【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

「真実を伝えて、権力を監視する」──。岸井氏の“遺言”を、報道に携わる人間は重く受け止めなくてはならない【リテラ編集部】

2018-07-31 12:01:31 | 転載
(転載) 
岸井成格が安倍官邸から受け続けた圧力の数々! 安倍応援団による卑劣な「意見広告」攻撃の末、『NEWS23』降板に
2018.05.17


(写真:記事とは別です)
 毎日新聞元主筆でジャーナリストの岸井成格氏が、15日に肺腺がんで死去した。73歳だった。岸井氏は2017年10月に、コメンテーターとして出演していた『サンデーモーニング』(TBS)においてがんを患い入院治療をおこなっていたことを明かし、昨年12月3日放送分を最後に同番組を休んでいた。

 だが、やはり岸井氏といえば、2013年4月からアンカーを務めた『NEWS23』(TBS)での、安倍政権を毅然と批判する“忖度しない”姿が記憶に残っている人も多いだろう。そして、『報道ステーション』(テレビ朝日)の古舘伊知郎や『クローズアップ現代』(NHK)の国谷裕子がキャスターを降板したのと同じ2016年3月をもって、岸井氏は膳場貴子キャスターとともに降板した。

 この一連の降板劇の背景にあったのは、言うまでもなく安倍政権からの圧力だった。メディアに睨みをきかせ、不都合な報道をおこなう番組には圧力をかける──これは安倍政権の常套だが、じつは官邸は、番組スタート時から、岸井氏に接近していた。
 2016年6 月に発売された、慶應義塾大学の法哲学ゼミで同期だったという佐高信との対談本『偽りの保守・安倍晋三の正体』(講談社)で、岸井氏はこう語っている。

「「NEWS23」を始めてすぐの頃だと思う。安倍首相から官邸に来てくれと言われて、その時、菅とも顔を合わせた。安倍から「その節はお世話になりました」と挨拶されたんだけど、後で首相番連中が言うには、「岸井さん、あれはまずかった。どっちが総理かわからないですよ」と。私の態度がでかすぎたらしい(笑)」

 安倍首相が口にした「その節はお世話になりました」という言葉の意味は、岸井氏が晋三の父・安倍晋太郎の担当をしていたときのことを指しているらしい。岸井氏は「私は安倍のおやじさんの晋太郎には非常に可愛がってもらって、ある意味で逆指名的に私が彼を担当しているようなところがあった」と語っているが、外遊の同行では晋太郎の秘書を務めていた晋三と一緒だったという。
 だが、岸井氏は安倍首相の政策にはっきりと異を唱えた。

『政権批判する岸井成格に、圧力をかけ続けた安倍政権』

 なかでも2013年11月に特定秘密保護法案に反対する集会で呼びかけ人のひとりとなり、番組でも同法案を批判的に取り上げた。父・晋太郎との関係も深い「保守派」の人物だと認識していた安倍官邸は、この岸井氏の姿勢に激怒していたともいわれている。2014年12月には、安倍首相が『NEWS23』に生出演した際、街頭インタビューのVTRに「厳しい意見を意図的に選んでいる」と難癖をつけ、その後、自民党が在京テレビキー局に「報道圧力」文書を送りつけるという問題も起きた。
 こうしたなかで、岸井氏にはこんな出来事があった。岸井氏は企業の幹部に話をするという勉強会を長くつづけていたのだが、その場に菅義偉官房長官が突然、やってきたというのだ。
「(菅官房長官は)黙って来た。誰かから聞いて知ったんだろう。最初から最後までいたよ。終わると「今日はいい話を聞かせていただいて、ありがとうございました」と言って帰っていった。怖いよな」
「「どこで何を話しているか、全部知っていますよ」ということを見せているわけだ。「人脈も把握しています。岸井さんが動いているところにはいつでも入っていけますよ」というメッセージかもしれない」(前出『偽りの保守・安倍晋三の正体』より)
 報道番組のアンカーに、陰に陽にプレッシャーをかける。しかし、だからといって岸井氏の舌鋒は鈍らなかった。それどころか、安保法制では問題点をあぶり出し、2015年9月にはアーミテージ国務副長官のインタビューに成功。アーミテージはこのとき、安保法制は“自衛隊が米軍のために命を賭けると初めて約束”するものだとし、“アメリカ軍のために役立ってほしい”と述べた。つまり、安倍政権による「日本の安全のため」「歯止めがかかっている」という説明が嘘であることを番組はあきらかにしたのだ。
 当然、この放送内容に官邸は過剰に反応した。岸井氏も「官邸の中の情報だと、彼らがいちばん怖じ気をふるった」のは、アーミテージのインタビューだったと語っている。
 その上、岸井氏は、安保法制が参院特別委員会で強行採決される前日の9月16日放送で、「安保法案は憲法違反であり、メディアとしても廃案に向けて声をずっと上げつづけるべきだ」と力強く主張した。
 もちろん、官邸はこうした態度を変えない岸井氏に怒り心頭。政治部を通じて「岸井をなんとかしろ」という声をTBS幹部に再三届けてきたといわれている。
 そして、岸井氏の番組降板の引き金となった事件が2015年11月に起こる。

『安倍親衛隊「視聴者の会」が意見広告で、岸井成格を攻撃』

 岸井氏を個人攻撃する「放送法遵守を求める視聴者の会」による意見広告が産経・読売新聞に掲載されたのだ。この意見広告では、岸井氏の「安保法案は憲法違反であり、メディアとしても廃案に向けて声をずっと上げつづけるべきだ」という発言を取り上げ、〈岸井氏の発言は、この放送法第四条の規定に対する重大な違法行為〉と攻撃したのである。
 本サイトでは何度も追及をおこなってきたが、この「放送法遵守を求める視聴者の会」は安倍親衛隊による団体で、あきらかに“安倍首相の別働隊”と言うべきもの。この意見広告にTBSは震え上がり、上層部が内々に岸井氏の降板を決めたのだ。

 岸井氏はこの放送圧力団体による攻撃について、佐高氏との対談でこう振り返っている。

「あの広告の呼びかけ人はほとんどが安倍首相の応援団で、七人のうち四人は安倍に個人献金をしている。広告を見たとき、怖くて不気味だという思いと同時に、官邸および政府与党は本気で言論弾圧をする気なんだと改めて思ったね。報道をめぐる不自由はここまできたのか、というのがいちばん近い印象だな」

『NEWS23』のアンカーを降板したあとも、岸井氏は『サンデーモーニング』でも共謀罪法案など、安倍政権の強権政治に対して果敢に批判をつづけた。このように、政権からの言論弾圧に怯むことのなかった岸井氏だが、そうしたジャーナリズム精神を砕いたのは、政権の顔色を伺うテレビ局上層部だったのである。
『NEWS23』アンカーとしての最後の出演となった放送で、岸井氏はこう述べていた。

「報道は変化に敏感であると同時に、やっぱり極端な見方に偏らないで、そして世の中や人間としての良識・常識を信じて、それを基本にする。そして何よりも真実を伝えて、権力を監視する。そういうジャーナリズムの姿勢を貫くとうことがますます重要になってきているなと感じています」

「真実を伝えて、権力を監視する」──。岸井氏の“遺言”を、報道に携わる人間は重く受け止めなくてはならない。
(編集部)

《報道特集》2018.7.28 時代に迫る

2018-07-28 19:00:23 | 政治・文化・社会評論
《報道特集》2018.7.28 時代に迫る
         櫻井 智志

【オウム真理教】
 オウム真理教の全貌が不明、10名は再審請求中にもかかわらず、二度であっという間に7名、6名と連続死刑執行。安田好弘弁護士や森達夫氏の見解が正論と思う。坂本弁護士一家虐殺。極めて不透明な事件で終えていないままだ。
 オウムの犯罪によって不幸のどん底に落ちた被害者と残された遺族。犯罪が明瞭にならないまま13人の大量死刑。海外ではこのような死刑執行に強く疑問が呈されている。日本の行政はあちこちで明治大逆事件当時の専制政治に大きく後退・退化してしまった。国民の政府批判を恫喝する意図か。
 江川紹子さんは、オウム裁判を深く追跡してきた。「公開の法廷で語られた発言」を教訓として、刑事事件だけで終わらせず多角的なものとしての側面ももっと明らかにすべき、と発言された。ジャーナリストの真髄がある見解だ。
 死刑執行の異様さ。それが、矯正制度に変わりつつあった戦後の司法をゆがめるとともに、国際社会での戦後日本への評価を大きく失墜させている。この番組のキャスターの皆さんのコメントに毎回眼を開かれる思いがする。貴重な、報道番組だ。


【大型台風がその規模で関東から西日本へ】
 台風も洪水も昔からあった。その災害に、真剣に国政が取り組むか、美辞麗句だけで終わらせるか。その対応にかなりの相違があった。沖縄の美しい自然の海を回帰不全にしてしまう国政と沖縄を守る県知事と。天災は時に人災でもある。台風と土砂災害。猛威の自然に怒りさえ想像する。想像の域だ。

「教育科学研究会」全国大会と地元教育委員会の対応

2018-07-28 17:53:02 | 政治・文化・社会評論
「教育科学研究会」全国大会と地元教育委員会の対応
                櫻井 智志

1:

 東京新聞は、以下の記事を伝えた。
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「改憲阻止」理由、後援撤回 川崎市教委 有識者のフォーラム
2018年7月28日 朝刊

 川崎市教育委員会が、学識経験者らでつくる全国組織「教育科学研究会」が同市で開催予定の年次大会に、一度出した事業後援を取り消したことが二十七日、市教委への取材で分かった。複数開かれるフォーラムの一つで憲法改正「阻止」とうたっていることが、市教委の後援基準を満たさないと判断したという。担当者は「一方的な立場から議論が行われ、政治的中立性が損なわれるおそれがある」と説明している。
 同研究会ホームページによると、大会は八月十~十二日、同市中原区の法政第二中学・高校で開かれる。十日に予定される五つのフォーラムのうち一つは、テーマを「憲法『改正』と私たちの教育」として、討論の柱に「憲法9条『改正』阻止、平和と人権を進める」などと記している。
 市教委指導課によると、事業を後援する基準を定めた「事務取扱要領」は、「市の政治的中立性を損なうと判断されるもの」を後援しないと定めている。同研究会から同課に五月十七日付で後援申請が出され、同課は六月十一日付で承諾する通知を返送した。この時点で、フォーラムのテーマは把握していたものの、討論内容までは詳しく知らされていなかったという。
 同課は七月二十日ごろに外部から指摘を受け、二十六日に同研究会から大会内容を詳しく聞き取るなどした結果、同要領に抵触すると判断して二十七日に後援を取り消した。同日、同研究会に口頭で伝え、文書を発送した。
 同研究会によると、年次大会は、昨年は滋賀県近江八幡市で、一昨年は東京都板橋区で開き、それぞれ地元教委の後援を受けた。 (大平樹)
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川崎市教委が「市教委の後援基準を満たさない」「一方的な立場から議論が行われ、政治的中立性が損なわれるおそれがある」ととらえた教育科学研究会」とは、どんな団体なのか?


2:

教育科学研究会とはなにか。教育研究会公式サイトでは、明確に記している。

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教育科学研究会(略称・教科研)は、教育の現場(学校や園、家庭や地域)で起こっている現実を見すえながら、子どもの未来と教育のあり方について、教職員、保護者、指導者、学生、研究者などが共に考えあい、実践・研究しあう団体です。


教科研は、第二次世界大戦以前に結成され、大戦中に中断を余儀なくされましたが、1952年に再建されました。以来、 大戦後の憲法・教育基本法の理念を実現すべく、実践・研究運動を進めてきました。今日の子どもと教育をめぐる現実は容易ならざる状況にあります。
この現状をどのように打開し、子どもたちに明るい未来と希望をいかに保障していくかについて幅広い人たちと語り合い、そのための 実践と研究を幅広く押し進めていきたいと考えています。この研究と運動を私たちといっしょに進めていきませんか?あなたのご参加を心よりお待ちしています。
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3:
 教育科学研究会が今回実施する全国大会とは、以下のような内容である。

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8月10日-12日
全国大会のお知らせ
今年2018年は神奈川県にて開催されます。
日程
2018年 8月10日(金) 11日(土) 12日(日)
会場 法政第二中高等学校


主催
教育科学研究会 神奈川大会実行委員会
後援
川崎市教育委員会・神奈川新聞社・神奈川県民間教育研究団体協議会
みなさんのご参加をお待ちしております!
全国大会 特設ページ
https://kyoukaken.jp/fes2018/

8/10(金) 10:00 - 12:00
教科研講座 講座名 内容 担当
① 学級通信を書いてみよう
困難でも学級通信を書く人が増えます。実践の発信は多彩。継続の工夫や多彩な通信(教科通信)の紹介も。
霜村三二(埼玉)西田 佳(東京)
② それでも私は教師になる?
難しいけどおもしろい、つらいけど楽しい、やめたいけど続けたい …教師のしごとの悩みと魅力を語りあいます。
山﨑隆夫(東京)佐藤 博(東京)
③ 今さら…聞いちゃおう、言っちゃおう学校への?や!
参加者が日頃抱く学校への疑問、学校の***を出し合って、多方向からの「光」で学校の今を映し出します。
宮下 聡(東京)篠崎 修(神奈川)
④ 中学校道徳教科書を読む
中学校道徳教科書の検定とその問題点を考える。教科書を挟んで、政治と教育のあり方を問う。
鈴木敏夫(東京)佐藤広美(東京)
⑤ 若手高校教師 生徒とつくる3年間
高校の3年間は生徒にとって教師にとってどんな意味があるのでしょうか?若手とベテランで考え合います。
宮田雅己(神奈川)矢後正子(神奈川)

8/10(金) 13:00 - 15:40
はじめの集い
神奈川大会実行委員会がこれまで積み上げてきた
学習・交流の集大成としてのパフォーマンスでお迎えします。
【あいさつ】 佐貫 浩(教科研委員長・大会実行委員長)
【会場校あいさつ】 北詰昌敬さん(法政第二中高等学校校長)

基調報告
『教育学と教育実践は、 子どものしあわせにどういう力になれるのか』
佐藤広美(教科研副委員長)

記念講演

『進む政治の私物化 瓦解する官僚たち~安倍政権とメディア~』
望月衣塑子さん(東京新聞社会部記者)

8/10(金) 16:00 - 18:30
教育問題フォーラム

教育の世界で起こっている様々な問題を、大きな視点から鋭く深く切り込む、分科会分野を超えた野心的な企画です。

フォーラム名・テーマ 討論の柱 世話人
A. 学力と教育課程 ─教育振興基本計画のもとで
学習指導要領が順次実施されるなか、学力と教育課程に創意工夫を
第3次教育振興基本計画(エビデンス・証拠を伴う PDCAサイクル)の縛りの構造
子ども・青年と教師にとって、望ましい学力とそれを保障する教育課程を探る
梅原利夫(東京)本田伊克(宮城)
B. 教師の働き方改革 ─学校・部活・教育条件整備
「働き方改革」が喧伝されていますが、教師を病休や退職に追い込む学校の現状を、部活や教育条件などのいくつかの側面から明らかにします。
佐藤 隆(山梨)福井雅英(滋賀)
C. 排除されがちな子ども・若者と地域で向き合う
貧困や民族的出自などにより、学校や社会から排除されがちな子ども・若者たちが拠りどころにできる地域の居場所づくり
富田充保(神奈川)南出吉祥(岐阜)
D. 憲法「改正」と私たちの教育
憲法 9条「改正」阻止、平和と人権を進める。現代の危機を切り拓く日本国憲法の価値を改めて読み解き、子ども・若者の憲法意識と教育の課題を問う。
佐貫 浩(東京)佐藤広美(東京)
E. 公教育の未来
今後の科学技術革新、少子高齢化、世界情勢の変化などを踏まえて、 2030年代以降の公教育像を展望する。
山本宏樹(東京)神代健彦(京都)

8/10(金) 19:00 - 21:00
夕食交流会
大会初日・二日目の内容を振り返り、食事をともにしながら語り合いましょう。
ご当地名物、地酒、銘菓など,お土産大歓迎!
※ 参加費4,000円、学生・院生2,000円
参加申込みは当日「受付」でお願いします。

8/11(土) 9:00 - 12:00 / 13:00 - 15:00
8/12(日) 9:00 - 12:00
分科会

分科会名・テーマ 討論の柱 世話人
1. 子どもの生活と文化
学校で、放課後に子どもたちはいまどうしているか?
家庭・学校・地域での子どもの生活実態とその背景をとらえ直し、生活文化のあり方を考える。
泉 宣宏(東京)五十嵐マリ子(神奈川)
2. 青年期の教育
社会とつながる場としての高校
社会的自立という課題に向き合う青年期において、社会とつながり、出会っていける場としての高校の可能性を探る
矢後正子(神奈川)南出吉祥(岐阜)
3. 能力・発達・学習
表現を促し共有し深める教育とは?
夜間中学に集う人々が求め、表現したい教育
思春期、青年期の生き方と切り結ぶ授業を創る
地域における子どもたちの表現を繋ぐ取り組み
富田充保(神奈川)かわさきあつこ(神奈川)
4. 身体と教育
子どもの“生きづらさ”から「身体と教育」を考える
生活環境と「身体と教育」
社会情勢と「身体と教育」
学校教育と「身体と教育」
水田嘉美(神奈川)横田誠仁(東京)
5. 美的能力と教育
子ども・青年にとって表現することの意味を探る
一人の子どもの誕生から10歳までの美術表現
小学校での学級劇の展開
困難を抱えた青年たちの美術
今給黎博子(神奈川)山田康彦(三重)
6. ことばと教育
主権者を育てることばと教育の創造
ことばの豊かな発達とコミュニケーション
ことばを育てる国語・外国語の授業
生活に根ざして紡ぐ自己表現活動
神 郁雄(東京)瀧口 優(東京)
7. 社会認識と平和
地域 −日本−アジアを串ざしにする社会認識を育む
教科書問題と歴史教育実践
高校「公共」
朝鮮学校と多文化教育
過疎地・地域づくりと教育
金馬国晴(神奈川)神原昭彦(東京)
8. 自然認識と教育
子ども・青年の自然認識の発達課題を探る
青年の自然認識の現状と危うさに目を向け、本質的な教育実践課題とその打開の糸口を探ります。
三石初雄(東京)木村 功(神奈川)
9. 道徳性の発達と教育
社会転換期の道徳教育
新中学校道徳科教科書
学年で取り組む中学校平和教育
どの子にも安心の学級
社会転換期の道徳教育実践
奥平康照(東京)藤田昌士(埼玉)
10. 教育課程と評価
教室と学校の日常から教育課程をたちあげる
国による授業実践の統制と画一化に対抗して、子ども・若者の創造的で自主的な学びを保障する教育課程・授業づくりを考える
本田伊克(宮城)桜井恵子(神奈川)
11. 学校づくり
いまを生きる子どもと共に学校をつくる
若手教師の抱える課題……若手の語る学校の姿
スタンダード化が進む学校……現代の管理主義教育の問題
教師の働き方改革を考える
境 光春(神奈川)田沼 朗(山梨)
12. 地域と教育
地域に「居場所と学びの場」をつくる
中学生の学習支援を目的とした学校外での「無料塾」
学校内のスペースに設けられた高校の「カフェ」。そこに彼らの学びと成長がある。
細金恒男(東京)篠崎 修(神奈川)
13. 政治と教育
安倍政権下の教育政策とわたしたちの課題
権力による教育価値統制を考える
次世代学校構想、学校再編のなかでの地域・学校の課題
主権者教育を考える
中田康彦(東京)新井秀明(神奈川)
14. 性と教育
自立と共生 子どもたちの性をどう育むか
現代の子ども・教師と性
共に生きる主体を育むには〜多様な性と家族
ジェンダー観を考える授業
中嶋みさき(東京)森下育代(神奈川)
15. 発達障害と教育
子どもの理解を軸に据えた実践をつくる
発達障害等のある子どもの理解を深める
「自己の育ち」を支える実践をつくる
福家珠美(神奈川)小池雄逸(東京)
16. 現代の子育てと親・おとな
子ども・若者の生存・発達・学習のためのおとなの共同
子どもが考えている「人生」と「幸福」
子どもの生存・発達・学習を支える保護者・援助職・教師の共同
川崎晶子(神奈川)田中孝彦(東京)
17. 教師の危機と希望
いま、教師の育ち方と働き方を再考する
教師教育は今どうなっているのか
教師の危機を乗り越える。支える人と場所
教師の仕事と生き方を考える
佐藤 隆(山梨)大前 博(神奈川)
18. 教室と授業を語る
どうする?教科道徳 学ぼう!社会科の授業づくり
教科道徳で揺らぐ教室の民主主義。「子どもの声」を大切にした道徳、社会科の授業づくりを考える。
西田 佳(東京)日達 綾(神奈川)

8/11(土) 17:15 -
教科研総会
全国から教科研メンバーが集う機会です

8/12(日) 13:00 - 15:00
おわりの集い
『子どもの願いを共に生きる教育実践を』
〜教科研研究活動方針を考える〜
●発題 佐貫浩(教科研委員長)─現場からの応答 ─討論
子どもをどうとらえるか、どんな教育実践が求められているのか、
教育学研究はそこにいかに関わりうるのか、教育の現場から問う

会場
法政第二中高等学校

法政大学第二中・高等学校
〒211-0031 神奈川県川崎市中原区木月大町6−1
電車での
アクセス
武蔵小杉駅(JR 南武線・東急東横線・JR 横須賀総武線)下車徒歩 15 分
※【宿泊】斡旋等は行いません。参加者の皆様ご自身で、早めにお申し込みください。
※ 【昼食】 学生食堂がご利用いただけます。近くの飲食店もご利用下さい。

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以上が全国大会の全体の概要である。

4:
  どこに問題があるのだろうか?
教育の教科ごとの分科会や領域ごとについて、全国の教育に関心をもつ人びとが熱心に教育の課題を追究しあう教育研究の大会である。神奈川県では何度も教科研全国大会が開催された。しかし、神奈川県教委や市教委は後援団体の立場を続けてきた。なんでいまさら、と思ったが、ふと名古屋市の中学の授業の講師で招かれた文科省事務次官だった前川喜平氏に対する自民党文教部会の首脳陣である国会議員が、執拗に干渉し続けていた背景があった。
 文科省では、前川喜平氏への対応以来、最近では局長級の人物が現職で収賄などで相次いで逮捕されるという文科省・文部省始まって以来の不祥事が起きている。今回の教科研全国大会への対応に不審な動きとして注目したい。

【田中とも子市長候補と支えた狛江の人々の意義ある闘いの意味】

2018-07-23 00:25:25 | 政治・文化・社会評論
【田中とも子市長候補と支えた狛江の人々の意義ある闘いの意味】

               櫻井 智志

A:『序論- 事実・現象論』
2018狛江市長選の開票結果
①平成30年7月22日執行 狛江市長選挙開票結果
松原 としお 無所属 17,834票  当選
田中 とも子 無所属 12,763票 落選
投票総数31,047
有効投票30,597
無効投票449
不足票1
選挙管理委員会事務局

②松原 としお 無所属 17,834票  58.3%
 田中 とも子 無所属 12,763票  41.7%           
(両者得票の合計比=有効投票数に対する得票率)  

③「直近の国政選挙」
2017年10月衆院選東京22区 (調布市・三鷹市など)
有権者数465,616人 確定投票率55.73%
開票所別結果 狛江市
伊藤 達也(自民=公明支持) 16,615票 43.4%
山花 郁夫(立民) 12,785票 33.4%
金ヶ崎絵美(希望の党) 4,596票 12.0%
阿部  真(日本共産党) 4,323票 11.3%




B:『分析- 本質論』

  選挙に当選落選をもって 勝敗とする見方もあろう。それを否定するわけでもない。
ただ、大ざっぱな類推ではあるが衆院選で日本共産党が11.3%の得票が、田中とも子候補が42%弱の得票率を獲得した。

 あと8%,2448票を獲得したら過半数を占めることとなった。ともに田中とも子市長候補を支持した社会民主党や市民連合など多くの政治的良質の感覚をもつ狛江市民の力を反映した結果となった。狛江市はかつて日本共産党員市長として全国に名を馳せた。

 結果は、統一地方選挙や参院選で反専制政治派立憲民主主義派に基づく「市民と野党の共闘」第二次段階を見渡す人々によって、必ず国民の支持を勝ちうる。一歩一歩の自治体選挙は国政を展望している。来週の和歌山市長選、八月五日の長野県知事選。選挙は当落では尽きない。

 どのような選挙市民闘争を展開するかだ。田中とも子さんに連なるすべての政党と個人の誇り高き統一地方選の号砲が力強く鳴り、健闘は讃えられるものであった。

【1 激甚被害と避難生活】【2 カジノ「亡国」】 ~《JNN報道特集2018.7.21》聴聞記~

2018-07-21 18:56:37 | 政治・文化・社会評論
【1 激甚被害と避難生活】【2 カジノ「亡国」】
~《JNN報道特集2018.7.21》聴聞記~

              櫻井 智志


1  激甚被害と避難生活  

おそらく、第二次世界大戦前夜の、まだファシズムが政権獲得前のドイツや日本の社会は、現在の日本の今のような様相だったのだろう・・・・・国会専制政治、弱肉強食、民族差別、行政の無策。

「生活が、すべてがなくなったから、どうにもならないですね」。淡々と語る30代前後の女性のことば。
「なるべくしてなったから、しかたないと思いますがね」。中高年男性の感情を沈めたことば。
ボランテイアによって、救われた被害者は自らもボランテイアとしてたちあがる。

倉敷市は避難生活学会の助言を受けて、わずか四日で簡易避難所の避難生活世帯に、すべて簡易ベッドを配り終えた。日本は欧米に比べ我慢を強いる傾向にあると聞くと、市民は生活のためにまっとうな行政を選ぶ重要な責任があることを強く思う。


2 カジノ「亡国」
カジノで経済に有効という自公維新政権。あきれて話にならない。公明党の有能な唯一の大臣は「激甚被害」よりもカジノ法案の委員会につきっきり。「国会の求めに応じて出席しています」。カジノは賭博である。世界のどこにカジノで潤いのある世の中になり観光客がひきもきらない、という国がどこにあるのか。これは政府の「犯罪」である。

横浜港運協議会の高木会長は、明確にカジノ誘致を否定する。カジノによって横浜の街づくりが変質することに警戒する。局面によっては、横浜市長に強く市民投票を求めるときっぱりという。「とばく罪」の意味を聴き、カジノ企業が合法化された国では、退廃がきわまってゆく。トランプにしっぽをふる安倍。すべてはそこに由来するようだ。

孫崎亨氏が紹介なさった山本太郎参議院議員の国会質問

2018-07-19 22:12:21 | 転載
孫崎亨氏が紹介なさった山本太郎参議院議員の国会質問


【孫崎享のつぶやき】
山本太郎 参議院議員、「安倍自宅放火未遂事件」について安倍首相に質問、安倍首相しどろもどろの答え。何言っているのか、さっぱりわからない。山本「暴力団とつながりのある人物に選挙妨害の仕事を依頼したのがG議員側、Gさんって、安倍総理」
2018-07-19 13:27


1:出典、暴力団に選挙妨害の汚れ仕事を堂々と発注できる人間がこの国の総理だなんて笑い話でしかない https://ameblo.jp/tiger-mask-fighter/entry-12391454225.html

2018年7月17日(火)、参議院 内閣委員会における「特定複合観光施設区域整備法案(通称: カジノ法案)」の審議で、山本太郎 参議院議員が、安倍晋三 内閣総理大臣に対し、直接、「安倍晋三自宅放火未遂事件」について質問しました。本事件が国会で取り上げられたのは、初めてのことです。文字起こしを下記に記載します

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今、巷で少し話題になっていることについて調べてみたんですけれども、1999年4月18日告示、4月25日投開票、総理のお膝元、山口県で行われた下関市長選挙、この選挙が終わった後、総理の身の回りで様々な物騒な事件が起こったといいます。
資料の3、2000年6月28日、毎日新聞 西部夕刊、赤いライン部分を読みます。

『「安倍晋三 衆議院議員、今度は事務所被害。 窓割られ、火炎瓶?」
28日午前9時頃、山口県下関市 安倍晋三 衆議院議員の後援会事務所の窓ガラスが割られ、事務所の屋内外に火炎瓶のようなものが1本ずつ、計2本置かれているのを、出勤してきた職員が発見し、110番通報。17日未明には安倍議員の自宅車庫の車2台が火炎瓶のようなもので焼かれており・・・・・・』と続いています。
この他にもですね、総理に関連する建物に、火炎瓶が投げられる事件が何件も起こった。
これについて、4名が逮捕され、裁判が終わり、判決へ、という話なんですけれども、資料の4の1、この時の判決書、それが裁判があって、判決が出ましたと。
この時の判決書は裁判所のホームページでもご覧頂けます。
資料の4の2、火炎瓶事件で逮捕された方々の判決文。
「被告人Aは、指定暴力団D組長、同Bは、同Aと親交を結ぶ者。
同cは上記D組副組長であるが、被告人3名はEおよびFと共謀のうえ、同Bが怨みを抱いていた衆議院議員Gの後援会事務所あるいはG方に火炎瓶を投げ入れて、これらに放火しようと企て・・・・・・」
とあります。
つまり、指定暴力団D組長のAさん、この方のお友達、Bさんが衆議院議員Gさんに怨みを持った。
衆議院議員Gさんって、安倍総理のことなんですね。
資料の4の3、再び判決文
「被告人BがG議員に対し、怨恨を持つに至った経緯
被告人Bは、G議員の地元秘書で、かねてから交際していたWに対し、平成11年に行われた下関市長選挙で、自派と対立するX候補を当選させないように活動して貢献したと主張。
金員の支払を要求し、300万円の提供を受けた。」
というような内容が書かれているんですね。
続いて、資料の4の4。
『被告人Bは下関市長選で、X候補をG議員側から頼まれて、当選させないよう活動したのに、G議員の秘書に嵌められて、警察に逮捕された。
「決まっていた仕事も流れてしまった。その点の補償もさせる、許せん。」
などと恨み言を言っていた。』
これ、ご紹介したのは、私が作文したわけではなく、判決書なんですね、判決文。
最高裁に持ってきて頂きました。
これ、読んで、シンプルに一番の問題何なのかなって考えると、暴力団とつながりのある人物に対して選挙妨害の仕事を依頼したのがG議員側っていう話なんですよ。
「廉潔性」、カジノ管理委員会に求められる、「廉潔性」。
これ、辞書で引くと、心が清く、私欲な無く、行いが正しいという意味。
そことは懸け離れた感覚。
選挙妨害を発注するような人間が、廉潔性を求められる管理委員会の任命者で、クリーンなカジノを目指すなど、言ってる意味分からないんですけどって話なんですね。
これらが事実ならば、まぁ、事実ならばというよりも、もう、これ、既に判決書に書かれている話ですから、これ、「カジノ自体を止めるか、総理が辞めるか。」、まず、これ、どっちか決めて頂かなければ、話、前に進まないと思うんですけれども、総理、いかがでしょうか?
(柘植芳文 参議院 内閣委員長「はい、安倍 内閣総理大臣。」)
これ、あの、今、委員が、例として挙げられた件でございますけれども、いずれにせよ、この件はですね、有罪判決が下っているわけでありまして、被疑者は処罰されたものでありまして、私どもは、これ被害者でございます。
そして、資料の4を読んでおられましたが、
それは、この有罪判決が下った人物、この下った人物は恐喝をしですね、これは、私どもだけではなくて、えー、あの、様々な、そういう、えー、過去も指摘されているわけでございますが、その人物がですね、こう言っていたということを紹介をして頂いたんだろうと、えー、思うわけでございまして、私は、一切こういう恐喝には屈しなかった中において、先方がですね、えー、私が寝ている、車庫というご指摘がございましたが、私の家自体、私も妻も寝ていた家屋にですね、火炎瓶を投げ入れたわけでございまして、投げ入れさせたわけでありまして、暴力団に依頼をして、そういう行為をさせたわけでありまして、えー、そういう、向こう側からのですね、いわば、恐喝ゆすりには私は一切屈しなかったから、このようなことが何回か起こったわけでございますが、幸いですね、えー、この、首謀者も、えー、捕まり、えー、これは、判決が下り、処罰がなされたと、いうことだろうと、思うわけでございまして、これは、むしろ、私が関わりがあるということでは全くなくてですね、私は一切の関わりを断ってきた中において、発生した事件であるわけでございます。
そして、既に、判決が下り、本人は処罰されているということでございます。
(山本太郎 参議院議員「(挙手をして)委員長。」)
(柘植芳文 参議院 内閣委員長「はい、山本太郎君。」)
はい、判決が下り、処罰が下された、我らは被害者であると、確かにそういう判決です、あの、その方向性で裁判につながっていった話だと思うんですけれども、私が話しているのは、その前の話なんです。自分達が応援している陣営、これを有利になるために、相手陣営に対して選挙妨害をするように発注をしたと、その発注したことに対する見返りが少ないじゃないか、約束が違うじゃないかということで、おそらくこの方、犯行に及ばれている、犯行に及んだ、というような流れになっているんですね。
だから、私達は被害者である、という以前の問題で、暴力団員とつながりのあるような人間に対して民主主義の根底を引っくり返すような選挙妨害、これを発注するということに対して、大問題であると、当然じゃないですか、これ、当たり前ですよ。
そのような仕事、いわば汚れ仕事を堂々と発注できるような人間が、この国の総理であり、そして、このバクチを解禁するということにおいて、それをしっかりと、暴力団員と関わらないようにするねっていうことの監視役、その総元締めであるカジノ監視委員会を任命する立場にあるなんて、笑い話でしかないですよ。
現実なんですから、悲劇でしかないですね。
過去の新聞記事、地方版に至るまで数ヶ月かかって調べました。
この記事に対して、これまで総理や総理の事務所はほとんどはっきりとした声明を出していない。
「捜査中につき、コメントを控える。」
「公判中につき、コメントを控える。」
「コメントなし。」
判決後も、有耶無耶にやってしまっている。
今、どちらかというと、初めて、総理側からの、しっかりとしたご本人からのご答弁をお聞かせ頂いたと思うんですね。
まぁ、暴力団員とつながる、つながりがある人物に選挙妨害を依頼したのが、総理なのか、安倍晋三事務所だったのか、それ自体を否定するのか、これに関しては、今日は一度、横に置かして頂こうかなと思います。

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フランス革命を冒涜する安倍政権―【逆 臣】第二章

2018-07-14 23:19:36 | 政治・文化・社会評論
フランス革命を冒涜する安倍政権―逆臣第二章
            櫻井 智志


 7月14日。河野太郎外相はフランスで、フランス軍と自衛隊の軍事色の濃厚な協定を結んだ。
東京新聞の朝刊を読み驚いた私は、デジタル記事では見つからず、以下の別記事を読んだ。
写真:フランス革命記念日の軍事パレードで日の丸を掲げて行進する自衛隊員ら=14日、パリ(共同)
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「転載 開始」仏軍事パレードに陸自参加 外交160年を記念
2018年7月14日 19時29分
 【パリ共同】フランス革命記念日の14日、パリのシャンゼリゼ通りで恒例の軍事パレードが行われた。日仏の外交関係樹立160年を記念し、日本の陸上自衛隊が参加した。パレード観覧に招待された安倍晋三首相は西日本豪雨による災害対応のため欠席し、河野太郎外相が代理で出席した。
 今年の東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国で、フランスと軍事交流の強化を図るシンガポールからもリー・シェンロン首相らが出席した。 
 陸自の第32普通科連隊(さいたま市)の連隊長、横山裕之1等陸佐ら7人が日の丸を掲げ、総勢約4300人の隊列の先頭付近をコンコルド広場まで行進した。
「転載 終了」

だが、問題の本質はパレードに参加した、しないということとはかなり異なる.。新聞記事のほうを部分的に視写しながら、概要を記す。

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[開始]

自衛隊とフランス軍
物品役務協定を締結
食料、弾薬の提供円滑化

日本、フランス両政府は13日午後、日本時間14日未明、自衛隊とフランス軍が物資や役務を融通しあう物品相互提供協定(ACSA)に署名した。

ACSA:
自衛隊と他国軍の間で物資(水や食料)や役務(輸送や修理も含む)を互いに提供する際の手続きを定めた軍事協定。提供を受けた場合、同じ物品や役務で返すのが原則。2015年の「安全保障関連法」(*=戦争法が実際)成立に伴い、アメリカ、オーストラリアと協定改定。イギリスと2017年に新たに署名、発効。カナダと発効に向けた手続きを進めている。


「自由で開かれたインド太平洋戦略」をかかげる安倍晋三政権。フランスはオセアニア州のニューカレドニアやポリネシアなどの領土をもつ。安倍政権はフランスと良好な関係構築を図っている。

[終了]
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  安倍首相の政策は、着々と一定のゴールを目指している、
そのことを早くから、古賀茂明氏は主張し、望月衣塑子氏との共著『THE独裁者』(2018年2月)では望月氏が『はじめに』でこう記している。

【古賀さんは当時から繰り返し、「安倍政権は海洋軍事国家を目指している」と私に力説していた。私は武器輸出4問題の取材を進めていたものの、当時、そこまでの確証を持てていなかった。あれから三年経った現在、古賀さんの発言は先見性を持っていたと感じている。安倍政権は、着々と海洋軍事国家を目指していると思う。】(同書p5)

 もはや安倍晋三氏の人間性や人物論、政治家像のレベルの個人的欠陥論議の段階ではないのだろう。安倍晋三は憧れの元A級戦犯だった祖父岸信介のように、天下国家を自分の政治的信念に基づいて、着々と海洋軍事国家体制の整備構築を目標に、法整備、司法・官僚・行政の一元化を進め、そのような国民を飼いならしていくために、文化・マスコミ・教化を懐柔と弾圧の両面作戦で推進している。
 フランスでの日仏軍事協定ははからずも、安倍海洋軍事国家構想が欧米豪州帝国主義列強の軍事態勢が整備している現段階を明瞭に顕示した。
 この軍事協定に、ドイツはいない。さすがメルケル首相の国だ。

こうして見ると、世間に流布している安倍人格欠陥=不人気退陣説どころか、したたかな2020年東京五輪は、安倍憲法改悪完成を懸念せざるを得ない。安倍晋三は、オリンピックの熱狂と海洋軍事国家日本の「総統的座席」に座り、陶酔と権力掌握の実現に満足する時を迎えている危険性はかなり高まっている。(この稿一旦終わり 続く)

逆臣

2018-07-14 07:31:23 | 政治・文化・社会評論
逆臣 

         櫻井 智志



 私は、「ドイツのナチズム、イタリアのファシズム、日本の天皇制軍国主義が第二次世界大戦を悲惨なものとした」と考える。
 しかし、戦後日本は『日本国憲法』のもと、天皇を日本国の象徴と位置付けた。戦前前後をまたぐ昭和天皇については私には論ずる資格も意思もない。
 一方、今上天皇ご夫妻については、歴代の天皇とは異なる範疇に属すると考えている。作家大江健三郎は、小説『自ら我が涙をぬぐい給う日』『我らの狂気を生き延びる道を教えよ』など一連の作品で天皇制を形象化してきた。
 そこでは、「内なる天皇制」の意識構造と、戦後民主主義世代の大江氏ご本人と今上天皇ご本人との同時代者としての連帯感とを表現してきた。

Ⅰ  美智子皇后の知識人としてのヒューマンな文化的見識

 美智子皇后の優れた国際感覚と人権意識は、皇室でも群を抜いている。
かなり前に理論社創業者の小宮山量平が紹介されていた。国際図書年に寄せた美智子妃のメッセージは、多くの人を刮目させた。さらに、戦時中に親しんだ読書として、名前はあげなかったが、山本有三が中心となり編んだ文学選をとりあげ、戦時中という時代に、良心的作品を世に送りだした編集者の労をねぎらった。この一連の労作に山本有三が健康にすぐれぬ時に代役として不朽のロングセラー『君たちはどう生きるか』を執筆した吉野源三郎が文学選に関わっている。
まさに知識人として、第一級のヒューマンな文化的見識を備えている。

Ⅱ  戦争慰霊の多年におよぶ巡礼の国内外の訪問

 太平洋戦争の激戦地オセアニア州の島国各地。天皇ご夫妻の慰霊の旅は続く。それは国内の沖縄訪問にもうかがえる。まだ皇太子ご夫妻の頃に、沖縄を訪問中、慰霊先でご夫妻に火炎ビンが投げつけられた。沖縄の戦時中戦後の日本軍からの非道な扱いの歴史を知る者は、天皇家に対する沖縄の県民感情の一端として考えるだろう。
 皇太子から天皇となっても、沖縄訪問は続き、内閣安倍晋三総理と異なる文脈での沖縄慰霊は、しだいになにを天皇ご夫妻はお考えになっているのか、その信念の深さに共感を広げていった。

Ⅲ   逆臣

 西日本各地に激甚災害の気象異変とまれにみる死者行方不明者、家屋損壊という大災害が勃発した。災害が現在進行形の夜、内閣副官房長官がブログに記した記事は大問題となった。一方、災害の全貌があきらかとなった時に、天皇は死者被災者に深い憂慮の念を表し、恒例で最後の機会であった避暑静養を自らとりやめた。テレビはさかんに被害の大きな現地を視察する内閣安倍晋三総理の見舞いと言葉かけをマイクで拾い、テレビ報道で流した。(一旦終了 続く〉

《グローバルな環境破壊が大型自然被害をうむ》《オウム真理教、一挙七人死刑執行の闇》

2018-07-07 19:19:07 | 政治・文化・社会評論
《グローバルな環境破壊が大型自然被害をうむ》《オウム真理教、一挙七人死刑執行の闇》
~【JNN「報道特集」、日本社会の木鐸2018・7・7】~


櫻井 智志
(*写真:東京新聞転載)

Ⅰ:《グローバルな環境破壊が大型自然被害をうむ》

 災害の救助に際して自治体関係者や自衛隊の人々の命がけの取り組みは、貴重な営みである。金平キャスターが現地にはいった広島県、岸井成格氏がご生前に、「news23」で住宅地のすぐ後ろまで乱開発である報道があった。国土交通省を主とする政府・官公庁は、災害を教訓にしてすぐに防止対策を推進しているのだろうか?実効的な手立てを。

 自然の物質代謝に反する人為的行為は、自然の反逆の猛威をよぶ。自然の摂理とは無縁に、利益や暴利をむさぼる政財界、日本国の現状。また、米軍がサンゴ礁を破滅する軍事政策は、世界自然遺産の申請さえ認可されない自然破壊を引き起こした。自然保護を国中で根本から考える限界だ。 大自然は生きている。

 広島県取材の金平キャスターも福岡県取材の日下部キャスターも、意図せぬ二度目の広域災害地取材訪問。梅雨前線や異常気象の土台があるだろう。世界気候温暖化に連なる二酸化炭素やフロンガス増加。核兵器・原発の廃棄物やゴミによる環境異変。国際政治家の無策と横暴は目に余る。その典型がトランプ大統領となんでもお先棒を担ぎたがる安倍首相である。


Ⅱ:《オウム真理教、一挙七人死刑執行の闇》

 オウム真理教、七人もの死刑同時執行。前夜は法務相や首相らの閣僚の酒宴。上川法務相の「慎重に検討を重ねた」という会見がそらぞらしく響く。刑事事件として事実は解明されているが、心理専門家や犯罪研究者などから事件の背景をもっと究明されるべきという江川紹子さんの発言に納得がいく。

 治安重視の多数死刑執行。執行後の記者質問に無言拒否の安倍首相。私は麻原死刑囚よりも、日本最大の権力者安倍総理の方が、現実的影響においてはるかに怖い。なんら解明もせず一挙に七名死刑執行。原発再稼働や原発セールス。危険の実態値はどちらが大きいか、歴史が明確にするだろう。事件の実像を極めて明らかにする営みに永遠の蓋をしてしまった。そのことが神格化や架空の風説を生む。「オウム真理教」とは、国家権力と繋がっている永遠の「?」集団だったのか??


転載『リテラ』【忘れるな!福島原発事故の主犯は安倍晋三だ! 第一次政権時に地震対策拒否、事故後もメディア恫喝で隠蔽…】

2018-07-06 20:53:33 | 転載
転載『リテラ』【忘れるな!福島原発事故の主犯は安倍晋三だ! 第一次政権時に地震対策拒否、事故後もメディア恫喝で隠蔽…】
2017.03.11
              (転載文責 櫻井 智志)

===転載開始=======================
写真:自由民主党ホームページより

「東日本壊滅」の危機さえあった福島第一原発の重大事故から6年。原発の恐ろしさは忘れ去られ、いまも被災地が抱えている過酷な現実がどんどんなかったことにされようとしている。
 3月11日の今日、この問題をもう一度、見つめ直してほしいと思わざるを得ないが、原発事故をめぐっては、もうひとつ、日本国民が絶対忘れてはいけない重大なことがある。それは、そもそもこの原発事故の“戦犯”は、安倍晋三であるということだ。
 実は、安倍首相は、第一次政権時の2006年、国会で福島原発事故と同じ事態が起きる可能性を指摘されながら、「日本の原発でそういう事態は考えられない」として、対策を拒否していたのだ。だが3.11の後、安倍氏は当時の民主党菅政権の事故後対応のまずさを攻撃することで、また、事実を追及するメディアを「捏造だ!」とがなりたてることで、自らの重大責任を隠匿してきたのだ。
 その結果、ほとんどの国民は、そもそも原発事故に安倍首相が関わっていること自体、知らない状態におかれてきた。
 ならば、本サイトはこれから安倍首相がその責任をとらないかぎり、その事実をずっと言い続けていかなければなるまい。
 本サイトはサイトを開設して最初に迎えた3月11日という日(2015年)に、この安倍氏のフクシマにおける大罪、そして、その責任逃れのために行ってきた数々のメディア圧力を明かした記事を配信した。昨年の3月11日にはそれを再録したが、今年ももう一度、その記事をお届けしようと思う。
 書かれていることはすべて客観的な事実だ。私たちがいかに真実から遠ざけられ、騙されているかをぜひ知ってほしい。
(『リテラ』編集部)
********************
 故郷に帰れない多くの被災者を生み出し、放射性物質を広範囲にまき散らし、作物を汚染し、今も国土や海を汚し続けている福島原発事故。
 だが、この国家による犯罪ともいえる重大な事故をめぐって、ほとんど語られてこなかった事実がある。それは、現内閣総理大臣である安倍晋三の罪についてだ。

 こういうと、安倍支持者はおそらく原発事故が起きたときの首相は民主党の菅直人じゃないか、サヨクが安倍さん憎しで何をいっているのか、というだろう。そうでない人も、原発を推進してきたのは自民党だが、歴代の政権すべてがかかわっていることであり、安倍首相ひとりの問題じゃない、と考えるかもしれない。
 だが、福島原発の事故に関して安倍首相はきわめて直接的な責任を負っている。第一次政権で今と同じ内閣総理大臣の椅子に座っていた2006年、安倍首相は国会で福島原発事故と同じ事態が起きる可能性を指摘されながら、「日本の原発でそういう事態は考えられない」として、対策を拒否していたのだ。
 周知のように、福島原発の事故は津波によって全電源が喪失し、原子炉の冷却機能が失われたことが原因で、政府や電力会社はこうした事態を専門家さえ予測できない想定外のことだったと弁明してきた。
 しかし、実際にはそうではなく、原発事故の5年前に、国会質問でその可能性が指摘されていたのだ。質問をしたのは共産党の吉井英勝衆院議員(当時)。京都大学工学部原子核工学科出身の吉井議員は以前から原発問題に取り組んでいたが、2006年から日本の原発が地震や津波で冷却機能を失う可能性があることを再三にわたって追及していた。3月には、津波で冷却水を取水できなくなる可能性を国会で質問。4月には福島第一原発を視察して、老朽化している施設の危険性を訴えていた。
 そして、第一次安倍政権が誕生して3カ月後の同年12月13日には「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書」を政府宛に提出。「巨大な地震の発生によって、原発の機器を作動させる電源が喪失する場合の問題も大きい」として、電源喪失によって原子炉が冷却できなくなる危険性があることを指摘した。
 ところが、この質問主意書に対して、同年12月22日、「内閣総理大臣 安倍晋三」名で答弁書が出されているのだが、これがひどいシロモノなのだ。質問に何一つまともに答えず、平気でデタラメを強弁する。
 まず、吉井議員は「原発からの高圧送電鉄塔が倒壊すると、原発の負荷電力ゼロになって原子炉停止(スクラムがかかる)だけでなく、停止した原発の機器冷却系を作動させるための外部電源が得られなくなるのではないか。」という質問を投げかけていたのだが、安倍首相はこんな答弁をしている。
「外部電源から電力の供給を受けられなくなった場合でも、非常用所内電源からの電力により、停止した原子炉の冷却が可能である。」

 吉井議員はこうした回答を予測していたのか、次に「現実には、自家発電機(ディーゼル発電機)の事故で原子炉が停止するなど、バックアップ機能が働かない原発事故があったのではないか。」とたたみかける。
 しかし、これについても、安倍首相は「我が国において、非常用ディーゼル発電機のトラブルにより原子炉が停止した事例はなく、また、必要な電源が確保できずに冷却機能が失われた事例はない。」と一蹴。
 これに対して、吉井議員はスウェーデンのフォルスマルク原発で、4系列あったバックアップ電源のうち2系列が事故にあって機能しなくなった事実を指摘。「日本の原発の約六割はバックアップ電源が二系列ではないのか。仮に、フォルクスマルク原発1号事故と同じように、二系列で事故が発生すると、機器冷却系の電源が全く取れなくなるのではないか。」と糾した。
 すると、安倍首相はこの質問に対して、こう言い切ったのである。
「我が国の原子炉施設は、フォルスマルク発電所一号炉とは異なる設計となっていることなどから、同発電所一号炉の事案と同様の事態が発生するとは考えられない。」
 吉井議員が問題にしているのはバックアップ電源の数のことであり、原子炉の設計とは関係ない。実際、福島原発はバックアップ電源が全部ダメになって、あの深刻な事故が起きた。それを安倍首相は「設計が違うから、同様の事態が発生するとは考えられない」とデタラメを強弁していたのだ。
 そして、吉井議員がこの非常用電源喪失に関する調査や対策強化を求めたことに対しても、安倍首相は「地震、津波等の自然災害への対策を含めた原子炉の安全性については、(中略)経済産業省が審査し、その審査の妥当性について原子力安全委員会が確認しているものであり、御指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。」と、現状で十分との認識を示したのだ。
 重ね重ね言うが、福島原発が世界を震撼させるような重大な事故を起こした最大の原因は、バックアップ電源の喪失である。もし、このときに安倍首相がバックアップ電源の検証をして、海外並みに4系列などに増やす対策を講じていたら、福島原発事故は起きなかったかもしれないのだ。
 だが、安倍首相はそれを拒否し、事故を未然に防ぐ最大のチャンスを無視した。これは明らかに不作為の違法行為であり、本来なら、刑事責任さえ問われかねない犯罪行為だ。

 ところが、安倍首相はこんな重大な罪を犯しながら、反省する素振りも謝罪する様子もない。それどころか、原発事故の直後から、海水注入中止命令などのデマをでっちあげて菅直人首相を攻撃。その罪を民主党にすべておっかぶせ続けてきた。
 その厚顔ぶりに唖然とさせられるが、それにしても、なぜ安倍首相はこれまでこの無責任デタラメ答弁の問題を追及されないまま、責任を取らずに逃げおおせてきたのか。
 この背景には、いつものメディアへの恫喝があった。
 実は、下野していた自民党で安倍が総裁に返り咲いた直後の2012年10月、「サンデー毎日」(毎日新聞社)がこの事実を報道したことがある。1ページの短い記事だったが、本サイトが指摘したのと同じ、共産党の吉井英勝衆院議員(当時)の質問主意書に対して安倍首相が提出した答弁書のデタラメな内容を紹介。吉井議員のこんなコメントを掲載するものだった。
「いくら警告しても、マジメに対策を取らなかった安倍内閣の不作為は重大です、そんな安倍氏が総裁に返り咲いて首相再登板をうかがっているのは、本人も自民党も福島事故の責任を感じていない証拠でしょう」
 ところが、これに対して、安倍は大好きなFacebookで、こう反撃したのだ。
「吉井議員の質問主意書には『津波で外部電源が得られなくなる』との指摘はなく、さらにサンデー毎日が吉井議員の質問に回答として引用した政府答弁書の回答部分は別の質問に対する回答部分であって、まったくのデタラメ捏造記事という他ありません」(現在は削除)
 出た、お得意の「捏造」攻撃(笑)。だが、「サンデー毎日」の報道は捏造でもなんでもなかった。たしかに安倍首相の言うように、吉井議員が質問で外部電源が得られなくなる理由としてあげたのは、津波でなく「地震で送電鉄塔の倒壊や折損事故」だった。しかし、だったらなんだというのだろう。そもそも、吉井議員が問題にしていたのは外部電源が得られなくなる理由ではなく、外部電源が得られなくなった場合のバックアップ(非常用)電源の不備だった。
 吉井議員は質問主意書の中で、バックアップ電源4系列中2系列が機能しなくなったスウェーデンの原発事故を引き合いに出しながら、日本の多くの原発が2系列しかないことを危惧。2系列だと両方とも電源喪失して原子炉を冷却できなくなり、大事故につながる可能性があると指摘した。
 それに対して、安倍首相が「我が国の原子炉施設で同様の事態が発生するとは考えられない」と回答したのだ。福島原発の事故はまさにバックアップ電源が喪失したことで起きたものであり、その意味で「サンデー毎日」の「津波に襲われた福島原発を"予言"するような指摘を、十分な調査をせずに『大丈夫』と受け流した」という記述はまったく正しい。

 もし、質問主意書が地震でなく津波と書いていたら、安倍首相は、バックアップ電源の検証を行って、2系列を海外並みの4系列にするよう指導していたのか。そんなはずはないだろう。
 ようするに、安倍首相は自分の責任をごまかすために、枝葉末節の部分をクローズアップし、問題をスリカエ、「記事は捏造」という印象操作を行っているだけなのだ。
 だいたい、これが捏造だとしたら、メルマガで「菅直人首相の命令で福島原発の海水注入が中断された」というデマを拡散した安倍首相はどうなのか、と言いたくなるではないか。
 だが、こうした卑劣な責任逃れを行っているのは安倍首相だけではない。実は安倍首相の捏造攻撃にはお手本があった。それは安倍の盟友の甘利明・現経済再生担当相がその少し前、テレビ東京に対して行っていた抗議だ。前述した安倍首相のFacebookの投稿はこう続けられている。
「昨年テレビ東京が安倍内閣の経産大臣だった甘利代議士に取材した放送で同様の虚偽報道がされたそうです。
 甘利事務所は強く抗議し、テレビ東京が「質問主意書には、津波で電源を失う危険性についての記述はないにもかかわらず、放送では、その危険性があるかのような誤った認識の下、自民党政権の原子力政策に関する報道を行いました」として、虚偽内容の放送であったことを認め、放送法第4条に基づく訂正放送をしたとのことです
 天下のサンデー毎日がすでに訂正放送を行い、謝罪したテレビ局と同じねつ造をするとは(笑)」
 安倍が「同様の虚偽報道」としているのは、2011年6月18日放送の『週刊ニュース新書』(テレビ東京系)のことだ。同番組は原発事故の責任を検証する企画で、第一次安倍内閣でも経産相をつとめ、原子力行政に深くかかわっていた甘利をインタビューし、その際にやはり吉井議員の質問主意書に対する安倍首相の答弁書の問題を追及した。すると、突然、甘利が席を立って、別室に姿を消した。そして、記者にテープを消し、インタビューを流さないように要求したのである。
 テレ東の記者は当然、その要求を拒否。番組では、甘利議員がいなくなって空席となった椅子を映し「取材は中断となりました」とナレーションとテロップを入れて放送した。
 これに対して、放映後、甘利事務所がテレビ東京に抗議してきたのだ。しかも、テレビ東京が完全謝罪を拒否したところ、甘利は東京地裁にテレビ東京と記者3名を名誉毀損で訴えたのである。

 ちなみにこの法廷では、テレビ東京の記者の意見陳述で、甘利元経産相のとんでもない本音が暴露されている。
 甘利元経産相は別室に呼び出した記者に、「これは私を陥れるための取材だ。放送は認めない。テープを消せ」と何度も恫喝し、それを拒否されると、逆ギレしてこう叫んだのだという。
「何度も言うが、原子力安全委員会が安全基準を決める。彼らが決めた基準を経済産業省は事業者に伝えるだけ。(中略)大臣なんて細かいことなんて分かるはずないし、そんな権限がないことくらい分かってるだろう。(質問主意書への)答弁書だって閣議前の2分間かそこらで説明を受けるだけだ」
「原発は全部止まる。企業はどんどん海外へ出て行く。もう日本は終わりだ。落ちる所まで落ちればいい。もう私の知った事ではない」
 これが、経産大臣として原子力行政を司った人間の言葉か、と耳を疑いたくなるが、この裁判にいたる経緯からもわかるように、甘利サイドの抗議、訴訟のメインは質問主意書の内容が「津波でなく地震だった」という話ではなかった。いきなり質問主意書を持ち出してきたことがルール違反だ、自分の承諾なしにインタビューを放映した、自分が逃げたという印象を与えるような報道をされたことが「名誉毀損にあたる」と訴えてきたのである。
 ただ、それだけでは大義がたたないために、テレ東が番組で、「津波による電源喪失を指摘」と報じていたことをとらえ、今回の安倍首相と同じく「質問主意書には津波のことは書いていない」とついでに抗議したのだ。
 そういう意味で、甘利の抗議と訴訟は明らかなイチャモンであり、スラップ訴訟としか思えないものだった。そもそも、甘利や安倍は吉井の質問主意書に津波のことが書いていないというようなことをいっているが、実際は、津波によって冷却機能喪失の危険性を指摘する記述がある。
 だが、弱腰のテレビ東京は、訴訟を起こされる前になんとかなだめようと、地震を津波と間違えた部分だけを訂正してしまった。その結果、訴訟でもほとんどのところで甘利側の言い分が却下されたが、この枝葉末節の部分をテレ東がすでに間違いを認めているとみなされ、330万円の損害賠償金がテレ東側に命じられた(もちろん、この判決の背景には政治家が起こした名誉毀損訴訟についてほとんど政治家側を勝たせ続けている裁判所の体質もある)。
 しかも、テレ東は現場の意向を無視して控訴を断念。報道そのものが「虚偽」「捏造」だったということになってしまった。

 ようするに、安倍首相はこのオトモダチ・甘利が使ったやり口をそのままならって、責任追及の動きを封じ込めようとしたのである。しかも、テレ東がお詫びを出したという結果をちらつかせることで、他のマスコミを封じ込めようとした。
 実際、「サンデー毎日」はさすがにお詫びを出したりはしなかったが、新聞・テレビはすでに甘利のスラップ訴訟で萎縮していたところに安倍の捏造攻撃が加わり、この問題を扱おうとする動きはほとんどなくなった。
 そして、翌年、第二次安倍内閣が発足すると、安倍首相はこれとまったく同じ手口で、自分に批判的なマスコミを片っ端からツブシにかかった。枝葉末節の間違いを針小棒大に取り上げて、「捏造」と喧伝し、批判報道を押さえ込む――。さらに、読売、産経を使って、菅直人元首相や民主党政権の対応のまずさを次々に報道させ、完全に原発事故は菅政権のせいという世論をつくりだしてしまった。
 こうした安倍首相とその仲間たちの謀略体質には恐怖さえ覚えるが、もっと恐ろしいのは、彼らが政権をとって、再び原発政策を決める地位にあることだ。不作為の違法行為によってあの苛烈な事故を引き起こしながら、その責任を一切感じることなく、デマを流して他党に責任を押しつける総理大臣と、我が身可愛さに「もう日本は終わりだ。落ちる所まで落ちればいい。もう私の知った事ではない」と叫ぶ経済再生担当大臣。この無責任のきわみともいえる2人がいる内閣が今、原発再稼働を推し進めようとしているのだ。
 このままいけば、"フクシマ"は確実に繰り返されることになる。
(エンジョウトオル)

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