなことばが胸に迫る。沖縄の歴史をふみにじりふたたび戦禍に沖縄県民や国民をおいやる危険な日本政府と軍拡勢力。

【孫崎享のつぶやき】2023-06-19 08:18

2023-06-19 09:55:33 | 転載・政治社会と思想報道
論評「米国は依然世界をリードしているが、同盟国(欧州)は不安を抱いている。多くの欧州人は、新冷戦の中で二つの超大国の間に板挟みという不快な感覚を抱いている。彼らは、中国に責任の一端があることを知っている。彼らは米国も同様に有罪だとみなしている。」



アメリカは依然として世界をリードしているが、同盟国は不安を抱いているAmerica Still Leads the World, But Its Allies Are Uneasyユーラシアの「ハートランド」と米国主導の「リムランド」の間の世界規模の闘争では、前途多難が待ち受けている。Niall Ferguson2023年6月18日ブルームバーグ国家情報会議の「2040 年世界動向報告書」では、今後 17 年間の 5 つのシナリオが想定されている。

望まれているのは明らかに「民主主義のルネッサンス」、しかし、他の 4 つの目的地、つまり避けるべきものを検討する価値がある。「A World Adrift」では、中国は主導的な国家ではあるが、世界的に支配的な国家ではない。「競争的共存」では、米国と中国は二極化した世界で繁栄し、主導権を争う。「Separate Silos」は、グローバリゼーションが崩壊し、増大する脅威から国家を守るために経済と安全保障のブロックが出現した世界を描いている。「悲劇と動員」は、壊滅的な地球環境危機の直後のボトムアップの革命的な変化の物語。

私にとって印象的なのは、この文書が出版されてからわずか 2 年が経った今、すでに次のシナリオ 3 に陥っているということ。米中対立やその他の国家間の関係は、市場、資源、ブランドの評判をめぐる競争へと導かれている…安全保障上の中心的な課題は、米国と中国の間の地政学的な競争が、両国の繁栄と世界経済に依存する経済協力を損なわないようにする方法である。
多くのヨーロッパ人は、新たな冷戦の中で二つの超大国の間に板挟みになっているという不快な感覚を抱いている。彼らは、これについて中国に責任の一端があることを知っている。しかし彼らは米国も同様に有罪だとみなしている。

もちろん表面的には、米国主導の大西洋同盟は、昨年のロシアのウクライナ侵攻への対応において予想よりもはるかにうまくいっている。だが、ウクライナの戦争努力を支援する 38 か国の拠出金が正規分布ではない。非常に大きな貢献者が 1 人いて、非常に小規模な貢献者がたくさんいるということ。非常に大きな貢献者はもちろん米国。ウクライナ・サポート・トラッカーの二国間約束に関する最新データによると、米国のウクライナに対するあらゆる種類の約束(金融、人道、軍事)は、次に大きな国民国家である英国の7倍である。これらは、すべての EU 加盟国および機関の合計コミットメントを合計した金額を 15% 上回っている。そして、米国のコミットメントは、他の 39 国家すべてのコミットメントを合計したものよりも 45% 大きい。

これが米国指導部の固有の特徴とは対照的に、問題となる理由は、米国主導の海外での取り組みが米国有権者の支持に大きく依存しているためである。そして、特にアンクル・サムがフリーライダーの集団に取り込まれていると感じるとき、彼らは気まぐれになる。キッシンジャーの『問題のあるパートナーシップ』の出版からほぼ60年が経った今でも、アメリカのパートナーがヨーロッパ防衛の費用の不相応な負担を支払っているという問題が残っている。ウクライナ戦争開始から15か月が経過した現在、アメリカ国民は依然として参加している。最近のハーバード大学ハリスの世論調査によると、バイデン大統領の政権がウクライナでロシアに対抗するために「やりすぎた」と考えている人はわずか23%だ。バイデン政権の対中政策が「強すぎる」と考える米国人はわずか15%だった。しかし歴史は、特に経済状況が厳しくなり、大統領選挙が近づくと、こうした割合が急速に成長する可能性があることを物語っている。これは米国の経済的リーダーシップの問題につながる。

アメリカの財政は持続不可能な道を進んでいる。連邦財政赤字は今後10年間でGDPの5%を超え、2033年には7.3%に達すると予測されている。そして連邦政府の債務の増​​加を一貫して過小評価してきたため、その軌道はおそらく議会予算局の予測よりもさらに悪くなるだろう。過去 20 年間の GDP 比率。 2029 年には債務返済額が国防費を超えると予想されているが、それよりも早くなると思われる。国家安全保障よりも利払いに多くを費やした過去の帝国の歴史は、勇気づけられるものではない。公式には、米国と欧州連合は、中国との経済関係の「リスク回避」に関して同じ考えを持っている。しかし、内心ではヨーロッパ人は疑問を抱いている。まず、彼らはインフレ抑制法を「アメリカ第一主義、バイデン版」とみなしている。第二に、サリバンの高い柵が自分たちを人工知能競争から遠ざけていることを彼らは知っている(おそらく規制当局としては別だ)。第三に、彼らは米国の中国に対する技術的封じ込め政策に相当するものの予期せぬ結果を懸念している。私がヨーロッパで話をした人は、中国との新たな冷戦を「解凍」するためのワシントンの現在の取り組みから多くの成果が得られることを期待していた人はいなかった。

中国の李尚福国防相は、2週間前にシンガポールで開催されたシャングリラ対話で、米国の相手役である・オースティンとの会談を明確に拒否した。同氏のシャングリラでの演説は、米国(「ある国」)が「他国の内政や問題に意図的に干渉し、頻繁に一方的な制裁に訴えている」として批判し、驚くほど戦闘的だった。アメリカのヨーロッパとアジアの同盟国にとっての問題は、中国からの切り離しが非常に難しいことだ。欧州の自動車メーカーが中国の電気自動車工場に行った巨額の投資があある。アメリカのリーダーシップについて尋ねるべき良い質問は、「誰が従わないのか?」ということだ。2002 年の「悪の枢軸」、イラン、イラク、北朝鮮は、スピーチライターのフィクションである。 2023年の「悪意の枢軸」、中国、ロシア、イランは現実だ。カーター大統領の国家安全保障担当補佐官、ブレジンスキーはキッシンジャーではなかったが、それでもかなり優秀だった。 『グランド・チェス盤』(1997)の中で、彼は私たちに次のように警告した。潜在的に最も危険なシナリオは、中国、ロシア、イランによる大連合、つまりイデオロギーではなく補完的な不満によって団結した「反覇権主義」連合だろう。かつて中ソ圏が提起した挑戦の規模と範囲を彷彿とさせるだろうが、今回はおそらく中国がリーダーとなり、ロシアが追随することになるだろう。この不測の事態を回避するには、それがどれほど遠く離れたものであっても、ユーラシアの西、東、南の境界線で同時に米国の地政学的戦略スキルを発揮する必要があるだろう。

ジャレッド・コーエン(元グーグル、現在ゴールドマン・サックス)は、「地政学的な浮動国家の台頭」で4 つの異なるカテゴリが識別されている。グローバルサプライチェーンの重要な側面で競争上の優位性を持つ国:インド、ブラジル、モロッコ、インドネシア、チリ、ガイアナなど、ニアショアリング、オフショアリング、フレンドショアリングに特有の適している国:ベトナム、メキシコ、カナダなど、不釣り合いな量の資本とそれを世界中に展開する意欲を持つ国々。:湾岸諸国、ノルウェー、シンガポールなど、特定の制約の中で追求する世界的なビジョンを持つ先進経済国とリーダー。:ドイツ、フランス、韓国など、冷戦時代、インドやユーゴスラビアなどの国々は、米国にもソ連にも忠誠を誓って非同盟を宣言した。今日の激戦国は「多くの場合、多同盟を選択するだろう。これは、重要な勢力、そして時には予測不能な勢力となる戦略である」とコーエン氏は主張する。

私はパリで、マクロン大統領の顧問二人を含む会話の中でこれらのアイデアを試した。仮に台湾をめぐって米国と中国の間で戦争が起こったとしたら、ワシントンは誰を頼りにできるのか、と私は尋ねた。 「日本、イギリス、オーストラリア。たぶんカナダ。それです」という答えもあった。私はウクライナに対する悲観的な見方にさらに驚いた。 「もしトランプが来年11月に勝てば、ゼレンスキーはめちゃくちゃになるだろう」と私はあえて言った。 「何が起ころうと、彼はめちゃくちゃだ」と別の対話者は答えた。 「ウクライナは失った黒海沿岸、いわゆるクリミアへの陸橋を取り戻すことはできない」。 「つまり、戦争は事実上終わり、プーチン大統領が勝利したのだ。」

こうした会話からは、欧州が大西洋同盟というおなじみの安全保障と、米国とかろうじて重なり合う経済的自己利益の間で引き裂かれていることが浮き彫りになる。パリが不安定だと思うなら、ぜひベルリンを訪れろ。そこでは、ドイツが現在不景気に陥っており、最新のYouGov調査では極右政党「ドイツのための選択肢」の支持率が過去最高の20%を記録している、ウクライナ戦争だけでなくグリーンエネルギーについても神経を失いつつあることがすぐにわかるだろう。

最近の他の世論調査でも明らかになっている。外交政策に関するECFRの調査では、欧州の有権者に対し、台湾を巡る米中戦争の可能性に自国はどのように対応すべきかを尋ねた。ドイツ人の約60%は中立を支持した。ドイツが米国を支援することを望んでいるのはわずか23%だった。そして、もし中国が公然とロシアに弾薬や武器を供与し始めたら?中国への制裁発動を支持するドイツ人はわずか37%だった。
今日の米国は、1950年代と同様に、ハートランドに対するスパイクマンのリムランドの誰もが認めるリーダーである。ただ、リムはなぜか当時より細いです。そして今日、亀裂の最初の憂慮すべき兆候が現れている。


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【色平哲郎氏からのご紹介】 震災の時に本当に役に立ったのは廃線を検討されているようなローカル線だった

2023-06-18 16:55:59 | 転載・政治社会と思想報道
東日本大震災の時に本当に役に立ったのは赤字経営で廃線を検討されているようなローカル線だった。日本海側から上がって行って東北を横断して太平洋側に貨物を運んだ。

山本義隆



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とくに小泉内閣の5年は、短いことばで国民を狂わせて、アメリカ型の市場万能主義をそのまま持ち込み、アメリカの権益がかかわる戦場に自衛隊を派遣して、日本社会の屋台骨を粉々にしてしまいました。私はこんな内閣と同じ時代に国会議員でいたら後世恥ずかしいと思い、議員を退いたのです。

野中広務・元幹事長



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本書は歴史の「語り直し」、オフィシャル・ストーリーを民衆の立場から書き換える壮大な試みである

新自由主義の「暴力」を告発する

『図書新聞』3042 号、2011 年 12 月 17 日に、社会学者の渋谷望氏が 2 面にわたり、『ショック・ドクトリン』を解説しているので抜粋して紹介する。

本書の最大の特徴は新自由主義「御用学者」がこの 30 数年のあいだ、世界の民衆に対して行使してきた「暴力」を掘り起こし告発する点にある。彼女が掘り起こすのは、御用学者が教科書的に何を主張してきたかではなく、実際に何を行ってきたかである。言説のレベルではなく、実際の行為のレベルの批判である。

クラインが執拗に焦点を当てるのは新自由主義の導師、ミルトン・フリードマンである。彼女は、フリードマンの考えと行動のなかにこの暴への要請が書き込まれていることを見出す。フリードマンのアイデアを初めて実行に移した社会、チリとフリードマンの関係の記述が、大きな比重を占める。これが、序章、終章を含め全 23 章中の出だしの 5 分の 1 ほどである。

その後の世界を津波のように巡るこの暴力の軌跡を追いかける。イギリス(サッチャー)、80 年代のアルゼンチン、「移行期」のポーランド、天安門事件の中国、アパルトヘイト後の南アフリカ、エリツィンのロシア、97 年のアジア「危機」。さらに地球を周回したこの暴力は、2000 年代になってブッシュ(息子)政権のときについに米国自身のもとに帰っていき、米国民に襲いかかる。
それは対テロ戦争を通じ米国市民全体に、ハリケーン・カトリーナを通じてその被災者に襲いかかる。さらにそれはイラク戦争を通じてイラクの民衆にも襲いかかる。

本書は近過去の歴史の「語り直し」である。それは新自由主義の視点から語られたオフィシャル・ストーリーを民衆の立場から書き換える壮大な試みである。

クラインは軍事的暴力と新自由主義の両立は偶然ではなく必然的なものだという。なぜなら新自由主義を実行に移すには民衆の連帯という具体的な障害を破壊する必要があり、そのために暴力が必要だからである。そしてチリではこの暴力は軍事政権によるテロというかたちをとったのである。この暴力により、人々は「ショック」を受ける。人々は茫然自失となり、民衆の抵抗は限りなく小さくなる。人々はこのときいわば「白紙状態」となる。この間に新自由主義の「改革」が一気に進められるのである。

ところでこの暴力は必ずしも物理的なものである必要はない。
人々に心理的ショックを与えるものであれば何でも構わない。クラインは様々な惨事/災害は「ショック」を引き起こすという。それは津波やハリケーンのような自然災害、戦争のような人為的惨事、インフレのような経済的惨事についてもあてはまるという。そしてフリードマンをはじめとするエコノミストたちは、この惨事/災害によるショックを意識的かつ効果的に利用し、これにつけこみ、人々にショックを与え(あるいはそのショックを増殖し)、彼らの連帯を破壊し、新自由主義を導入してきたのだという。


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ショック・ドクトリン

堤未果さんによる『100分de名著』から、ナオミ・クライン著 『ショック・ドクトリン』をすこし紹介したい。

『ショック・ドクトリン』の原書が、世に出てから 16 年。この間、世界ではデジタル・テクノロジーが猛スピードで進化し、私たちの日常はますます仮想空間と一体化し、ショック・ドクトリンの手法もまた、よりスピードを上げ、見えにくく、巧妙になってきています。主権者として社会を作っていくはずの私たちが、このスピードに引きずられ、大量の情報に飲まれたままでいれば、立ち止まる暇もなくつけこまれ、弱い者がまず踏みつけにされるでしょう。そんな社会を子どもたちに残したくないからこそ、この本を一人でも多くの日本人に読んでもらいたい、、、

起きていることを多角的に、俯瞰して見るスキルを身につけると、目に映る世界が本当に変わります。
少ない情報でも、未来が見えるようになると、主権者としての自分の立ち位置がクリアになっていくのを実感できるでしょう。

危機に便乗して過激な新自由主義を強引にねじ込むこの戦略を、クラインは「ショック・ドクトリン」と名づけます。そしてそこから過去に遡り、フリードマンとその一派がこの手法を使って、いかに世界の多くの場所で、国家や国民の資産を略奪してきたか、事実を丹念に拾い上げながら、語られなかった〝もう一つの歴史〟を明るみに出したのでした。


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ドミニコ会やイエズス会は主として当時のアメリカ大陸でネイティブ・アメリカンの権利を主張し、奴隷制に抗議していたからである。イエズス会員はキリスト教になったインディオを他部族やヨーロッパの奴隷商人の襲撃から守るためブラジルとパラグアイに「保護統治地」をつくった。インディオを保護しようとするイエズス会員はスペインとポルトガルの奴隷商人およびそこから利権を得る政府高官にとって目障りであったため、のちにポルトガルからイエズス会への迫害が始まることになる、、、
16世紀のブラジルでインディオ相手に宣教・教育事業を行いながら、いくつもの街をつくった。その中にはサンパウロ、リオデジャネイロなどのちに大都市になったものも含まれている、、、
宣教地で働くイエズス会員たちはその土地の文化や言語の学術的研究をすすめ、ヨーロッパに紹介した。たとえば1603年に発行された日葡辞書は非常に画期的かつ浩瀚な内容で、現代においても17世紀の日本語の貴重な研究資料になっている、、、
ヨーロッパ諸国がナショナリズムを強め、王権のもとに国をまとめていこうとしたとき、国境を越えて自由に活躍し、教皇への忠誠を誓うイエズス会の存在が目障りなものとなっていた、、、
このような経緯を経て1773年7月、クレメンス14世は回勅『ドミヌス・アク・レデンプトール (Dominus ac Redemptor)』を発してイエズス会を禁止した。


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「生産性の論理を土地と農業に適用したことは、人類の歴史に根本的な変化をもたらした。人々の生活が『生産性を高め、生産量を最大化する』という欲求に支配されるようになったのだ。生産は、もはや必要を満たすものでも、地域の充足を目的とするものでもなくなった。利益を中心に計画され、資本家の利益を増やすためのものになっていたのだ。これはきわめて重要なポイントだ。
わたしたちが人間の本性に刻み込まれていると思っていた『ホモ・エコノミクス』の性質は、囲い込みによって導入されたのだ」

「競争を強いるこの体制は生産性を劇的に高めた。
1500年から1900年までの間に、1エーカーの土地から獲れる穀物の量は4倍になった。当時、向上(インプルーヴメント)と呼ばれたこの成果のゆえに、囲い込みは正当化された。イギリスの下級地主で哲学者のジョン・ロックは、囲い込みが平民からコモンズを盗む行為であったことを認めながらも、『この盗みは集約産業への移行を可能にし、農業生産を高めたので、道徳的に正当化される』と論じた。
『総生産高を増やすことはすべて人類の向上というより大きな善への貢献だ』と彼は述べた。
同じ論理は植民地化を正当化するためにも使われ、ロック自身、この論理を後ろ盾にして植民地政策を擁護した。『向上』は強奪に言い訳になったのだ。現在、同じ言い訳が、新たな囲い込みと植民地化を正当化するために日常的に使われている。今回、囲い込みと植民地化の対象になっているのは土地、森林、漁場、大気などである。
もっとも、わたしたちはその成果を『向上』ではなく、『開発』あるいは『成長』と呼ぶ。GDPの成長に貢献するものは事実上すべて正当化される」

「ここで理解しておくべき重要なポイントは、資本主義の特徴であるきわめて高い生産能力は、人為的希少性の創出と維持に依存していたことだ。希少性―および、飢餓の脅威―は、資本主義を成長させる原動力になった。実際には資源は不足していなかったので、その希少性は人為的なものだった。土地、森、水源は以前と同じだったが、突如として、利用を制限されたのだ。希少性は、上流階級が富を蓄積するためにつくり出したものだった。人為的希少性は国によって暴力的に強制され、勇気を奮って自分たちと土地を隔てる柵を壊そうとした農民は虐殺された」

ジェイソン・ヒッケル「資本主義の次に来る世界」(東洋経済新報社、2023年5月)


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看護という職業は、医師よりもはるかに古く、はるかにしっかりとした基盤の上に立っている。医師が治せる患者は少ない。しかし看護できない患者はいない。病気の診断がつく患者も、思うほど多くない。診断がつかないとき、医師は焦る。焦らないほうがよいとは思うが、やはり、焦る。しかし看護は、診断を越えたものである。「病める人であること」「生きるうえで心身の不自由な人」、看護にとってそれでほとんど十分なのである。実際、医師の治療行為はよく遅れるが、看護は病院に患者が足を踏み入れた、その時からもう始まっている。

中井久夫


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無条件降伏とは

 
「無条件降伏」とは戦争用語として国家が軍事的抵抗を一切、条件なしに停止することを意味する。ポツダム宣言では13項で the unconditional surrender of all Japanese armed forces と書かれており、
つまり「すべての日本軍の無条件降伏」である。これをもって「無条件降伏勧告は日本政府にではなく日本軍に対して出されたもの」というのは誤解である。13項には「日本国政府が日本軍の無条件降伏を宣言すること」を求められていのであり、日本軍の無条件降伏を日本政府に迫ったのがポツダム宣言である。
 
また、ポツダム宣言には条件がつけられているのだから「無条件降伏」ではない、というのも誤解である。5項以下に述べられていることは、「降伏にあたって日本が守らなければならない条件」であって、「猶予される条件」ではない。「国体の護持」は条文には上げられて居らず、あくまで水面下での交渉でアメリカの了解を取っていたことである。
 
ただし、連合国による日本に対する戦後処理が、「無条件降伏」であったにもかかわらず、連合軍の分割占領ではなかったこと、占領軍の直接軍政ではなく日本政府の存続がみとめられたことなどは、ドイツと比較して苛酷でなかったといえる。ドイツの無条件降伏も5月8日に国防軍最高司令官ヨードル元帥が署名して決定し、4カ国分割占領下に置かれたが、中央政府の存在は東西ドイツ政府が生まれた1949年まで認められなった。この点で言えば、日本国家は無条件で否定されたわけではない。しかしそれは、連合軍と言っても日本と戦ったのはほぼアメリカ軍だったため、日本の戦後処理にはアメリカの意向が強く働かざるを得なかったこと、中国が一本化しておらず日本占領に加われる状態ではなかったことなどの条件によるものであった。
 
軍隊が無条件降伏することは、国家が抵抗権を放棄することであるから、国家が無条件降伏することと同義なのである。そして軍隊の無条件降伏と同時に、一定期間の占領、国家主権のおよぶ領土の削減などの敗戦国としての遵守義務を付帯させて日本に受諾を迫ったのであった。それは陸軍などの一部にあった、あわよくば「条件付き降伏」(軍隊の存続、満蒙などの領土の保持などを認めさせたた上で敗北を認めること)に持っていこうという希望を打ち砕くものであった。そして宣言の受諾の可否を迫られた政権内部では、無条件降伏の受諾を止むなしとする外務省・海軍と、それを受諾すれば軍隊の解散と戦争犯罪の断罪がなされることを恐れて反対する陸軍とに分裂した。そして閣議を経た上で昭和天皇の聖断としてポツダム宣言の受諾、つまり無条件降伏を決定した。
 
8月14日に決定され、15日に国民に「玉音放送」を通じて知らされた天皇の「終戦の詔書」にも天皇の名で「ポツダム宣言」の受諾が表明され、9月2日、外務大臣重光葵らが天皇の代理、および日本政府代表として署名した「降伏文書」にも、ポツダム宣言を受諾し、日本軍が無条件降伏することが明記された。 
 
なお、連合国の首脳が、「無条件降伏」という用語を慎重に使っていたエピソードにカサブランカ会談の例がある。

日本は無条件降伏していない?
 

「日本は無条件降伏していない」という説は1978年に文芸評論家江藤淳が言い出したことで、国際法学者のなかにも一定の同調者がいる。その根拠の一つは、宣言の文面で無条件降伏を勧告されたのは日本軍である、というのであろうが、一国の国軍が降伏したのに国自身は降伏していないという理屈はいかにも苦しい。またもう一つの根拠は無条件ではなく条件付きだった、というもので、たしかに一理ありそうにみえ、苦し紛れに「条件付き無条件降伏」と言った人もいたそうだが、ポツダム宣言で示された条件はいずれも軍国日本にとって屈辱的なものであり、日本側が条件として持ちだしたことではない。そういうのは条件付きとは言わない。無条件に押しつけられた敗戦国の義務としかとりようがない。
 
今のこの時期に、敢えて「日本は無条件降伏したのではない」と言うのはどのような意図があるのだろうか。無条件降伏した国でないなら、なぜかくも長くアメリカ軍の基地が残っているのだろうか。昨今の為政者は「ポツダム宣言を詳らかには読んでいない」と公言してはばからないようだが、ポツダム宣言は読まなくとも、天皇の「終戦の詔書」ぐらいは目を通しておくべきであろう。

https://www.y-history.net/appendix/wh1505-117.html


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ローズヴェルトのフライング発言「無条件降伏!」
 
(1943年の)カサブランカ会談で、枢軸国に対して「無条件降伏」を求めることが決定された、とされている。またその言葉がドイツや日本の死にものぐるいの抵抗を呼び起こし戦争を長びかせたとも批判された。ところが、この言葉は予定された共同コミュニケには無く、会談後の記者会見でのローズヴェルトがいきなり発言し、チャーチルがとっさに口裏をあわせたものであった。以下、チャーチルの回顧談による。

(引用)一月二十四日の記者会見で、大統領がわれわれが敵全体に対して”無条件降伏”を強いるだろうというのを聞いて、私はいささか驚いた。・・・またコミュニケが作成されたときの三軍参謀首脳の会議に全部出席していたイズメー将軍も驚いた。大統領の後を受けた演説で、もちろん私は大統領を支持し彼が述べたことに同意した。このような場合とこのようなときにおいて、われわれの間に少しでも相違があったり、あるいは少しでも省略することでもあれば、それはわれわれの戦争努力に害を、あるいは危険をさえもたらすことになったろう。・・・
<チャーチル『第二次世界大戦回顧録』3p.296 佐藤亮一訳 河出文庫>
 
なぜローズヴェルトの口からこの言葉が飛び出しかというと、原注によれば、このときフランスのジローとド=ゴールの対立を南北戦争のグラントとリーの間を取り持つのと同じぐらい困難だと考えていた彼が、グラントが Old Unconditional Surrender と言われていたことを思い浮かべ、それを口に出してしまったらしい。


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学徒出陣の学生は、下士官といっても、直ぐに少尉以上の士官に昇進します。彼らに、実戦経験は期待されていません。どういうことかというと、日本軍が強かったのは、幹部がダメだが、下士官が優秀だったからだといいますが、戦場では先ず指揮官が狙撃されて、下士官が生き残って経験を積んだからです。このように、学徒出陣の士官は、実戦経験を積む前に戦死することが多く、消耗品の扱いというのが現実です。だから学徒出身の士官がいてもいなくても、現場では混乱が起きません。学徒出陣には、文系の学生が動員される一方で、理工系の多くの学生は、学徒出陣から逃れて、学業を続けた後、軍用機の試作に携わり、生き残ることができました。国家による命の選別ですよね。


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(書評より)サイコパスをフィルターに、「良心とは何か?」を問う

米国の心理学者が著した、いわゆる「サイコパス」についての解説書である。サイコパスとは、一言で言えば「良心が欠如した人間」のこと

サイコパスは具体的にどのような人間なのか、サイコパスが生まれる原因は何か、どのようにサイコパスを見分けたらよいか……などの問いに、著者は実在のサイコパスを例に挙げながら、手際よく答えていく。
なかなか目からウロコの本であった。人口の4%もサイコパスがいるという話(欧米の場合。日本はもっと低いそうだ)にも驚いたが、「サイコパス=犯罪者およびその予備軍」という先入観がくつがえされたことにも驚かされた。

私は、貴志祐介のホラー小説『黒い家』で「サイコパス」という言葉を知った。映画版では大竹しのぶが怪演した、あの恐ろしい女。あれが「サイコパス」の一典型なのである。
『黒い家』の強烈な印象のせいで、私は「サイコパスとは平気で殺人を犯したりする粗暴な人間のこと」というイメージを抱いていた。

だが著者によれば、大半のサイコパスは非暴力的で、目立った法律違反も犯さず、社会に溶け込んで生きているという。

一見ふつうの人間に見えながら、平気でウソをつき、人を陥れ、周囲に不幸をまき散らす「良心をもたない人たち」。その恐るべき実態が明かされていく。

「一見ふつう」どころか、サイコパスには一見非常に魅力的で、カリスマ性さえ感じさせる人間も多いという。彼らは人の心をあやつる術に長け、総じて知能も高いからである。著者は、大企業のCEOにまでのぼりつめたサイコパスの例を、一章を割いて紹介している。

本書は、たんなる解説本に終わらない深みをもった良書であった。「サイコパスとは何か?」という問いに答える過程で、著者は「良心とは何か?」「人間にとって幸福とは何か?」という大テーマにまで迫っていくのである。

「良心はほかの人たちへの感情的愛着に基づく義務感である」と著者は定義し、「良心は愛する能力を欠いては存在しない」と言う。サイコパスの道徳観念の欠如の根源には、「愛情の欠如」があるのだ。

良心をもたないサイコパスたちは、人を出し抜く能力に長けているため、一時期は社会的成功を収めることもある。しかし、彼らはけっして幸福にはなれないと著者は言う。

それは、たんなる「因果応報」話ではない。感情的生活が欠落したサイコパスたちはつねに退屈しており、その退屈をまぎらすために強い刺激を必要とする。そのため、刺激を求めて危険な行為をくり返したり、アルコールや麻薬に依存したりして、自滅していく率が高いのだという。

そもそも、他人を支配したり蹴落としたりして得られる勝利感など、刹那的なものにすぎない。それは幸福感とは似て非なるものだ。愛情が欠落したサイコパスたちは、一生涯本物の幸福感を味わうことができないのである。

「サイコパスの見分け方」を説いた章も興味深く読んだ。
著者によれば、サイコパスを見分ける「最高の目安」は「泣き落とし」だという。サイコパスたちが人をあやつるために最も頻繁に利用するのは、意外にも、恐怖心ではなく同情心だというのだ。

《だれを信じるべきかを判断するとき、忘れてはならない。つねに悪事を働いたりひどく不適切な行動をする相手が、くり返しあなたの同情を買おうとしたら、警戒を要する》

また、平気でウソをつけるのもサイコパスの特徴だから、つきあいの中で3回ウソが重なったら、その相手からすぐに逃げ出すべきだと著者は言う。

もう一つ、印象に残った一節を引こう。

《(戦場において)サイコパスは悩むことなく相手を殺すことができる。良心なき人びとは、感情をもたない優秀な戦士になれるのだ。(中略)サイコパスがつくりだされ、社会から除外されないのは、ひとつには、国家が冷血な殺人者を必要としているからかもしれない。そのような兵卒から征服者までが、人間の歴史をつくりつづけてきたのだ》

「良心をもたない人たち」


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1956年3代目大統領選挙
敵対する民主党の大統領候補は選挙前に突然死してしまいます。そして3代目大統領の地位につくのです。この時、李承晩は高齢でした。もし自分が死んだら、自動的に民主党の副大統領が大統領となってしまいます。そして副大統領は何者かに襲撃され、一命を取りとめます。無所属の人は南北統一を唱える人で、社会主義者と見なされ処刑されました。

1960年4代目大統領選挙
またもや敵対する民主党の大統領候補が選挙前に突然死します。そして3月15日、李承晩は4代目大統領に就任するのです。
・・・
何の罪もない学生の死に、馬山では親たち、学生たちが立ち上がります。ソウルでは(1960年)4月18日高麗大学生がデモを起こしますが、政府によって暴行を受け、多くの犠牲者が出ます。
お兄さんたちが犠牲になったと立ち上がったのは高校生。4月19日、高校生が最初に立ち上がり、4.19革命が起こりました。高校生、大学生、多くの市民が参加しました。
・・・
それを抑えようと、警察が無差別に銃で撃ちます。100名ほどが死亡。最年少の犠牲者は小学校4年生の少年でした。
その後、李承晩は大統領の地位を降ろされ、ハワイに亡命、韓国に帰ることはありませんでした。

https://koreanlife.org/2020/04/21/419/


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(1961年)6月10日には秘密諜報機関・韓国中央情報部(KCIA)が発足された。
このような朴正煕の政治はその後の韓国政治史の長い軍事政権の土台を築き上げることとなった。

・国民の反応
2022年に『ハンギョレ』に寄稿したイ・ジンスンは、「民主党の張勉内閣は革命を執行するよりも収拾に没頭し、生ぬるい改革と相次ぐ失政で民衆の支持を失った。失望して怒った国民は、型破りの『朴正煕クーデター勢力』を新たな救援投手として歓迎する境地に至った。」とする。

・アメリカの反応
クーデター直後の(1961年)5月16日午前11時、カーター・B・マグルーダー駐韓米軍司令官は張勉政権を支持しクーデターに反対する声明を、米軍放送を通じて発表した。そして駐韓米代理大使マーシャル・グリーンと共に青瓦台を訪問し、尹大統領にクーデター軍を鎮圧するための動員令を韓国軍に下すことを要請した。しかし、尹大統領は「国軍同士が衝突すればソウルは火の海となり、そのすきに北が南侵する恐れがある」として要請を拒絶した。
一方、アメリカ本国のアメリカのケネディ政権はクーデターに対し、慎重に静観する態度を取っていたが、クーデターから三日目の5月19日、アメリカ国務省は軍事政権への支持を発表した。そして軍事政権による反共体制の強化と腐敗の一掃及び合憲的政府の再樹立を標榜する革命公約に大いなる期待を表明した。


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(書評より)保守の人々にこそ読んでほしい本

いや、リベラルや左翼を自認してる人々にも読んでほしい。愛国者の仮面をかぶった売国奴や、リベラルの仮面をかぶった巨大資本の犬に騙されないために。軍事クーデターや戦争や虐殺によるチリやイラクやインドネシアのショックドクトリンも衝撃的だったが、それよりメディアを使った小さなショックドクトリンの例が大変興味深く参考になった。第一次大戦後に荒廃したドイツを放置しナチズムに走らせた反省から、ケインズ的な財政政策で各国経済を立ち直らせる指導をするために設立されたIMFや世界銀行のような国際機関がシカゴ学派に乗っ取られ、融資と引き換えに民営化と福祉や社会保証を削る緊縮財政、規制撤廃の新自由主義政策の三点セットを各国に強要する機関となってしまった歴史が描かれています。それでも各当国がIMFの構造調整プログラムを拒否すると財政破綻論がメディアで喧伝され人為的に危機がでっち上げられ新自由主義的政策が強行されていく本書で描かれてるカナダの例は、まるで今の日本そのもの!ロバート・B. ライシュ やデヴィッド・ハーヴェイも指摘するように新自由主義者が多用する戦術が不安と差別。
アメリカは80年代年代までは今より富が平等に分配されてる福祉国家だったのに「キャデラックに乗って生活保護を貰いに来る黒人シングルマザー」という人々の差別心に訴える反福祉キャ
ンペーンをレーガン共和党がはじめて政府の支出削減に成功したという。この中傷を白人中流層が支持した結果が今の中流層が消滅した超格差社会のアメリカ。「ベンツに乗って生活保護を貰いに来るヤクザ」という一部を極大して、生活保護制度全体へのネガティブキャンペーンを盛んにしてる今の日本のマスコミの姿と瓜二つ。
勿論、不正受給は非難されるべきだが、供給過剰と消費不足でデフレ不況に陥ってる今、生産せず消費するだけの生活保護者でも経済にとってそれなりに有意義な存在である事実は無視され感情的なバッシングばかりが行われる。
ワシントン・コンセンサスにより中央銀行の独立性などという訳の分からないもので日銀が国民の統治から離れ、人脈による事実上のIMF統治下にある今の日銀。
復興国債の日銀引き受けも円高デフレ是正のための通貨増刷も出来ない現状ではこれらに比べ僅かな額だが、使い切りが多い生活保護は社会に金を循環させる貴重な小規模公共事業のような
ものなのに。結局、新自由主義が先行適用された国で、この手の社会支出ネガティブ宣伝のノウハウが蓄積され日本で用いられてるのが辛坊治朗氏に代表される財政破綻本の量産や、緊縮財政と民営化を掲げる橋下維新の躍進現象。維新だ改革だと連呼してる連中に何も新しいものはなく、世界中で使い回された戦術と政策だとわかる。生活保護者やワーキングプアらの弱者を互いに対立させ、正社員や公務員や農業を既得権益者と規定して攻撃し、憎しみと敵意を国内で満たし国民を分断させる。
その上で「財政破綻」や「迫りくる経済崩壊」といった言葉がマスコミを通じて盛んに流され、無意味な危機感と焦燥感が煽られ社会不安だけが増幅されて、各個人は危機の備え貯蓄して消費を控え貨幣循環が停滞してしまう。
このように故意に景気を冷え込ませ危機を作り出し、政府支出の削減や公共領域の縮小、積極的な民営化促進といった新自由主義政策が強行されていく。その裏では人々に自立を説きながら、自らは政府に寄生するどころか政府と一体化し社会の富を吸い上げる多国籍巨大資本。
この現実に対応できないか、あるいは意識的に無視しているマスメディア。政治が巨大資本に浸食されてる。
たとえば労働問題一つを取ってもそう。予め巨大資本に外国人労働者を入れ労働市場を供給過多にして賃金を引き下げるという目的を決められたうえで、自称保守は国際競争や優秀な人材確保という経済的標語で移民を正当化し、自称リベラルは国際化や多文化共生という文化的標語のもとで移民を正当化。動機は違うように装っても目的は同じ近代国民国家の解体、国民主権や自治権の否定、IMFなどの国際機関や多国籍巨大資本への権力の移譲。
どちらも国民や市民や地域を、労働力と消費者と市場という経済記号のみに解体しようとしてるのが現代日本の大手メディアで流通してる言論。
人材を吸い取られる元の国の事や、より労働条件が厳しくなる労働者の事や、深刻になるであろう社会対立や差別は一切考慮されない。
日経や読売から朝日やNHKまでの大メディアは、IMFと経団連が強く後押ししているTPP推進と消費税上げで揃って支持してる異様さ。
逆進性が高く、特に日本では生活必需品へも一律課税な限りなく人頭税に近い消費税を。IMFの提言なんて、その国の国民のためになった例がないのに。
「消費税を政争の具に使うな」の大合唱で圧力をかけ続け消費税上げの是非に対する議論を封じて、消費税上げを急がせた経団連や読売から朝日までの大新聞やNHKは、特例公債法案が政争の具にされ、被災地にも深刻な負担になる戦後初の予算執行抑制に陥ってる事態には抗議の声をほとんど上げない。
日々の生活に直結する経済政策は一切争点にされず、目眩ましに55年体制的イデオロギー対立の猿芝居を延々と見せられるばかり。
大手メディアはベクトルが同じ連中が右役左役と芝居を演じてるだけ。歴史問題や靖国問題などで白々しいプロレスばかり見せられ、真に重要な政治経済問題では対立軸も選択肢も提示せず、右も左も全てが新自由主義に収斂していく今の日本の言論空間に知的要求を満たされない人々は、この本をぜひ読んでほしい。思考の広がりが得られるはずだ。

「ショック・ドクトリン」


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7億円の借金生活を乗り越え 那覇の民生委員・上原さん「私が恩返しする番だ」 独居老人や非行少年ら

2023-06-16 16:46:08 | 転載・政治社会と思想報道
2023年6月13日 13:21琉球新報
民生委員として若狭地域の住民たちに寄り添い続ける上原美代さん=5月29日、若狭公園




【那覇】那覇市若狭地域で日夜、独居老人や生活困窮者、非行少年など悩みや問題を抱える人に寄り添い続ける女性がいる。民生委員の上原美代さん(76)だ。つらく長い借金生活を乗り越えた経験を持つ。今では地域のために動くことが何よりも生きがいで「厳しい時代に多くの人に助けてもらった。若狭地域の人は私にとって家族のような存在であり今度は私が恩返しする番だ」と笑顔を見せる。


 1947年、7人きょうだいの長女として那覇市小禄に生まれた。幼少のころから樋川の農連市場で働く母を手伝うのが日課だった。市場で仕入れた野菜などを「食堂やパチンコ屋、銀行などに納品していた、よくそこで食事の残りをもらっていた」と振り返る。

 小禄中を卒業後、手に職をつけるためクリーニング店で働きながら松山にあった洋裁学校に通った。時代はベトナム戦争。米兵の衣類を預かることも多く、戦地で米兵が死ぬと、「預けた衣類や貴金属をもらえたこともあった」。家計は苦しく、必死に働いた。

 24歳の時、ボクシング元世界王者の具志堅用高さんらを指導した上原勝榮さんと結婚し、二男二女に恵まれた。結婚当初は家計にも余裕があったが、商売の失敗や親族の借金の保証人になったことで生活は暗転した。借金は見る見るうちに増え7億円までふくらんだ。

 借金返済に追われる日々が続き、子どもを見る暇もなかった。そんなとき、手を差し伸べてくれたのが若狭地域の人たちだった。地域の支えを受けながら懸命に働き、借金を返し終わったのは70歳を過ぎてからだ。「自宅はもちろん実家の畑も借金のかたにとられ、多くの人に迷惑をかけた」と語る。それでも「小さいころから働きづめだったからそれが普通になっている」と笑う。

 借金がなくなった今も生活のリズムは変わらない。毎朝2時過ぎには起床し、農連市場で受け取った野菜などを老人ホームに届ける。その後、自宅近くの若狭公園を清掃し、花壇の手入れも行う。公園を通る子どもたちへの声かけも忘れない。午後は訪問介護ヘルパーとして地域の高齢者宅も回りながら、民生委員としてもさまざまな人の相談にものる。

 4年前に脳梗塞で倒れ、今も手にしびれが残るものの「体を動かさないとますます弱る。とにかく体を動かす」と前を向く。借金もなくなり平穏となった今、「これからは地域がよくなるための活動を続けたい。歩けなくなっても動き続ける」と語った。
 (吉田健一)

【孫崎享のつぶやき】2023-06-11 07:50

2023-06-11 09:26:27 | 転載・政治社会と思想報道
ユーロ圏「景気後退」、1〜3月マイナス成長、独が前期比0.3%減 独の消費者と企業は高インフレと金利上昇で打撃を受けている、人々は引き締めに。ウクライナ侵攻の影響色濃い。独はロシアのガス輸入。ノルド・ストリームは爆破される。誰?バイデン爆破意向を22年表明



A-1 ユーロ圏「景気後退」、1〜3月もマイナス成長(日経6月8日)

欧州連合(EU)加盟27カ国のうち20カ国が参加するユーロ圏の1〜3月期の実質域内総生産(GDP)は改定値で前期比0.1%減となった。年率換算でマイナス0.4%。マイナス成長は2四半期連続で機械的に景気後退とみなすテクニカルリセッションとなった。

EU統計局が8日発表した。市場予想は前期比ゼロ%で速報値は0.1%増だった。資源高による所得流出など急激なインフレが重荷になり、ウクライナ侵攻の影響が色濃く出た。2四半期連続の明確なマイナス成長は、新型コロナウイルスの感染が広がった2020年4〜6月期以来だ。
国別のGDPはドイツが前期比0.3%減で、フランスが0.2%増と明暗が分かれた。南欧のイタリアは0.6%増でスペインは0.5%増。EU全体では0.1%増だった。
特に目立ったのが欧州の経済大国ドイツの低迷だ。ユーロ圏全体と同様にテクニカルリセッションに転落した。個人消費が冷え込み、値上がりが続く食料品や衣料品で買い控えが広がった。
ショルツ政権は高騰する光熱費を抑えるため、家計や企業の負担軽減策を段階的に導入してきた。巨額の財政措置を講じてもプラス成長に届かなかった。
先行きは緩やかな景気持ち直しが続く見込みだ。欧州委員会は23年のユーロ圏の実質成長率を1.1%と想定する。5月の消費者物価指数は伸び率が前年同月比で6.1%と2カ月ぶりに鈍化した。ドイツは6.3%、フランスは6.0%で両国とも峠は越えた。スペインは2.9%と2%台に低下する国もじわり増える。

A-2
なぜドイツは不況に陥ったか? AFP によるユーロニュース •2023 年 5 月Why has Germany gone into recession? Euronews with AFP •05/2023


アナリストらはドイツ経済が「欧州の黒い羊」になる可能性を懸念している。
ドイツは2023年第1四半期に景気後退に陥り、欧州最大の経済大国が大陸の他の地域と歩調を合わせられなくなった。
国立統計機関デスタティスによる季節調整済みの数値は、景気後退の技術的な定義、つまり 2 四半期連続の経済縮小を満たしている。
これにより、ドイツは新型コロナウイルス感染症のパンデミックが深刻化し始めた2020年の第1四半期と第2四半期のGDP減少以来初めて景気後退に陥った。
ドイツの消費者と企業は高インフレと金利上昇で打撃を受けており、国内総生産(GDP)は昨年10月から12月の0.5%減に続き、1月から3月にかけて0.3%減少した。
では、なぜこのようなことが起こっているのか?

プレッシャーの下で


この景気低迷は、特にインフレによる国内消費の減少によるもの。
人々は引き締めにかかっており、価格の高騰により、飛び散る現金が減少。
インフレ率は緩やかに低下、4月は7.2%以上と依然として高い。
価格上昇を促進する要因のリストのトップは、ウクライナ戦争。ドイツの産業は長らくロシアの安価なガスに依存してきたが、2022年2月にモスクワが侵攻を開始したことで昨年は大打撃を受けた。供給が途絶え、価格が高騰した。
それでも、巨額の公的援助、液化ガスの使用量増加、秋以降のガス価格の下落のおかげで、経済は当初、年初の予想よりも持ちこたえているように見えた。
産業界はまた、中国の新型コロナウイルス制限からの経済再開や国際市場での供給困難の緩和からも恩恵を受け、輸出を押し上げた。
欧州中央銀行がインフレ対策として着実に利上げを続けてきたことにより、経済活動にかなりのブレーキがかかっている。
同国の貿易相手国が輸入した「ドイツ製」製品の輸入量は通常よりも少なかった。 DIHK経済研究所によると、その原因は「地政学的な混乱、高いインフレ率、購買力の喪失」だという。

黒い羊


この減速にもかかわらず、ドイツ政府は依然として楽観的であり、2023年の成長率は0.4%と予測している。
ショルツ首相は報道陣に対し、「ドイツ経済の見通しは非常に良好で、直面する課題を克服しつつある」と断言した。同首相の経済省は、その後の「明らかな改善」が期待されるまでの「弱い冬」について語った。
しかし、誰もがそれほど明るいわけではない。
IMFは4月、ドイツの経済活動は今年0.1%縮小するが、2024年には1.1%回復すると予想していた。
ドイツの状況は、エネルギー価格の低下により景気後退のリスクが徐々に薄れつつある欧州の近隣諸国とは対照的である。ベルギーとフランスでは、2023年第1四半期の経済活動が前四半期比でそれぞれ0.4%、0.2%成長した。イタリアのGDPは0.5%増加した。

しばらく経済低迷に陥っている英国でさえ、今週朗報を受け取った。IMFは結局のところ、今年は景気後退に陥ることはないと予想し
ているというのだ。
グローバル・マーケット・インサイトのアナリスト、ギョーム・デジャン氏は、「ドイツはヨーロッパの潜在的な黒い羊だと広く見られている」と述べた。


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「九条の会」メールマガジン 2023 年 06 月 10 日 第393号

2023-06-11 09:16:04 | 転載・政治社会と思想報道

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★┃九┣┫条┣┫の┣┫会┣┫ メールマガジン ┃★┃ 第393号 ┃★
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★2023年06月10日発行★     「九条の会」mag@9jounokai.jp ★
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の催しに限り、1行事1回掲載とします。このメルマガは毎月10日、25日
発行です。投稿される方は発行日の3日前までにお願い致します。原稿はチラ
シなどの添付ではなく、できるだけ掲載形式でデータを作ってお送りください。
編集に際して若干、手を加える場合があります。
 掲載の行事は、新型コロナ感染症の関係で中止になる場合があります。あら
かじめ主催者にご確認ください。               (編集部)

● 9条を守る加茂の会(宮城県仙台市)
沖縄に学ぶ No10 辺野古だけではない!〜軍事基地化される琉球弧〜
日時:日時:6月16日(金)13:30〜15:30
<詳細はこちらをクリックしてください>
http://www.9-jo.jp/news/MagShousai/MMS20230610.htm#b
● 山中比叡平九条の会(滋賀県大津市)
憲法と平和を守る講演会&総会
日時:6月18日(日)13:00開場、13:30開会
<詳細はこちらをクリックしてください>
http://www.9-jo.jp/news/MagShousai/MMS20230610.htm#c
● ふじみ9条の会(東京都東村山市)
〈6月学習会〉三上智恵監督作品「沖縄、再び戦場(いくさば)へ(仮)」
       のスピンオフ作品(45分)の視聴と話し合い
日時:6月18日(日)13:30〜 
<詳細はこちらをクリックしてください>
http://www.9-jo.jp/news/MagShousai/MMS20230610.htm#d
● 千住九条の会(東京都足立区)
「九条」を世界に贈るプロジェクト:記者会見と「ピース9」のつどい
日時:6月22日(木)14時〜
<詳細はこちらをクリックしてください>
http://www.9-jo.jp/news/MagShousai/MMS20230610.htm#e
● 九条ネットワーク北海道(北海道)
経験交流集会
6月24日(土)13:30 〜 16:30
<詳細はこちらをクリックしてください>
http://www.9-jo.jp/news/MagShousai/MMS20230610.htm#f
● 医療九条の会・北海道
講演会『アメリカ・岸田政権の軍拡路線と戦争を回避する平和外交政策の推
    進のために』
日時:6月24日(土)15:00〜17:00
<詳細はこちらをクリックしてください>
http://www.9-jo.jp/news/MagShousai/MMS20230610.htm#g
● 大崎九条の会連絡会(宮城県大崎市)
「 戦争しない 日本の生きかた」〜青木さんにここが聞きたい!
    軍事に依拠しないで、日本を安全をどう守る〜
日時:6 月 24 日(土)14:00〜16:00
<詳細はこちらをクリックしてください>
http://www.9-jo.jp/news/MagShousai/MMS20230610.htm#h
● 憲法9条牛久の会(茨城県牛久市)
第22回談話会 ドキュメンタリー映画
「声をあげる高校生たち〜核兵器禁止条約に署名・批准を〜」上映と意見交流
日時:7月2日(日)14:00〜16:00(開場13:30)
<詳細はこちらをクリックしてください>
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┃ ☆ 活動報告 ☆                        ┃
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● 那須野が原・九条の会(栃木県県北地区)メッセージポストカードを作
  成しましたので希望される団体・個人に無料でお送りします。
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http://www.9-jo.jp/news/MagShousai/MMS20230610.htm#j
● 農協人九条の会総会「憲法 9 条を守れ!食料自給率向上を!」
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http://www.9-jo.jp/news/MagShousai/MMS20230610.htm#k
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┃ ☆ 編集後記 ☆                        ┃
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● 九条の会全国交流集会が成功裏に終わりました
<詳細はこちらをクリックしてください>
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