【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

沖縄差別の根源にある日本国民ヤマトンチューの植民地宗主国意識

2016-10-31 08:13:27 | 政治・文化・社会評論
沖縄差別の根源にある日本国民ヤマトンチューの植民地宗主国意識
                    櫻井 智志


 ことばは意識を自然の内にも表す。しかし、私は「土人」「シナ人」ということばと差別という次元と別のことを考えている。それは、翁長雄志沖縄県知事を取材したルポルタージュを読んでいて、はっと衝撃をうけた事実とそれによって触発された思考である。以下に記す。




 沖縄県民は植民地として扱われてきている。植民地には宗主国が必ずいる。それはアメリカ、だけではない。日本も宗主国だ。宗主国の国民は、アメリカ国民と、そして日本国民だ。

 どんなに善意で対応しているつもりでも、植民地宗主国民である日本国民は同じ日本国民であるにもかかわらず、ヤマトンチューとして、沖縄県民をウチナンチューとして、結果として傷つけている。同じ機動隊でも、沖縄県警とそれ以外の本土県警の機動隊とでは根本的に異なる。

 沖縄県民に対する植民地意識は、私たち本土にいる国民も、自らの置かれた宗主国国民の自己認識がなければ、廃絶は容易ではない。

 アメリカ軍基地とアメリカ軍を日本から本国に帰還してもらったら、植民地主義意識はなくなるか?
日本国民が、沖縄県民の人権と民主主義的な要求をともに共有しなければ、ヤマトンチューの沖縄県民への「植民地主義としての差別」的行動、的意識の両者は消えない。


 アイヌ民族はどうか。原発事故の福島県民はどうか。障がい者施設の虐殺、高齢者施設の連続投げ捨て殺人、病院での点滴容器への毒物連続混入。

 一見全部別々の領域、次元にあることなのに、それらの共通項がひとつある。
優れた者は優遇し、劣った者は冷遇する。弱肉強食の凄まじい剥き出しの生存競争心理。これは・・・戦争心理そのものである。
 国民のなかを戦争心理が蔓延し、経済不況で難関大学に行っても奨学金返済のためのバイトと授業を受けられない、バイトしなければ、奨学金利息を払えない・・・ついに退学せざるを得ず、残ったものは大学中退と莫大な奨学金借金。
 このルポルタージュを見て、まさに経済的徴兵制度システム直前と思った。


 障がい者のやさしいまなざしを灰谷健次郎はうさぎに託した。小説『太陽の子』は、解決がつかないままに苦しんだ沖縄の歴史と現実を小説に託した。ひととひとが、「友愛」「やさしさ」「共生」の満ちあふれた社会にならないかぎり、戦争心理や植民地宗主国意識は、消えていかない。そして・・・どんなに進歩的な政治意識をもっていても、資本主義社会で、好戦国家の社会心理のゆがみはなんらかのかたちで簡単には絶滅しえない。

そう私は考える。

【広原盛明のつれづれ日記】に衆院補選東京10区の敗因をまなぶ

2016-10-27 18:46:50 | 転載
【転載】
広原盛明のつれづれ日記
(*ナンバリングや小見出し附記・原文はリンクを。櫻井智志)

2016-10-26


1(民進)+3(共産、自由、社民)=1(民進)にしかならなかった衆院東京10区補選、これを「一定の効果があった」とする野田幹事長の詭弁は見過ごせない、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その21)Add Star
http://d.hatena.ne.jp/hiroharablog/




1 開いた口が塞がらない10月24日の野田民進幹事長の記者会見
衆院補選の翌日、10月24日の野田民進幹事長の記者会見には開いた口が塞がらなかった。各紙が伝えるところによると、記者会見の詳細は明らかにされていないが、野田流の「選挙総括」ともいえる内容の発言なので見過ごせない。短い記事の中から注目しなければならない論点を幾つか拾ってみよう。


①野田幹事長 衆院補選の視点
 1つは野党共闘に関するもので、「協定も結ばない、推薦もいただかないシンプルな一本化だったが、一定の効果はあった。できる限りの協力の中で、各党から支援をいただいた」(朝日、毎日10月25日)というもの。もう1つは選挙構図に関して、「小池都政の信任投票的な動きになって投票した有権者もいたのではないか。国政でストレートに自民対民進の戦いではなくなった」(日経10月25日)という発言だ。


②シンプルな野党共闘観のシンプルさ(単細胞さ)
 かねがね蓮舫代表は、野党候補の一本化は「シンプルな形がよい」と言っていたが、その意味がまさか「協定も結ばない」「推薦もいただかない」ことだとは思いもよらなかった。しかしこんな「シンプル選挙」が果たして「野党共闘」の名に値するのか、また本当に「一定の成果があった」のか、選挙結果に照らして厳密な検証が必要だ。


③すりかえ
 加えて、今回の選挙構図を「小池信任投票」にすり替える論法は、民進候補の敗因を意図的に誤魔化そうとする悪質な詭弁そのものだ。要するに野田氏は、今回の補選は「小池代理人」との戦いであって「自民対民進」の戦いではない、ただ「小池人気」に負けただけだと言いたいのだろう。



Ⅱ  広原盛明氏が見た衆院補選の実相


① だが疑いもなく、今回の補選は蓮舫・野田執行部が発足してからの最初の国政選挙であり、「選挙の顔」としての蓮舫代表の存在意義が問われる選挙だった。また近く予想される第48回衆院選の前哨戦として、野党共闘が効果を発揮するかどうかの試金石になる選挙だった。


② だが、私が東京で見た「野党(民進)候補」のテレビ政見放送は、豊島生まれの豊島育ちを強調する内容が中心で、安保法制やアベノミクスなど国政選挙における与野党対決の政治課題にはほとんど触れられなかった。また野党共闘の「や」の字もなく、最初から最後まで民進候補そのものの演説だった。こんな区議選レベルの戦いでは与野党対決の国政選挙に勝てるはずがなく、また都知事選レベルの「小池代理人」との戦いにも勝てるはずもなかった。



Ⅲ  民進の「シンプル選挙」は民進の党派選挙 
 私が今回ブログのタイトルを「1(民進)+3(共産、自由、社民)=1(民進)」としたのは、民進の「シンプル選挙」は野党共闘に名を借りた民進の党派選挙にほかならず、その「イカサマぶり」を見抜いた有権者から呵責のない批判を浴びたと思うからだ。以下、具体例を挙げよう。


①出口調査と得票数
 投開票日翌日の各紙には、出口調査の結果が掲載される。例えば読売調査によると、東京10区では自民支持層の8割、公明支持層の9割、無党派層の6割が自民候補に投票し、民進、共産の支持層の8割、無党派層の4割が民進候補に投票したという(読売10月24日)。これをみると、民進候補は野党統一候補として野党支持層から大きな支持を受けており、十分その役割を果たしているかのような印象を受ける。しかし「選挙は数」だから、得票数が前回の党派選挙に比べてどのように変化したかを把握しないと、選挙の実態はわからない。


②選挙結果とその背景の数字の意味
 2014年衆院選(小選挙区)の東京10区の選挙結果をみると、自民9万3600票、民主4万4100票、共産2万8500票、生活9700票となって、与党9万3600票と野党8万2200票の差は1万票余りだった。これが今回の補選では、与党7万5800票、野党4万7100票と3万票近い大差をつけられたのだ。投票率の大幅低下で与党は1万8千票減らしたが、野党はそれ以上の倍近い3万5千票を失い、民進は前回選挙の民主票程度しか獲得できなかった。つまり、野党共闘で期待したはずの共産、生活相当分の票がすっかり消えてしまったのである。


③敗戦と大幅な投票率低下
 この結果をみると、東京10区補選の野党(民進)候補の敗因が大幅な投票率の低下にあることは明白だろう。投票率は過去最低の35%となり、前回2014年衆院選の党派選挙61%に比べて19ポイントも落ち込んだ。投票に行ったのは、民進支持者と(党の指示に忠実な)共産支持者だけで、その他多くの野党支持層は無党派層も含めて棄権に回ったのだ。言い換えれば、中身のない「野党共闘」に対して大半の有権者はそっぽ向いたのである。


④有権者は今回の野党共闘選挙の内実を見抜いていた
 通常、野党共闘は「1+1」が「2にも3にもなる」と期待される。まして、今回の補選は「1(民進)+3(共産、自由、社民)」なのだから、共闘効果は4、5倍になってもおかしくない。それが「1+3=1」で終わってしまったのだから、今回の補選が野党共闘に名を借りた民進単独の党派選挙だったことを有権者が見抜いていたということだろう。蓮舫・野田執行部は、次期衆院選の前哨戦で「ニセモノ」の野党共闘を演出して国民を失望させ、結果として本番での野党共闘を潰す役割を果たしたと言われても仕方がない(安倍首相の喜ぶ顔が目に浮かぶ)。



Ⅳ 蓮舫代表は何を語っているのか


① 蓮舫代表「求心力、影響ない」依然として、原発再稼働容認姿勢
 補選敗北後も野田氏の態度はいっこうに変わっていない。10月25日の時事通信社のインタビューでは、衆院2補欠選挙敗北が蓮舫代表の求心力に与える影響を聞かれて、「影響はない。もともと厳しい選挙だった」と平然と答えている。脱原発政策を掲げるかに関しても、「2030年代ゼロを目指すのは無責任なポピュリズムではない。現実を見据えた中で国民の思いを実現していく」と、依然として原発再稼働を容認する姿勢を崩していない。


② 「理念や政策と違うところと一緒に政権を組むことはできない」
また脱原発に踏み切らない理由として、支持団体の連合に配慮しているのかとの質問に対しては、「全く関係ない。連合におもんぱかり、党の基本政策を変えることはない」と否定し、共産党が次期衆院選での共通公約の策定などを求めていることについては、「報道でしか知らない。理念や政策と違うところと一緒に政権を組むことはできない。一方で自民党に対抗していくためには野党間でできるだけの協力をしていくことも合意事項だ。何ができるかを党として考えていきたい」と突き放した姿勢だ。


③ 野田氏と連合との関係性を誤認している蓮舫代表
 ただ、野田氏が連合に左右されないと言ったのは事実に反する。朝日記事によれば10月16日の新潟県知事選後の20日、選挙中にはだんまりを決め込んでいた野田幹事長が急きょ新潟市を訪れて「連合新潟」の斎藤会長と会談し、蓮舫代表が連合新潟の支持する与党候補と争った野党候補を応援した「ねじれ」の経緯を説明したという(朝日10月21日)。おそらくは次期衆院選で連合の支持を得るため、釈明に行ったというのがことの真相であり、蓮舫代表の野党候補応援は一時の「ねじれ」であって、党の基本政策は変わらないと約束したに違いない。
(つづく)

【広原盛明のつれづれ日記】に衆院補選東京10区の敗因をまなぶ

2016-10-27 18:46:50 | 転載
【転載】
広原盛明のつれづれ日記
(*ナンバリングや小見出し附記・原文はリンクを。櫻井智志)

2016-10-26


1(民進)+3(共産、自由、社民)=1(民進)にしかならなかった衆院東京10区補選、これを「一定の効果があった」とする野田幹事長の詭弁は見過ごせない、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その21)Add Star
http://d.hatena.ne.jp/hiroharablog/




1 開いた口が塞がらない10月24日の野田民進幹事長の記者会見
衆院補選の翌日、10月24日の野田民進幹事長の記者会見には開いた口が塞がらなかった。各紙が伝えるところによると、記者会見の詳細は明らかにされていないが、野田流の「選挙総括」ともいえる内容の発言なので見過ごせない。短い記事の中から注目しなければならない論点を幾つか拾ってみよう。


①野田幹事長 衆院補選の視点
 1つは野党共闘に関するもので、「協定も結ばない、推薦もいただかないシンプルな一本化だったが、一定の効果はあった。できる限りの協力の中で、各党から支援をいただいた」(朝日、毎日10月25日)というもの。もう1つは選挙構図に関して、「小池都政の信任投票的な動きになって投票した有権者もいたのではないか。国政でストレートに自民対民進の戦いではなくなった」(日経10月25日)という発言だ。


②シンプルな野党共闘観のシンプルさ(単細胞さ)
 かねがね蓮舫代表は、野党候補の一本化は「シンプルな形がよい」と言っていたが、その意味がまさか「協定も結ばない」「推薦もいただかない」ことだとは思いもよらなかった。しかしこんな「シンプル選挙」が果たして「野党共闘」の名に値するのか、また本当に「一定の成果があった」のか、選挙結果に照らして厳密な検証が必要だ。


③すりかえ
 加えて、今回の選挙構図を「小池信任投票」にすり替える論法は、民進候補の敗因を意図的に誤魔化そうとする悪質な詭弁そのものだ。要するに野田氏は、今回の補選は「小池代理人」との戦いであって「自民対民進」の戦いではない、ただ「小池人気」に負けただけだと言いたいのだろう。



Ⅱ  広原盛明氏が見た衆院補選の実相


① だが疑いもなく、今回の補選は蓮舫・野田執行部が発足してからの最初の国政選挙であり、「選挙の顔」としての蓮舫代表の存在意義が問われる選挙だった。また近く予想される第48回衆院選の前哨戦として、野党共闘が効果を発揮するかどうかの試金石になる選挙だった。


② だが、私が東京で見た「野党(民進)候補」のテレビ政見放送は、豊島生まれの豊島育ちを強調する内容が中心で、安保法制やアベノミクスなど国政選挙における与野党対決の政治課題にはほとんど触れられなかった。また野党共闘の「や」の字もなく、最初から最後まで民進候補そのものの演説だった。こんな区議選レベルの戦いでは与野党対決の国政選挙に勝てるはずがなく、また都知事選レベルの「小池代理人」との戦いにも勝てるはずもなかった。



Ⅲ  民進の「シンプル選挙」は民進の党派選挙 
 私が今回ブログのタイトルを「1(民進)+3(共産、自由、社民)=1(民進)」としたのは、民進の「シンプル選挙」は野党共闘に名を借りた民進の党派選挙にほかならず、その「イカサマぶり」を見抜いた有権者から呵責のない批判を浴びたと思うからだ。以下、具体例を挙げよう。


①出口調査と得票数
 投開票日翌日の各紙には、出口調査の結果が掲載される。例えば読売調査によると、東京10区では自民支持層の8割、公明支持層の9割、無党派層の6割が自民候補に投票し、民進、共産の支持層の8割、無党派層の4割が民進候補に投票したという(読売10月24日)。これをみると、民進候補は野党統一候補として野党支持層から大きな支持を受けており、十分その役割を果たしているかのような印象を受ける。しかし「選挙は数」だから、得票数が前回の党派選挙に比べてどのように変化したかを把握しないと、選挙の実態はわからない。


②選挙結果とその背景の数字の意味
 2014年衆院選(小選挙区)の東京10区の選挙結果をみると、自民9万3600票、民主4万4100票、共産2万8500票、生活9700票となって、与党9万3600票と野党8万2200票の差は1万票余りだった。これが今回の補選では、与党7万5800票、野党4万7100票と3万票近い大差をつけられたのだ。投票率の大幅低下で与党は1万8千票減らしたが、野党はそれ以上の倍近い3万5千票を失い、民進は前回選挙の民主票程度しか獲得できなかった。つまり、野党共闘で期待したはずの共産、生活相当分の票がすっかり消えてしまったのである。


③敗戦と大幅な投票率低下
 この結果をみると、東京10区補選の野党(民進)候補の敗因が大幅な投票率の低下にあることは明白だろう。投票率は過去最低の35%となり、前回2014年衆院選の党派選挙61%に比べて19ポイントも落ち込んだ。投票に行ったのは、民進支持者と(党の指示に忠実な)共産支持者だけで、その他多くの野党支持層は無党派層も含めて棄権に回ったのだ。言い換えれば、中身のない「野党共闘」に対して大半の有権者はそっぽ向いたのである。


④有権者は今回の野党共闘選挙の内実を見抜いていた
 通常、野党共闘は「1+1」が「2にも3にもなる」と期待される。まして、今回の補選は「1(民進)+3(共産、自由、社民)」なのだから、共闘効果は4、5倍になってもおかしくない。それが「1+3=1」で終わってしまったのだから、今回の補選が野党共闘に名を借りた民進単独の党派選挙だったことを有権者が見抜いていたということだろう。蓮舫・野田執行部は、次期衆院選の前哨戦で「ニセモノ」の野党共闘を演出して国民を失望させ、結果として本番での野党共闘を潰す役割を果たしたと言われても仕方がない(安倍首相の喜ぶ顔が目に浮かぶ)。



Ⅳ 蓮舫代表は何を語っているのか


① 蓮舫代表「求心力、影響ない」依然として、原発再稼働容認姿勢
 補選敗北後も野田氏の態度はいっこうに変わっていない。10月25日の時事通信社のインタビューでは、衆院2補欠選挙敗北が蓮舫代表の求心力に与える影響を聞かれて、「影響はない。もともと厳しい選挙だった」と平然と答えている。脱原発政策を掲げるかに関しても、「2030年代ゼロを目指すのは無責任なポピュリズムではない。現実を見据えた中で国民の思いを実現していく」と、依然として原発再稼働を容認する姿勢を崩していない。


② 「理念や政策と違うところと一緒に政権を組むことはできない」
また脱原発に踏み切らない理由として、支持団体の連合に配慮しているのかとの質問に対しては、「全く関係ない。連合におもんぱかり、党の基本政策を変えることはない」と否定し、共産党が次期衆院選での共通公約の策定などを求めていることについては、「報道でしか知らない。理念や政策と違うところと一緒に政権を組むことはできない。一方で自民党に対抗していくためには野党間でできるだけの協力をしていくことも合意事項だ。何ができるかを党として考えていきたい」と突き放した姿勢だ。


③ 野田氏と連合との関係性を誤認している蓮舫代表
 ただ、野田氏が連合に左右されないと言ったのは事実に反する。朝日記事によれば10月16日の新潟県知事選後の20日、選挙中にはだんまりを決め込んでいた野田幹事長が急きょ新潟市を訪れて「連合新潟」の斎藤会長と会談し、蓮舫代表が連合新潟の支持する与党候補と争った野党候補を応援した「ねじれ」の経緯を説明したという(朝日10月21日)。おそらくは次期衆院選で連合の支持を得るため、釈明に行ったというのがことの真相であり、蓮舫代表の野党候補応援は一時の「ねじれ」であって、党の基本政策は変わらないと約束したに違いない。
(つづく)

【国民サイドの反安倍政権・独裁運動を内部から攪乱破壊している黒幕は「連合」だ】

2016-10-24 18:42:23 | 政治・文化・社会評論
【国民サイドの反安倍政権・独裁運動を内部から攪乱破壊している黒幕は「連合」だ】
~新潟知事選・衆院補選東京10区福岡6区を通じて見えてきたこと~
      
                   櫻井 智志

 衆院補選は、自民党本部というよりは、劇場型政治で小泉前総理なみのブームを起こしている小池百合子都知事の直接応援によって、若狭勝氏・鳩山二郎氏が圧勝した。安倍政権が支持されているというよりは、小池都知事の人気をうまく利用していることで、間接的なしかたでブームのような風が小池百合子-若狭勝、小池百合子-鳩山二郎、とそれぞれ票を集めた。

 自公サイドに対して、市民と野党共闘は、候補を一本化して取り組んだ。けれど、東京でも福岡でも、民進党はちぐはぐした選挙対応だった。野党が結集して合同顔合わせに、民進党代表がいない、時には候補さえその場にいない。はっきりいって、「負ける」ような不可解な言動が、福岡でも東京でも中継動画を見入っていて、不思議な雰囲気でしらけた場になってしまっていた。新潟で米山隆一氏を見事に当選させた共闘野党の共産党・自由党・社民党が、候補推薦をことわられ、野党共闘は実態としては空洞状態だった。

 私は、幹事長の野田佳彦氏がかなりの策謀を弄している、と判断した。事実そのような事実もあるし、良識あるジャーナリズムでも指摘されている。けれど、下記に掲げた資料のなかで孫崎享氏は、労働組合の巨大なナショナルセンター「連合」の反動的策謀を指摘している。巨大な資金と全国的な組合の動員力をもつ「連合」にさからうことは、財界のような資金をもたない野党議員には、選挙当選のはしごをはずされるに等しい。社会党が「総評」を背景に国会議員の三分の一は社会党、という時代もあった。政界激動で、新進党政権と自社さ政権と交代が続く過程をとおして、社会党は解体し、多くは民進党の前身、民主党にうつり、原則から転向しない議員が「社民党」を維持した。

 かつて「右派社会党」と「左派社会党」が統一して再度発足した社会党から、分裂したのが民社党。労組のナショナルセンター「同盟」が民社党を支えた。総評が社会党の基盤となった。戦後直後からの労働運動をたどると、労働三権を維持し民主的労組が全国の労組によびかけ、「二・一ゼネスト」さえ実施しそうな労働運動活性化の時期もあった。しかし占領軍GHQの指令で中止となった。「東宝争議」「読売争議」などさかんな労働組合運動の強さで「来なかったのは軍艦だけ」というほど労働者は、戦闘的だった。軍国日本の言論も食糧もすべて貧困にたえつづけた国民が、軍国主義の敗北で、空に青空をみた1945年。労働運動・労働組合運動で不十分な点があっても、日本の民主化を展望するあしどりだった。

 戦後史の現在、労組のナショナルセンターは、「連合」「全労連」さらに総評を受け継ぐ「全労協」がある。財界と繋がる「連合」は、個々の企業の労組は、労組幹部を経て管理職に登用されるコースがある。すべての連合の労組とは断定しないが、日経連、経団連、経済同友会などの全国的な経営者の団体は、政権を動かすほどの政治力ももつ。財界でもみな反動的というわけではない。佐高信氏は、政財界について研究し著作も多い。佐高氏が財界人について事実を見据えて紹介されている人物には、「連合」幹部よりもはるかにリベラルな人物像もあきらかにされている。ほかにも故・堤清二氏は、西武グループを経営するほどの財界人だが、資本主義企業の改善を唱えたり実行したりした。堤財閥の一員で、東大生の頃に一時期日本共産党に加わった時もあったと評伝に知るされている。上田耕一郎氏とも面識があり作家辻井喬のペンネームで小説や評論など文学に堪能なかただった。

 なまじ「連合」のごりごりの反動派よりも、財界人にはリベラルな見識をもったひとも少数いる。「連合」は、時代のなかで時によっては全労連と共同する場面もあった。しかし、現在の「連合」の実際の言動にはきわめて危うい局面を司っている。

 「市民と野党共闘」は、ゆるがない市民連合、日本共産党、自由党、社民党、沖縄の風、緑の党、新社会党、生活クラブ関係の地域ごとの政治団体などなど、これまでの実績と信念をもっている。民進党でも、共闘に貢献している党員や議員がたくさんいる。「連合」の不当な介入支配から独立して、参院選の時の岡田克也代表態勢のような意欲的な実質的共闘行動を期待したい。京都選出の代議士前原誠司氏は、党内保守派と目されているけれど、池田まきさんの北海道5区補選の際や、参院選でも、新潟知事選でも宣伝カーから他の野党から演説してきた実績がある。安住淳議員は、選対委員長としても代表代行としても、党指導部と党員の間で苦労しつつも、共闘野党代表が演説をおこなった時も、実直な人柄がうかがえた。

 「市民と野党共闘」は、第二ステージを迎えつつある。-了-

 



=====重要参考資料========

【孫崎享のつぶやき】

連合はリベラル勢力の癌だ・東京10区、野党党首級演説会に連合の圧力で候補者出席せず。かつ候補者事務所から連合のスタフ10数名引上げ。野党連合に反対の意思表示(朝日)

2016-10-24 08:596





A:事実関係

野党4党は20日、東京10区で党首級の演説会を開いた。

共産党の志位委員長、民進党の安住代表代行、社民の福島副党首、自由の山本がマイクを握ったが肝心の候補者の姿がなかった。

 演説会を企画した市民団体は。候補者不在について、「民進党の責任者が『連合の顔を立てるため候補者を行かせることが出来ない』といった」と明かした。

連合の神津会長は福岡6区の演説会に民進党候補が出席したことを問題視。連合はこの日東京10区の候補者事務局からスタフ10数名を引上げさせた。野党共闘に慎重なためだ。(朝日10月24日)

B:連合は今や、リベラル勢力の癌になりつつある。

 新潟知事選挙では連合新潟は自公候補応援に回った。

新潟県民は原発再稼働の中止を求めた。今次知事選挙の争点の一番が原発で、その7割以上が再稼働反対である。新潟県民は野党連合の米山氏を選択した。

 本来はここで、連合新潟は自分達の政策が正しかったか反省すべきである。

 しかし実際に何をしたか。

・知事選で自主投票を決めたにもかかわらず、初当選した医師の米山隆一氏を途中から実質的に支援した民進党県連の黒岩宇洋衆院議員=新潟3区=が混乱の責任を取り、県連代表を辞任する意向を固めた。

民進党の支持母体である連合新潟は、対立侯補の森民夫氏を支持していた。

選挙戦中盤以降、報道各社の情勢調査などで米山、森両氏が拮抗していると伝えられると、黒岩氏ら県連幹部や蓮舫代表が米山氏の応援に入った。そのため、県連と連合新潟との関係が悪化していた。

・民進党の野田幹事長は20日、新潟市中央区の連合新潟を訪ね、斎藤敏明会長と会談した。新潟県知事選で自主投票を決めたにもかかわらず、蓮舫代表をはじめとする民進党の国会議員が、勝利した野党系候補の応援に入ったことについて釈明した。

・民進の野田氏が連合会長に謝罪|信濃毎日新聞10月20日

「民進党の野田佳彦幹事長が18日に連合の神津里季生会長らに対し、新潟県知事選で自主投票を決めたにもかかわらず、蓮舫代表が勝利した野党系候補の応援に入ったことについて、謝罪したことが分かった。関係者が19日、明らかにした。」

・民進党は連合依存を早く脱退すべきだ。

・それにしても連合には様々な団体が参加しているはずだ。これらの団体は、今日の連合の暴走をどう見ているのか。

=====転載終了============

新潟知事選・野党共闘・小池百合子都知事

2016-10-17 09:27:26 | 政治・文化・社会評論
新潟知事選・野党共闘・小池百合子都知事

          櫻井智志




 新潟県知事に米山隆一氏が当選したことは実に意義深い。選対本部長の森裕子さんは、小沢一郎氏の愛弟子。野党共闘を最初から訴えていたのも小沢氏である。それに呼応した共産党志位和夫氏の力量も大きい。民進党蓮舫氏も、母親として一個人としてと前置きしたが応援した。新潟県の市民運動の意義は大きい。


 民進党の議員は素晴らしい方も多い。しかし、東京・福岡の衆院補選では、政策協定は結ばず、出陣式に駆けつけた共産党候補を紹介もせず声もかけなかった。都知事選候補者選びでも党内部で右往左往、他の野党に諮ることもなかった。岡田佳彦幹事長を更迭し、指導部の態勢構築がなされないと、衆院補選での惨敗は目に見えている。

 松野頼久氏は新潟に最初から応援。前原誠司氏や江田憲司氏も、松野頼久氏に続いて米山隆一新潟県知事候補の応援に入った。前原氏は、北海道5区衆院補選でも池田まき候補支援で野党共闘の一員として誠意ある応援を行った。保守革新でなく人間性に根ざす。
 連合が民進党の前進を阻んでいる。連合内の有力大手労組である電力産業の労働貴族は、「自民党連合派」として与党に貢献している。


 衆院補選で安倍総理とがっちり握手する小池百合子氏。マスメディアへの露出や世論操作のマスコミが一日中庶民にインプットしている。都知事としては今のところ有意義な活躍をしているように見える。共産党まで一定の小池評価をマスコミの質問に応じている。

 だが、「小池都知事」の本質は、自民党本部と緊密に連携した自民党「高級別働隊」に過ぎない。日本新党、新党さきがけ、自由党、自民党と渡り歩いてきた小池百合子氏は都知事にとどまらない。次の次の総理を目指した現在である。総理をめざす小池氏に幻惑されると、安倍政権より合理的柔管理型の政権が誕生する。
 もはや衆院補選は、東京も福岡も「民進党」のセクト意識のまま選挙戦を終えてしまう。それでも、東京の若狭勝自民党候補と、福岡の「当選したら自民党入り確約」の二候補に惨敗を喫しかねない。東京と福岡の市民連合や個々人の市民の力で、「民進」共闘を吟味して、広く東京都民、福岡県民に浸透する態勢強化をはかるべきだ。投票日は、10月23日。運動期間は1週間を切った。

新潟知事選・野党共闘・小池百合子都知事

2016-10-17 09:27:26 | 政治・文化・社会評論
新潟知事選・野党共闘・小池百合子都知事

          櫻井智志




 新潟県知事に米山隆一氏が当選したことは実に意義深い。選対本部長の森裕子さんは、小沢一郎氏の愛弟子。野党共闘を最初から訴えていたのも小沢氏である。それに呼応した共産党志位和夫氏の力量も大きい。民進党蓮舫氏も、母親として一個人としてと前置きしたが応援した。新潟県の市民運動の意義は大きい。


 民進党の議員は素晴らしい方も多い。しかし、東京・福岡の衆院補選では、政策協定は結ばず、出陣式に駆けつけた共産党候補を紹介もせず声もかけなかった。都知事選候補者選びでも党内部で右往左往、他の野党に諮ることもなかった。岡田佳彦幹事長を更迭し、指導部の態勢構築がなされないと、衆院補選での惨敗は目に見えている。

 松野頼久氏は新潟に最初から応援。前原誠司氏や江田憲司氏も、松野頼久氏に続いて米山隆一新潟県知事候補の応援に入った。前原氏は、北海道5区衆院補選でも池田まき候補支援で野党共闘の一員として誠意ある応援を行った。保守革新でなく人間性に根ざす。
 連合が民進党の前進を阻んでいる。連合内の有力大手労組である電力産業の労働貴族は、「自民党連合派」として与党に貢献している。


 衆院補選で安倍総理とがっちり握手する小池百合子氏。マスメディアへの露出や世論操作のマスコミが一日中庶民にインプットしている。都知事としては今のところ有意義な活躍をしているように見える。共産党まで一定の小池評価をマスコミの質問に応じている。

 だが、「小池都知事」の本質は、自民党本部と緊密に連携した自民党「高級別働隊」に過ぎない。日本新党、新党さきがけ、自由党、自民党と渡り歩いてきた小池百合子氏は都知事にとどまらない。次の次の総理を目指した現在である。総理をめざす小池氏に幻惑されると、安倍政権より合理的柔管理型の政権が誕生する。
 もはや衆院補選は、東京も福岡も「民進党」のセクト意識のまま選挙戦を終えてしまう。それでも、東京の若狭勝自民党候補と、福岡の「当選したら自民党入り確約」の二候補に惨敗を喫しかねない。東京と福岡の市民連合や個々人の市民の力で、「民進」共闘を吟味して、広く東京都民、福岡県民に浸透する態勢強化をはかるべきだ。投票日は、10月23日。運動期間は1週間を切った。

孫崎享氏が指摘する朝日新聞の凋落といわゆるブランドとしての「進歩派」「左翼」崩壊

2016-10-15 16:56:46 | 政治・文化・社会評論
孫崎享氏が指摘する朝日新聞の凋落といわゆるブランドとしての「進歩派」「左翼」崩壊

                  櫻井 智志


 後に掲げた孫崎享氏は、「凋落の朝日新聞。官邸・自民党に締め上げられ、安倍御用新聞に。当然朝日支持母体のリベラル派は購読から離脱。経営急速に悪化。「3年で500億円減収」の衝撃」と指摘している。

 問われているのは、朝日新聞一社の領域だけではない。
戦後民主主義を支えていた側の新聞社、マスコミ、文化人、学者、知識人の体質であるかも知れない。

 先日私は、教育学者で教科研委員長や日本教育学会長を歴任した元東大教育学部長堀尾輝久氏の憲法九条と幣原喜重郎氏の業績を発掘した意義を、もっと重視すべきと書いた。同じ文章を教科研メーリングリストに送ったが、完全に黙視されいまだ掲載されていない。

 朝日新聞と同質のいわゆるブランドとしての進歩派が崩壊し始めて、戦前の大政翼賛会社会が形成されつつある。いわゆる進歩派やいわやるサヨクはいるが、厳しい情勢では蛸壺に入り、時代に対峙するよりも研究会や団体のなかだけの言語に終始している。

 私は明確な市民運動や野党共闘に取り組む人々に共感をもつ。日本共産党が野党共闘で党員候補者を取り下げて努力しているようすに、市民運動がリアルに情勢を見極め、野党共闘を支えているようすに、敬意を覚える。現実の政治現場は理屈とおりには進まない。醜悪な修羅場もある。それでもそんな現場で、地道に社会の改善に取り組むひとびとは本物だ。

 私は三大新聞をもはや信頼していない。その中では朝日よりも毎日を選ぶ。更に、読売よりはまだ朝日を選ぶ。しかし、新聞社としては、全国の地方紙の中の一部の良心派とあとは東京新聞、日刊ゲンダイ、そしてしんぶん赤旗も政党機関紙を超えたジャーナリズムの機能を果たしている。それは流動性があるので、すべての新聞社やジャーナリズムを固定的に決めつけることには注意深くありたいと考える。






【孫崎享のつぶやき】

凋落の朝日新聞。官邸・自民党に締め上げられ、安倍御用新聞に。当然朝日支持母体のリベラル派は購読から離脱。経営急速に悪化。「3年で500億円減収」の衝撃、

2016-10-15 06:445



 NEWS ポストセブン10月14日(金)は「朝日新聞「社外秘」資料部数減に加え経営悪化。16時配信を報じた。安倍政権下、朝日新聞は明らかに、官邸、自民党筋から締め付けられた。それもかなりの長期にわたってである。多分この中には企業の広告への圧力があったろう。ここから、朝日は急速に安倍政権よりの記事を書く方向に傾斜した。そうすることで、多分、広告収入の維持を図ろうとする意図があったのであろう。

 しかし、朝日新聞が安倍政権寄りになれば、リベラルな読者は離れる。安倍政権よりの記事を書いたからといって、読売系や産経系の読者がつくわけでない。多分朝日新聞の部数は急速に減じた。今後も減ずるであろう。そして一旦読者はネットなどで情報入手が可能と判断する。一旦失った読者は帰ってこない。私は、リベラルの顔をしながら、重要局面で安倍べったりの記事を書く朝日なら、凋落した方がいいと思う。今の日本政治の悪化は、日本を崖っぷちに導く安倍政権を大手メディアが批判できず、国民を間違った方向に導くメディアにあるとみている。その代表格が朝日新聞だ。

週刊ポスト2016年10月28日号記事抜粋

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・「ある文書」とは今夏、朝日新聞の各部署や支局で管理職から社員に配布された〈経営説明会の要点(全社員に知っていただきたいこと)〉と題された1枚のペーパー。

 文書は冒頭から朝日新聞の今期の「売上高の急落」を強調。
. 〈4~6月期は前年同期比▼36億円(月平均▼12億円)の落ち込み〉
.〈※社員1人あたり毎月▼20万円超に相当……営業日ごとに▼1万円〉
 続いて、2013年度に3135億円あった売上高が2015年度には2748億円へと387億円(12%)落ち込み。今期は売上高の落ち込み幅が広がり、〈13年度→16年度では、▼500億円超のおそれ〉その落ち込み幅が、〈年間の給与・賞与総額に相当〉と意義づけをするだけでなく、〈※社員1人あたり▼1200万円程度に相当〉と下線付きで強調。

・朝日新聞の部数の急速な減少が背景。2012年度には762万部あった朝刊の発行部数が、いまや670万部(2015年度)と3年間で92万部減
.「高級ブランド商品や高級車の広告の出稿までもが減っていく悪循環」(現役社員)

◆〈運転資金が回らなくなる〉
.損益の急激な悪化〉という項目へと文書は続く。

 2014、2015年度の朝日新聞社は経費の大幅削減という経営努力によって黒字。今年5月に公表された決算短信によれば、営業利益は2014年度の38億円から、2015年度は78億円と増益。しかし、文書では、〈人件費以外の固定費を大幅に削減し続けることは困難〉とし、〈16年度は、現状のままでは赤字見通し〉と、“赤字転落”の危機にあることを明らかにした。

〈17年度から給与改革・定年延長ができないと、⇒⇒恒常的赤字に落ち込む(16年度だけでは済まない)〉
 では、どうなるというのか。文書はこう続く。
.〈「繰延税金資産の取り崩し」+「新聞業の減損」で赤字数百億~1千億円規模〉
. つまり業績見通しの悪化で会計上の費用も積み増しを迫られることになり、赤字額が大きく膨らむという説明だ。これにより、〈信用失い、取引条件悪化〉〈キャッシュ不足で運転資金が回らなくなる〉という文言で文書は締めくくられている

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「ふくしま」

2016-10-15 15:26:42 | 政治・文化・社会評論
 ふくしま、とは単に地名をさすだけではありません。福島原発とそれによる被害を受けた県民のこと、それだけをさしているだけではありません。原子力発電所の無政府的乱開発と、その後の再稼働強行によっていのちと暮らしと地域の破壊にたえず脅かされる市民とをさしています。

 市民は日本国民に限らず、実際に困難に出会っている日本国民・日本国民以外の市民。さらに、安倍晋三氏の原発セールスによって、日本で起きた原発事故被害を「予想される」外国の人々の受難をもさしています。

 新潟県柏崎刈羽原発の問題で闘う市民にとり、「福島」はまさに自らの問題です。福島の問題とはまさに日本全土の問題であり、そこに県境はありません。

  その文脈において、私たちは新潟県知事選も、その一週間後の福島県・飯舘村長選も、同じ文脈の課題と認識しています。(櫻井智志)

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【日本共産党福島県委員会公式サイト】



2016-10-04
【10月6日告示、飯舘村長選へ佐藤八郎氏が立候補】
お知らせ ニュース 選挙関連
 東京原発福島第1原発事故による全村避難が続く飯舘村で、任期満了に伴う村長選が10月6日告示、16日投票で行われます。村民の要請を受けて日本共産党村議の佐藤八郎氏(64)が議員を辞職し、無所属で立候補することを表明しました。現職の菅野典雄氏と一騎打ちの様相です。



 飯舘村は来年3月に一部地域以外が避難解除される計画です。しかし、除染は村全体の15%しか進んでおらず、汚染土などを詰めた廃棄物の1トン袋は220万袋が村内にあり、処分方法も決まっていません。村に帰っても営農の見通しも立たず、ある村民は「帰りたいが放射能に汚染された地域では山菜とりもできず帰れない」と語るなど「帰りたくても帰れない」のが現状です。

 住民の約6割が加わる「原発被害糾弾飯舘村民救済申立団」は昨年、村民の合意なしに国の避難指示解除に同意しないよう村長に申し入れしました。しかし村長は「決定は国の権限であり、村が独自に決定できるものではない」と国に追従する立場です。

 申立団のメンバーは、村民に寄り添う村長誕生させようと、申立団の世話人である佐藤候補への支援を決め、活動を始めています。

 佐藤候補は、国と東電いいなりの村政を改め、原発事故の国と東電の責任を明確にして村民が主人公の村政への転換をめざし、

〇医療費無料化の継続

〇住宅家賃支援の継続

〇村民が合意できるまでの除染・賠償

〇暮らしていける生業の再建

などを訴えています。



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10月2日、佐藤八郎氏は、隣接する川俣町で開かれた事務所開きであいさつ。村民の声を受けて来春の避難指示解除方針を白紙に戻すことなどを語り、「村民の声が届く村政で、村民の暮らしが一歩でも二歩でもよくなるように頑張りたい。」と抱負を述べました。

衆院補選東京10区、福岡6区はどうなるか

2016-10-12 12:15:50 | 政治・文化・社会評論
衆院補選東京10区、福岡6区はどうなるか

                櫻井 智志

 東京補選は、小池百合子都知事の圧倒的な人気ブームが若狭勝候補を、福岡補選は鳩山邦夫氏の息子を同じく小池都知事が応援に出向き、この二人が当選に近いと思われる。

 後述の孫崎享氏は東京10区は、東京都内と小池都知事と都議会自民党との対立関係への着目を指摘している。
本来ならば、野党四党が共闘していることが野党に有利になりそうなものだが、民進党の政治スタンスが問題となっている。
代表の蓮舫氏は当選早々都庁を訪れ、小池都知事を表敬訪問し、小池氏を絶賛、単なる儀礼とは思えぬ公的発言を行った。補選では、共闘を言葉としてはかわしたが、なんら政策に関する取り決めはしていない。共産党と同席するのを避けて、「共産党と一緒だと票が逃げるから保守勢力の票を集めるために、むしろ共産党の入っている共闘はマイナス」と見ていることを、今朝の東京新聞は報じている。

 不十分な共闘は、四党の固定支持層の票を固め切れるか。新潟県知事選でも、最初は民進党は自主投票と決めて、県議の中には自公推薦候補の応援に回る民進党員もいる始末。しかし、米山隆一候補と森裕子選対本部長、共産・生活・社民の三党と市民がフル稼働するにつれて新潟県の民進党は、野党共闘に動く党員も増えている。

 蓮舫代表と黒幕の野田佳彦幹事長は、全国の民進党地方本部の動向さえ充分な掌握をしていない。いまのような民進党執行部のスタンスが変わらないかぎり、知事選や衆院補選では野党候補は惨敗する選挙も出てくるものと思われる。

 野党がふるわない直接の原因は、東京都知事になった小池百合子氏への国民的な人気ブームである。自民党都議団との対立も辞さず、築地魚市場の豊洲移転や東京オリンピックへの積極的な姿勢は、たしかに自民党以外にも支持を増やしている。ただ、小池氏は都議とは争っても、自民党本部には友好的であることを見逃すべきでない。自民党の中の党員別働隊という高等戦術を駆使している。国政の選択では今後どのような政治を行うかは冷静に観察する必要がある。

 東京補選で、若狭候補-小池百合子氏の側が、自民党都議区議団と争っても、民進党員である候補を当選させる本元の民進党執行部が野党共闘の力量を結集することを自ら阻碍している。
 福岡も同じだ。当選すれば自民党に入党させる意向の自民党本部。麻生副総理と菅官房長官の対立の代理選挙となっている。民進党の新井富美子候補に一本化したことを十二分に生かせば当選するのに、野田佳彦氏は元総理の沽券に関わると思っているのか、次から次へと
民進党弱体化の愚策のオンパレード。蓮舫代表-野田佳彦幹事長の体制は、近接する三選挙の結果によっては、急速に党内での求心力を
低下させる。代表選さえ、国民は冷めた目で眺めていた。三選挙は、蓮舫代表-野田佳彦幹事長の党内政治力の維持か失速か、じかに問われている。


【孫崎享のつぶやき】
東京10区、東京10区は比較的自民党支持が多い選挙区、今。小池人気。それが若狭候補に有利に働こう。ただ野党側、勝てる可能性のある選挙区。
2016-10-12 07:171






 東京10区補選は、10月23日に実施され、自民若狭勝氏(59)(公明党推薦)対、民進党鈴木庸介氏(40)(共産、生活、社民協力)となった。東京10区は比較的自民党支持が多い。今、東京は何となく小池ブームで、その参謀的役割を果たしてきた若狭勝氏が優位とみる向きが多い。しかし、決して、野党側が勝てない選挙区ではない。



1: 過去の衆議院選、票を見てみたい

  年        自公      野党合計
2014年  小池 50.7%  44.5%(民主、共産、生活)
2012年  小池 53.7%  46.3%(民主、未来、共産)
2009年  小池 43.3%  56.6%(民主47,2%、共産)
2005年  小池 50.0%、 小林興起対小池で異色の選挙
2003年  小林 45.2%  53.4%(民主、共産)



2:上記票を見れば、小池個人人気が上積みされてきたであろうから、多分自公票は45%程度であろう。今、自民党内特に東京都では、小池知事と自民都議の間に対立関係がある。これが選挙にどう影響するか。



阿蘇山爆発的噴火と原発危機管理対応に対する見解

2016-10-08 16:27:34 | 政治・文化・社会評論

阿蘇山爆発的噴火と原発危機管理対応に対する見解
2016/10/08
               櫻井 智志



 明日は新聞休刊日である。webには掲載されていない新聞だけの解説から。
東京新聞本紙は、図「噴火開始から午前八時までの降灰予報」写真「爆発的噴火をした熊本県の阿蘇山=8日未明(NHKニュースから)地図「中岳第1火口」「阿蘇山近隣」も掲載されている。webも写真を掲載している。図「噴火開始から午前八時までの降灰予報」では、阿蘇山の降灰が山口、愛媛、高知、香川、徳島、広島、岡山まで及ぶ様子を説明している。降灰は三段階で、小量(0.1ミリ未満)やや多量(0.1~1ミリ未満)多量(1ミリ以上)にわけ、多量は熊本県阿蘇山近辺、やや多量は熊本の一部、大分の一部、それ以外の地域は広域だが小量と示されている。NHKニュースからの写真には、「阿蘇山噴火警戒レベル3に/約2キロ範囲警戒」と説明されている。やはり、インターネットは活字よりも深層を説明できない。

 端的に結びに言いたい。
こんなに地震、多量の連続的降雨と続く熊本に、さらに爆発的噴火。その規模は九州から四国、中国地方へ及ぶ。こんな日本列島には、即時原発全面停止・廃止しかない。
 40年も過ぎた原子炉を、60年に延長するというお上の提言。どこまで国民を愚民扱いするのか。無能日本政府は、即時政権下野すべきである。「優秀な官僚組織」を使って当座の緊急措置をしている内に、野党共闘は、小沢一郎自由党(近々に党名改名構想検討中の記者会見あり)代表を首班として、自由党・日本共産党・社民党・オブザーバー民進党の連合の暫定政権を樹立すべきである。

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【東京新聞】転載

阿蘇山で爆発的噴火 噴煙1万1000メートル 兵庫まで降灰予想

2016年10月8日 14時00分


 八日午前一時四十六分ごろ、熊本県の阿蘇山・中岳第一火口で爆発的噴火が三十六年ぶりに発生した。一キロを超える広い範囲に噴石が飛散した可能性がある。気象庁は噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げた。火口から二キロの範囲で大きな噴石に警戒するよう呼び掛けるとともに、熊本、大分両県から兵庫県・淡路島の一部まで十県百二十以上の市町村に火山灰が降るとの予報を出した。

 阿蘇山で爆発的噴火が起きたのは一九八〇年一月二十六日以来。噴煙が高さ一万一千メートルにまで達したことが気象衛星で観測された。気象庁によると、正確な記録が残っている九八年以降、三千メートルを超える噴煙の観測は初めて。

 熊本県などによると、けが人は確認されていない。阿蘇市など県内四市町村で約二万九千戸が一時停電した。降灰の影響でJR豊肥線の阿蘇-豊後竹田間で列車の運転を見合わせている。「草千里」など阿蘇山上の観光名所に通じる県道阿蘇吉田線も約十キロにわたり全面通行止めとなった。熊本地震で被災、応急工事を経て先月十六日に開通したばかりだった。

 阿蘇市によると、八日正午までに最大で六人が一時避難所に身を寄せた。火口から六~七キロ離れた住宅やビニールハウスには噴石とみられる石が当たり、屋根などが損傷。約四・五キロの交流施設「国立阿蘇青少年交流の家」では窓ガラス一枚に直径約三センチの噴石が当たり、ひびが入った。政府は同日未明、首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を置いた。

 気象庁の斎藤誠火山課長は、「阿蘇山は不安定な状態で、今後も同規模の噴火が起こり得る。風下側では火山灰だけでなく、小さな噴石や火山ガスにも注意してほしい」と呼び掛けた。

 火口付近では、噴火時刻に震度2の地震を観測したほか、七日午後九時五十二分にも小規模な噴火があった。火口周辺では火山性微動の振幅が大きく、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が非常に多いという。

 <阿蘇山> 熊本県にある活火山で、気象庁が24時間態勢で監視する「常時観測火山」の一つ。東西約17キロ、南北約25キロの巨大なカルデラ内にある主峰の高岳(標高1592メートル)など十数個の小火山(火口丘)で構成されている。特に中岳(同1506メートル)は有史以来、噴火を繰り返しており、数個の火口が南北約1.1キロの範囲で連なる「複合火口」になっている。
(東京新聞)

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