【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

いま日本の置かれた現実を知る~『報道特集2020.11.14』~

2020-11-15 06:45:30 | マスコミ報道への私見
❶社民党福島瑞穂さんを支持する

社民党は、社会党を源流にもつ。「自社さ」村山富市政権で、一翼を担った。だが連立政権の後に大きく議席を減らし、社会党の多くは民主党などに移った。沖縄では今も社民党は広く支持されている。4人の国会議員の3人は立憲民主党に合流するため離党。私は福島瑞穂代表を支持する。連立すれば社民党の主張を保障すればよい。立民党に合流して数が増えて、政権を。だが政権内で独立して意見も言えぬ議員は国政を悪化させる。


❷日本学術会議に対する菅政権問題

「学術会議に対する弾圧だと思います」大学生の発言は、現状への学生からの頼もしい考えだ。市民も大学人も集まり、意思表示する人々。
急速に悪化する政権に、市民は堂々と戦っている。経済本位の日本社会で大事なことが喪失され続けていても、民主主義運動は腐敗した状況を克服してきた。
国家は経済的保護はしても、何ら研究と運営に干渉はしないのがアメリカの科学アカデミーやイギリスの王立協会の現状である。この報道を知って、日本の科学・思想・学問の自由は、危機的な位置にいることがわかる。
戦前の美濃部達吉の「天皇機関説」が普通に流布していたのに、軍部台頭とともに美濃部達吉氏は弾圧を受け迫害され、実際に銃撃にさらされ生命の危険な目にあっている。ほぼ同じ時期に二・二・六事件が起こり一気に軍国主義への坂を転がり落ちてゆく。「日本学術会議」任命拒否事件の座標は、全く同じ位置にいる。


❸「セルフネグレクト」はなぜ始まり本質的な原因はなになのか?

自分を否定すること、他人を否定すること。 どこかで繋がっているように思う。否定の対象が、内と外と変わるだけだ。1970年前後の学園闘争の中で 「自己否定」という言葉が世間に舞った。だがそこには自我の強さがあった。
いまセルフネグレクトには、人々の「崩壊」がある。生きる希望を人びとが喪失している時代。現象の背後の実体は危機に覆われている。コロナ禍は、セルフネグレクトの存在より後である。報道は、「ゴミ屋敷」と興味本位に扱われる事例も、その一環であることも記者から報告された。複数の要因がからむ「セルフネグレクト」。もっと正面から考える必要があることが、番組『報道特集』を通じてわかった。




【随想】2020.11.9「とことん共産党」

2020-11-10 21:44:54 | 言論と政治
 大阪市廃止投票。大阪自民党と日本共産党の共闘は、この時点で大きな意義をもつ。ただ神戸市や川崎市で後から自民党が相乗りして、その後の変化や自治体政治の変貌の過去の教訓を振り返りたい。れいわ新選組山本太郎氏が大阪にはりついてわかりやすい街頭解説を行った影響も大きい。
 菅首相は、安倍首相の後を継いだ。だが自民党内部でも菅氏に異論もあるようだ。私は官房副長官の杉田氏を知って驚いた。公安畑のトップ官僚が内閣の中枢にいる。ご本人は健康面で辞退したことを気の毒には思う。機能としては、戦前の問答無用の治安維持法政治の復活と危惧する。
 菅政権に抵抗するには、共産党など野党の国会共闘と総選挙で政党の結集を活かし勝利することだ。そうとう困難だが、はじめの大坂都構想選挙の勝利であり、東京都知事選の市民台頭の経験である。都知事選は美濃部都政とは異なる選挙推進が見られた。海渡雄一氏内田聖子氏谷川智行氏らの市民選対は、日本に野党と共闘する市民の進化が実った。大阪は政党を超えて大阪市民の堺の中世自治の見事な復活でもある。
 市民に比べ、野党共闘も持続的に続いている。だが、立民と共産の間で総選挙京都小選挙区で合意に至っていない。齟齬も見受けられる。この問題は蜷川府政時以来の長さがある。2政党がきちんと対等にしかも納得いく説得と対話が要請されていよう。

 私は、日本共産党の現実は野党の中で最も国民にむきあい貢献している。神さまではないから、言うことがすべて正しいわけはない。国民に問題提起することと学問的真理とは異なる。市民がどれだけ成長し、共産党がどれだけ呼応していくか。そこに日本の夜明けの主体があり期待している。

アメリカ副大統領ハリスさんの登場と日本人の課題~「news23」2020.11.9放映

2020-11-09 23:51:45 | 言論と政治
 66%の投票率によってアメリカ国民の底力を発揮。我が国の報道と評論家は、#日本政治の混迷と国会論議の逸脱を真剣に論議し、#日本政治の危うい実態を真剣に考える時だ。保守革新問わず。アメリカは、世界経済でも軍事力核兵器量でも超大国。もしも大統領が、バイデンあるいはトランプでも、世界的なコロナ大感染と経済の低迷、自然環境汚染と、一筋縄では収束しないだろう。だが、バイデンとハリスの演説はアメリカの進歩と自由の伝統を想起させた。




ハリス副大統領の演説。ことばにことば以上に胸をうつ響きがある。インドとジャマイカのご両親をもつハリスさんの副大統領就任は、アメリカはじめ世界中に広がった新しい人権運動であるフェミニズム思潮と運動を背景にもち女性が差別と偏見によって長い歴史を通してがまん強く耐え闘ってきた。人類の歴史の山脈に、女性運動先進国のアメリカでひとつの華を咲かせた。この歴史的意義を把握しない人びとにはハリス演説で泣いたレデイ・ガガの涙にさえ何も感じないかも知れない。ハリスにはフェミニズムとともに豊かな生きる希望をアメリカ国民に回復させた人間性の輝きがある。




  もちろん簡単にアメリカの政治と経済と社会が、直線的に上向きにはなるまい。バイデンの年齢やハリスの政治家経験の少なさはあるだろう。それでも、アメリカ大統領選から日本の政治家、政治学者、御用タレントなどは、政治に向かい合う義務を負うべきだ。御用学者や御用評論家。彼らによって、日本のマスコミ・報道は小泉・安倍・菅政権によって懐柔弾圧両面で国民の判断と認識を歪めている。


金平茂紀氏のアメリカ大統領選取材報告を視聴して思う

2020-11-07 19:16:28 | 言論と政治
 議会制民主主義の最初のかたちはイギリスが定着していた。第二次世界大戦に勝利し、しかも自国が戦場とならなかったこともあって、戦後民主主義国家の典型とも目されていたアメリカ合「州」国。いまそのアメリカの大統領選は、混沌とした状況にある。
 トランプ大統領候補の言動の独断は、彼を支持する背景のアメリカ社会の支持層があってここまできた。なんともはや選挙戦の最中も開票作業をほぼ終えた今も哀しい政治情勢である。


 アメリカ大統領選に比べ、日本はどうか。三権分立は既に前安倍首相によって破壊されている。行政が国会や司法を思うように操縦してきた。批判者は管理体制に沈黙の抑制をうけている。アメリカの混乱、日本の混迷。米日国家から未来は臨めるのだろうか。

 トランプとバイデン、2人は対照的だ。トランプはいつまでも自己中心であり、バイデンには落ち着きがうかがわれる。アメリカ国民の大規模な分断は両氏がどれだけアメリカ国家全体の統合を考慮しているかによって修復可能かどうかがかかっている。「我々の大統領は国民に背いてきました」インド系女性の言葉はくにを憂う心情が感じられた。

 メデイアがトランプを批判にせよ肯定するにせよ、おもしろおかしく扱うことで政治の根本問題がわきにおいやられていく危険を金平キャスターは述べ、さらにつけくわえた。「アメリカ国民は自分たちで政治を変えることができることを実感した。日本ではどうか?」と。日本の国会では、連日日本学術会議に菅政権憲法違反に近い違法介入について、「人事の問題だから答えられない」(菅首相、加藤官房長官)というとんでもない屁理屈発言に終始してまともに国会質問に応えないという状況が続く。野党の努力が連続的に続きている。私たち有権者の認識が厳しく問われている。油断すると、とんでもない方向へ日本は蛇行しはじめる。

【増補版】2020アメリカ大統領選ー異端の視点から  櫻井智志

2020-11-04 22:16:44 | 言論と政治

❶アメリカ大統領選

 反動候補と保守候補。非常識極まりない例外歴に稀有な非人道的人物。一方はそれよりはずっとましだけれど、アメリカ資本主義の枠外の貧困層や移民系中東のさまよえる民族のことをどれだけ配慮しているか。サンダースやハリスらの協力でアメリカ第三勢力を配慮せざるを得まい。




❷アメリカ大統領選と日本

 なぜ日本は「当選した側と友好関係を結べばいい」(杉村大藏)などという太鼓持ち路線がマスコミでまかり通るのか。つまり、日本は独立した外交路線を保持することができず、すべての国家主権を保持していないからだ。日本政府が対米従属や中ロ大国路線とは別の等距離アジア外交路線や非核諸国同盟路線を考慮しない現状は、日本の座標を明示している。


❸アメリカ大統領選と沖縄県民と日本

 沖縄県民が米軍と米政府によって、沖縄戦以降筆舌に尽くせぬ被害を受け続けてきたことか。日本政府は国民である県民の被害を救わずあらゆる援助を行使しないのか。それは、アメリカにとって沖縄県民は植民地主義の対象であり、沖縄にとっての宗主国であるからだ。さらに日本政府は、甘んじてアメリカと植民主義―宗主国の関係を維持し、戦後史の岐路、要所要所を冷淡に通過してきた。鳩山由紀夫元総理は県外に基地移動を約束したが、アメリカCIAによって強く変更させられた。