【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

「神奈川18区市民の会」が野党統一候補実現へ【転載・編集/拡散歓迎】

2020-09-26 10:23:16 | 転載と私見
構成
Ⅰ:衆院選神奈川18区  櫻井智志
Ⅱ:【転載】この市民の声で新しい政治の日本を【「神奈川18区市民の会」が野党統一候補実現へ】

写真:「神奈川18区市民の会」公式サイトから転載







Ⅰ:衆院選神奈川18区  


 菅首相のもと、国民世論が潮目を変えつつあり、菅新首相への支持率は上昇。自民党への支持率も低くはない。そんな中で、政府自民党は解散総選挙をちらつかせながら、国政の主導権を握り一気に国政を急激に反動化させようとしつつある。
 自民党は汚職にまみれて安倍前政権の数々の疑惑と説明不全のまま、「あったこともなかったことにしてしまう選挙」を画策している。それも「野党がだらしないから」というワンパターンの「報道解説」が大手マスコミから流されてきたし、流されてもいる。


 だが、今月上旬、野党のみならず広範な市民層の中から、野党統一候補実現の具体的な動きが視られる。関係者のかたから得た情報に心強さを覚えて、全国に総選挙小選挙区で野党統一候補を実際に即刻選考協議のテーブルを用意し候補実現の営みを開始することを呼びかけたい。

9月4日、神奈川県川崎市高津区溝の口の溝口・テクノ川崎ホールの「市民と野党の集い@18区」が開催された。会場参加者64名、ZOOM(リモート)参加者32名。次の総選挙で神奈川18区における市民と野党の共同候補実現をめざすスタート集会となった。






❹前回総選挙神奈川18区

第48回衆議院議員総選挙 神奈川県第18区
解散日:2017年(平成29年)9月28日 投票日:2017年(平成29年)10月22日
当日有権者数:438,374人 最終投票率:51.29%(前回比:-2.05ポイント)
当落 候補者名 年齢 所属党派 新旧 得票数 得票率 惜敗率 推薦・支持 重複

当 山際大志郎
49 自由民主党
前 111,285票 51.1% ―― 公明党

三村和也
42 希望の党
元 66,057票 30.4% 59.4% ○
若林靖久 32 日本共産党
新 40,252票 18.5% 36.2% ○

❺ 神奈川5区とは
• 川崎市
o 高津区
o 宮前区(向丘出張所管内の神木本町1-5丁目を除く)
 向ケ丘、けやき平、神木1・2丁目、馬絹、馬絹1-3丁目、小台1・2丁目、土橋1-7丁目、有馬1-9丁目、東有馬1-5丁目、野川、宮崎、宮崎1-6丁目、宮前平1-3丁目、鷺沼1-4丁目、梶ケ谷、菅生ケ丘、水沢1-3丁目、潮見台、初山1・2丁目、菅生1-6丁目、犬蔵1-3丁目、平1-6丁目、五所塚1・2丁目、南平台、白幡台1・2丁目
o 中原区
 宮内1-4丁目、新城、上新城1・2丁目、新城1-5丁目、新城中町、下新城1-3丁目、上小田中1-7丁目、下小田中1-6丁目、井田三舞町、井田杉山町
2017年の小選挙区変更により、宮前区神木本町一丁目〜五丁目が9区へ移管され、10区から中原区井田三舞町・井田杉山町が編入された。
有権者数 446,071人
1.9 倍(一票の格差・鳥取1区との比較)
(総務省・2019年9月登録日)

当日有権者数:438,374人 最終投票率:51.29%(前回比:-2.05ポイント)
実に有権者438374人の49.64%にあたる217594人しか投票していない。
当選した自公候補は111,285票で投票者の51.1%。有権者がみな投票したなら、その25.39%の民意を得たにすぎない。
希望の党候補は、66057票で投票者の30.4%、同じく有権者の14.81%。
日本共産党候補若林靖久候補は「小池百合子希望の党ショック」で投票日にかなり近い時点で急遽元選挙区からの移動で気の毒な状況下で善戦していた。40252票で投票者の18.5%、有権者総数の9.18%である。

自公与党の選挙必勝法は、➀できるだけ有権者を熱狂させず選挙争点も隠し、「もりあがらない選挙」で野党の主張を隠す➁野党候補を分断させて有権者に「しかたない自公候補しかいない」と思わせること。そんななかで「神奈川18区市民の会」と野党は?以下に事実を転載させていただく。


Ⅱ:この市民の声で新しい政治の日本を     【転載】

  元朝日新聞記者の脇正太郎氏が安倍退陣後の政局を報告。国政からは真山勇一参院議員(立憲民主)と畑野君枝衆院議員(共産 ZOOM発言)が、県政から柳瀬吉助県議(立憲民主)と君嶋ちか子県議(共産)が、市政からは宗田裕之市議(共産)が発言。共産党の石田和子県議(高津区選出)、石川建二市議(宮前区選出)、大庭裕子市議(中原区選出)、小堀祥子市議(高津区選出)が会場参加しました。

 畑野君枝衆院議員は
「安倍首相は立憲主義を壊し、政治を私物化し、消費増税とコロナ禍の中で退陣した。力を合わせて新しい政治の日本をつくりましょう」と訴えました。

  市民からは
コロナの医療現場、多摩川の豪雨災害の被害者、助産婦としてコロナ禍の子どもと母親の立場から、核廃絶の運動から、それぞれの発言がありました。
また、7月の東京都議選で野党共同候補の応援をした市民からは、本気の共闘でたたかった経験が生きいきと語られました。


野党統一候補実現をめざす集会アピールが拍手の中で確認されました。
<了>


菅義偉新総理政治理念を追う『報道特集』2020.9.19 櫻井智志

2020-09-19 21:29:33 | マスコミ報道への私見
❶「何も変わっていないんだ」・・・同感です。
潰瘍性大腸炎が悪化ということで、総理を辞任。国民の同情を集めた安倍晋三氏。だが、フランス料理店で食事し、辞め際には防衛政策をぽつんと呟き、靖国神社には公式参拝。日本国民は騙されても、外国では明確に透けてみえ呆れているだろう。

❷「安倍さんが7年8か月もやっていたのだから、安倍政治をしっかり検証するべきです」「菅さんは安倍さんの後片付けをするのだから、#お気の毒内閣 です。」政治家だった田中真紀子さんの発言は的を射ている。

❸安倍政治の数々の政治汚染疑惑は、国会で疑惑追及されたものだけでも数知れない。その最側近の菅官房長官が総理になった。菅義偉氏個人は、秋田県の豊かな風土で育ち人柄も穏やかであろう。だが、上京し政治家として小此木彦三郎氏や梶山清六氏の薫陶を受けて、自民党の権力者への道を昇りつめていった。その過程で故郷の皆さんが知る菅氏人間像と異なる側面もあることは、不思議でもないことかも知れない。

❹金平キャスターが紹介された歴代の自民党総裁総理は橋本龍太郎氏など、沖縄県知事と交流し、沖縄の歴史や社会をまなんでいた。だが、安倍首相、菅官房長官・新首相は、沖縄県知事の翁長さんや玉城さんと会おうともしなかった。安倍政治の継承とは、安倍氏の沖縄政策にとどまらない。菅首相の安倍疑惑は解決済みなので一切調べない、加藤勝信新官房長官が一切の安倍疑惑を調べないと言明したことに明瞭にうかがわる。

❺後半特集「座間9人遺体“私は成果主義者”」
凶暴な殺人の背景に、日本社会の歪んで人格は破壊され人間性は疎外されていく氷山がうっすらと見えてくる。大学で今だ一方的に知識をネットで流せばよいという風潮がある。人と人がコミュニュケーションするとは人格と人格の全体的交通だ。ネット偏重は人を蝕む。

❻番組冒頭で、インタビューに気持ちよく応じた総裁選後の石破茂氏の言葉が印象的だった。「世の中ってこんなものでしょう」。石破氏は自民党一強独裁下のもとで4度もめげずに総裁選で闘い続けた。石破氏は今回の自民党総裁選でも勇気凛々と闘い続け、結果が出ても端然としていた。


(膳場貴子キャスターが番組の最後で宇内アナウンサーがきょうで番組最終日であることを紹介し、キャスター一同がねぎらった。宇内さんは入社してすぐに岸井アンカー時代の「news23」でも膳場さんと一緒でした)  宇内梨沙さん、おつかれさまでした(^-^)/

安倍疑惑隠蔽のために「石破潰し」を画策して急遽「菅擁立」の謀略説を吟味す

2020-09-16 18:34:11 | マスコミ報道への私見
1 経緯
菅義偉氏は、自民党両院総会で多数の支持を得て自民党総裁になった。9月16日の国会で首相となった。
ずっとテレビ報道を見ていた。表題の内容を、日刊ゲンダイの記事を読んでいて、同様の内容を読んだ。

2 概要
 安倍首相は、あいつぐ政治スキャンダルはおろか新型コロナへの対応不足に安倍氏は打つ手を見出せなくなった。元京都府立大総長も務めた広原盛明氏がブログで、その明晰な論陣をはっている。安倍氏は潰瘍性大腸炎の悪化ということになっているが、その最中にフランス料理店で食事をし、退陣後ははればれと防衛の軍事案さえ披露している。
もう一度言おう。
安倍晋三の政治的迷路を打開するために、退陣―自民党総裁選が決行されたのは、自民党内で野党然として正論を主張し続ける不破茂氏の発言力を殺ぐためだ。「岸田生かし、石破つぶし」と言われた議員選で菅支持票が24票岸田氏に流れ、石破氏は最下位に沈んだ。党員票を全員投票でなく都道府県単位でおこなった。それでさえ不破氏は42票をとり、岸田氏の10票を抜いている。国会議員票は、菅288票岸田79票石破票26票だ。

3 今後
 菅総理は、今はずぶずぶの安倍継承路線を明言。だが今後、様ざまな政治の波乱、市民や野党、国民の動向では明確に安定とは言えない。自民党内ではコロナ禍に知見のある田村憲久氏(石破派)を起用したり、野田聖子氏を幹事長代理にするなど菅氏の人事起用を見ていると、安倍氏とはことなる側面がある。

民主的立憲政権樹立の探求(下) 櫻井智志

2020-09-11 15:22:29 | 社会思想史ノート
構成
❶2014年の提言(上)・・・既出
❷2020年の実態(中)・・・既出
❸民主的立憲政権樹立の構想(下)・・今回

Ⅲ:民主的立憲政権樹立の具体的全体像 

➀安倍政権の終焉と「安倍継承」政権の内実
広原盛明氏が分析し予想した安倍政権放棄から菅義偉氏への権力移譲の指摘は鋭い。以下、【広原盛明のつれづれ日記 】2020-09-08より転載。
<転載開始>
 安倍首相の辞任後、各社の世論調査で内閣支持率が軒並み上昇していることに驚いている。共同通信(8月29、30日実施)の内閣支持率は56.9%、僅か1週間前調査(8月22、23日実施)の36.0%から20.9ポイント急上昇した。読売新聞(9月4~6日実施)も52%と前回調査(8月7~9日)の37%から15ポイント上昇し、不支持率は38%へ16ポイント低下した。
 政党支持率も読売調査では自民党が41%(前回33%)に上昇し、立憲民主党は4%(同5%)にとどまった。また、総裁選に立候補表明した3氏のうち次の首相にふさわしい人としては菅官房長官が46%でトップとなり、石破元幹事長が33%、岸田政調会長が9%となった。自民党は政党支持率が好調なことから、党内では早期の衆院解散論も浮上しており、菅官房長官も早期解散を否定していない。

 それにしてもあれほどまで支持率が低下し、末期的症状を呈していた安倍内閣がなぜいま思い出したように支持されるのか。読売調査の男女別集計によれば、男性56%(前回44%)、女性49%(同31%)となり、とくに女性の上昇幅が18ポイントと大きい。年代別でも全ての年代で支持が不支持を上回ったという。男女、年代を問わず支持率がこれほど高いのはなぜだろうか。読売はその理由を、安倍内閣の7年8カ月の実績を「評価する」74%が「評価しない」24%を大きく上回ったことを挙げているが、私は必ずしもそうは思わない。

 いろんな解釈が可能だと思うが、私は安倍首相が持病の難病悪化を前面に出して〝引退劇〟を演出したことがその基本的な原因だと見ている。情緒的雰囲気に弱い日本人の国民性が安倍首相への個人的な同情心を掻き立て、長期政権に対する評価を冷静に分析することなく「負の遺産」も含めて全てを水に流してしまったのである。持病の難病を押して「国家国民のため全身全霊を傾けてきた」という言葉がメディアを通して増幅され、「ご苦労様」とのねぎらいの感情が全国的に広がったのであろう。そうでなければ、男女、年代を問わずこれだけの高い支持率が出るはずがない。

 この〝引退劇〟の演出は、後継者レースにも決定的な影響を与えている。自民党総裁選挙で目下独走中の菅官房長官は、これまではほとんど新人に近い存在で知名度もそれほど高くなかった。昨年9月から今年8月までの8回の読売世論調査は、自民党の中から「次の首相に相応しい人」を選んでいるが、菅氏の支持はいつも3~5%程度で石破氏や小泉氏を大きく下回っていた。それが今回の調査では、菅氏46%、石破氏33%、岸田氏9%となり、あっという間に次期首相候補のトップに躍り出たのである。

 菅官房長官は安倍政権の主軸として数々の汚れ仕事をこなし、「負の遺産」を一手に引き受けてきた前政権の責任者であることは誰もが知っている。にもかかわらず、なぜ菅氏が次期首相候補の一番手となり、しかも安倍政権の政策をそのまま継承すると言えるのか訳が分からない。しかし、これも安倍首相が「志半ば」にして引退するとの演出が功を奏して、安倍政権のやり残した政策課題を継ぐのは首相を支えてきた菅氏が一番との「大義名分」がつくられたと思えば、納得がいく。

 ただ、菅内閣が安倍政権とは何ら変わらないというのでは、さすがに新味が出せずに短命内閣で終わることになる。そこで打ち出されたのが「菅=たたき上げの政治家」というキャッチコピーだ。漢字もろくに読めない人物や官僚作文をなぞるだけの人物が、ただ世襲政治家というだけで首相になることの弊害については多くの国民が実感(痛感)している。だからこそ菅氏が「安倍3代」に代表される世襲政治から脱却するためには、政策が変えられない以上、当分は「たたき上げ」の泥臭いイメージで勝負するほかはない。

 しかし、菅氏の本質は冷酷極まりない権力政治が真骨頂であり、遠からずしてその本性は遺憾なく発揮されるだろう。安倍政権以上に官僚政治が徹底され、国会と国民を軽視する権威主義が政府全体に貫徹されるだろう。衆院解散は間近いのではないか。菅内閣の本性が暴露される前に本格政権を構築したい―、これが菅氏の政治戦略だからである。
<転載終了>
 一説では衆院解散総選挙は10月25日の前後と聞く。

➁ 小生の視角~【国民統一戦線への展望私案】
 ❶: 私は、日本共産党はまず日本共産党として結束し発展すればよいと考えるようになった。革新統一戦線の時は社会党と共産党がほぼ互角か共産党の議席が少ない状態だった。いま社会党にあたる勢力が、社民党、新社会党、緑の党、みどりの風、社会大衆党などの「護憲リベラル」結集勢力と思う。一党にまとまらなくとも、イタリア版オリーブの木形式でもよい。「護憲リベラル」として結集すること。そのうえで日本共産党と提携したらどうか。その提携に一緒に戦える保守政党人なども結集していく。政党政治が今の日本の議会制民主主義の根幹だが、「議会制独裁主義」が広がっているいま、国民的規模での統一戦線を3つの段階を考えて構築したらどうだろうか。

 ❷: 21世紀の今日に、統一戦線を結成するためには、日本共産党においての組織論の民主集中制は継承され検証されてきたものであるけれども、国民ないし日本に定住する民衆全般にわたる組織論としては、「円卓の論理」「フォーラムの 論理」がふさわしい。統一戦線のテーブルにつく全ての個人と集団が対等に意見を述べ、行動の決定においても、少数派の意見が行動に反映される必要がある。諸個人は自らの見解を披歴するとともに、他者の意見を十二分にわきまえて納得し、行動においてはそれぞれが他者の存在を認めながら、一致点を追求する必要がある。統一戦線が成立するためには、積極的に相手の存在と見解とを尊重して吸収できるだけの確固とした人格が、成員に形成されていなければならない。

③新党『立憲民主党』の展開

立憲民主党と国民民主党はかなりのメンバーが合流し、衆院106名参院43名の大規模な政党となった。
代表選
枝野幸男 107票
泉 健太  42票
 党名選挙
立憲民主党 94票 注目すべきは、新代表となった枝野幸男氏の会見内容である。
❶消費税を減税し時限的に0%も合意できる
*この消費税減税は枝野氏が都知事選で山本太郎氏に候補擁立を働きかけ最後に決裂した課題であった。れいわ新選組が「市民と野党」の共闘に加わる下地となろう。
❷沖縄・辺野古の新基地建設はまず工事を止める。その上で粘り強くアメリカと交渉する。
❸自助や過度の自己責任を押し付ける新自由主義的社会を変える。
❹原子力エネルギーに依存しない。使用済み核燃料の問題解決は着実に進める。
❺与野党合意に基づき進めるなら、臨時国会召集や内閣解散権を議論したい。
*改憲と護憲とそうとう議論がわれるかも知れない。現憲法の完全実施がなされなければ、裁判中の憲法案件は易きに就く。
 
④折れない日本共産党の価値
「市民と野党」の共闘を愚直にすじを通して進めてきた。だが、自民党総裁選の3候補を安倍路線の継承ときめつけたり、政府の福祉予算削減による保健所の同類に国立感染研を含めている。
大筋は賛成だが、「国立予研」」の新宿区戸山・早大や住宅街に移転強行し、移転後は感染度が高いウイルスやP4施設をおこなおうと目論み、東村山市にある感染研分舎にP4施設実験稼働に動きだしている。戸山住民が芝田進午氏を団長として最高裁まで争い敗訴した。国立感染研内部にも科学者会議の会員や共産党員がいるが、生前に聞いた芝田氏によれば、感染研内部には芝田氏らの環境保全運動に反対する党員もいる。バイオ時代の象徴的な問題の所在をわきまえず、731石井細菌部隊と直接つながる国立感染研の危険な問題を指摘すると、「デマに近い」と公的に断言することに、日本共産党の一側面を見る。「共産党だから正しい」のではない。「日本共産党は正しさを追求する勇気と努力を怠らない政党だ」と発展すべきだ。

 全国の党員は、差別と偏見に屈せず草の根から日常的に実践している。その存在は十二分に信頼されている。

➄個性ある市民と持続する市民運動

ケース1 山本太郎
現在2020年において、東京都知事選に挑んだ宇都宮健児・山本太郎両氏の今までの市民として意欲的な実践は特記に値する。山本太郎氏が2019参院選に、
日本共産党大阪選挙区の辰己幸太郎候補を宣伝カーに同乗しマイクで語り続けた応援のスピーチは、他の共産党員のスピーチよりも迫力があった。山本氏は神奈川選と選挙区でも共産党あさか由香候補を前川喜平氏・山口二郎氏と街頭で応援演説をした。それらの事実からすれば、2020都知事選での山本太郎氏出馬を野党分断だと決めつける一部宇都宮候補支援者の批判は背景もわきまえていない。
 立民党は山本太郎氏に都知事選出馬を促し続けた。先立つ京都市長選の真っ最中からの働きかけなので、市長選応援をないがしろにしていると顰蹙をかった。それでもコロナ感染症の急激な拡大で、サラリーマンがホームレスに陥り、窮乏化する現実を見た山本氏は、実際はれいわ新選組代表として衆院選準備に取り組んでいたがそれを停止し、都民の暮らしを救援するために立民党枝野代表ら首脳部と交渉に入った。山本氏は従来消費税を廃止する政策だったが、5%説を柱にした。相手は妥協しなかった。もうひとつ、衆院選準備との兼ね合いで「れいわ東京」候補と申し込んだ。だが立民党側は「無所属」を譲らなかった。もう告示直前だったので山本太郎氏は単独で立候補に臨んだ。なお以上の記述は直接に山本氏の選挙街頭演説で傍聴した内容である。

ケース2  宇都宮健児

もう一方の宇都宮健児候補は立候補を非難するどころかそれぞれ政策論争で競いあいましょうと応じて、一度も山本候補を選挙期間中も選挙後も非難も批判もしなかった。ここに宇都宮健児氏の市民民主主義ポリシーがあった。

今までの野党共闘の候補模索と擁立、という図式ではない。宇都宮健児氏は市民の要請に応え、ひとりでも闘う意志のもと立候補した。結果得票は出馬した過去2回よりも低かったけれど、宇都宮支持陣営も宇都宮氏個人も選挙後充実感を覚えていたとみられる。その点で、最初から宇都宮氏を支えてきた海渡雄一氏や内田聖子氏、谷川智行氏(医師日本共産党衆院選予定候補)などが果たした市民選対の意義は深いものがある。



➄ 民主的立憲政権を樹立するための変革主体形成

 今の情勢のもとでは、民主的立憲政権を樹立することは困難である。それは野党側の個々人が、烏合の衆と似た不安定さをもっていて、個人として日本の改善にとり、自己の思考や感性に多数依存、空気に続く流される風潮が多いことが主な原因である。
たとえば沖縄で平和運動センター続く流される代表の山城博治、ひとりで闘うことを決めて意を決して都知事選に出馬した宇都宮健児、山本太郎、そのような人格像が求められている。
また国民民主党の馬淵澄夫元国土交通相は、東京都知事選(7月5日投開票)に立候補したれいわ新選組の山本太郎代表の街頭演説に駆け付け、支持を表明した。国民は自主投票を決めているが、党所属議員が山本氏の応援に入るのは馬淵氏ひとりだった。組織に自分なりの信念を表明するくらいの主体がなければ、あっと言う間に自民党入りした議員もいた。

⑥ 民主的立憲政権の樹立
A:
衆議院選挙は目前にある。共通公約は、
❶コロナ対策
人間尊重の低下層生活者にあたたかな救援施策の共同具体策提示を
❷消費税
最低でもこの2つは国民に必要だ。


B:
野党と市民の共同行動やコーヒータイムの小演説と人的交流を
都道府県単位 市区町村単位   地域単位

 菅義偉氏が首相に当選しようがしまいが,野党と市民は安倍政権の終焉を見た。「安倍的政権」を阻止するために、今が動くときだ。
<三部作完>

【自民党総裁選】大手マスコミ「#報道ステーション」「#news23」の報道検証

2020-09-08 23:57:42 | マスコミ報道への私見
2020年9月8日放送分

#報道ステーション
Ⅰ:報道ステーションの報道検証
自民党総裁選に立候補している3人の政策を特集した。

 ❶アベノミクス
菅義偉候補は「アベノミクスで雇用が増大した」と述べた。不破茂候補は「雇用がふえたのは高齢者や女性で正規雇用は増えていない」と述べた。岸田文雄候補は「格差が増大している。中間の層が二極化している」と述べた。キャスターが菅氏の「自助、共助、公助」説に疑問を呈すると菅氏は「絆」を加えた。

❷新型コロナ特措法の改正
菅氏は3月に改正したと述べた。この改正は、従来あった法を新型コロナに対応させたものだ。石破氏は「コロナを収束させるために知恵を出し合うのが国会である」と述べた。菅氏は「いまは新型コロナに全力を雨あげるべき」と言いつつ、実態に応じて法改正は、パッケージで決めた法があると述べた。

❸安倍政権「負の遺産」どうする?
菅氏は自死した赤木氏に悔みのことばを言いつつ、財務省、警察、検察、国会で十分尽くしたので再度の検証には及ばないと述べた。不破氏は「国民の不審や官僚の意欲を殺ぐ。結果は検証に入ってみなければわからない、国民の側を見なければいけない」と述べた。菅氏は「官僚主導でやるべきでない」。岸田氏「透明性やルールへの不信を招くので慎重であるべき」と述べた。
菅氏は「国民が最大の要望はコロナ解決なので解散すべきでない」と述べた。

❹まとめ

テレ朝のキャスター・コメンテーターは、比較的客観的で冷静であった。3候補の中で派閥の圧倒的多数を集めたという菅候補は、安倍首相と大同小異。自民党総裁になることに異論はないが、首相の器ではない。野党が総選挙で多数をとり、自民党よりも議席を国民から信頼を得る以外に選挙による議院内閣制で首相の座を得るしかないだろう。


#news23
Ⅱ:news23の報道検証
自民党総裁選に立候補している3人が出席した。

❶首相になったらこれだけは

石破氏「地方に雇用と所得を」
菅氏「規制改革」
岸田氏「経済分配 新しい資本主義」
星氏「PCR検査なぜ少ない?」
菅氏「コロナでも縦割りの規制が強い」
「地方分権なぜ進まない?」
石破氏「私が担当者の時も取り組んだ。政府としてしっかり地方分権を進めていく意識が必要」

❷質問のキャッチボール

➀岸田氏から石破氏へ「非核三原則をどう考える?」
石破氏「核のかさの実効性を論じることは必要ではないか。
岸田氏「非核三原則は必要と思う」
石破氏「アメリカと欧州とのやりとりがあるが、アメリカは日本から聞いたことがない」

➁菅氏から石破氏へ「辺野古見直し」
石破氏「普天間の負担を改善、辺野古も負担を減らしたい」
菅氏「石破氏から埋め立て中止の意見を聞いたが」
石破氏「負担を減らす観点が重要」

➂石破氏から菅氏へ「憲法改正9条・自衛隊は?」
菅氏「自衛隊は台風や災害に出動し国民に歓迎されている。自衛隊を憲法に位置づけたい。」

❸アベノミクス
石破氏「70点。格差が広がっている。低所得者に雇用と光」
岸田氏「80点。7年8か月前に比べると成果があがった。地方や低所得者への広がりがかける、金融緩和。成長戦略が課題。」
菅氏「80点。政権交代前と比べると、はるかによい。地方に効果が上がっている。27年ぶりに。600世帯と生活保護世帯も減っている。」

❹官邸主導人事の検証
岸田氏「官邸に人事局を集めた。意味はあったが、忖度の疑念が国民にあり晴らす必要がある。
菅氏「非常に誤解されている。省庁の大臣が決めている。私がはじめて海上保安庁長官を私が決めた」
遊佐部長「公文書の管理は?」
菅氏「徹底している」
不破氏「600人もの人物が把握できるか。不健全であり、辞めるべき」
菅氏「大臣の納得のない人事はやっていない」
星氏「もし総理になったら解散総選挙は?」
菅氏「コロナ対策が国民のこえ。コロナ収束の度合いによる。」

❺まとめ
「報道ステーション」の放送と録画とどちらが先か。石破氏と菅氏のやりとりが互いの政治観の根本に関わるので本物の議論だった。山本キャスター、遊佐部長の発言は公正だった。星アンカーは立場上と思うが、円滑に進めるために菅氏への配慮や岸田氏への親近感が若干見られた。3人の対談で最も自民党多数派閥の支持を得てほぼ当選間違いあるまいといえそうな菅氏の論理、政治観が最も劣る。それが自民党の平均値か?



Ⅲ  短い私見

 TBS「news23」もテレビ朝日「報道ステーション」も、現在の報道番組においては良識と常識をわきまえた番組である。それだけに番組内容への制作サイドの苦労と苦心がしのばれる。
 だが、具体的事実を扱う報道では
➀ 報道内容
➁ 報道の信憑性
➂ 報道の客観性
④ 報道の主張の適切さ
が問われる。
 さらにここ10年間の政府与党のテレビ局への介入は高市総務相の「放送免許とりあげ」会見以後、実に放送現場のかたがたの筆舌に尽くしがたいトラウマに、外からいい加減なことをいってすむような簡単なものではない。
 両番組と関係者のご発展とご健勝を願っています。<了>