【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

報道の自由を守る自由の風(声明)

2016-03-30 22:07:18 | 声明
フェィスブック『国民的統一戦線への探求』に下記の記事を掲載した。

この原稿をもって、声明「報道の自由を守る自由の風」とする。



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【報道の自立を守る自由の風】

         『国民的統一戦線への探求』








櫻井 智志
報道の自由を堅持し、安倍政権の圧力に抗した勇気ある人々。
全員「NEWS23」から去った。
しかし皆様の蒔いた自由の種子は、
国内国外に広く飛び散って、
これからの言論の自由を担保する大切な役割を果たした。

自由の風よ、回想ではなく今日を建設する創造の息吹を讃えよう。










@news23_tbs
アンカーの岸井さん、
メインキャスターの膳場さん、
蓮見、古谷、気象予報士の國本さんが
昨日の放送をもってNEWS23を卒業しました。
膳場さんは9年半、岸井さんは3年、番組を支えてくれました。
本当にお疲れ様でした。



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《フェイスブックで上記の記事に「いいね!」の支持をお寄せいただいた皆様(途中経過)》

梶浦 礼子さん、テラダ ソノコさん、吉田健さん、松田 淳さん、小泉 章夫さん、安井 まさるさん、Tomoko Okunisiさん、卯木 伸男さん、関根弘輝さん、松原 裕子さん、河野 一男さん、鬼頭 純三さん、橋爪 法一さん、原田 利行さん、河村 直樹さん、 はの 武男さん、 八坂 玄功さん、 角野 達也さん、 河西 英通さん、 深屋進さん、 Masayo Morinagaさん、 加納 孟さん、 稲垣 雅行さん、市毛 新二さん、Junichiさん、Shimakawaさん、Youko Tanakaさん、Nariko Iguchiさん、田中健喜さん、田嶋 康利さん、Komori Hisakoさん、高迫 千代司さん、林 陽一さん、孝岡長尾弘子さん、魚谷庄司さん、奥浜 真正さん、草薙 恵美子さん、山口 享子さん、Masami Horiguchiさん、久保田 直子さん、山口 とも子さん、あぜ上 三和子さん、村松 直美さん、太田 ゆきえさん、結城 亮さん、Mirai Tukasaさん、吉田 隆之さん、水谷 淳子さん、中村 幹雄さん、福田 悦子さん、西本 美砂子さん、尾池 智治さん、 Akira Kisukiさん、山下 亮一さん、笹嶋 照紀さん、田中 文夫さん、Eiko Tanemuraさん、Kunie Nabeshimaさん、 Fuminori Ishiguroさん、 Sakamoto Yujiさん、 岩佐 富士子さん、小島 正弥さん、崎山 裕さん、新宮 真知子さん、下澤 達雄さん、Ryutaro Matsudairaさん、Daisuke Yasudaさん、安西 裕さん、松岡 浩治さん、伊藤 仁さん、Yoshitami Ooyamaさん、小苅米 喜久子さん、Masayoshi Katoさん、里 正善さん、Hiromi Tanakaさん、田中 俊正さん、Chinen Eijiさん、Yuuji Nakayamaさん、手島 慶子さん、大久保 令子さん、西田好孝さん、高見紀子さん、今村 明子さん、金井 忠一さん、松尾 教史さん、嶽村 久美子さん、北田 慎太郎さん、生駒 俊弦さん、 渡辺 イワオさん、清水伸一さん、山田明さん、砂山太一さん、岡見益義さん、原 広美さん、喜呼里 オヤジさん、松崎 靖子さん、浅井 義久さん、小阪 三郎さん、佐々木 治行さん、児玉 和樹さん、松永 健治さん、Saltory Inuiさん、蛭川 秀悦さん、Daiki Yagitaさん、Takenobu Satoさん、柳谷 睦夫さん、金子 幸弘さん、Hitoshi Nagaiさん、Masayo Tanahashiさん、おばせ 勝義さん、松本 のり子さん、吉野 弘人さん、嵯峨猛さん、松本 徹さん、中野 雅彦さん、藤森守さん、Kenichi Kakuzumiさん、秀嶋 賢人さん、新井 たかねさん、渡瀬 邦男さん、田中 茂実さん、Shingo Kanazawaさん、石川悟さん、長谷川 和明さん、川添 貴仁さん、坂本俊一郎さん、大野 章さん、新堰義昭さん、藤田 修二さん、勝又 秀人さん、安部 日出男さん、Youko Sasakiさん、金元幸枝さん、Susumu Oonoさん、近藤 良明さん、藤元 雅文さん、溝江 清美さん、谷口良隆さん、松尾 和子さん、浅川 芳高さん、Yoshiyuki Mizumuraさん、田中 恒雄さん、濱谷 正支さん、鈴木 信一さん、伊藤 弘さん、とうてらおさん、仲川源久さん、傳住美智子さん、Yuki Sakaiさん、Yoichi Sunayamaさん、原田利行さん、藤原 國雄さん、松木 豊年さん、松阪 改造さん、Satomi Sakamotoさん、阿南 勝也さん、Naoki Ohkawaさん、清水 眞由美さん、中島謙さん、Kenryo Takedaさん、丁弘之さん、木村純一さん、石田隆恒さん、福手 裕子さん、井坂 洋子さん、 坂田三千代さん、進藤隆之さん、 幸子 萬立さん、服藤早苗さん、駿河 保彰さん、澤田 和男さん、長谷川潔さん、森 晋一さん、真鍋 和崇さん、宮崎レイさん、青木宇一郎さん、伊倉賢さん、

真実と事実を伝えるジャーナリストを大切にしたい

2016-03-30 21:41:26 | 転載と私見
「前説」
岸井成格氏とともに、TBSで報道の自由を体現しているジャーナリスト、金平茂紀さん。どのくらい現場で真実を伝えるために、重圧と事なかれ主義の風潮とによる抑圧が酷いものかは想像するに難くない。私たちはジャーナリストを非難する前に、情報の受け手としての自分自身の在り方を吟味する必要がある。
孫崎享氏は、今回も明確なアドバイスを提起してくれている。  櫻井 智志


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【孫崎享のつぶやき】
報道特集キャスター金平茂紀氏(気消え強まる同調圧力「ほえない犬に」(朝日報道一部転載)
2016-03-30 13:055


今、報道界では、政府に批判的な発言をする人々が発言の場を奪われている。特にテレビにおいて次々番組を降り、場合によっては番組自体がなくなるという事態を迎えている。

報道特集キャスター金平茂紀氏は、役職にありながら、第一線で報道するという、多分唯一のジャーナリストであった。彼は3月31日付で執行役員を退任する。

3月30日付朝日新聞は「テレビ報道、強まる同調圧力 金平キャスターが語るいま」を報じた。現在のメディアの状況を内部から発言する貴重な発言を行っているので、その一部を抜粋する。

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。TBS「報道特集」キャスターの金平茂紀さんに話を聞いた。

(抜粋)

 ――偏向を指摘された番組アンカーの岸井成格さんが「NEWS23」から降板しました。岸井さんの件でいま、社内はどうなのでしょうか。

 「おおっぴらに議論するという空気がなくなってしまったと正直思いますね。痛感するのは、組織の中の過剰な同調圧力です。萎縮したり、忖度したり、自主規制したり、面倒なことを起こしたくないという、事なかれ主義が広がっている。若い人たちはそういう空気の変化に敏感です」

――同調圧力ですか?

 「記者一人ひとりが『内面の自由』を持っているのに、記事を書く前から社論に逆らってはいけないという意識が働いている。それが広く企業ジャーナリズムの中に蔓延している。権力を監視する番犬『ウォッチドッグ』であることがジャーナリズムの最大の役割です。しかし現実には記者のほうから政治家や役人にクンクンすり寄り、おいしい餌、俗に言う特ダネをあさっている。こんな愛玩犬が記者の多数を占めれば、それはジャーナリズムではない。かまない犬、ほえない犬に、なぜだといっても『僕らはほえないようにしつけられてきた。かみつくと損になるでしょ。そう教えられてきた』。そんな反応が現場の記者から返ってくるわけです」

 ――報道の現場は深刻ですね。

 「ジャーナリズム精神の継承に失敗した責任を痛感しています。僕自身も含め、過去を学び、やり直さないといけない。安保法制、沖縄の基地問題、歴史認識や福島第一原発事故など、僕らの国のテレビは独立・自立した存在として、報じるべきことを報じているのか。自責、自戒の念がわきあがってきます」

 「戦争の翼賛体制下でメディアは何をしてきたのか。放送も新聞も権力の言いなりとなり、国策と一体化した報道をやった『前歴』がある。戦後、その反省に立ち、放送局は政治権力から独立し、国家が番組内容に介入してはならぬ、という精神で放送法が生まれた。電波は国民のものであり、自主・自律・独立でやっていく。放送の原点です。ところが、政権側には、電波はお上のものであり、放送局を法律で取り締まるという逆立ちした感覚しかありません」

 「先日、田原総一朗さんや岸井さんらと記者会見しました。他局のキャスター仲間何人かに声をかけたのですが、参加者はあれだけというのが現実です。それでも、誰ひとり声を上げずにいて、政治権力から『やっぱり黙っている連中なんだ』なんて思われたくはないのです。こういう社外からの取材をリスクをおかしながら受けているのもそのためです」

 「一昨年の総選挙の前に、自民党が選挙報道の『公平中立』を求める文書をテレビ各局に送りつける、という『事件』もありました。そのこと自体が僕の感覚ではニュースです。でも社内の会議で話題にはなってもニュースとしては扱わない。危機管理ばかりが組織で優先され、やっかいごとはやりたくないということになる。僕はそれが耐えられなかったから、担当の番組でコピーを示し、こういう文書が送りつけられたと伝えた。中には『あんなことをやりやがって』と思っている人もいるかもしれませんが」

 ――「NEWS23」の初代キャスターだった筑紫哲也さん(故人)とは長い間、一緒に仕事をされたそうですね。

 「2008年3月、筑紫さん最後の出演で語った言葉が忘れられません。『大きな権力を持っている者に対して監視の役を果たす』『少数派であることを恐れない』『多様な意見を提示し、社会に自由の気風を保つ』。筑紫さんは、この3点を『NEWS23のDNAだ』と遺言のように語って、逝きました。それがいま、メディアに携わる人たちに共有されているのかどうか。責任を感じています」

 ――記者の原点を忘れ、組織の論理に流されてしまっている自分自身に気づくことがあります。

 「記者の仕事は孤独な作業です。最後は個ですから。過剰に組織の論理に流れ、全体の空気を読んで個を殺していくのは、記者本来の姿ではありません。それでも一人ひとりの記者たちが、会社の壁を越え、つながっていくこともできる。声を上げるには覚悟がいるけども、それを見ている次の世代が、やがて引き継いでくれるかもしれない。萎縮せず、理不尽な物事にきちんとものを言う若い仲間たちが実際に育ってきているのをつい最近も目撃しました」

 「『報道なんてこんなもの』とか、『視聴者や読者はそんなもん求めてねえよ』と、シニシズム(冷笑主義)に逃げ込んではいけません。僕らの仕事は、市民の知る権利に応えるためにあるのです。報道に対する市民の目が厳しい今だからこそ、一番の根本のところを考えてほしいと思います」(聞き手=編集委員・豊秀一)

金平茂紀:53年生まれ。77年TBS入社。モスクワ、ワシントン両支局長、報道局長などをへて、執行役員。04年度「ボーン・上田記念国際記者賞」受賞。

日本共産党に対する安倍政権などの策謀の中傷を分析する

2016-03-24 22:38:52 | 政治・文化・社会評論
日本共産党に対する安倍政権などの策謀の中傷を分析する

              国民的統一戦線への探求
                主宰者 櫻井 智志







1「問題の所在」
日本共産党が、広く国民の平和への市民運動など強い危機意識にもとづく国民意識を政治にになんとか実現しようと努力している。五党協議による戦争法制廃止と立憲主義だけを条件として、共闘している。
それに自公政権は、自分たちの政権維持のために、「自公か民共か」などとデマゴギーにもとづく猛烈な反共産党キャンペーンをおこなっている。
その酷さは東京新聞などの一般の新聞が大きくとりあげるほど、政権与党とは思えない異常さを示している。
自民党の焦りの表れと明確に指摘している。







2「対案を明示した日本共産党論文」
2016年3月24日(木)
「議会の多数を得ての革命」の路線は明瞭
政府の「暴力革命」答弁書は悪質なデマ
 政府は22日の閣議で、鈴木貴子衆院議員の「日本共産党と『破壊活動防止法』に関する質問主意書」への答弁書を決定しました。このなかで政府は、日本共産党について「現在においても、破壊活動防止法に基づく調査対象団体である」とし、戦後、「暴力主義的破壊活動を行った疑いがある」とか、「現在においても…『いわゆる敵の出方論』に立った『暴力革命の方針』に変更はない」などといっています。これは党の綱領路線を百八十度ねじまげ、歴史の事実を歪曲(わいきょく)した悪質なデマです。
「敵の出方論」=「暴力革命」が成り立たないことははるか前に決着ずみ
 「敵の出方論」をもちだして「暴力革命」の根拠とする議論が成り立たないことは、政府答弁が引用している1989年2月18日の衆議院予算委員会における不破哲三副議長(当時)と石山陽公安調査庁長官(当時)との論戦でも決着ずみのものです。
 同委員会で不破氏は、国民多数の支持のもとに政権を目指す日本共産党の綱領路線を説明し、「敵の出方論」について、日本共産党など統一戦線勢力が選挙で勝って政権についたとき、これに従わない勢力が暴挙に出た場合に、政府が取り締まることは憲法に基づく当然の権利であることを解明しました。これに対し、石山長官は、「政権を確立した後に、不穏分子が反乱的な行動に出てこれを鎮圧するというのは、たとえどの政権であろうとも、当然行われるべき治安維持活動です」と答えざるをえませんでした。
 その一方で、石山長官は、「敵の出方論」について、「民主主義の政権ができる前にこれを抑えようという形で、不穏分子をたたきつけてやろうという問題」もあると答弁しました。
 これに対しても、不破氏は、1970年の第11回党大会決議の「人民の政府ができる以前に、反動勢力が民主主義を暴力的に破壊し、運動の発展に非平和的な障害をつくりだす場合には、広範な民主勢力と民主的世論を結集してこのようなファッショ的攻撃を封殺することが当然の課題となる」との文言を読み上げ、反論しています。
 日本共産党が、かつての一連の決定で「敵の出方」を警戒する必要性を強調していたのは、反動勢力を政治的に包囲して、あれこれの暴力的策動を未然に防止し、社会進歩の事業を平和的な道で進めるためであって、これをもって「暴力革命」の根拠とするのは、あまりに幼稚なこじつけであり、成り立つものではありません。それは、国会の質疑でもはるか前に決着ずみのことです。
 日本共産党の綱領には、「『国民が主人公』を一貫した信条として活動してきた政党として、国会の多数の支持を得て民主連合政府をつくるために奮闘する」こと、さらに将来の社会主義的変革についても、「国会の安定した過半数を基礎として、社会主義をめざす権力」をつくるのをはじめ、「社会の多数の人びとの納得と支持を基礎に、社会主義的改革の道を進む」ことを明らかにしています。
 「議会の多数を得て社会変革を進める」――これが日本共産党の一貫した方針であり、「暴力革命」など縁もゆかりもないことは、わが党の綱領や方針をまじめに読めばあまりに明瞭なことです。
党の正規の方針として「暴力革命の方針」をとったことは一度もない
 政府答弁書では、日本共産党が「暴力主義的破壊活動を行った疑いがある」と述べています。
 1950年から55年にかけて、徳田球一、野坂参三らによって日本共産党中央委員会が解体され党が分裂した時代に、中国に亡命した徳田・野坂派が、旧ソ連や中国の言いなりになって外国仕込みの武装闘争路線を日本に持ち込んだことがあります。
 しかし、それは党が分裂した時期の一方の側の行動であって、1958年の第7回党大会で党が統一を回復したさいに明確に批判され、きっぱり否定された問題です。
 日本共産党が綱領路線を確立した1961年の第8回党大会では、日本の社会と政治のどのような変革も、「国会で安定した過半数」を得て実現することをめざすことを綱領上も明確にしました。これは外国の干渉者たちが押しつけてきた武装闘争方針を排除したことを綱領上はっきり表明したものでした。
 日本共産党は、戦前も戦後も党の正規の方針として「暴力革命の方針」をとったことは一度もありません。歴史の事実を歪曲した攻撃は成り立ちません。
憲法が保障する結社の自由に対する重大な侵害行為をやめよ
 今回の政府答弁書は、このような使い古しのデマをもとに、今もなお日本共産党を「破壊活動防止法に基づく調査対象団体」だとしています。
 しかし、前述の1989年2月18日の衆院予算委員会での不破氏の追及の前に、石山公安調査庁長官は、当時までの36年間にわたって、「現実に規制の請求を致したことはありません」と述べ、「暴力革命」の「証拠」がそれまでに一つとして見つからなかったことを認めました。
 その後も、27年間が経過していますが、公安調査庁が多額の国民の税金を使い、不当な手段を弄(ろう)して日本共産党への「調査活動」を行っているにもかかわらず、「暴力革命」の「証拠」など、一つもあげることなどできません。
 天下の公党である日本共産党に対して、「暴力革命」という悪質なデマにもとづいて、不当な監視、スパイ活動を行うことは、憲法の保障する結社の自由にたいする重大な侵害であり、ただちにやめるべきです。





3「私見」
日本共産党の現在の取り組みは、市民団体や国民、普通の保守層、生活の党などの野党などからも高く評価されている。
現在の路線を「粛々と」持続すればよい。
焦った自民党は、政治的堕落におちいって、国民が支持しそうな沖縄出身のスピードのひとり今井絵理子さん、著作「五体不満足」で国民から広く共感を得た乙武さんを参院選に立候補させる方針を公表した。しかし、その呆れたスキャンダルの連続は、いかに自民党安倍政権が、政治と文化・スポーツの垣根をわきまえず票を集めそうなら、なんでも利用しようという軽薄さのあらわれである。
しかもまともな国会での総理答弁ではなく、異常な詭弁と恫喝と論理のすり替えなど、安倍晋三自らが歴代の総理の品格をけがすような答弁中の野次をとばしたり、実の祖父の岸信介氏をまったく誤解した解釈をしていることなど、いまの自民党は完全な軍隊の構造と似た批判を一切許さぬ党運営をおこなっている。
日本共産党は、きわめて他党を尊重、自らの議席をあけても、戦争法案を廃止して、国会をまともな立憲主義にもどそうとしている。
日本共産党は議席増大のために詭弁や空語をとばしたりはしていない。
議会と民主主義を、安倍政権が破壊した議会制民主主義を修復するために、自党の立候補を取り下げても五党協議にもとづく野党共闘を進めている。
このような政治的倫理観にあふれた現代民主主義政党を、陳腐な常套句でけがす連中の品位は、皆無同然である。

アベノミクスが空っぽのがらんどうを見抜いたアメリカの経済学教授

2016-03-24 17:28:15 | 政治・文化・社会評論
アベノミクスなる経済政策は、空っぽのがらんどうだった

                         櫻井 智志


 日刊ゲンダイの記事は、安倍政権の経済政策が内容のうすい失敗策でしかないことを赤裸々にしている。
 招かれた世界一流の経済学者は、消費税云々どころか、安倍政権のわけのわからない「あべのみくす」=「安倍・ノミ・クズ」策そのものの失敗ときちんとした経済策を再建することを提言していた。



【日刊ゲンダイ】転載
政府公表資料はウソ 安倍官邸が隠した米教授“本当の提言”

アベノミクスを全否定したスティグリッツ教授(C)AP

① 22日に第3回が開かれた「国際金融経済分析会合」。米ニューヨーク市立大・クルーグマン教授も来年4月の消費増税反対を提言したが、増税延期の風向きが強くなったのは、先週16日に行われた第1回の米コロンビア大・スティグリッツ教授の提言がきっかけだった。



② だが、ちょっと待って欲しい。会合から2日後の18日に政府が公表したスティグリッツ教授提出の資料を見ると、消費増税についての記述はどこにもない。むしろ教授が提言したのは、TPPの欺瞞や量的緩和政策の失敗、格差の是正、つまりアベノミクスの全否定だった。
 提言のレジュメとみられる資料は48ページにわたり、例えばTPPについて次のように手厳しい。
〈米国にとってTPPの効果はほぼゼロと推計される〉〈TPPは悪い貿易協定であるというコンセンサスが広がりつつあり、米国議会で批准されないであろう〉〈特に投資条項が好ましくない――新しい差別をもたらし、より強い成長や環境保護等のための経済規制手段を制限する〉
 ただ、これは官邸の事務局による和訳で、本来の英文と比較すると、これでも「意図的に差し障りのない表現にしている」と言うのは、シグマ・キャピタルのチーフエコノミスト、田代秀敏氏だ。
「〈特に投資条項が好ましくない=Investment provisions especially objectionable〉ですが、強い不快感を表す単語【objectionable】を使っています。正確には、〈投資条項が、とりわけ、いかがわしい〉と訳すべきでしょう」
 他にも【inequality】を和訳で、アベノミクスに好都合な場合は「格差」とし、不都合な場合は「不平等」とする“都合のいい”使い分けが散見されると指摘する。
「『大不況に関する誤った診断』と題するスライドでは、旧『第1の矢』の金融緩和には期待された効果がないとし、『企業が投資に積極的にならないのは、需要が足りないからだ』と断言しています。世界で最も権威のある経済学者が日本国民のために全力で提言した結果が、アベノミクスの全否定でした。スティグリッツ教授は安倍首相に、アベノミクスを停止し、経済政策を百八十度転換することによって、7月のG7サミットで主導権を取ることを提言しているのです」(田代秀敏氏)




③ それにしても、スティグリッツ教授の資料はどうして会合当日に公表されず、2日も遅れたのか。内閣官房の担当者は「和訳の適切性について疑義が出たりしまして……」と弁解していた。政府にとって“好ましくない”ことを隠し、消費増税への教授の意見を必要以上に“強調”したのだとすれば、大問題だ。

アベノミクスが空っぽのがらんどうを見抜いたアメリカの経済学教授

2016-03-24 17:28:15 | 政治・文化・社会評論
アベノミクスなる経済政策は、空っぽのがらんどうだった

                         櫻井 智志


 日刊ゲンダイの記事は、安倍政権の経済政策が内容のうすい失敗策でしかないことを赤裸々にしている。
 招かれた世界一流の経済学者は、消費税云々どころか、安倍政権のわけのわからない「あべのみくす」=「安倍・ノミ・クズ」策そのものの失敗ときちんとした経済策を再建することを提言していた。



【日刊ゲンダイ】転載
政府公表資料はウソ 安倍官邸が隠した米教授“本当の提言”

アベノミクスを全否定したスティグリッツ教授(C)AP

① 22日に第3回が開かれた「国際金融経済分析会合」。米ニューヨーク市立大・クルーグマン教授も来年4月の消費増税反対を提言したが、増税延期の風向きが強くなったのは、先週16日に行われた第1回の米コロンビア大・スティグリッツ教授の提言がきっかけだった。



② だが、ちょっと待って欲しい。会合から2日後の18日に政府が公表したスティグリッツ教授提出の資料を見ると、消費増税についての記述はどこにもない。むしろ教授が提言したのは、TPPの欺瞞や量的緩和政策の失敗、格差の是正、つまりアベノミクスの全否定だった。
 提言のレジュメとみられる資料は48ページにわたり、例えばTPPについて次のように手厳しい。
〈米国にとってTPPの効果はほぼゼロと推計される〉〈TPPは悪い貿易協定であるというコンセンサスが広がりつつあり、米国議会で批准されないであろう〉〈特に投資条項が好ましくない――新しい差別をもたらし、より強い成長や環境保護等のための経済規制手段を制限する〉
 ただ、これは官邸の事務局による和訳で、本来の英文と比較すると、これでも「意図的に差し障りのない表現にしている」と言うのは、シグマ・キャピタルのチーフエコノミスト、田代秀敏氏だ。
「〈特に投資条項が好ましくない=Investment provisions especially objectionable〉ですが、強い不快感を表す単語【objectionable】を使っています。正確には、〈投資条項が、とりわけ、いかがわしい〉と訳すべきでしょう」
 他にも【inequality】を和訳で、アベノミクスに好都合な場合は「格差」とし、不都合な場合は「不平等」とする“都合のいい”使い分けが散見されると指摘する。
「『大不況に関する誤った診断』と題するスライドでは、旧『第1の矢』の金融緩和には期待された効果がないとし、『企業が投資に積極的にならないのは、需要が足りないからだ』と断言しています。世界で最も権威のある経済学者が日本国民のために全力で提言した結果が、アベノミクスの全否定でした。スティグリッツ教授は安倍首相に、アベノミクスを停止し、経済政策を百八十度転換することによって、7月のG7サミットで主導権を取ることを提言しているのです」(田代秀敏氏)




③ それにしても、スティグリッツ教授の資料はどうして会合当日に公表されず、2日も遅れたのか。内閣官房の担当者は「和訳の適切性について疑義が出たりしまして……」と弁解していた。政府にとって“好ましくない”ことを隠し、消費増税への教授の意見を必要以上に“強調”したのだとすれば、大問題だ。

孫崎享氏の卓越した見解と私見

2016-03-23 17:54:35 | 政治・文化・社会評論
孫崎享氏の卓越した見解と私見

前説
ベルギー・ブリュッセルでの自爆テロは悲惨だ。アメリカとヨーロッパは、中近東に対する外交政策を民族自決と民族融和を基調とした政策に根本から再建するべきだ。テロは許されない。しかしなぜテロを起こすか、それをもっと分析する必要はないのか。十字軍や古代からの文明史の教訓から学ぶべきだ。櫻井 智志






【孫崎享のつぶやき】
ベルギーの首都でのテロ攻撃、この際、ISのテロを根本問題から考えてみよう。『小説外務省Ⅱ陰謀渦巻く中東』から主人公西京寺が本省に意見具申をする所の引用
2016-03-23 06:584



「ベルギーの首都ブリュッセルで22日朝、ブリュッセル国際空港と、欧州連合(EU)本部などがある官庁街の地下鉄駅で大きな爆発が相次いで起こった。

 ベルギー公共放送によると、少なくとも計34人が死亡、約200人が負傷した。イスラム過激派組織「イスラム国」が犯行声明を出した。テロを受け、欧州全域の空港や交通機関で、緊急厳戒態勢が敷かれた。

 「イスラム国」系のメディアによると「イスラム国」は22日の犯行声明で、「戦闘員たちが爆弾ベルトで一連の爆破を実行した」とし、テロ攻撃の理由について、ベルギーが「(『イスラム国』掃討の)有志連合に参加している」と指摘した。ベルギーのミシェル首相は記者会見で、「(空港と地下鉄駅の)二つの攻撃は、卑劣な攻撃だ。我々が恐れていたテロが起こった」と述べた。

 これは単にベルギーだけの問題ではない。

『小説外務省Ⅱ陰謀渦巻く中東』を引用する。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(バリテロ攻撃をうけて)

いいずれにせよ、大量の犠牲者が出ることは間違いなかった。西京寺は事態を把握するとすぐに机に向かった。

西京寺には東京に伝えなければならないことがあった。今回は絶対に東京に電報を打つという決心をして、筆をとった。

********************

 13日午後9時パリで、コンサート会場やレストランなどで銃撃や爆弾攻撃が相次ぎ、130人近くが死亡し180人が負傷し80人は重体という。フランス政府は国家非常事態を宣言した。

今後、世界中の人々はフランス国民への同情と、実施した「イスラム国」への憎悪を新たにするとみられる。


これを契機に、世界中で、テロとの戦いでの国際連帯が強く叫ばれていくとみられる。

しかし、私達はこのテロ行為がどの様に発生したかを冷静に見極める必要がある。。

何故、我々は「イスラム国」の行動を憎むのか。一般市民に対する犠牲を生み出しているからである。

しかし、立場を変えてみよう。西側諸国のシリア空爆でどれだけの一般市民が巻き添えになったか。パリへのテロ行為に対する報復としてフランスはシリアへの空爆を行った。多分一般市民も巻き添えを食らっている。何故これが許され、「イスラム国」の報復だけが非難されるのか。

多くの人は今度のパリでのテロ行為は青天の霹靂と思うかもしれない。違う。これは起こるべきして起こったこと、もっと強い言い方をすれば、オランド大統領に責任がある。

「イスラム国」はこれまで、シリアやイラクでの陣地の獲得を主眼に置いた。これの転換が今年夏には明白に起こっていた。各国の情報機関は、本年9月の時点で「“イスラム国”は欧州、特にフランスで同時多発テロを実施する準備をしている」との情報を共有している。

オランド大統領は、この情報に接して、シリアへの空爆を再開した。「イスラム国」側に、当然報復の機運は高まる。今度のパリテロ事件はオランド大統領の行動に一端の責任がある。世界は多分この点にほとんど言及しないと思うが、この認識がなくて、事件の正確な判断は出来ない。

そもそも「テロとの戦い」は全く成功しないだけでなく、逆にテロ活動を活発化させている。

米国国務省発表の、テロでの犠牲者の数字がある。

本年6月19日、米国国務省は「2014年国別テロリズム報告(Country Reports on Terrorism: 2014 )を発表した。

ここではテロリズムを「秘密組織などによって非戦闘員に対して用いられる政治的動機による計画的暴力と定義されている。

今次報告においては次の重要な指摘がある。

① テロリズムの現象は攻撃回数、殺傷性、テロリストの組織の規模で一段と深刻化している。

攻撃件数は2013年の9,707件から、2014年の32,727件に増えている。

死亡は2013年の 17,891 名から83%増え、32,727 名である。

2002年には世界で,死者 725名であった。

2010年は13,186名である。

いくつかのグループのサイズが拡大した。特にISである。2013年はイラクに1,000から 2,000名、シリアに26,000名とみられたが、2014.年には20,000 名から 31,500名の戦闘員とみられている。

これに加えて2014年には33の新たなテロリスト集団がテロ攻撃を行った。

② 全攻撃の63%がイラク、アフガニスタン、パキスタン。インド、ナイジェリア、シリアで起こっている。

世界全体のテロ犠牲者数は次のとおりである。


  2000年       405

     1年      3,547

     2年       725

     3年       625

     4年      . 1,907

     5年      14,602

     6年      20,498

     7年      22,685.

     8年      15,765

     9年      14,971

    10年      13,186

    11年      12,533

    12年      11,098

    13年      17,891

    14年      32,727

以上から、「テロとの戦い」は決して成功しない。

それだけではなく、テロとの戦いに入ることによって、日本人への攻撃が必ず起こる。

しかしながら、安倍首相は必ず、「テロとの戦い」に参加することを積極的に打ち出すとみられる。

それは必ず日本人の犠牲を招く。

我々は後藤氏殺害の時に、「イスラム国」が警告した台詞を今一度思い起こすべきである。

“アベよ、戦いに参加するというおまえの無謀な決断で、このナイフはケンジを殺すだけでなく、おまえの国民を場所を問わずに殺戮する”

*******************************

西京寺はこの電報案を一気に書いた。

「明日、いやもう今日だ。10時になったら、大使の所に持っていこう。大使がどういうか、発電できるのか」                                 ---------------------------





============================
============================

私見

 孫崎享氏のような卓越した見解は、日本の政治家に理解しうるのか。後藤健二さんに関わる時も、日本の国会は全会一致で、安倍政権を支持して「イスラム国」を批判する決議をあげた。

 私の記憶では、この時に自らの思考で、アメリカの国際政策にも批判しうる余地があることに言及したのは、日本共産党の池内さおりさんただ一人だった。この時池内議員は、安倍総理が交渉中だから、安易な発言は誤解を招くから留意することを志位和夫委員長から指導されたと私は記憶している。

 確かに普通の政権なら、交渉中に政党の一員が政党の方針とニュアンスが異なることに慎重であってほしいという志位委員長の指導は、正しいし池内議員が慎重さを求められることも納得する。

 ただこの時に驚くべきことだが、安倍政権は人質救出交渉を全く行っていなかった。しかもカイロで有志国の一員としてイスラム国に打撃を与える支援の厖大な大金を提供すると公言した。この 言葉によって、後藤健二さんたちは処刑れた。

 シリアの上空から、フランス、イギリス、ロシア、アメリカら軍事兵器先進国の爆弾が空爆としてシリアをほぼ無制限に近い壊滅的爆撃を行った。このような非道で非人道的攻撃をおこなった世界の主要先進国に、フランスやベルギーの自爆テロやテロの反撃を批判する資格があるのか。

 私は欧米ロシアよりも、第三世界、開発途上国の国民の声を聴きたい。国家シリアを崩壊させた欧米は、やがて歴史の舞台から長い歳月をかけて消滅していくことだろう。人類史をたどると、欧米ロシア中国は、大昔から先進国だったわけではない。未開の後進国だった。チグリス・ユーフラテス川流域のメソポタミア文明のときにヨーロッパ大陸は遅れた地域だった。

 人類史の法則にそって、歴史を俯瞰することで、耐えず謙虚な視点に基づく国際社会認識が求められている。有志国連合など、人類史の仇花に過ぎない。歴史はたえず新たに生成されている。












孫崎享氏の卓越した見解と私見

2016-03-23 17:54:35 | 政治・文化・社会評論
孫崎享氏の卓越した見解と私見

前説
ベルギー・ブリュッセルでの自爆テロは悲惨だ。アメリカとヨーロッパは、中近東に対する外交政策を民族自決と民族融和を基調とした政策に根本から再建するべきだ。テロは許されない。しかしなぜテロを起こすか、それをもっと分析する必要はないのか。十字軍や古代からの文明史の教訓から学ぶべきだ。櫻井 智志






【孫崎享のつぶやき】
ベルギーの首都でのテロ攻撃、この際、ISのテロを根本問題から考えてみよう。『小説外務省Ⅱ陰謀渦巻く中東』から主人公西京寺が本省に意見具申をする所の引用
2016-03-23 06:584



「ベルギーの首都ブリュッセルで22日朝、ブリュッセル国際空港と、欧州連合(EU)本部などがある官庁街の地下鉄駅で大きな爆発が相次いで起こった。

 ベルギー公共放送によると、少なくとも計34人が死亡、約200人が負傷した。イスラム過激派組織「イスラム国」が犯行声明を出した。テロを受け、欧州全域の空港や交通機関で、緊急厳戒態勢が敷かれた。

 「イスラム国」系のメディアによると「イスラム国」は22日の犯行声明で、「戦闘員たちが爆弾ベルトで一連の爆破を実行した」とし、テロ攻撃の理由について、ベルギーが「(『イスラム国』掃討の)有志連合に参加している」と指摘した。ベルギーのミシェル首相は記者会見で、「(空港と地下鉄駅の)二つの攻撃は、卑劣な攻撃だ。我々が恐れていたテロが起こった」と述べた。

 これは単にベルギーだけの問題ではない。

『小説外務省Ⅱ陰謀渦巻く中東』を引用する。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(バリテロ攻撃をうけて)

いいずれにせよ、大量の犠牲者が出ることは間違いなかった。西京寺は事態を把握するとすぐに机に向かった。

西京寺には東京に伝えなければならないことがあった。今回は絶対に東京に電報を打つという決心をして、筆をとった。

********************

 13日午後9時パリで、コンサート会場やレストランなどで銃撃や爆弾攻撃が相次ぎ、130人近くが死亡し180人が負傷し80人は重体という。フランス政府は国家非常事態を宣言した。

今後、世界中の人々はフランス国民への同情と、実施した「イスラム国」への憎悪を新たにするとみられる。


これを契機に、世界中で、テロとの戦いでの国際連帯が強く叫ばれていくとみられる。

しかし、私達はこのテロ行為がどの様に発生したかを冷静に見極める必要がある。。

何故、我々は「イスラム国」の行動を憎むのか。一般市民に対する犠牲を生み出しているからである。

しかし、立場を変えてみよう。西側諸国のシリア空爆でどれだけの一般市民が巻き添えになったか。パリへのテロ行為に対する報復としてフランスはシリアへの空爆を行った。多分一般市民も巻き添えを食らっている。何故これが許され、「イスラム国」の報復だけが非難されるのか。

多くの人は今度のパリでのテロ行為は青天の霹靂と思うかもしれない。違う。これは起こるべきして起こったこと、もっと強い言い方をすれば、オランド大統領に責任がある。

「イスラム国」はこれまで、シリアやイラクでの陣地の獲得を主眼に置いた。これの転換が今年夏には明白に起こっていた。各国の情報機関は、本年9月の時点で「“イスラム国”は欧州、特にフランスで同時多発テロを実施する準備をしている」との情報を共有している。

オランド大統領は、この情報に接して、シリアへの空爆を再開した。「イスラム国」側に、当然報復の機運は高まる。今度のパリテロ事件はオランド大統領の行動に一端の責任がある。世界は多分この点にほとんど言及しないと思うが、この認識がなくて、事件の正確な判断は出来ない。

そもそも「テロとの戦い」は全く成功しないだけでなく、逆にテロ活動を活発化させている。

米国国務省発表の、テロでの犠牲者の数字がある。

本年6月19日、米国国務省は「2014年国別テロリズム報告(Country Reports on Terrorism: 2014 )を発表した。

ここではテロリズムを「秘密組織などによって非戦闘員に対して用いられる政治的動機による計画的暴力と定義されている。

今次報告においては次の重要な指摘がある。

① テロリズムの現象は攻撃回数、殺傷性、テロリストの組織の規模で一段と深刻化している。

攻撃件数は2013年の9,707件から、2014年の32,727件に増えている。

死亡は2013年の 17,891 名から83%増え、32,727 名である。

2002年には世界で,死者 725名であった。

2010年は13,186名である。

いくつかのグループのサイズが拡大した。特にISである。2013年はイラクに1,000から 2,000名、シリアに26,000名とみられたが、2014.年には20,000 名から 31,500名の戦闘員とみられている。

これに加えて2014年には33の新たなテロリスト集団がテロ攻撃を行った。

② 全攻撃の63%がイラク、アフガニスタン、パキスタン。インド、ナイジェリア、シリアで起こっている。

世界全体のテロ犠牲者数は次のとおりである。


  2000年       405

     1年      3,547

     2年       725

     3年       625

     4年      . 1,907

     5年      14,602

     6年      20,498

     7年      22,685.

     8年      15,765

     9年      14,971

    10年      13,186

    11年      12,533

    12年      11,098

    13年      17,891

    14年      32,727

以上から、「テロとの戦い」は決して成功しない。

それだけではなく、テロとの戦いに入ることによって、日本人への攻撃が必ず起こる。

しかしながら、安倍首相は必ず、「テロとの戦い」に参加することを積極的に打ち出すとみられる。

それは必ず日本人の犠牲を招く。

我々は後藤氏殺害の時に、「イスラム国」が警告した台詞を今一度思い起こすべきである。

“アベよ、戦いに参加するというおまえの無謀な決断で、このナイフはケンジを殺すだけでなく、おまえの国民を場所を問わずに殺戮する”

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西京寺はこの電報案を一気に書いた。

「明日、いやもう今日だ。10時になったら、大使の所に持っていこう。大使がどういうか、発電できるのか」                                 ---------------------------





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私見

 孫崎享氏のような卓越した見解は、日本の政治家に理解しうるのか。後藤健二さんに関わる時も、日本の国会は全会一致で、安倍政権を支持して「イスラム国」を批判する決議をあげた。

 私の記憶では、この時に自らの思考で、アメリカの国際政策にも批判しうる余地があることに言及したのは、日本共産党の池内さおりさんただ一人だった。この時池内議員は、安倍総理が交渉中だから、安易な発言は誤解を招くから留意いることを志位和夫委員長から指導されたと私は記憶している。

 確かに普通の政権なら、交渉中に政党の一員が政党の方針とニュアンスが異なることに慎重であってほしいという志位委員長の指導は、正しいし池内議員が慎重さを求められることも納得する。

 ただこの時に驚くべきことだが、人質救出交渉を全く行っていなかった。しかもカイロで有志国の一員としてイスラム国に打撃を与える支援の厖大な大金を提供すると公言した。この 言葉によって、後藤健二さんたちは処刑れた。

 シリアの上空から、フランス、イギリス、ロシア、アメリカら軍事兵器先進国の爆弾が空爆としてシリアをほぼ無制限に近い壊滅的爆撃を行った。このような非道で非人道的攻撃をおこなった世界の主要先進国に、フランスやベルギーの自爆テロやテロの反撃を批判する資格があるのか。

 私は欧米ロシアよりも、第三世界、開発途上国の国民の声を聴きたい。国家シリアを崩壊させた欧米は、やがて歴史の舞台から長い歳月をかけて消滅していくことだろう。人類史をたどると、欧米ロシア中国は、大昔から先進国だったわけではない。未開の後進国だった。チグリス・ユーフラテス川流域のメソポタミア文明のときにヨーロッパ大陸は遅れた地域だった。

 人類史の法則にそって、歴史を俯瞰することで、耐えず謙虚な視点に基づく国際社会認識が求められている。有志国連合など、人類史の仇花に過ぎない。歴史はたえず新たに生成されている。












北海道・京都の衆院補選と画期的なレジスタンス

2016-03-20 18:14:14 | 政治・文化・社会評論
  北海道・京都の衆院補選と画期的なレジスタンス

                  櫻井 智志

 北海道必勝は、安倍政権には最低のライン。もともとが町村派の領袖故町村信孝氏の議席。安倍晋三は策を弄した。5区が地盤の鈴木宗男と密かに連絡をとり、得意のアベノウラコーサクをはかった。公民権を失った鈴木宗男は、子どもの鈴木貴子を立候補させた。「新党大地」は足寄高校で鈴木の後輩の松山千春がかかわり、党名さえ考えた。

 鈴木宗男は、共産党は革命政党と反共の常套句で民主党を批判、自民党候補支持を表明した。そこまでは安倍晋三の思惑通り。

 しかし、安倍の考えられない事態が発生して安倍自民党は真っ青になった。なんと、日本共産党が選挙区候補を辞退させて、民主党候補支援にまわった。しかも共産党の勢力が強い京都府の候補も辞退して、反共色の強い民主党を考慮して「自主投票」とした。自主投票といっても自民党に投票する党員はまずいまい。しかも、自民党は悪名高い宮崎元議員の影響を考慮して候補さえ立てられない状況にある。

 北海道、京都で衆院補選議席を二つ失うことは、安倍晋三にとってとんでもない政局に連なる。衆参同時選挙どころではない.万一同一選挙をおこなって、自公惨敗となれば安倍政権は吹き飛ぶ。

 しかし、世界各国の首脳の前で、福島原発の汚染水は完全にブロックしたと、数値まであげてとんでもない嘘をつく虚言癖のある首相。おそらく何でもやるだろう。民主党、維新の党のそれぞれの議員の籠絡や「民進党」へのダメージ演出、共産党などへのスキャンダルでっち上げなどおよそ考えられることはもちろん、想定外のことさえありうる。それは過剰防衛ではなく、いままでに安倍晋三という政治家総理が行ってきたことの経歴を見れば、油断は絶対にできない。

 日本共産党の「一人区」選挙政策は秀逸である。「肉を切らして骨を切る」という言葉の通り、共産党が具体的分析に基づいて細かく選挙区に応じてとり組む戦略は、戦後共産党史において、戦後直後の民主化の闘争、1960年代を画期とする人民的議会主義、革新統一戦線による革新自治体メガロポリス、これらに匹敵する反軍事大国主義のレジスタンスと言えよう。

 しかもこの共産党の活躍の背景に、反原発運動連合以来、広範な市民の自立的闘いの拡大と成長がある。若者が大健闘しているSEALDsは全国各地に誕生し、重要な意義を果たしている。子育て中のママさんを名前とした市民の団体など、共産党とは異なる団体が活躍し、市民団体も日本共産党も互いを尊重し理解しあっている。これは戦術論ではなく、すでに1950年代にあった大衆社会論争の土台が、21世紀に入り、個人や個性の成熟した集団の誕生という学問的検討の対象ともなる社会発展が背景にあると私は考える。



=========================


重要参考資料【日刊ゲンダイ】

“3点セット”が逆風に…自民党「北海道5区補選」で大苦戦

2016年3月20日

野党統一候補の池田真紀(C)日刊ゲンダイ

「このままでは負ける」――と、自民党が真っ青になっている。4月24日に行われる“北海道5区”と“京都3区”の2つの補欠選挙。不戦敗の京都3区だけでなく、負けるはずがない北海道5区まで勝利が怪しくなっているからだ。

 自民党の直近の調査によると、なんと自民候補と野党候補の支持率は「45対43」の横一線。さらに、農業専門紙の調査では、北海道は「政党支持率」まで「自民17%、民主17%」と並んでいるという。

 自民党にとって北海道5区補選は、本来、絶対に負けるはずがない選挙。自民党議員だった町村信孝氏が死亡したために行われる“弔い合戦”だからだ。しかも、自民党は、万全を期して町村氏の娘婿を擁立している。なのに大接戦とは、いったい何が起きているのか。地元の政界関係者がこう言う。

「まず、候補者の差が大きい。亡くなった町村さんの娘婿である自民党候補は、とにかくエラソーで頭を下げない。有権者に会えば会うほど票を減らしています。その反対に、野党統一候補の池田真紀氏(43)は、ざっくばらんで明るく、会った人は皆、ファンになっている。彼女は、介護の専門家。苦労しながら子供を育てているシングルマザーです。エリートである自民党候補と違って、生活感があることが受けているのでしょう」


 さらに「TPP、安保、保育園」の3点セットが、自民党を直撃しているという。

 もともと北海道はTPP反対が強い。さらに、基地を抱えている北海道5区は、安保問題にも敏感。そこへ、保育園問題が加わった形だ。安倍首相が、保育園不足に困っている母親を冷たく切り捨てたことで、女性有権者はカンカンになっているという。

「危機感を強める自民党は、総裁特別補佐の下村博文氏を現地に張りつけるつもりです。対する野党陣営は、女性議員を連日、送り込む方針。4月24日の投票日まで総力戦になるはずです」(永田町関係者)

 もし、北海道5区で敗れ、補選連敗となれば、安倍首相はダブル選挙どころではなくなる。

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北海道・京都の衆院補選と画期的なレジスタンス

2016-03-20 18:14:14 | 政治・文化・社会評論
  北海道・京都の衆院補選と画期的なレジスタンス

                  櫻井 智志

 北海道必勝は、安倍政権には最低のライン。もともとが町村派の領袖故町村信孝氏の議席。安倍晋三は策を弄した。5区が地盤の鈴木宗男と密かに連絡をとり、得意のアベノウラコーサクをはかった。公民権を失った鈴木宗男は、子どもの鈴木貴子を立候補させた。「新党大地」は足寄高校で鈴木の後輩の松山千春がかかわり、党名さえ考えた。

 鈴木宗男は、共産党は革命政党と反共の常套句で民主党を批判、自民党候補支持を表明した。そこまでは安倍晋三の思惑通り。

 しかし、安倍の考えられない事態が発生して安倍自民党は真っ青になった。なんと、日本共産党が選挙区候補を辞退させて、民主党候補支援にまわった。しかも共産党の勢力が強い京都府の候補も辞退して、反共色の強い民主党を考慮して「自主投票」とした。自主投票いっても自民党に投票する党員はまずいまい。しかも、自民党は悪名高い宮崎元議員の影響を考慮して候補さえ立てられない状況にある。

 北海道、京都で衆院補選議席を二つ失うことは、安倍晋三にとってとんでもない政局に連なる。衆参同時選挙どころではない.万一同一選挙をおこなって、自公惨敗となれば安倍政権は吹き飛ぶ。

 しかし、世界各国の首脳の前で、福島原発の汚染水は完全にブロックしたと、数値まであげてとんでもない嘘をつく虚言癖のある首相。おそらく何でもやるだろう。民主党、維新の党のそれぞれの議員の籠絡や「民進党」へのダメージ演出、共産党などへのスキャンダルでっち上げなどおよそ考えられることはもちろん、想定外のことさえありうる。それは過剰防衛ではなく、いままでに安倍晋三という政治家総理が行ってきたことの経歴を見れば、油断は絶対にできない。

 日本共産党の「一人区」選挙政策は秀逸である。「肉を切らして骨を切る」という言葉の通り、共産党が具体的分析に基づいて細かく選挙区に応じてとり組む戦略は、戦後共産党史において、戦後直後の民主化の闘争、1960年代を画期とする人民的議会主義、革新統一戦線による革新自治体メガロポリス、これらに匹敵する反軍事大国主義のレジスタンスと言えよう。

 しかもこの共産党の活躍の背景に、反原発運動連合以来、広範な市民の自立的闘いの拡大と成長がある。若者が大健闘しているSEALDsは全国各地に誕生し、重要な意義を果たしている。子育て中のママさんを名前とした市民の団体など、共産党とは異なる団体が活躍し、市民団体も日本共産党も互いを尊重し理解しあっている。これは戦術論ではなく、すでに1950年代にあった大衆社会論争の土台が、21世紀に入り、個人や個性の成熟した集団の誕生という学問的検討の対象ともなる社会発展が背景にあると私は考える。



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重要参考資料【日刊ゲンダイ】

“3点セット”が逆風に…自民党「北海道5区補選」で大苦戦

2016年3月20日

野党統一候補の池田真紀(C)日刊ゲンダイ

「このままでは負ける」――と、自民党が真っ青になっている。4月24日に行われる“北海道5区”と“京都3区”の2つの補欠選挙。不戦敗の京都3区だけでなく、負けるはずがない北海道5区まで勝利が怪しくなっているからだ。

 自民党の直近の調査によると、なんと自民候補と野党候補の支持率は「45対43」の横一線。さらに、農業専門紙の調査では、北海道は「政党支持率」まで「自民17%、民主17%」と並んでいるという。

 自民党にとって北海道5区補選は、本来、絶対に負けるはずがない選挙。自民党議員だった町村信孝氏が死亡したために行われる“弔い合戦”だからだ。しかも、自民党は、万全を期して町村氏の娘婿を擁立している。なのに大接戦とは、いったい何が起きているのか。地元の政界関係者がこう言う。

「まず、候補者の差が大きい。亡くなった町村さんの娘婿である自民党候補は、とにかくエラソーで頭を下げない。有権者に会えば会うほど票を減らしています。その反対に、野党統一候補の池田真紀氏(43)は、ざっくばらんで明るく、会った人は皆、ファンになっている。彼女は、介護の専門家。苦労しながら子供を育てているシングルマザーです。エリートである自民党候補と違って、生活感があることが受けているのでしょう」


 さらに「TPP、安保、保育園」の3点セットが、自民党を直撃しているという。

 もともと北海道はTPP反対が強い。さらに、基地を抱えている北海道5区は、安保問題にも敏感。そこへ、保育園問題が加わった形だ。安倍首相が、保育園不足に困っている母親を冷たく切り捨てたことで、女性有権者はカンカンになっているという。

「危機感を強める自民党は、総裁特別補佐の下村博文氏を現地に張りつけるつもりです。対する野党陣営は、女性議員を連日、送り込む方針。4月24日の投票日まで総力戦になるはずです」(永田町関係者)

 もし、北海道5区で敗れ、補選連敗となれば、安倍首相はダブル選挙どころではなくなる。

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「 高浜原発再稼働のために最高裁が“選り抜き裁判官”を福井地裁に送り込んでいた」

2016-03-20 14:46:03 | 政治・文化・社会評論
「裁判所は原発ムラの代理人だ! 高浜原発再稼働のために最高裁が“選り抜き裁判官”を福井地裁に送り込んでいた」

 この孫崎享氏が評論で指摘する事実は、現在日本の支配構造を端的に示している。


 驚き。恐れを禁じ得ない。三権分立の「行政」が「立法」すら侵食し、呆れかえるような独裁権力を恣意的に行使している。安倍晋三、子どもたちの世界の「いじめの構図」そのままだ。司法権さえこのような実態では、マスコミも教育も労働組合も、安倍独裁権力の欲しいがままにコントロールされていることはほぼ間違いあるまい。「安倍政権」とは、そのような特異な独裁権力機構なのだ。そのことを熟知した上で、反独裁権力運動を忍耐強く広く深く浸透させることが重要な鍵となる。
 いま全国に広がっている市民運動と野党五党協議による選挙協力の取り組みを、衆参両院にわたり実現することが、当面緊急の闘争課題の第一段階となる。  〔櫻井 智志〕




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【孫崎享のつぶやき】

裁判所は原発ムラの代理人だ! 高浜原発再稼働のために最高裁が“選り抜き裁判官”を福井地裁に送り込んでいた(リテラ、抜粋)

2016-03-20 06:1941


 今日の日本社会での醜さと危険は、政界、官界、法曹界のいずれもが、それぞれの組織の上部、主流とみなされる人になればなるほど、本来のあるべき思考をから逸脱し、安倍政権に迎合する考えをしていることである。

 一つの代表が、横畠内閣法制局長官である。

 過去何十年にわたり、内閣法制局は自衛隊を海外で闘わせることになる集団的自衛権は違憲であるとの立場をとってきた。

 内閣法制局長官は歴代、内閣法制局内で勤務した者から任命する不文律があった。安倍首相がこれを変え、集団的自衛権を認める小松元駐仏大使を任命するや、内閣法制局内が一気に変化し、小松氏の健康上の辞任後、任命された横畠氏は一気に集団的自衛権容認論を展開した。そして、「横畠内閣法制局長官は参院予算委員会で、核兵器使用について「国内法上、国際法上の制約がある」としたうえで、「憲法上、あらゆる種類の核兵器の使用がおよそ禁止されているというふうには考えていない」との見解を示すまでに至った。

 こうした状況は、行政官庁だけでなく、裁判所にも及んでいる。

 高浜原発をめぐる福井地裁の動きである。

リテラ.03.15.は「裁判所は原発ムラの代理人だ! 高浜原発再稼働のために最高裁が“選り抜き裁判官”を福井地裁に送り込んでいた」とする論評を掲載している所、抜粋する。

 **************************

 昨年4月14日に福井地裁が高浜原発再稼働差し止めの仮処分を決定した。この際、樋口英明裁判長(当時)は想定を超える地震が各地で起こっていることを挙げて、原子力規制委員会の新基準が「合理性を欠く」と政府の原発政策の根本に異を唱えている。

 ところが、その画期的な判決を下した樋口裁判長は、その後名古屋家裁に“左遷”されてしまう。これは懲罰人事であり、今後原発訴訟に関わらせないための追放人事でもあることは明白だった。

樋口裁判長の後任として福井地裁に赴任してきたのが林潤裁判長だった。林裁判長は昨年12月24日に高浜原発3、4号機の再稼働差し止めを覆し、事実上、再稼働を決定。さらに、林裁判長は大飯原発についても周辺住民らが求めていた再稼働差し止めの仮処分の申し立てを却下する決定をした。

 この林裁判長の人事について、「週刊現代」(講談社)3月26日・4月2日合併号が露骨すぎる政治的背景を暴露している。

問題は林裁判長の経歴だ。1997年に任官した林裁判長は最初の赴任地が東京地裁で、2年後に最高裁判所事務総局民事局に異動。その後も宮崎地裁勤務以外、東京・大阪・福岡と都市圏の高裁と地裁の裁判官を歴任している。

「現代」では明治大学政治経済学部の西川伸一教授がその経歴についてこんなコメントをしている。

「任官して初の赴任地が東京地裁という点で、人事権を握っている事務総局から、目をかけてもらっていることが窺えます。その上、初任明けと呼ばれる2ヶ所目の赴任地が事務総局。これは、林裁判官の同期108人の中でも6名しかいません。実際、任官から18年で部総括判事の役職に就くのもかなり早い出世です」

 この最高裁事務総局というのは、裁判所の管理、運営、人事を仕切る部署で、将来は最高裁判官を狙えるようなエリートが集まるところだという。林裁判長は人事権を握る事務総局から目をかけられ、将来を約束された最高裁長官さえ狙えるようなエリートだったのだ。

 林裁判長だけではない。昨年12月、林裁判長と一緒に高浜原発再稼働を認めた左右陪席の2人の裁判官、中村修輔裁判官と山口敦士裁判官もまた最高裁判所事務局での勤務経験があるエリート裁判官だった。

 中村裁判官は一度も遠隔地赴任がなく、東京、横浜、大阪で過ごし、事務総務局総務局付で国会対策などを担当したエリート。

 また山口裁判官も大阪高裁や出向で外務省の花形ポジションである国連日本代表部2等書記官の肩書きを持っていたという。

 そんなエリート裁判官たちが高浜原発のある福井に赴任し、原発政策に関わる決定に関与した。これは異例のことだ。「現代」では元裁判官の弁護士がこうコメントしている。

「本来、福井地裁は名古屋高裁内でも比較的ヒマな裁判所で、アブラの乗った裁判官が来るところではない。しかも、この3人は東京や大阪など、他の高裁管内からの異動で、この人事には、各裁判所の人事権を握る最高裁の意向が反映されていると見るべきです」

 ようするに、政府や電力会社に都合が悪い決定を下した裁判官を左遷し、代わりに最高裁がお墨付き与えたエリート裁判官たちを原発再稼働容認のために送り込んだのだ。

こうした最高裁による露骨な原発推進人事という“意思”の背景にはもちろん、政府の意向がある。前出の元裁判官の現役弁護士はこう語っている。

「いくら独立が保障されているとはいえ、裁判所も上層部へ行けばいくほど政権との接触は増えるため、考え方が政権の意向に沿ったものになる。彼ら3名を含め、事務総局に勤務経験のある裁判官は、そうした阿吽の呼吸を最もよく心得た人々なのです」

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