【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

「転載」リテラ 【“文春砲デマ”発言、花角英世・新潟県知事の選対幹部が公選法違反で刑事告発された! 県警・地検の動きは】

2018-06-30 19:36:44 | 転載
「転載」リテラ 【“文春砲デマ”発言、花角英世・新潟県知事の選対幹部が公選法違反で刑事告発された! 県警・地検の動きは】
横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」40
2018.06.30



 6月25日の参院予算委員会で安倍晋三首相は、共産党が独自入手した森友関連の政府側内部文書について「どのようなものか私は全く承知していない」と答えた。佐川宣寿前理財局長らの刑事処分について「官邸も早くということで、法務省に何度も巻きを入れている」と記されていたのに、具体的答弁を拒否したのだ。
 都合の悪い事実(不都合な真実)を無視する安倍首相の隠蔽体質は、「新潟県知事選」(6月10日投開票)で初当選した自公支持の元国交官僚の花角英世・新知事も瓜二つ。選対幹部が“文春砲”の名前を使って相手候補者である池田千賀子元県議の下半身ネタをデッチ上げたのに花角知事は「事実関係を承知していない」と繰り返していたからだ。さらに投開票日の当確が出た直後の囲み取材で「事実関係を確認させてください」と調査を約束した(6月12日の本連載39「新潟県知事選で花角新知事陣営がデマ攻撃! 選対幹部が『文春砲が池田候補の下半身スキャンダル』と嘘を拡散」で紹介)が、しかし、この約束も選挙後に簡単に反故にされた。
 花角知事は事実解明どころか「事実関係を承知していない」とだけしか言わなくなったからだ。知事就任翌日の13日に上京し、二階俊博幹事長や安倍首相や菅義偉官房長官との面会を終えた後の囲み取材での筆者の質問に、花角知事は次のように発言を後退させたのだ。
−―選対幹部の文春下半身記事化発言、三條新聞に載ったが、選挙違反ではないか。
花角知事 事実関係を承知しておりません。
−―日大アメフト部と同じで「選挙違反をしても当選する」という考えなのか。
花角知事 事実関係を承知しておりません。
当確直後に見せた「不都合な真実を直視して説明責任を果たそう」とする姿勢はわずか3日で消え去り、21日の就任後初の定例会見でも皆無だった。筆者は指されなかったので会見終了が告げられた瞬間に同じ質問をした。
−―知事、選挙中の文春の下半身ネタデマ発言について一言、お願いしたい。(投開票日の10日に)事実関係を調べると仰いましたが。
花角知事 事実関係を承知しておりません。
−―調べるつもりはないのですか。日大アメフト部と同じ「ルール違反をしても当選する」という考えか。
花角知事(無言のまま立ち去る)
 花角知事の正体が浮彫りになっていく。「ルール違反をしてでも勝つ」という日大アメフト部流選挙を展開し、知事ポストを奪取した後は「勝てば官軍」と言わんばかりに知らぬ存ぜぬの姿勢を貫く。そして「新潟では文春砲下半身ネタ絡みの“ハレンチ知事”が二代連続で誕生した」という皮肉な現実も突きつけられた。女子大生買春の文春砲直撃で“初代ハレンチ知事”が辞任したのに続いて、選対幹部が文春砲下半身ネタをデッチ上げた“二代目ハレンチ知事”が汚れた知事ポストに居座り始めたように見ええたからだ。
 県知事選で池田千賀子候補の応援演説をした立憲民主党の辻元清美衆院議員(国対委員長)は、中央とのパイプの太さをアピールした花角陣営に対して、「中央の膿が新潟に還流してくる」と警告を発したが、まさに隠蔽・改竄・嘘八百の安倍首相(政権)の腐敗体質が新潟に流れ込み、県庁内から腐臭を発し始めたといえるのではないか。

〖花角陣営の選対幹部を刑事告発した市民が「こんな選挙妨害は初めて見た」〗


6月21日県庁内での花角知事の会見(撮影・横田一)
 知事会見の翌6月22日、県内在住の一般市民有志8名が“文春下半身ネタデッチ上げ発言”に関する告発状を県警と検察に提出(県警は受理。検察も翌週受理)、県庁内で11時前から記者会見に臨んだ。記者に配布された告発状には、公職選挙法第235条第2項違反の犯罪行為について次のように記されていた。
「被告発人(長谷川克弥)は新潟県知事選挙の候補者である花角英世を支援する確認団体である『県民信頼度ナンバーワンの県政を実現する会』の代表代行であったところ、2018年6月6日正午から自由民主党三条支部事務所で開かれた緊急議員会議の公開されていた冒頭部分において、三條新聞記者も含めた不特定多数の出席者に対して、花角英世への支援を求めつつ、新潟県知事選挙の対立候補者であった池田千賀子に関し、その当選を得させない目的をもって、『文春に選挙後に出るようだ。また、下半身の話だ。そんなことになったらまた選挙になるのではないか』という発言を行った。よって被告発人は、虚偽の事項を公にしたものである」
 告発状には長谷川氏の問題発言を掲載した6月7日付の三條新聞を添付されていたが、質疑応答に入ったところで今回の告発に対する思いを聞くと、市民有志代表から次のような答えが返って来た。
「私たちは公正な選挙を求めて告発をしています。私も2回、選挙のボランテイアをしたことがあるが、このような選挙妨害をあからさまに受けたのは今回の県知事選挙が初めてです。『このままでは公正な選挙が行われなくなってしまう』という危惧を覚え、『不正がまかり通るような選挙は今回限りにして欲しい』との思いから告発しました」
 調査する姿勢が消え去った花角知事の対応についても訊いてみた。こんな答えが返って来た。
「私たちが告発をした『被告発人』の長谷川克弥さんは、花角知事が候補者であった時の確認団体の代表代行(ナンバー2)です。その方の発言について『確認をしない。責任も取らない』ということでは、私は許されないことだと思います。責任をきちんと取っていただきたいと思っています」(一般市民有志代表)

〖告発で浮かびあがってきた花角陣営の確信犯的な選挙妨害〗

 告発状には「その後の経緯」と題して、選対幹部のウソがどう広まったのかについても記載されていた。
「被告発人の虚偽の言説は、その後、あたかも花角陣営が確認した事項のように新潟県内外に広まり、選挙期間中に、複数回、新潟市内、三条市内、及び県外、ソーシャルネットワーク(SNS)上で聞くこととなり、選挙運動の大きな妨げとなった。この虚偽の言説の元となったツイートをした匿名アカウント『永田町ウォッチャー(@nagatachowatch)』」は、その発言が虚偽であったことを指摘され、6月5日に当該ツイートを削除している」
 このことについても、長谷川氏への直撃取材と一致する部分があったので以下のような質問をした。
−―文春関係者にも聞いたのですが、「企画会議も通っていないし、記者も動いていない」と(答えた)。(10日の投開票日に)長谷川さん本人にも「文春の記者から聞いたのか」と訊いたら、まさにこの告発状にある「『永田町ウォッチャー』が根拠です」と答えた。ツイッター上の匿名の情報をさも事実であるかのように、記者のいる公の場で話すのはかなり確信犯的なやり方ではないかと思うが。
市民有志代表 そこについて私たちは非常に重く見ております。経緯として「永田町ウォッチャー」の方は6月5日に当該ツイートを削除、謝罪ツイートもしている。それにもかかわらず、そういった言説をその翌日(6日)にしたことで、非常に大きいことだと思います。
 まさに確信犯的な選挙妨害(公職選挙法違反)と言わざるを得ない。私の直撃に対して長谷川氏は「文春の記者に聞いたのではなく、(永田町ウォッチャーの)ツイッターに書かれていた噂を話した。噂を広めるつもりはなかった」と反論したが、4万部発行の三條新聞記者ら報道陣がいる「緊急議員会議(選対会議)」で、花角陣営選対幹部の肩書「代表代行(ナンバー2)」を名乗って写真撮影可能な状態で発言すれば、数万人規模の読者(有権者)に広まることなど誰でもすぐに分かる。

〖菅官房長官と親しい花角陣営選挙プランナーに直撃するも、話のすり替え〗

 ちなみに新潟県知事選の告示日から現地に張り付き、自民党新潟県連にも出入りしていたのは、選挙プランナーの三浦博史氏。菅義偉官房長官と懇意であることでも知られる。その三浦氏に長谷川氏の文春下半身ネタ記事化デッチ上げ発言について聞いてみたが、「池田陣営の保育園問題はどうなのだ。その取材をしない限り、この件については答えない」と別の問題ではぐらかされ、具体的な回答を拒否された。
三浦氏が取材に応じる前提条件とした「保育園問題」とは、柏崎市立保育園の保育士が園児に候補者の応援をする図画作成を手伝わせたとして地方公務員法の信用失墜行為禁止などで処分されたものだが、選挙結果に影響を与える度合いは天と地ほどの差があるのは明らかだ。「選対幹部の文春下半身ネタ記事化デッチ上げ発言が読者数4万人の三條新聞に掲載されて広まった」という明白な公職選挙法違反と同程度に捉えて取材拒否の理由とする三浦氏は選挙プランナーとして、花角陣営の確信犯的な選挙妨害(選挙違反)を意図的にごまかそうとしているのではないかと疑いたくなる。
「新潟県知事選勝利で安倍首相の総裁選三選の可能性は八割、ほぼ確実となった。敗れていたら政局になっていた」と自民党関係者が振り返るほどの天下分け目の決戦で、菅官房長官と懇意な選挙プランナーが現地に張り付いて花角陣営に助言を与えているなか、選対幹部が白昼堂々と公職選挙法違反を実行に移した。

 安倍首相とその仲間たち(花角知事や三浦氏ら)が、「ルール違反をしても勝つ」という日大アメフト部と二重写しに見えてくるではないか。「官邸と花角陣営が“共謀”した確信犯的公職選挙法違反」という疑いは消え去るどころか、ますます深まるばかりなのだ。この日の告発会見については地元最大手の新潟日報をはじめ、長谷川氏の発言を紹介した三條新聞や毎日新聞新潟版でも報道された。新潟県警や地検の動きが注目される。
(横田 一)

戦後最悪の総理安倍晋三氏の究極のねらいは海洋軍事国家ニッポン

2018-06-28 23:18:42 | 政治・文化・社会評論
戦後最悪の総理安倍晋三氏の究極のねらいは海洋軍事国家ニッポン
                櫻井 智志


*安倍晋三政権の政治のねらいは、着々と日本を海洋軍事国家にして自らがそのリーダーに納まり独裁国家にすることを目指している*  国会がどれほど空洞化しようが社会が融解状態に陥ろうが、つまり日本の戦後制度が解体寸前情勢になろうが、それは安倍晋三首相の願ってもない絶好のチャンスとなる。

日本の国内の様子に国民が虚しさを感じ無気力になれば、「海洋軍事国家」を念願とする安倍総理には、国内を思うがままに操りやすくなる。立ち上がって闘う国民に徹底的無力感を味わわせることが安倍の言動の本質的ねらいだ。
*『THE独裁者』古賀茂明・望月衣塑子共著2018年2月KKベストセラーズ本体1500円

【リテラ転載】古賀茂明が室井佑月に語った「安倍首相は残虐」の意味、そして加計疑惑の決定的な問題とは? 2018.06.28

2018-06-28 21:02:17 | 転載
【リテラ転載】古賀茂明が室井佑月に語った「安倍首相は残虐」の意味、そして加計疑惑の決定的な問題とは?
2018.06.28


古賀茂明氏と室井佑月氏(撮影・『リテラ』編集部)
 室井佑月対談連載「アベを倒したい」。古賀茂明氏を招いての前編『室井佑月が元官僚の古賀茂明に聞く!「なぜ佐川氏や柳瀬氏ら官僚は安倍首相をかばい続けるのか」』
http://lite-ra.com/2018/06/post-4090.html は、安倍首相をかばう官僚たちの習性について突っ込んだ議論が交わされたが、最後に、古賀氏が口にしたのが「安倍さんはものすごく怖い人なんです」「執念深くて残虐」という言葉だった。後編ではその発言をきっかけに、古賀氏自身が受けた“報道圧力”や、安倍首相の官僚・メディア支配、さらには加計疑惑の本質までが次々暴かれていく。そこから浮かび上がってきたのは、想像以上に異様で卑劣な安倍首相の政治手法だった。
 なぜ、モリカケのようなとんでもない疑惑が浮上しても安倍首相の支持率は落ちないのか。シビアな現実にも踏み込んだこの対談をぜひ、最後まで読んでほしい。
(『リテラ』編集部)

Ⅰ:『安倍の攻撃は官僚を辞めてからも続く! 古賀茂明が語った報ステ降板の真相』

室井 安倍首相が「安倍さんはものすごく怖い人なんです」「執念深くて残虐」っておっしゃいましたけど、具体的にはどういうことなんですか?
古賀 残虐性、非人間性、執拗性。これらをすべて持っていて、それが徹底している。「こいつは!」と思ったら、辞めたからそれで終わりじゃないんです。辞めたあとも徹底的にやってくる。たとえば、前川さん(喜平・前文科省事務次官)のように、人格攻撃もやるし、講演にも横槍を入れる。僕も講演は最初はいっぱいあったけど、なくなっちゃった。そういうことをされるのが見えているし、多くの官僚にとってそれは恐怖でしかない。
室井 安倍さんに目をつけられるとそんなに怖いんだ。でも安倍さんに目をつけられた古賀さんは、ある意味一目置かれているということでもあるかもね。
古賀 安倍政権を批判している人はたくさんいるけど、その中で「こいつは抑えておかないとやばいな」と思われたら、徹底的にやられる。そういう意味では室井さんも覚悟したほうがいいかも(笑)。
室井 やだよ! あたしは普通のおばさんなんだから。それに作家、コメンテーターとしては権力をチェックして批判するのって当然のことだし、特殊なことをしているつもりはないんです。安倍さんや自民党の批判もするけど、民主党政権の時は民主党も批判した。でも確かに安倍さんはこれまでの首相、権力者の中でも怖いっていうのは実感しているけど。でも安倍さんって、第一次政権のときは残虐性はそんなに感じなかったと思うんです。第二次政権になってからすごく怖くなったと。
古賀 第一次安倍政権では、自分のお腹が痛くなって辞めたわだけど、でも安倍さんはそうは思っていない。「マスコミにやられた」と思っているんです。だから下野時代に「今度政権についたら、まずマスコミを抑える」と執念深く考えていたのでしょう。だから本気で批判してくるメディアやジャーナリストは自分にとって一番危ない“敵”とさえ思っているんです。
室井 だからか。朝日新聞に対する恨みは尋常じゃない。
古賀 そしてマスコミを抑える方法として、ひとつは見せしめ的に目立っていてかつ強いやつをやる。もちろん直接的な圧力では絶対にやらないで、干すんです。『報ステ』の出演者など格好のターゲットでしょう。僕の前にも浜矩子さんが降板した一件があったのですがこれも典型だと思っています。あまり騒ぎにならなかったし、浜さん自身もそういう意識がないかもしれませんが、でも、僕が聞いている話では、テレビ朝日の上層部が官邸を忖度して「報ステなんとかしろ」「浜か古賀、どちらかをあきらめと」という圧力がかかったということです。そう言えば、古舘伊知郎さんはいつも「古賀さんと浜さん、どっちも変え難い人たちなんですよね……」と言ってましたね。
室井 古賀さんがまさかここまで歯向かうとは思っていなかっただろうしね。
古賀 僕自身もそんなに歯向かうつもりはなかった(苦笑)。そもそも僕の名が知られるようになったのは民主党政権時代です。現職官僚として参議院予算委員会に呼ばれて、総理(菅直人)や仙谷由人さん、全閣僚がいる前で、小野次郎というみんなの党の議員が、「古賀さん、最近の民主党の公務員改革、天下りの政策はどう思いますか?」と訊かれたので、僕は思いきり、「民主党になってから、天下り規制の緩和措置が堰を切ったように実施されている」と批判しちゃったんですよ。そうしたら仙谷さんら閣僚はみんな頭に来て。でもその当時はすでに、大臣官房付という個室に入れられて仕事を干されていた。その理由は財務省なんです。民主党政権が発足した際、仙谷さんから「補佐官になってくれ」と打診があった。それで「行政刷新」について改革メニューを渡すなど打ち合わせもしていた。しかしその話が全部チャラになってしまった。仙谷さんは何も言わなかったけど、その後当時の松井孝治官房副長官に訊いたら、その直前に財務省が仙谷さんのところにきて「古賀は絶対に使うな」と止めたと言うんです。

Ⅱ:『安倍首相の霞ヶ関恐怖支配は内閣法制局長官人事から始まった』

室井 財務省が経産省の人事にまで介入するの!? 
古賀 財務省は閣僚より強い。仙谷さんは財務を敵に回したら民主党政権は潰れると思ったんでしょうね。政治主導とは言っても官僚、特に財務省は強い。その強い官僚を震え上がらせたのが安倍さんです。安倍政権以外では、そういう政権はなかったと思います。
室井 でも官僚が「本当にこいつはヤバい」と思って省庁の枠をとっぱらって連合を組んだら、安倍さんにだって絶対勝てるでしょう?
古賀 いや。総理は強いんです。さきほども安倍さんの特異性は執念深くて残虐なことにあると言いましたが、その最大のあらわれが人事です。内閣人事局ができて官僚人事を官邸が握った弊害が指摘されていますが、しかし実はまったく関係ない。そもそも1年生のペーペー官僚の人事権まで大臣がもっている。でも大臣が全職員の人事を見るなんてできないから、役所が決めた人事が大筋通るんですが、しかし安倍さんは違う。細かいところまで見ているんです。たとえば人事検討会議というのがあり、官房副長官のもと各省から幹部人事をチェックしますが、これまではよほどのことがない限り変更はなかった。しかし安倍さんになってからは違った。内閣人事局ができる前から、好き勝手をやり始めました。一番すごかったのが、内閣法制局長官人事です。歴代長官が、集団的自衛権は憲法違反であると、当然のことを主張していたのですが、安倍さんは、それなら、法制局のトップを代えてしまえと考えたんですね。そこで、解釈改憲で集団的自衛権行使を容認できると言っていた外務官僚の小松一郎氏を抜擢した。安倍さんと仲が良くて「違憲じゃありません」と言ってくれる人を持ってきたんです。慣例では内閣法制局次長の横畠裕介氏が昇格するはずだったんですが、これはかなり異例、というか、官僚たちから見れば、「とんでもない」ことであり、衝撃でした。
室井 集団的自衛権はほとんどの専門家が「違憲」と言ってたのに、それを覆すために、子飼いの官僚を登用したってことか。やっぱり安倍ちゃんは、加計幸太郎理事長だけでなく、自分の意のままになる子分と、お友だちばっかりを優遇しているんだな。
古賀 日本中の官僚も、ほぼ99.9%は集団的自衛権は違憲だと思っていますよ。とくに法律専門の人は東大法学部を出ているわけですけど、東大法学部の教授はみんな、「集団的自衛権は違憲です」と教えている。法制局長官も法律の専門家の中の専門家だから、頑なに「違憲です」と言ってきた。さらにその後、小松さんの体調が悪くなると、今度は横畠さんを登用したんですが、安倍さんの怖さを思い知らされていた横畠さんは、安保法制などで安倍政権の意向に沿った判断を下すようになった。
室井 安倍さんって異常。権力の私物化って言うけど、これまでの首相も私物化しようと思えばできたけど、それは国のためにならないとか、恥ずかしいことだと知っていたわけですよね。独裁は国を滅ぼすって。でも安倍さんにはそうした考えがない。しかも羞恥心もない。自分にとっての勝ち負け、敵味方だけを考えて、そのためにはなんでもやる。平気で嘘をついてね。安倍さんの体には、事実を認めたり、謝罪すると爆発する装置でも埋めこまれてるのかと思うくらい。
古賀 いや彼の発想は、勝つか負けるかなんて甘いものじゃない。自分が生きるか死ぬか。それは、相手を生かすか、殺すかという意味ですよね。自分に歯向かってくるやつは、「自分を殺そうとしている」という発想です。「こいつは放っておくと俺を殺す。それなら先に殺してしまえ」と。
室井 ゲームの「コールオブデューティ」みたい(笑)。戦国時代のお話にも聞こえる。
古賀 まさにそういう感覚だと思いますよ。だから、自分にとって危ない存在だと思ったら徹底的に潰す。

Ⅲ:『古賀茂明「加計学園問題はまだ、安倍首相の致命傷になる可能性がある」』

室井 そんな危ない人なのに、どうして周りの人がそれに乗っているのか不思議。潰されるなら、その前に潰しておけばよかったのに。
古賀 まさか安倍さんにそんなに実力があると思わなかったんでしょう。最初は「バカなぼんぼんが」とみんな甘く見ていたから。それとお金はあるんでしょうね。自民党は今、数が多いでしょう。だから、政党助成金だけでもめちゃめちゃ増えた。使えるお金が多いんです。
室井 スポンサーもいっぱいいるっていいますよね、アパホテルとか。あと加計さんも。加計さんが酒席で「1年に1億かかるんだよ、安倍と付き合うと」と言っていたとか、安倍さんのほうも「加計さんは俺のビッグスポンサーなんだよ。学校経営者では一番の資産家」だと話してた、って「週刊文春」(2017年4月27日号)とかに書いてありました。
古賀 そこに大きな鍵がある。安倍さんがなぜあれだけ加計さんをかばうのか。2017年1月20日まで獣医学部新設構想を知らなかったという説明に途中から切り替えましたよね。「すみません。私いろいろ混乱して間違えたんです」とわざわざ前置きして、それまでの答弁を修正してまで「1月20日に初めて知った」と言い換えた。それはなぜかというと、収賄の問題が出て来るからなんです。安倍さんは総理大臣であり、すべてに職権、権力があるんですが、だからと言って、何でもかんでも安倍さんが具体的に決めている訳じゃない。収賄罪は、「職務に関し、賄賂を収受」したらアウトです。加計さんから年1億円ももらっていたとしたら、それが、“職務に関して”なら収賄罪になる可能性が出て来る。裁判では、「職務に関し」というのがいつも議論になりますが、国家戦略特区は、議長が総理だから、まさに安倍さんに“具体的な権限”があるということになり、これはどうやっても言い逃れできない。もちろん、加計さんが特区に申請しているのを知らなければ、賄賂だという認識がなかったことになりますが、知っていて、その間ゴルフに行ったり会食したり、いろいろな形で年1億円とか贈与されていたとなれば、普通に考えたらアウトでしょう。収賄はそれによって不正行為があったかどうかは関係ない。職務に関連してお金をもらってしまったらアウトなんです。お金を貰った結果、もし何もしなかったとしてもダメ。これは安倍さんにとって、致命傷になり得るし、かなり危ない。
室井 そうなんだ。だから必死であんな不自然な答弁を続けたのか。しかも愛媛県の担当者の記録では、それ以前に安倍さんと加計さんが会っていて「獣医大学の考え、いいね」と言っていたというのに、加計側は面会じたいが嘘だったと謝罪までしたしね。いろんな人の多くの嘘の影に収賄が隠れていたのか。大変な犯罪。これで倒せるじゃないですか!
古賀 でも忖度マスコミはそんなこと本気で追及しないんです。
室井 “腹心の友もとい”爆心の友”の加計さんは、籠池さんと違って今のところ裏切りそうにないしね。でももし寝返られたら安倍さん、犯罪者になっちゃうんだ。それじゃあ、必死になるな。
古賀 加計さんのほうも贈賄になる可能性がありますから、仮にやってても裏切ることはないでしょうね。

Ⅳ:『古賀「アベノミクスは中身が何もない」室井「大企業を儲けさせているだけ」』

室井 安倍さんがいつも自慢してる経済については、古賀さんから見てどうなんでしょう。
古賀 安倍さんがやっているアベノミクスは中身が何もない。たとえば第1の矢は「異次元の金融緩和」で、円を大量にばらまいて金利を下げるという作戦です。これで建前上は金利が下がり、いま投資したほうがお得だと思わせて、みんなが借金して新しい工場を作ったりして、景気が良くなり雇用も増える、という建前です。だけど実際には、「日本に工場なんか作ってもダメだよな」とみんな思ってるから、それができない。でもいいことはひとつだけあって、円安になること。円の金利は低いから、みんなが「円を買うよりドルのほうがいいだろう」となり、ドルやユーロが高くなる。民主党の最後あたりは、1ドル80円の円高で大変だったのが、安倍政権で120円以上の円安になり、今は110円くらいでしょう。でも、これは、世界から見ると、日本人全体が貧乏になっているということなんですよね。だって、時給800円が、1ドル80円なら10ドルだけど、120円なら6.7ドルっていうことだから。
室井 わたしがもっている貯金が目減りする、ということですもんね。
古賀 加えて安倍政権はデフレ脱却のために物価を上げようとしている。物価が毎年上がるということにしておかないと、「来年は物価が下がる」となるとみんながいま物を買わなくなるから。「来年上がるんだぞ。早く買ったほうがいいぞ」と買うように仕向けるというね。変な発想です。結局それは、借金をしている人が得になる。お金の価値が毎年目減りするから。貯金をしている普通の庶民が、200万円貯金した場合、インフレになって毎年 2、3%目減りするということです。1億円借金している企業や、一千兆円借金しているような国は、その分借金の価値が小さくなる。知らないうちに、一般庶民が損をして企業や国が得する政策なんです。しかも円安で、輸出企業は何もしなくても利益が何倍にもなる。毎年トヨタみたいな輸出大企業が「史上最高益更新」とか言っているでしょう。それにはこうしたカラクリがある。
室井 だから大企業の社長たちの安倍政権支持率は70%以上なのか。
古賀 法人税下げてくれましたしね(笑)。
室井 でも怖くないですか。安倍政権って普通の人を窮地に陥れて、大企業や富裕層を大儲けさせているんだから。なのに、モリカケ問題もあったのに、支持率は思っていたほど下がらない。国民は本当に騙されてる。
古賀 絶対的右翼というか、タカ派路線をすごく支持している、何がなんでも安倍支持という人が支持者のなかで4分の1くらい。あとは、雰囲気で「安倍さんになって景気がよくなった」という支持層も多い。今年大学を卒業した人の98%が就職したというニュースとかを見て支持する人もいるでしょう。一方で、「アベ大嫌い」という人がいる。安保法制や原発でダメという人は、何があっても変わらないわけです。一方で、「安倍さんのタカ派なところが好きです」という人も変わらない。だから中間層が安倍政権をどのくらい支持するかどうかで、現在の政権の将来が決まると思います。

Ⅴ:『室井佑月が古賀茂明に「応援しますから、選挙に出て!」』

室井 でも、その中間層がいまも支持してるわけでしょう。あんな嘘つきなのに。
古賀 嘘をついても景気が良くなったほうがいい、という人がたくさんいるんです。
室井 景気が良くなっても時給があがっても私は嫌い。っていうか、原稿料とか全然あがってないし。
古賀 僕はアベさん別に嫌いじゃないですよ(笑)。そもそも、僕は嫌いな人自体、あまりいないです。安倍さんはあまり好きじゃないけど、安倍さんが「古賀さん仲良くしましょう」と言ったら、「じゃあ土下座してくれ」とちゃんと言えるよ。土下座したらハグします(笑)。
室井 土下座するような男じゃないわけでしょう。殺されるよ!
古賀 まあ、それは冗談ですけど。確かに室井さんが先ほど言ったように、安倍さんは謝れないから困るんです。日本の外交はこれから本当に大変です。中国にも韓国にも北朝鮮にも謝れない。もし北朝鮮問題が解決して、中国と韓国、北朝鮮が一緒になって「安倍さん、太平洋戦争って間違いでしたよね」と責められたら、安倍さんは思考停止して固まってしまうと思うんです。それで官僚が一生懸命根回しして、「その話言わないでくれたら一兆円出します」とかやる。もし僕が総理だったらいちばん最初に韓国や北朝鮮や中国に、「本当にすみませんでした! あの安倍って人はちょっとおかしくて、あれ違います! 日本国民は戦争なんか大嫌いです。朝鮮を植民地にしたり、太平洋戦争で本当にひどいことをしたし、自分たちもひどい目にもあったから。だから憲法9条があるんです。信じてください! 土下座? いくらでもしますよ」とか言って仲良くしましょうとやりますけどね。
室井 そういう人のほうが本当に強いリーダーだと思います。古賀さん応援しますから、選挙に出て! 選挙のたびに名前が上がっているでしょ。都知事選のときも、今度の新潟知事選も。
古賀 いやいや(苦笑)。それは勘弁してください。僕のスローガンは、「改革はするけど戦争はしない」なんです。なぜそれを言う人がいないんですかね。「改革する」というと、みんな「嫌だ」となる。「改革したら僕たちは取り残されちゃう」と。実は、安倍さんさえ倒れればいいと思っている人がいるけど、その後にまた石破さんになっても意味がない。安倍さんよりタカ派ですからね。ですから安倍さんが代わってもらったあとの政策が大事ですよ。そのとき、戦争をしないことと並んで大事なのが改革です。なかでも僕がいちばん主張しているのが、とにかく既得権をぶち壊すこと。でも、たぶん日本は本当にこのまま終わりますから。どんどん世界から取り残されていきます。
室井 もう既存の野党の人じゃダメだと思うんです。もっと違う分野、古賀さんだけじゃなく芸能人なら渡辺謙、坂本龍一、吉永小百合さんとかを口説く。あっ、護憲で言えば天皇陛下ですよ。来年引退するから選挙に出てもらう!
古賀 いやいや、それは無理でしょう(苦笑)。
〈了〉 

反安倍政権の意思表示に無力感が漂う現在日本で、確かな放送報道の持続する意志

2018-06-24 23:18:30 | 政治・文化・社会評論
反安倍政権の意思表示に無力感が漂う現在日本で、確かな放送報道の持続する意志
~JNN「報道特集」2018・6・24~
                    櫻井 智志


Ⅰ 「慰霊の日」と歴史の正統な継承者翁長雄志氏
  沖縄の子どもたちの県民の前での行事での発言は、感動を聴くものに感じさせる。このような意思表示ができる沖縄県の若者の存在を日本国民はもっとかみしめたい。沖縄県民は現実を子どもと共有して未来を開拓してきた。
 政治とは、選挙で勝利すること、ではない。現在の国民の暮らしと基本的人権を保障する営みだ。選挙で国中が浮足立っている。選挙とは一定の期間の政治の責任者を選ぶ行政の出発点だ。翁長雄志知事はがんと闘病しつつ、知事とはなにかを私たちに鮮やかに明示している。翁長氏にまなぶ。


Ⅱ  頻発する大規模地震に学ばない某国家
大阪北部地震。被災者の皆さんにお見舞い申し上げる。阪神大震災、熊本大分大震災、東日本大震災。疑問を思う。政府にとり「大地震」とは永田町界隈の東京23区だけが真剣になる対象なのだ。福島への政府対応に憤りを覚える。生かされなかった教訓は、教訓に耳をかさなかった慣例、だ。
「活断層が集中する大阪」。続々と日本列島に新たな危険ゾーンの「発見」。地震列島の活断層とすれすれに原発が立地し、鵜の目鷹の目で原発再稼働がなされようとしている。「生かされなかった教訓」の末に廃都を幻視する。第二東京大震災の備えは「まともに」行政に用意されているか?!



Ⅲ  自然・物質代謝の人為的異変
アレルギー反応の研究は、コペルニクス転回をとげているのだ。ただ懸念に思うのは、これほどアレルギー反応症状が急激に拡大しているのは、自然としての人体が拒否するほど食物に化学物質が増加していることだ。この矛盾には納得ゆかない。庶民の食事に危険な物質な増加している危険だ。


Ⅳ スポーツの階級性
サッカーの世界大会。一種目でこれだけ夢中になる、私も。2020年に危機感をもつ。戦前のベルリンオリンピックなみの国粋主義と排外主義が意図的に煽られると、日本国民が「或る」熱狂状態に陥ることは予想しうる。日本国民の戦後の民度が試される。スポーツと政治は分離すべき物だ。

【平和の詩 全文】◆だから、きっとわかるはずなんだ。戦争の無意味さを。命よ響け。生きゆく未来に

2018-06-24 07:40:00 | 転載
2018年6月23日 東京新聞夕刊抜粋転載 写真NHKweb
◆だから、きっとわかるはずなんだ。戦争の無意味さを。命よ響け。生きゆく未来に。

【平和の詩 全文】
 23日の沖縄全戦没者追悼式で、沖縄県浦添市立港川中3年の相良倫子(さがらりんこ)さん(14)朗読の「平和の詩」全文は次の通り。(原文のまま)

生きる
私は、生きている。
マントルの熱を伝える大地を踏みしめ、
心地よい湿気を孕(はら)んだ風を全身に受け、
草の匂いを鼻孔に感じ、
遠くから聞こえてくる潮騒に耳を傾けて。
私は今、生きている。
私の生きるこの島は、
何と美しい島だろう。
青く輝く海、
岩に打ち寄せしぶきを上げて光る波、
山羊の嘶(いなな)き、
小川のせせらぎ、
畑に続く小道、
萌え出づる山の緑、
優しい三線(さんしん)の響き、
照りつける太陽の光。
私はなんと美しい島に、
生まれ育ったのだろう。
ありったけの私の感覚器で、感受性で、
島を感じる。心がじわりと熱くなる。
私はこの瞬間を、生きている。
この瞬間の素晴らしさが
この瞬間の愛おしさが
今と言う安らぎとなり
私の中に広がりゆく。
たまらなく込み上げるこの気持ちを
どう表現しよう。
大切な今よ
かけがえのない今よ
私の生きる、この今よ。
七十三年前、
私の愛する島が、死の島と化したあの日。
小鳥のさえずりは、恐怖の悲鳴と変わった。
優しく響く三線は、爆撃の轟(とどろき)に消えた。
青く広がる大空は、鉄の雨に見えなくなった。
草の匂いは死臭で濁り、
光り輝いていた海の水面(みなも)は、
戦艦で埋め尽くされた。
火炎放射器から吹き出す炎、幼子の泣き声、
燃えつくされた民家、火薬の匂い。
着弾に揺れる大地。血に染まった海。
魑魅魍魎(ちみもうりょう)の如く、姿を変えた人々。
阿鼻叫喚(あびきょうかん)の壮絶な戦の記憶。
みんな、生きていたのだ。
私と何も変わらない、
懸命に生きる命だったのだ。
彼らの人生を、それぞれの未来を。
疑うことなく、思い描いていたんだ。
家族がいて、仲間がいて、恋人がいた。
仕事があった。生きがいがあった。
日々の小さな幸せを喜んだ。手をとり合って生きてきた、私と同じ、人間だった。
それなのに。
壊されて、奪われた。
生きた時代が違う。ただ、それだけで。
無辜(むこ)の命を。あたり前に生きていた、あの日々を。
摩文仁(まぶに)の丘。眼下に広がる穏やかな海。
悲しくて、忘れることのできない、この島の全て。
私は手を強く握り、誓う。
奪われた命に想いを馳せて、
心から、誓う。
私が生きている限り、
こんなにもたくさんの命を犠牲にした戦争を、絶対に許さないことを。
もう二度と過去を未来にしないこと。
全ての人間が、国境を越え、人種を越え、
宗教を越え、あらゆる利害を越えて、平和である世界を目指すこと。
生きる事、命を大切にできることを、
誰からも侵されない世界を創ること。
平和を創造する努力を、厭(いと)わないことを。
あなたも、感じるだろう。
この島の美しさを。
あなたも、知っているだろう。
この島の悲しみを。
そして、あなたも、
私と同じこの瞬間(とき)を
一緒に生きているのだ。
今を一緒に、生きているのだ。
だから、きっとわかるはずなんだ。
戦争の無意味さを。本当の平和を。
頭じゃなくて、その心で。
戦力という愚かな力を持つことで、
得られる平和など、本当は無いことを。
平和とは、あたり前に生きること。
その命を精一杯輝かせて生きることだということを。
私は、今を生きている。
みんなと一緒に。
そして、これからも生きていく。
一日一日を大切に。
平和を想って。平和を祈って。
なぜなら、未来は、
この瞬間の延長線上にあるからだ。
つまり、未来は、今なんだ。
大好きな、私の島。
誇り高き、みんなの島。
そして、この島に生きる、すべての命。
私と共に今を生きる、私の友。私の家族。
これからも、共に生きてゆこう。
この青に囲まれた美しい故郷から。
真の平和を発進しよう。
一人一人が立ち上がって、
みんなで未来を歩んでいこう。
摩文仁の丘の風に吹かれ、
私の命が鳴っている。
過去と現在、未来の共鳴。
鎮魂歌よ届け。悲しみの過去に。
命よ響け。生きゆく未来に。
私は今を、生きていく。



転載【W杯の裏でとんでもない文書が発覚! 森友文書改ざんで官邸が検察へ圧力、谷査恵の介入を裏付ける記述も】

2018-06-20 20:43:17 | 転載
『リテラ』2018.06.20

写真:首相官邸HPより
 サッカーW杯や「紀州のドンファン」の話題がワイドショーを独占し、すっかり影が薄くなった森友・加計問題。安倍政権の「逃げ切り作戦」がまんまとはまっている感があるが、しかし、これはテレビが取り上げないだけだ。モリカケをめぐってはいまもとんでもない事実が次々と発覚している
 18日におこなわれた参院決算委員会でも、新たな“爆弾文書”が飛び出した。なんと、その文書には、官邸と財務省、検察が完全にグルになって、森友疑惑を封じ込めていたことが示されていたのである。
 この文書を公表したのは、共産党の辰巳孝太郎議員。辰巳議員は今回、独自に入手したという2種類の文書を安倍首相と麻生太郎財務相、石井啓一国交相に叩きつけた。
 そのうちのひとつは、財務省が森友学園側との交渉記録(応接録)と改ざん前決裁文書を今年の5月23日に国会提出することを決めたのと同時期に作成したメモ。文書の上部右端には、手書きで「5/21 つるた参事官」と書かれており、これは国交省の鶴田浩久大臣官房参事官のことだろう。鶴田氏が参事官になったのは昨年7月の人事異動時。つまり、今年5月という、つい最近に作成されたと思われる。
 そして、このメモはじつに生々しいものだ。内容は、財務省と国交省が交渉記録の公開にあたり、近畿財務局と大阪航空局のやりとりを公開するのかどうかを〈国交省として、出すのが得策かどうか検討してほしい〉などと投げかけているのだが、そのなかで、こんな言葉が出てくるのだ。
〈役所間のやり取りの公表に先鞭をつけてよいものか、悩ましい。近畿財務局と理財局のやり取りについては、最高裁まで争う覚悟で非公表とするのだろうが、近畿財務局と大阪航空局のやり取りについては、森友問題に限って考えればメリットもあり得る。色々とひどいことを言われたことが明らかになるし、「大阪航空局に言っておく」とした部分の帰結も分かってすっきりする。〉
 近畿財務局と理財局のやりとりは「最高裁まで争う覚悟」で非公表とする──。近畿財務局と理財局がやりとりした際の文書は存在するが、是が非でも公表しない、と言っているのだ。ようするに、この期に及んで財務省は、いまだ文書を“隠蔽”しているのである。
 他方、5月に財務省が公開した近畿財務局の交渉記録のなかには、籠池諄子氏が近畿財務局の担当者にコースターを投げつけたことや暴言を吐いたということが書かれた箇所があり、これはメディアにも大きく取り上げられた。交渉記録の公開によって、籠池夫妻を“トンデモクレーマー”として注目させることに成功したのだ。
 都合の悪い文書は隠蔽して、メリットにつながる文書は公開する──。ということは、「最高裁まで争う覚悟」で出さないという近畿財務局と大阪航空局のやりとりは、政権に打撃を与える相当な内容が書かれているのだとわかるだろう。
 いや、この文書だけではない。近畿財務局と大阪航空局のやりとりを記した文書が存在することも今回のメモで判明したし、さらに言えば、籠池泰典理事長(当時)が近畿財務局に、昭恵夫人の「いい土地ですから、前に進めてください」発言を伝え、昭恵夫人と籠池夫妻のスリーショット写真を提示した2014年4月28日のものなど、重要な時期の交渉記録はいまだ公開されていない。近畿財務局の職員は4月28日の交渉記録を「作った記憶がある」と話す一方、麻生財務相は「いまの段階では見つかっていない」と主張するばかりだが、これも結局は、「存在するのに隠している」としか考えられないのだ。

《「官邸も早くということで、法務省に何度も巻きを入れている」の記述が》

 これだけでも超弩級のスクープ文書だが、このメモが「爆弾文書」たる理由は、ほかの部分にある。冒頭にも記したように、官邸と財務省、検察がグルであることが示されている箇所が出てくるのだ。
〈5/23の後、調査報告書をいつ出すかは、刑事処分がいつになるかに依存している。官邸も早くということで、法務省に何度も巻きを入れているが、刑事処分が5/25夜という話はなくなりそうで、翌週と思われる。〉
 刑事処分の発表後に調査報告書を出す──。事実、大阪地検特捜部が佐川宣寿前理財局長をはじめ告発されていた財務省幹部および近畿財務局職員計38人の不起訴処分を公表したのは、5月31日のこと。財務省が調査報告書を公表したのは5日後の6月4日だ。そもそも、大阪地検特捜部は当初から立件は見送る算段で、決裁文書の改ざん発覚の1カ月後である4月の時点で全員不起訴が決定していたことは既報(http://lite-ra.com/2018/06/post-4044.html)の通りだが、財務省はこの結果を当然把握しており、その上でいつ調査報告書を出すかを決めていたのだ。つまり、完全な出来レースの調査報告だったのである。
 しかも、注目すべきは、〈官邸も早くということで、法務省に何度も巻きを入れている〉という部分だ。これは、大阪地検の不起訴処分という捜査結果を早く公表するよう官邸が法務省に対して圧力をかけていた、ということ。ようするに、政治的独立性を保持すべき検察の捜査結果に法務省を通じて介入していたことを、この文書は裏付けているのである。
 官邸から法務省へ、法務省から大阪地検へと加えられた圧力。無論、官邸が介入したのは、捜査結果の公表だけではない。不起訴処分という決定自体も、官邸の介入によっておこなわれたものと考えるべきだろう。
 本サイトでは、不起訴処分が公表された際に、大阪地検特捜部の捜査を潰した首謀者は“法務省の官邸代理人”こと黒川弘務・法務省事務次官だと指摘。森友問題が勃発したあとには「黒川次官と菅義偉官房長官の間で、法務省の悲願だった共謀罪の成立とバーターで、安倍首相、昭恵夫人の疑惑に蓋をして、籠池理事長の口封じ逮捕をおこなうという密約が交わされた」という噂が駆け巡ったことや、「森友捜査をコントロールしようと大阪地検にプレッシャーをかけるべく、毎日のように本省が地検幹部に連絡を入れていた」という地検担当記者の証言などを紹介した。
 そして、この官邸─黒川法務事務次官というラインが大阪地検特捜部の捜査に介入していたことは、今回の文書で確かなものになった。不当な土地取引のみならず、決裁文書の改ざんという国家的大犯罪が罪にも問われず、見逃されるという民主主義国家にあるまじき結果は、やはり安倍官邸が引き出していた──。これこそがまさに「独裁」の実態ではないか。

《昭恵夫人付き職員の谷査恵子氏が森友土地の「賃料引き下げ」を要求の記述も》

 さらに、辰巳議員はこの文書とは別に、財務省と国交省が隠蔽しつづけている記録のひとつとして、2015年11月12日に総理夫人付き職員の谷査恵子氏が財務省に口利き電話を入れた当日、近畿財務局が大阪航空局に電話で報告していた内容が記された文書も公表。ここには〈近畿財務局からの情報提供〉として、〈11/11に安倍総理夫人付きのタニ(女性)氏から、森友学園に係る以下の問い合わせが財務本省にあり〉と書かれており、さらには、谷氏が「新聞報道であった介護施設に対する賃料引き下げの優遇措置を小学校にも適用出来ないのか」「貸付料の減免、土壌汚染対策工事中の免除等はできないのか」と迫ったことが記されていた。安倍首相はこれまで谷氏の口利きを「値下げをしてくれ、優遇してくれということではなくて、制度に関する問い合せ」として問題ないと答弁してきたが、谷氏ははっきりと「賃料引き下げ」「貸付料の減免」を要求していたのである。
 しかも、この文書には、〈安倍総理夫人付きのタニ氏は、経済産業省からの出向者のようである。〉〈安倍総理夫人は、森友学園が開校を計画している「瑞穂の國記念小學院」の名誉校長に就任しています。〉とも記されている。いかに森友が「総理夫人案件」であることを強く意識していたか、ここでもよくわかるというものだろう。
 こうした財務省が隠し通そうとする文書を突きつけられ、安倍首相は「事前通告にない質問だから答えようがない」と逃げ、「真偽のほどもわからない」「真実かどうかもわからない」「まったく架空の状況」などと、あたかもでっち上げの可能性があるかのように強調した。──こうした態度も含め、メディアはしっかり報じる必要があるだろう。
 何度でも言うが、森友も加計も、民主主義の根幹を揺るがすこの国にとって重大な問題だ。そこから関心を失わせようと安倍首相や麻生財務相は嘘ばかりを吐き、為政者の嘘を国民に慣らしつつあるが、そのおかしさに異を唱えず、報じないならば、メディアも同罪だ。
(『リテラ』編集部)

リテラ転載 【大阪地震で差別デマ! 三浦瑠麗の影響か「スリーパーセルの仕業」なるデマまで…関東大震災の過ちを繰り返すな

2018-06-18 22:30:15 | 転載
リテラ転載
【大阪地震で差別デマ! 三浦瑠麗の影響か「スリーパーセルの仕業」なるデマまで…関東大震災の過ちを繰り返すな】
2018.06.18

 本日午前7時58分ごろ、大阪府北部で最大震度6弱を記録する地震が発生した。気象庁は、揺れの強かった地域では地震発生から1週間程度、最大震度6弱程度の地震のおそれがあるとして警戒を呼びかけている。
 建築物等の倒壊被害や交通機関の麻痺による混乱が報じられているが、そんななか、もうひとつ注意をしてもらいたいのがネットのデマだ。
 なかでも看過できないのが差別デマである。2016年4月の熊本地震では、発生直後から〈熊本の井戸に朝鮮人が毒を入れて回っているそうです!〉などという悪質なデマツイートが出回った。今回もすでにTwitter等のSNSでは、地震に乗じて差別を扇動する以下のようなヘイトデマが散見される。
〈在日4世の女学生が混乱に乗じて道行く爬虫類系の男性を睡眠薬入りアイスティーで昏睡させてさらってるらしいです!〉
〈大きい地震とか災害おこると在日が嬉々として犯罪に走るから気を付けなよ〉
〈外国人って地震に慣れていないから、真っ先にコンビニ強盗を始めるか、空港に殺到するようです〉
〈在日・中華人種の”窃盗・搾取・強盗”にはくれぐれもご用心をッ!!!〉
〈今後の在日朝鮮人・共産主義者による暴動、略奪、暴行に注意しよう〉
 念のため繰り返すが、これらのツイートは明確なデマであり、極めて悪質な偽情報である。
 さらには〈みんな気をつけろよ スリーパーセルが動き出す〉〈新幹線の次は地震。スリーパーセルの仕業だな〉といったようなツイートも見あたる。少なくとも熊本地震の際には「スリーパーセル」なる言葉はTwitter上で確認できなかったが、これは、今年2月の『ワイドナショー』(フジテレビ)での三浦瑠麗氏のデマ発言が影響したものと考えるのが自然だろう。
 番組中、三浦氏は米朝開戦について語るなかで、「実際に戦争がはじまったら、テロリストが、仮に金正恩さんが殺されても、スリーパー・セルと言われて、もう指導者が死んだってわかったら、もう一切外部との連絡を絶って都市で動きはじめる、スリーパー・セルっていうのが活動をはじめるって言われてるんです」「それがソウルでも東京でも、もちろん大阪でも。いま結構大阪ヤバイって言われていて」などとなんの根拠もないデマを語った。番組もデマであると指摘することなく、スリーパー・セルの解説として「一般市民を装って潜伏している工作員やテロリスト」とのテロップを流していた。
 当時本サイトでも詳しく解説した(http://lite-ra.com/2018/02/post-3799.html)が、この三浦氏の“スリーパー・セルでとくに大阪がやばい”発言はなんの根拠もない浅薄なデマであり、しかも「北朝鮮のスリーパー・セル=在日朝鮮人」と想起させ、差別を助長するものだと放送直後から大きく批判された。今回の大阪を中心とした大規模地震で「スリーパー・セル」なる言葉が新たなデマとして出てきたのは、やはり無関係ではないだろう。


差別デマが招いた関東大震災時の朝鮮人虐殺 政府はただちに差別デマを否定しろ!

 いずれにしても、こうした差別デマが悪質なのは、ただ被災地を混乱させるだけでなく、ヘイトクライムを招く危険性があるからだ。
 1923年9月の関東大震災では、発生直後の数日間で、「朝鮮人が暴動を起こした」「井戸に毒をいれた」「放火している」等のデマが広がり、日本人らによる大規模な朝鮮人のジェノサイドが行われた。いわゆる「朝鮮人虐殺」である。
 明らかに荒唐無稽な話であっても、非常事態の心理においては信じてしまいやすくなる。中学2年時に関東大震災を体験した映画監督の黒澤明は、のちに被災後の状況を振り返って〈恐怖すべきは、恐怖にかられた人間の、常軌を逸した行動である〉と記している。
〈下町の火事の火が消え、どの家にも手持ちの蠟燭がなくなり、夜が文字通りの闇の世界になると、その闇に脅えた人達は、恐ろしいデマゴーグの俘虜になり、まさに暗闇の鉄砲、向こう見ずな行動に出る。
 経験の無い人には、人間にとって真の闇というものが、どれほど恐ろしいか、想像もつくまいが、その恐怖は人間の正気を奪う。
 どっちを見ても何も見えない頼りなさは、人間を心の底からうろたえさせるのだ。
 文字通り、疑心暗鬼を生ずる状態にさせるのだ。
 関東大震災の時に起った、朝鮮人虐殺事件は、この闇に脅えた人間を巧みに利用したデマゴーグの仕業である。〉(自伝『蝦蟇の油』岩波書店)
 デマは非常時の心理のなかで増幅する。とくにインターネットが発達した現代では、デマはSNSを通じ、ひと昔前では考えられなかったほど早く、広範囲に拡散される。言わずもがな、公的機関やマスコミは、冷静にデマの流布への警戒を呼びかけなければならない。
 Twitterでは、大阪府の広報担当アカウント「もずやん」が15時40分ごろ、〈SNSでは実際に起こっていない事故など、事実と異なる情報が発信・拡散されています。情報の発信元にはご注意いただき信頼できる情報かどうか、十分に確認をしてください。また、未確認の情報をむやみに拡散しないでください〉とツイートで呼びかけた。
 一方で、公的機関や公人は、こと差別デマに関してはほとんどメッセージを発していない。
 たとえば、前述の〈みんな気をつけろ スリーパーセルが動き出す〉なるデマは、あるユーザーが10時ごろに自民党の杉田水脈衆院議員へ向けたツイート(メンション)だったが、杉田議員は16時現在、こうした差別デマについて一切の注意喚起をしていない。
 国や大阪府、大阪市をはじめとする各自治体は、デマ一般だけでなく、差別デマについてもただちに否定し、偽情報であることを周知させるべきだ。政府や公的組織、公人がこうした差別デマを明確に否定することなく放置していることが、差別の蔓延を助長していることをいい加減自覚してほしい。そして、私たちは、こうした差別デマに絶対に踊らされてはならないのはもちろん、偽情報を指摘するときも「明確なデマ」であることがわかるようなかたちで拡散するよう、配慮が必要だろう。
(編集部)

このくにの未来は知らねど このくにの歴史からまなぶ ~JNN報道特集2018.6.16~

2018-06-16 19:07:10 | 政治・文化・社会評論
このくにの未来は知らねど このくにの歴史からまなぶ 
~JNN報道特集2018.6.16~
                 櫻井 智志


サッカーワールドカップが始まった。突然の監督解任、そしてコーチ陣すべて日本人。2020年のオリンピック東京開催に伴い、スポーツが国内社会に与える影響を懸念していた。直接関わりがあるかないかは実際は不明である。なにか腑に落ちない動きは、試合にどのような影響を及ぼし、どのような結果となるのだろうか。



玄海原発の再稼働が認可された。近い未来に80%程度の高い確率で発生が予想される 南海トラフ大地震。かなり広い地域に影響がある。該当する九州の原発は強い被害を受ける危険性がある。福島第二原発がやっと廃止と決まった。被害者は「遅すぎる」とつぶやいた。安倍政権の後手後手の対応は、あまりに酷すぎる。


Ⅲ 米朝会談
 トランプはあまりに奇矯な発言が多すぎる。米朝会談も、トランプよりも韓国の文大統領の貢献のほうがはるかに大きいアメリカの歴史は開拓と侵略の蓄積だ。朝鮮半島の歴史は外からの侵略と異なる王朝の争いだ。朝鮮半島がアメリカや日本のような広い侵略は行ってはいない。他国の旅客機爆撃以外は。東アジアの平和に、日本の卓越した指導性が求められているが、安倍政権はどうだろうか?
 元拉致被害者のひとりである蓮池薫さんの発言は、北朝鮮の問題を指摘するとともに、日本政府の政策も忌憚なく意見を社会的に表明し、信頼できる。北朝鮮が電力不足であるという発言も参考になる。
300万人の犠牲者がでた朝鮮戦争。戦争終結が、大事な解決を急がれる課題と考える。戦争が中国を後ろ盾として北側から開始された史実は、米中、南北どちらが正しいではなく、戦争そのものを終わらせ、損なわれた人権と被害への贖いが大事だ。番組中の日本人義勇兵、事実を見つめたい。
  中国、ソ連、アメリカ。世界大戦後の冷戦、国際情勢の過酷な歴史がうんだ悲劇。現代の私たちが勇気をもって「ノー!」といえる国内の人権と反民主主義に意思表示を持続することが極めて大事なことを番組を見ながら感じた。

高橋敏夫の講演「時代小説と戦争」の射程~第19回平和のためのコンサート

2018-06-15 21:23:25 | 政治・文化・社会評論
高橋敏夫の講演「時代小説と戦争」の射程~第19回平和のためのコンサート~
2018.6.15
                                     櫻井 智志


 牛込箪笥区民ホールのステージ。19回目のゲストは、パワーポストを駆使してわかりやすく藤沢周平文学の「市井もの」の意味を展開された。山本周五郎の「柳橋物語」と藤沢周平の「橋ものがたり」を子弟としても説き明かした。
ただ残念ながら、壇上のスクリーンを読み続け、平易に講演し続けるのを聞いていて、例年のようなメモを開始まもなく取りやめたことが、後からふりかえる上で私の致命的な失敗となっていることに気づいた。
 ただ、高橋敏夫氏が、司馬遼太郎と藤沢周平とを対比しながら、戦争と「時代小説」との構図を聴衆に示されたことは、強く印象に残った。会場で高橋敏夫氏の最新刊『松本清張「隠蔽と暴露」の作家』(集英社新書2018年)を入場の際に購入。コンサート開演まで読み続けていた。この新刊については、この拙稿の後半Ⅲにて触れる。


 第二部のコンサートは~平和への祈り~と銘打つ三部構成。最初の「おこりじぞう」は、山口勇子原作の児童文学である。教科書にも広く採択されて長く子どもたちの胸に響いてきた。金野実加枝さんの語りは、耳を通して聴くもののこころに伝わってきた。伴奏した児玉さや佳さんのピアノは、語り手のことばをよりメロデイとしてハーモニ-としてことばを多彩に膨らませて効果的だった。
 二番目のヴァイオリンの信田恭子さんの独奏は、末廣和史さんのピアノの伴奏を得て、クライスラーの作品を見事な技術と訴えかける演奏によって、名手としての品格を感じさせた。
 最後のアンサンブル・ローゼの重唱は、末廣さん・信田さんの楽器によって重厚な存在感を見せた。芝田貞子さんたち7人の歌手が、5曲「マリアの子守歌」「カッチーニ作曲アヴェ・マリア」「グノー作曲アヴェ・マリア」「花のまわりで」「花は咲く」を歌のこころをこめて歌唱された。ソプラノの池田孝子さん、斎藤みどりさん、高橋順子さん、渡辺裕子さん。メゾ・ソプラノの芝田貞子さん、高崎邦子さん、山田恵子さん。7人のハーモニーの重唱。ことしは例年にも増して、コンサートテーマの「平和への祈り」がしみじみと伝わってくるうたごえだった。


 高橋敏夫著『松本清張「隠蔽と暴露」の作家』を読む
(視点:コンサートとの関連性において)
 8つの章と「はじめに 松本清張がよみがえる」「おわりに 松本清張とともに」によって構成されている。私は読みながら、この本は何だったっけ?と思いタイトルを見返すことがあった。それは、本書が単なる文芸評論にとどまってはいないからだ。各章ごとにぴったり3冊の作品が配置され、それぞれの書評は丹念な作品世界を読解している。書評は単発にとどまらず、社会的乃至は政治的な大局の課題とかかわり、見事な構造化を形成している。「戦争」「明るい戦後」「政界、官界、経済界」「普通の日常、勝者の歴史」「暗い恋愛」「オキュパイドジャパン」「神々」「原水爆、原子力発電所」。これらのテーマは松本清張作品に則して、すべて叙述されている。
 さらに、著者が創造的に探究された松本清張の「隠蔽と暴露」という小説方法がしだいに章を追うごとに見事に壮大な姿を読者の前に現れてくるのだ。
 コンサートの第一部講演は「時代小説と戦争」がテーマだった。高橋氏は最新刊で、巨大な現代作家と向き合い、「現代および現代小説と戦争」を解き明かしている。第6章「オキュパイドジャパン」も、戦後占領や米軍占領が終わったはずの現代日本が占領されている現実を読み直す勧めとして、あえて外国語で概念の活性化を図っている。
 第19回「平和のためのコンサート」は、文学から入り現代日本の平和を研究し平和構築の営みに極めて有益な文学者を,私たちに邂逅させてくれた。
 


真実にねざした『報道特集(2018.6.9)』

2018-06-09 20:18:24 | 政治・文化・社会評論
真実にねざした『報道特集(2018.6.9)』

                 櫻井 智志



 新潟県知事選の様子は、沖縄での市長選挙を類推させる。自公の首脳は見事だ。当確まで、「県民党」の名のもと政党色を薄めている。それが当選後も県知事独立として保証するだろうか?福島県の佐藤栄佐久元知事の例がある。永田町の意に反すれば、即時交代となる。「地方自治」の論理は?

 新潟県民は、うわべの言葉だけではごまかされない。国政選挙でも前回知事選でも、野党が市民運動と連帯して越後県民の上杉謙信以来の独立心を堅持してきた。花角候補も自身は常識ある人物だ。候補を動かす勢力が候補を生かすか。枠組みがマリオネット操作のようでは地方自治が腐る。

 実は私は小泉親子への警戒心が強く、総理時のイラク派遣以来疑問がある。ただ池田ちかこ候補は脱原発自然エネルギーを提唱する元小泉総理とも提携し、野党も広範な政党と公平・共闘を堅持する。参謀格の女性は政党人ではない。自由党森まさこ議員も前回参謀だが見事な応援だ。共闘選挙。‏



 シリア大統領支持のロシア、反体制派に表に出せない兵器供与の米国。冷戦後アメリカとロシアの軍事競争は変わらない。超大国のエゴで、シリアも中東全体もどれだけ子どもたちが命を奪われ人体損傷し、家族を失ってきたことか。安倍総理は日本国家をとんでもない立ち位置に立たせている。

 国際紛争の基盤は、大規模な利益をむさぼる軍需産業の底なしの利益増大。そのことがきょうの「報道特集」で赤裸々に伝わってきた。戦争は紀元前からある。だが核兵器や生物化学兵器は、人類が抑制できず自己増殖化している。その最大の被害者は子どもたちや社会的弱者だ。絶望的な現実。





 これまで「報道特集」は、国の内外を問わず、本格的な現場を丹念に取材し、ジャーナリズムの王道を歩いてきた。立場や結論を性急に急がず、日本が直面する課題に根本から取り組んでいる。その姿勢そのものに、学びたいと毎回痛感している。


Ⅳ‏
  日本史上、今上天皇ご夫妻のような人間的で国民の幸福を大切にしてきた存在は稀有と考える。皇太子ご家族にも良さを継承している。明治以後、激動の中で戦後民主主義を経験を通して会得されている。「天皇制」の枠よりも大きな歴史観を感ずる。宮内庁や政府はどうだろう?