【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

しんぶん赤旗電子版特集【2021世界は進む 正義を求めて】

2021-12-31 11:07:27 | 転載と私見
Ⅰ:2021世界は進む 正義を求めて
1⃣抵抗 香港民主派弾圧 強まっても
2021年12月31日【特集】

 香港では、自由や人権を重視する民主派への弾圧が一層強化されました。

 前年6月に施行された国家安全維持法(国安法)のもと、民主派支持を明確にしてきた香港紙「蘋果(ひんか)日報」(リンゴ日報)が停刊(6月)に追い込まれたほか、今月29日にはインターネットメディア「立場新聞」の幹部6人が逮捕されました。

 1989年の天安門事件以降、中国本土で唯一、追悼集会を組織してきた「香港市民愛国民主運動支援連合会」(支連会)も9月に解散。民主派労組の「香港職工会連盟」も10月に解散を余儀なくされました。

 3月に中国の全国人民代表大会(全人代)が改変した選挙制度のもとで12月19日に実施された香港立法会選では、ほぼ親中派が議席を占めましたが、市民は過去最低の投票率で抗議の意志を表明しました。

 24日には中文大学で学生が、ロウソクをたて天安門事件の犠牲者を追悼するなど、激しい弾圧の下でも抵抗を続けています。

2⃣2021世界は進む 正義を求めて
抵抗 ミャンマー 軍政終わるまで

2021年12月31日【特集】

 ミャンマー国軍は2月1日、アウンサンスーチー国家顧問ら、国民民主同盟(NLD)の政権幹部を拘束し、非常事態宣言を発令し、全権掌握しました。

 ミャンマー国民は、この暴挙に、各地で街頭デモを行いました。公立病院や学校で働く公務員らも「市民不服従運動(CDM)」とストライキに参加。税金の不払いや国軍関連商品の不買運動も広がりました。

 軍政は激しい弾圧で応じますが、国内での国民からの抵抗と経済・社会危機から、追い詰められています。

 民主派と国民は「軍の独裁が終わるまでたたかう」との決意を示しています。

3⃣2021世界は進む 正義を求めて
格差 ワクチン不平等 世界を荒廃

2021年12月31日【特集】

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)から2年。感染者は累計2億8千万人超、死者も約540万人超です。

 この間、先進国と途上国の「ワクチン格差」が深刻さを増しています。世界保健機関(WHO)によると、アフリカ諸国でワクチン接種を完了した人は全人口の8・6%にすぎません。一方で、先進国はオミクロン株の流行で、3回目の接種を開始しています。

 国連のグテレス事務総長は16日の記者会見で「ワクチンの不平等によって変異ウイルスが猛威を振るい世界の人々の健康と経済を荒廃させている」と指摘。「ワクチン格差」の是正に世界が取り組むよう訴えました。


4⃣2021世界は進む 正義を求めて
権利 労働環境の改善 労組結成も

2021年12月31日【特集】

 労働者の運動により労組の結成や、労働環境の改善が前進しました。

 欧州では、アプリなどを通して単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」の権利擁護が進みました。2月、英国の最高裁は大手配車サービス「ウーバー」の運転手は会社と雇用関係にある「労働者」だと認める判決を出しました。その後、各国でも同様の判決が続出。欧州連合(EU)の欧州委員会は、ギグワーカーを会社の従業員として認め、最低賃金や有給休暇を認める法案を発表しました。

 米国では、農機大手のディアやシリアル食品大手ケロッグなどで賃上げと労働条件の改善を勝ち取りました。また大手コーヒーチェーン・スターバックスには初めて労組が結成されました。ネット通販アマゾンでも労組結成の動きが出ており、注目を集めています。

5⃣2021世界は進む 正義を求めて
打開 続く災害 気候危機が焦点に

2021年12月31日【特集】

 欧州やアジアの大洪水、米国の竜巻や山火事など、世界各地で気候変動が一因とされる自然災害が相次ぎ、政治的にも経済的にも注目されました。

 ドイツでは7月、100年ぶりともいわれる大洪水が発生。政府は支援に520億円を投入しました。9月の連邦議会選挙では環境問題が争点に。

 11月に英グラスゴーで開かれた国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)では産業革命前と比べ「1・5度に抑える努力を追及すると決意」と明記し、石炭火力発電の段階的削減の加速などを表明した成果文書を採択しました。

 同地では気候正義を求める人々がデモ行進。水没の危機にある島しょ国の人々や中南米の先住民など世界中から10万人が参加。

6⃣2021世界は進む 正義を求めて
抗議 進むジェンダー平等 逆行も

2021年12月31日【特集】

 ジェンダー平等を求める市民運動により、各国でさまざまな進展がありました。

 フランスでは、学生団体による「生理の貧困」実態調査を受け、政府は2月、学生への生理用品の無償提供を決めました。元セーリング選手の告発を機に「#MeToo」運動が広がったギリシャは2月、性犯罪の処罰を厳格化。南米チリでは12月、圧倒的多数の賛成で同性婚が合法化されました。

 一方、女性の権利を後退させる動きも。トルコ政府は3月、女性を暴力から守る「イスタンブール条約」からの脱退を表明。米国では、南部テキサス州が9月、性的暴行による妊娠も含め、胎児の心拍確認後の中絶を禁止しました。

 こうした動きに、女性たちは抗議の声を上げ続けています。


7⃣2021世界は進む 正義を求めて
抗議 アジア人差別 危機感と怒り

2021年12月31日【特集】

 米南部ジョージア州で3月、アジア系女性6人を含む8人が白人男性によって殺害される銃撃事件が起き、新型コロナウイルスの感染拡大とともに急増したアジア人を狙う憎悪犯罪に対し、危機感と怒りが広がりました。全米各地で抗議デモが起きました。

 バイデン大統領は「構造的な人種差別と白人至上主義は米国にはびこる醜い毒」だと非難。5月、ヘイトクライム(憎悪犯罪)への対応強化を定めた法律が成立しました。

 アジア系の女優サンドラ・オーさんは抗議行動に参加し「アジア人であることを誇りに思う。ここが私の居場所だ」と表明。世界的人気の韓国のヒップホップグループBTSも、SNSで「暴力を非難する」とメッセージ。ツイッター社によると、21年の最もリツイートされた投稿となりました。


8⃣2021世界は進む 正義を求めて
撤退 泥沼20年 アフガンから米軍

2021年12月31日【特集】

 米軍は8月31日、アフガニスタンから完全撤退しました。2001年9月11日の米国の同時多発テロに対する報復として、アフガンに米軍が攻め込んでから約20年。米兵は約2500人が戦死し、アフガンの民間人は約4万6千人が犠牲になりました。

 米軍のアフガン侵攻後、世界にテロが拡散し、それを軍事力で抑え込もうとする「対テロ戦争」は、戦争とテロの悪循環をつくり出しました。撤退後にイスラム組織タリバンが実権を掌握するなか、国外へと脱出する人が続出。多数が押し寄せたカブール空港ではテロが発生。180人超が死亡しました。

 人権侵害が多発し、各国が制裁を科すなかで、飢餓など人道状況が深刻化しています。


9⃣2021世界は進む 正義を求めて
発効 核兵器禁止条約 ついに始動

2021年12月31日【特集】

 1月22日、核兵器禁止条約が発効しました。今月28日時点で59カ国が批准しています。

 史上初めて核兵器を違法とする条約の誕生に、「ふたたび被爆者をつくるな」と長年訴え続けてきた被爆者は「歴史的成果だ」「世界は変わる」と歓迎しました。

 海外の支援団体も「私たちがこれから米国に圧力を加えなければいけない」「国際法が私たちの味方になった。なぜ条約への参加を拒むのかと政府に問いかけていく」と決意を新たにしました。

 来年3月にはウィーンで核兵器禁止条約締約国会議が初めて開催されます。


🔟2021世界は進む 正義を求めて
転換 米大統領 バイデン氏が就任

2021年12月31日【特集】

 昨年11月の米大統領選挙で共和党の現職トランプ大統領を破った民主党のバイデン氏が1月20日、第46代米国大統領に就任しました。副大統領には女性・非白人として初めて、ハリス氏が就任しました。

 その直前の6日には一部のトランプ支持者が連邦議会議事堂を襲撃。それを受けてバイデン氏は就任式で「国民の結束」や「民主主義」を訴えました。

 閣僚に女性や人種少数派、性的少数者を積極的に起用しました。就任直後、地球温暖化対策の国際条約「パリ協定」への復帰、世界保健機関(WHO)脱退撤回などの大統領令に次々と署名。トランプ政権の米国第一主義を転換し、国際協調路線に復帰する姿勢を鮮明にしました。




【私見】

 「2021年に世界は進んだのか?」しかも「正義を求めて」。
「正義」の概念を日本の唯物論哲学者たちが研究していることを、書籍のタイトルから知った。新鮮であるとともに、「正義」はどのようなカテゴリーでとらえられるのか、疑問に思った。
 このしんぶん赤旗電子版の10編から成る特集は、常識的民衆側から提起されている。そして10の項目は、正義を求めて日本共産党はどのような見解をもつかがわかりやすくしかも明瞭に表現している。
 ここで大事なのは、「正義」の概念的追求以上に、「正義を求めて」どのような闘いをおこなってきたか。その事実の把握なのだ。

 敷衍していうが、2021総選挙で「立憲民主党は日本共産党と共同したから負けた」という俗説が意図的に流された。最大の選挙敗北は自民党ではないか。幹事長甘利明氏、自民党都連会長石原伸晃氏らは小選挙区も比例区も国会に議席をもつことがかなわなくなった。立憲民主欧は敗北したというけれど、小選挙区議員は自民党議員は前回276今回261へ15議席減。立憲民主党は109から96へ13議席減。
詳細はいくつもあるが、NHKの結果 https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/shugiin/2021/  がある。
野党共闘なかんずく共産党がメンバーに入ったら敗北するというようなフェイクニュースは結果一覧を見ればすぐみぬけるとうなものだ。

 日本共産党が掲げた10の観点ごとの実態と明日からの展望を、具体的に掲げた視点からふりかえり、あすからの展望を国民各自の足元から一歩ずつ具体化することが、大事な社会的民主主義運動のアンテナでありチャートでもある。(了)

連合初の女性会長、破った「ガラスの天井」 なぜ共産党に拒否感?(毎日新聞)

2021-12-30 21:52:25 | 転載
連合初の女性会長、破った「ガラスの天井」 なぜ共産党に拒否感?
東海林智
毎日新聞 2021/12/25 15:00(最終更新 12/25 18:35)

 東京駅を見下ろす丸の内ビルディングの最上階にある高級イタリアンレストランで、今夏のある夜、1組の男女が向かい合っていた。ものづくり産業労働組合「JAM」会長の安河内(やすこうち)賢弘さん(49)と、JAM副会長の芳野友子さん(56)。安河内会長は抑え気味の声で切り出した。「芳野さんを連合会長に、という話がある」

 芳野さんは言葉を失った。連合会長の選出を協議する立場にある安河内さんからの呼び出しだったが、「議論の経過を教えてくれるのかな」という程度に考えていたからだ。自らが主役に躍り出る打診に「寝耳に水。本当の本当にびっくりした」と振り返る。


 驚くのも無理はない。1989年に結成された「連合」は、約700万の組合員を擁する日本最大の労組の中央組織。会長には、大企業出身で、かつ組織のトップを経験した者が就任するのが通例だ。一方、JAMは中小企業中心の組織で、芳野さんはトップも務めていない。しかも、連合会長は、女性が就いたことのないポジションなのだ。

 芳野さんの目に戸惑いを感じ取った安河内さんは「今ここで答える必要はないから」と安心させた上で、自分の意見だと断ってこう伝えた。「要請を断れば、連合に女性会長が出現するのは、あと10年は遅れると思う」


 連合初の女性で、最年少の会長へ――。芳野さんが労働界の「ガラスの天井」を打ち破るため、ガラスに手を触れた瞬間だった。この忘れ得ぬ夜から数カ月が過ぎた今年10月6日、芳野さんは連合の第8代会長に就任した。

 会長に推したのは誰か? 安河内さんは、前連合会長、神津里季生さん(65)だったと打ち明ける。今回の連合の役員人事は迷走を重ねていた。定期大会を目前に控えた9月半ばを過ぎても候補者が定まらず、結成以来初めて立候補の締め切りを延ばすという異例の事態だった。だが、別ルートで、女性登用への下準備は数カ月前から進められていたともいう。


たんか切り、22歳で中央執行委員に
 一方、芳野さんの組合活動を振り返ると「天井破り」の繰り返しだった。84年、東京都内の高校を卒業し、ミシンメーカー「JUKI」に就職した。86年の男女雇用機会均等法の施行前であり、当時は「結婚まで働こう、くらいの感じだった」と言う。仕事は在庫管理の事務。それから1年たつと、組合の委員長から「労働組合の専従にならないか」と声が掛かった。

 白羽の矢が立った訳を、芳野さんは「3歳からバレエを続けている、と書いた社内報が委員長の目に留まったから」と推測する。一つのことをやり続けていることが評価されたらしい。


「連合運動すべてにジェンダー平等の視点を」と訴える連合の芳野友子会長=東京都千代田区で2021年11月9日、梅村直承撮影拡大
「連合運動すべてにジェンダー平等の視点を」と訴える連合の芳野友子会長=東京都千代田区で2021年11月9日、梅村直承撮影
 専従の件を相談したのは新人の頃から世話になった人事部の先輩。親しいとはいえ、組合の常識では考えられない行動だった。だが、人事部の先輩からは「女性が職場を変わる機会はほとんどない。やってみれば」と、背中を押された。「そう聞いたら、入社1年で仕事が変わるなんて、チャンスだなって」。迷った末に組合活動に飛び込んだ。

 組合役員からは「組合員の話は丁寧に、何でも聞いて、誠実に対応して」と教えられた。ある時、女性社員から労働時間についての相談を受け、役員に解決を求めた。返答は「それは女性のわがまま」。反発して粘っても態度は変わらない。「お願いするより、自分で(組合の役員に)なった方が早い」と役員にたんかを切った。「やってみたら」「やりますよ!」。売り言葉に買い言葉を交わした後、労組役員である中央執行委員に立候補した。

 その行動は周りを驚かせた。役員選挙の告示日、組合掲示板に立候補者の名前が墨書きされて張り出された。20人の候補者のうち女性は1人。掲示板の前には人だかりができていた。「友ちゃんが委員になるんだって」。そんな声が飛び交った。22歳だった88年。初の女性中央執行委員に就いた。組合活動で初めてプレッシャーを感じた。

 芳野さんがステップアップした時期は、労働組合の変革期とも重なった。89年11月、旧社会党系の総評、旧民社党系の同盟など労働4団体が連合を結成した。支持政党も文化も違う労組の合流に、「右寄り再編」と反発した組合は、全労連の結成に動いた。全労連は共産党が強い影響力を持っていると見られ、連合と全労連の間に対立が生まれた。

 合流した労組間の融合も進まなかった。芳野さんが所属していた「JUKI」は同盟系。寄り合い所帯の連合東京の事務所に顔を出すと、異文化ともいえる総評系の女性たちに出会った。彼女たちは、結婚や出産をした後も働き続け、女性の権利向上を求めて組合活動にも熱心だった。「旧同盟系はどちらかと言えば女子会みたいな感じ。旧総評系の女性たちの手帳には、学習会や会議の日程がびっしり書いてあった。私のは『SALE』とかばっかり。恥ずかしくて手帳を広げられなかった」

 刺激を受けた。女性労働の実態やセクハラ調査などについて猛勉強を始めた。「連合が結成されていなかったら出会うこともなく、問題意識もないままだった。連合という組織の会長にはなっていなかったと思います」

 ジェンダー(社会的、文化的につくられる性差)の平等に覚醒したが、労働者の代表としての期待に応えるには、まだ分厚い壁があった。

「リボンとベルト」男女平等目指す原点
 連合が結成された1989年、女性社員は結婚や出産を機に退職するのが、社会では当たり前の雰囲気だった。芳野友子さん(56)が組合の中央執行委員を務めるミシンメーカー「JUKI」でも同じだった。

 ただ変化の萌芽(ほうが)はあった。連合東京で交流した他社には、結婚や出産後も働き続けられる制度があったのだ。「働き方のメニューを増やせば、自分の会社でも女性が働き続けられる」。芳野さんはJUKIの組合内で育児休業制度の導入を主張した。すると「結婚後も働き続けたいと思う人がいるのか?」と、ベテランの男性組合員から切って捨てられた。「勉強不足。『他社にはある』としか反論できず、返り討ちです」。男女平等を巡る提案にことごとく反対したこの男性を、芳野さんは今も「天敵」と呼ぶ。

 状況を打開できずに落ち込んでいる時、化粧室で女性社員の会話を耳にした。「会社の制服に着けるリボンとベルトが傷みやすい」。聞くと、自腹で用意しているという。制服として貸与するよう要求することを決めた。バブルがはじけ、企業は経費削減に必死になっていた頃だった。組合内でも「経費を増やすような要求なんて」と反対があったが、「切実な女性の要求だ」と一歩もひかず、組合要求にねじ込んだ。すると会社は受け入れ、大きな自信につながった。

 育児休業制度の導入に再挑戦し、ある男性委員を1年がかりで説得した。昼食の時は隣に座って話しかけ続けると次第に理解してくれ、2年越しで組合要求に上げることができた。会社はすぐに受け入れた。女性人材の確保と、働き続けられる環境づくりの必要性は共通の課題だった。

 「要求が実現すると、女性たちは『組合に言っていいんだ』と、私たちを応援してくれるようになりました。リボンとベルトは私の組合活動の原点です」

 それ以降も男女平等を目指すことを自身の活動の中心に据え、ぶれなかった。その姿勢もあってか、今年10月に「ガラスの天井」を破って連合初の女性会長に就任すると、ジェンダーギャップの解消を目指す人々の期待も集めた。昨夏、全労連議長に就任した小畑(おばた)雅子さん(62)もその一人だ。

 連合会長に就任すると、小畑さんからコチョウランを贈られた。「ジェンダー平等実現のために頑張りましょう」とのメッセージが添えられていた。

 「二つの全国組織のトップに女性が就いたのだから、ジェンダー平等を前に進めるチャンス」との思いを込めていたと小畑さんは明かす。でも、返事はないという。「それぞれが前に進もうということですかね」

「共産党アレルギー」が船出に落とす影
 女性同士の共闘が動き出さないばかりか「女性トップが変えていく」との期待は、暗転した。

 きっかけは、衆院選投開票から一夜明けた11月1日にあった記者会見での発言だった。立憲民主党が議席を減らした結果について問われた芳野さんは「連合は、共産党や市民連合とは相いれない」と述べた。野党共闘を仲介する「市民連合」まで標的にした、と受け止められた。野党共闘の女性候補を応援した女性たちの間では「ジェンダー平等に取り組む人が、同じ志の仲間を排除するとも取れる発言はいかがなものか」といった失望感が広がった。

 選挙期間中に予兆はあった。「立憲民主党と共産党がのぼりを立てて街頭で演説会をするのは受け入れられない」「連合票は(野党共闘で)行き場をなくした」とも述べていた。連合が公表した芳野さんの遊説は選挙期間中12選挙区。会長に就任したばかりという事情があったにせよ、連日何カ所も掛け持ちした歴代会長と比べると、少ない。

 報道機関のインタビューでは「民主主義の我々と共産の考え方は真逆」などと述べている。政治スタンスに関連する発言からは「反共」というキーワードが浮かび上がっている。

 共産党に対する拒否感について、芳野さんに尋ねたことがある。その答えとして、出身労組の影響があると明かした。

 概要は次の通りだ。就職したJUKIには共産党の影響を受けた組合があった。これに反発した組合員が同盟系の労組を作った。自分の入社時には、同盟系が多数派になっていたが、組合役員になると共産党系の組合と闘った過去を学んだり、相手から議論を仕掛けられたらどう切り返すかというシミュレーションをしたりした――。

 このような経験から、共産系の組合が社内で宣伝活動などをしていると「会社に混乱を持ち込むのか」と嫌な気持ちになったという。労組専従の道を歩むとの決断が人生の転機になったのと同時に「共産アレルギー」が生まれ、徐々に膨らんでいったのかもしれない。

 「芳野連合」が船出してから約3カ月。彼女が原点とした「リボンとベルト」をうかがわせる動きはいまだ感じ取ることはできない。また、組織の硬直ぶりに疑問を抱く声はやまない。

 会長選への立候補を一時検討した全国ユニオン会長の鈴木剛(たけし)さん(53)は、連合の現状に危機感を強めている。全国ユニオンは1人でも加盟できる個人加盟の労組が中心で、組織人員は3000人ほどの小所帯だが、連合の中では異色の発信力を持つ。2008年には年越し派遣村、昨年末にはコロナ被害相談村などの活動に連合、全労連の潮流を超えて取り組んできた。

 鈴木さんは訴える。「所持金がなく、命からがらコロナ被害相談村に駆け込む労働者は一人や二人ではありませんでした。労働組合は、働く者に犠牲を強いる新自由主義経済からの転換を主張し、広範な労働者と手をつなぎ闘うべきです。それなくして、すべての労働者のためにとは言えない」。芳野さんへのメッセージでもある。

 変化が見えないこともあってか、連合内には会長選びを巡って「誰も拾わない(会長という)火中の栗を女性に拾わせた」「女性を持ってくることで批判に蓋(ふた)をした」といった言辞がくすぶっている。

 前会長の神津里季生(こうづりきお)さんはその見方を真っ向から否定する。会長人事が難航する前の今夏には、既に芳野さんを口説いていたことがその証しだという。「会長が次の会長を指名することは、あってはならない。けれど、人事についてヒアリングされた時には『お願いしたい人はいる』と答えていました。連合を変えると考えた時に、会長は芳野さんがいいかなと思っていたのです」

 大企業系の労組が幅を利かせてきた連合は、今やネットを中心に「上級国民の集まり」などと皮肉られる。そうした中、芳野さんは、中小企業の労働運動に、高卒の「たたき上げ」で携わってきた。しかも女性が「ガラスの天井」を破る姿によって、連合の印象も大きく変わるだろうとの期待があった。

 「連合では、これまでも多くの女性が、女性の権利を前進させるために力を尽くしてきました」。神津さんはそうした女性たちを、自ら光り、道を指し示す意味で「スター」と呼ぶ。「芳野さんにもスターになって、労働組合の役割を世間にアピールしてほしい」と後進に期待を込める。

 22年春闘に向けて、芳野さんは「未来をつくる。みんなでつくる。」をスローガンに掲げた。「女性、非正規、中小――。労働の現場で過酷な状況にいる人をみんなで支えていくこと」との思いを凝縮したという。しかし「共産党アレルギー」が重荷になることはないのだろうか。

 「ガラスの天井」は破った。でも、ゴールではない。「スター」としての輝きを失わず、時代を切り開いていけるのだろうか。

取材・文 東海林智(とうかいりん・さとし)

 1988年入社。大阪社会部、新潟支局長などを経て今年4月から東京社会部専門記者として労働分野を担当。また、貧困問題も取材している。

ウイシュマさん入管施設死亡とコロナ・五輪【報道特集】

2021-12-25 18:53:49 | 政治・文化・社会評論
第1章 コロナ禍

 飛沫感染を研究する大阪大学の研究を知って思った。国家が国民を統治するにはそれだけの正当性が必要である。右派政権でも左派政権でも国民が納得する科学的根拠が必要だ。この科学とは検証可能なこと。データ改竄やデマなどではとても統治の根拠が崩壊する。阪大の研究にふと考えた。

第2章 オリンピック検証


 ❶オリンピックは子どもの頃から夢だった。
しかし以前から五輪の不明な予算執行などが言われてきた。日本で実施となり初めて目の前に実際にやってきて、なぜ五輪開催を希望する国家が極めて少数なのか。五輪とコロナ禍とそれ以前の経済政策とが重なって、日本国に莫大な負の遺産が残った。

 ❷国内の五輪の下積みをしてきた多くの人々。海外で東京五輪パラリンピックを支えてくれた人々。もしも彼らがいなかったなら、東京五輪は終わらなかった。またボート競技のように宮城・長沼で行われず、東京湾でカキが波を防ぐ器具に多量につき莫大な工事費を浪費した。誰のための五輪か?


 ❸国内の五輪の下積みをしてきた多くの人々。海外で東京五輪パラリンピックを支えてくれた人々。もしも彼らがいなかったなら、東京五輪は終わらなかった。またボート競技のように宮城・長沼で行われず、東京湾でカキが波を防ぐ器具に多量につき莫大な工事費を浪費した。誰のための五輪か?

第3章  #森友学園とウイシュマさん


国側は「認諾」をしないために1500億円をぽーんと支払った。赤木雅子さんの必死の訴えをカネの力で封じ込めようとする愚策。
法廷で雅子さんは裁判官に許可を得て発言した。
#夫は国によって殺されました。
#今回2度も殺されました。


安倍麻生両氏は、裁判の前も裁判後も、巨大な権力をふるう。
自民党最大派閥90数人を細田氏から譲り受けた。清和会領袖の安倍晋三氏が三度首相にでもなれば、息苦しい日本政治は窒息してゆく。


ウイシュマさんの疾病を見殺しにした入管側が、裁判で幕引きを急ぐ政府ともあいまって、事実を矮小化している。日本人でなく、国際社会が凝視していることも承知でアジアアフリカ等蔑視しているのか。


「お父さんが死んだあと
ひとりでむすめたちを育ててきたのに」
号泣する祖国の母親。
ウイシュマさんの妹のおひとりが日本に残り
日本で闘い続ける。


膳場さんに問われ、金平さんは2つの関連を鋭いていう。
「まともな政権なら、政権がふっとぶような事態だ」。
2つとも終わっていない。

TBS系『報道の日』12月19日(午後2時~午後10時42分)にまなぶこと

2021-12-20 11:55:05 | 政治・文化・社会評論
TBS「報道の日」動画
https://youtu.be/lUnDwbLcJto?list=PLCUNF--_h4OzRo882WCOhcOL6XX9n5lRQ
56秒

❶#最大の問題
福島原発の危機を隠して、東京五輪を強行し国民に背をむけコロナ禍をあれだけ無視したこと。そして今日本の社会は、弱肉強食社会と化した。いじめと差別の頑強な社会となった。それを土壌に軍事国家へのスタートが切られた。総選挙の経過と結果が巨大な陥穽となった。

❷井上アナウンサーがおっしゃるように、インターネットは一社会運動に一定の影響を及ぼしている。ただ、フエイクニュースや選挙の他党ダウンに会社が政党の他党中傷にかなりのツイッターを送るような事態もみられた。インターネット・リテラシーを表現行為の根っこをふまえるべきだ。

❸日本の政治家の発言を聴いていて、表面には出ない水面下工作が政治を動かすフレイムを感じた。政府与党の政治家の言説と行動の真実とは、流動的にあふれる情報とは異次元にあるものと考えた。尾身会長らの反対を押し切って政府はサッカー球戯場の1万人入場枠決定。オミクロン感染症第一号が等々力サッカー場での感染へと。

❹ホランさんと井上さんの入場制限にかかわる見解を聴いていて、私も同感です。なにが正しいか間違っているか。二元論でなく、多彩なバリエーションをおびるものかもしれないと感じている。

❺1964五輪の背後の驚くべき危機事態を初めて知った。#千葉県習志野市にコレラ発生。感染者のでた地域を封鎖。さらに,#静岡県伊豆半島下田町に感染者発生。歴史の裏で国民の知らないことがこのようにあるとは・・そして危機管理の事例。

❻外交も、内政も日本は国際社会の他国同様多くの試練に見舞われた。それでも、日本には試練に目を据えたジャーナリストたちと報道機関がある。マスコミに誘導されるのでなく、難しい課題に私たち国民があきらめずに困難な課題に目を塞がないこと。きょうの「#報道の日」は意味深い。

❼2001年。20年前に『バイオハザード裁判―予研感染研実験差し止めの法理』という本が出た。遺伝子組み換えによる未知の生物出現やエボラ・ウイルスなどの猛毒病原体など、人類が想定していなかった生物によるバイオハザード=生物災害の危険性が高まっていた。日本でその業務を担う国立感染研が新宿区戸山に移転強行していらい、安全性の観点から取り組んだ人々。上にあげた書物は哲学者故芝田進午、弁護士島田修一など第一線の知識人が執筆。国内の安全性を原点に地裁高裁最高裁まで争って、敗訴した。だがいまのパンデミック事態の予言。

❽#報道の日2021
スタッフ&キャストの皆さん
午後2時から9時間近く、本当にお疲れ様でした。これからも # #Nスタ #news23 とを応援したいと、無力ですけれども思います。ちょっとはやいですが私用で、視聴から離れます。お疲れ様でした。

報道特集2021.12.18視聴記

2021-12-18 18:53:53 | 政治・文化・社会評論
❶大阪での24人が死亡したクリニックは、事件以後のどの報道でも、患者さんにあたたかく適切な治療と適切な内服薬を処方するなど立派な医師とクリニックだったことがうかがわれる。全貌はまだわからないが、20人を超す犠牲者のご冥福を祈る。


菅前首相の表情がおだやかにみえた。
安倍首相の病気退任をうけていきなり首相職。
本来の日常に戻ったのだろう、か。

❸特集スマホ
 スマホをもって階段や交差点を眺めて歩くおとなや子どもが増えた。「依存症」のカテゴリーに適合する。問題は学校現場にスマホを携行させ、授業はタブレットなどIC教育を全面的に推進する流れ。教育の全体的構造で脳のごく一部の反応。感受性や相互のコミュニケーションによる営みに欠ける。

「#脱スマホ依存キャンプ」の試みに新たな可能性を豊かに秘めた営みと感じた。

「スマホの問題はスマホでは変えられない。スマホの問題はリアルな現実の人間関係などを変えなければ解決しない」
兵庫県立大学の竹内先生の言葉の内容は深く示唆に満ちている。

 学校教育でコロナ禍の最大の弊害は、家の外へでられず家の中でスマホの操作などでしか癒されない子どもたちの苦悩だ。外へでたりたむろする姿は否定的と言われたが・・


❹#尖閣対応水陸機動団の素顔
 水陸機動団・尖閣対応・「目の前に脅威がある」?・7億3千万円の水陸両用車・軍用機・有事を想定した軍事訓練・180度回転の装置・パニックに襲われる危機感・「真剣に訓練に取り組むための遺書用意」(連隊長)

「#特殊作戦群影の部隊の実像」習志野駐屯地に部隊の痕跡2010年に。「訓練自体をベールに隠さなければならない」(部隊長)特殊作戦群初代群長
「隊員はあらゆる兵器に精通。ストレスは凄い。死んでも情報を絶対にもらさない」。

書いていて、秘密部隊に触れた最後のツイッターは突然ふきとぶように消えてしまった。

「日本の安全保障は、戦後最大の分岐点に。」

【❹~私見】

 私は現在の防衛に関する情勢は、戦前の治安維持法下の日本社会と同じ危機感を覚えた。マスコミ映像活字を問わずその危機感は打ち消され、着々と日本社会の「変化」は驚くほど内容が変わりつつある。これからどう生きるか。今後は直接未来へ直結した問題だ。

岐路~衆院国会代表質問2021年12月8日~

2021-12-08 20:57:54 | 政治・文化・社会評論
2021年12月8日衆議院代表質問(NHKTV)を中途から視聴しました。私は毎回すべての質疑応答を視聴するつもりも記録するつもりはありません。この日に質問したかたは、泉健太議員(立憲民主党代表・無所属)茂木敏充議員(自民党幹事長)西村智奈美議員(立憲民主党幹事長・無所属)の3名。
(写真は西日本新聞)

「ひとにやさしい資本主義」とは?
 新首相となった岸田文雄氏は、政策のひとつに「人にやさしい資本主義」という新たな概念を発表した。
資本主義経済は、弱肉強食の社会をつくっている。北欧先進国は、資本主義経済改善のために社会主義的な要素をとりいれ福祉国家を実現し資本主義の弊害を軽減する蓄積を重ねてきた。
 日本の小泉・安倍・菅政権は、最低の資本主義経済政策をより酷くした。対案PRを出す立民代表はどのような根本的原案を出すか?そこに注目して拝聴していた。
 安倍菅両首相が様々な施策を国会で言明しながらなにもしない政策が多かった。岸田首相は様々な政策を言った。それを実行するか。岸田氏が言ったことを巨大自民党が抑えにかかっている。岸田氏自身も党内抵抗で言明と異なる政策。岸田首相にできることは、野党と政権交代することだ。政権交代しても社会状態が安定している政治をおこなうことで、国論が議論と相互の対話によって、落ち着いた政権交代が定着した日本社会を与党と野党がともに成長した国会運営を構築することだろう。



 自民党幹事長茂木敏充氏の質問は首相の政策をフォローする事柄もあった。だがアジア海外諸国の信頼を得るには、日本国内で学んだり働いたりしている外国人の権利を保障することだ。スリランカ女性が訪日し最後は出入国管理事務所で病気で死亡。茂木議員よりも、岸田首相答弁のほうに、この非情な事態に耳をかたむける姿勢が答弁からかんじられた。今までの経緯から、妹達の憤りはなにかが与党政治家には通じていない。


#雄弁型政治家と対話型政治家

 国会での議員たちの質問答弁は、演説家としては雄弁型である。だが全国各地の国民が急激に貧困化していることを選挙区ひとつ訪れ知ろうとはしていない。貧困層拡大の実情を同じ視線にたち国民に寄りそう気配はきわめて薄く便宜的な印象にとどまる。
 首相答弁を聴き疑問を覚えた。日本はコロナ禍前でも安倍失政の経済情勢下のもとにあった。東日本大震災の後、民間知識人が発言していた。「1964年五輪の頃の経済生活ことで一時とどめ社会が安定し貧困超拡大を終えて、国民ひとりひとりがともかくもまともに暮らすことを実現すべきだ」。
 東日本大震災と福島原発事故によって大きく社会のエネルギーと機能が低下したこと、その後のコロナ禍による追い打ちをかけたような社会の失速。国民の地力をつけることもおろそかにして、数値的に経済回復のために施策強行することは、ひずみを生じさせることが多く、貧富の拡大さえいっそう甚だしくなるだろう。


「#雇用者の6割が非正規であり、その7割が女性です」。
立民党幹事長の西村智奈美議員の質問は現実の社会問題に根差していた。首相との対話を問う内容だった。今国会は女性議員が落選して減った。やはり政党を問わず女性候補と女性議員を増やすことが明瞭となった。

【孫崎享のつぶやき】2021-12-07 08:301

2021-12-07 11:36:58 | 転載
【孫崎享のつぶやき】
農業協同組合新聞、孫崎享【提言】「命を守る」政治が最優先。「脱・新自由主義」農でも語るべき:社会複雑化、なすべき政治課題も次々に。「経済の成長か、分配か」「脱炭素化」「中国問題」等。これらに対し「命を守る」という視点で問題の重要性を考えてみよう。
2021-12-07 08:301

複雑化する社会の中で、何を政治の課題とすべきか。私は、それは①「命を守る」を最優先課題とする②それぞれの政治課題が「命を守る」にどれくらい直結しているかを判断する③かつそれぞれの政治課題が、「命を守る」という観点でどこまで緊急性があるかを判断することだと思う。


2:今次総選挙で「自民、公明両党と憲法改正に前向きな日本維新の会、国民民主党等の改憲勢力は衆院選で352議席となり、衆院の4分の3を占めた(衆院選公示前にはこれら勢力は338議席、総定数の3分の2―310議席―を上回っていた)。改憲勢力は、衆参両院で改憲の国会発議に必要な3分の2を維持しており、岸田政権で改憲論議が本格的に進むのか注目される」(読売)と報じた。それははたして、どこまで「命を守る」という点で緊急性を持つのか。

例えば北朝鮮の脅威を考えてみよう。北朝鮮は核兵器の開発を行い、ミサイルの開発を行っている。多くの国民は脅威に感じている。でも北朝鮮は「日本を攻撃する」という目的でこれらの開発をしているのであろうか。そうではない。米国が攻撃するのに対応するために開発している。

キッシンジャー元米国務長官は20世紀の最大の戦略家のひとりである。彼は核兵器という最大の難問について超大国間で管理する道筋を提案した。彼の古典的名著とされる『核兵器と外交政策』(日本外政学会、1958年)に、次のような記述がある。

○核兵器を有する国は、それを用いずして全面降伏を受け入れることはないであろう。

○一方で、その生存が直接脅かされていると信ずるとき以外は、戦争の危険を冒す国もないとみられる。

○無条件降伏を求めないことを明らかにし、どんな紛争も国家の生存の問題を含まない枠を作ることが、米国外交の仕事である。

 つまり、関係国が北朝鮮に対し、「貴方の国家、および指導者をこちらから軍事行動で排除する行動はとりませんよ」と約束し、それが実行力があることを示していけば、彼らの行動は変わる。彼らからの脅威は大幅に減少する。

 古い話であるが、1904年2月8日日露戦争が開始された後、同年6月27日、トルストイは英国ロンドンタイムス紙に「日露戦争論」を発表した。

・戦争(日露戦争)はまたも起こってしまった。誰にも無用で無益な困難が再来し、偽り、欺きが横行し、そして人類の愚かさ、残忍さを露呈した。東西を隔てた人々を見るといい。一方は一切の殺生を禁ずる仏教徒で、一方は、世界中は兄弟であり、愛を大切にするキリスト教徒である。

・知識人が先頭に立って人々を誘導している。知識人は戦争の危険を冒さずに他人を扇動することのみに努め、不幸で愚かな兄弟、同胞を戦場に送り込んでいる。
今から考えてみると、日露が戦わなければならない理由はない。朝鮮半島の支配をめぐっての戦争であるが、本来的に日本・ロシアに死活的利益はない。しかし、当時の知識人は戦争を煽った。


 キッシンジャー元米国務長官は20世紀の最大の戦略家のひとりである。彼は核兵器という最大の難問について超大国間で管理する道筋を提案した。彼の古典的名著とされる『核兵器と外交政策』(日本外政学会、1958年)に、次のような記述がある。

○核兵器を有する国は、それを用いずして全面降伏を受け入れることはないであろう。

○一方で、その生存が直接脅かされていると信ずるとき以外は、戦争の危険を冒す国もないとみられる。

○無条件降伏を求めないことを明らかにし、どんな紛争も国家の生存の問題を含まない枠を作ることが、米国外交の仕事である。 

つまり、関係国が北朝鮮に対し、「貴方の国家、および指導者をこちらから軍事行動で排除する行動はとりませんよ」と約束し、それが実行力があることを示していけば、彼らの行動は変わる。彼らからの脅威は大幅に減少する。

古い話であるが、1904年2月8日日露戦争が開始された後、同年6月27日、トルストイは英国ロンドンタイムス紙に「日露戦争論」を発表した。

・戦争(日露戦争)はまたも起こってしまった。誰にも無用で無益な困難が再来し、偽り、欺きが横行し、そして人類の愚かさ、残忍さを露呈した。東西を隔てた人々を見るといい。一方は一切の殺生を禁ずる仏教徒で、一方は、世界中は兄弟であり、愛を大切にするキリスト教徒である。

・知識人が先頭に立って人々を誘導している。知識人は戦争の危険を冒さずに他人を扇動することのみに努め、不幸で愚かな兄弟、同胞を戦場に送り込んでいる。

今から考えてみると、日露が戦わなければならない理由はない。朝鮮半島の支配をめぐっての戦争であるが、本来的に日本・ロシアに死活的利益はない。しかし、当時の知識人は戦争を煽った。


 安全保障論は今日でもそういう危うさを持っている。つまり武力衝突を避けることが「人の命」を守る点で重要にもかかわらず、かつ衝突を避ける道はあるにもかかわらず、衝突を煽(あお)る人々がいて、いつの間にか、それが国論になる。こういう危険性を今日孕(はら)んでいる。それが今回の衆議院選挙であったと思う。繰り返すが、今日武力衝突を孕んでいる国際問題はほとんどがそれを回避する道を持っている。


3:私達にとって「命を守る」という観点から重要な政治課題は何であろう。

我々の日常生活の「衣食住」で「命を脅かす」ものは何であろう。もしそれが存在するなら、それは高い政治課題になるはずだ。多分、今日その第1は「食の安全」ではないか。岸田政権は「脱新自由主義」を掲げたが、「新自由主義」が脅威を与えているのは農業である。では、岸田政権は「脱新自由主義」の観点で農業政策を語っていくだろうか。

福島原発の事故を考えたら、我々の命を脅かす可能性のあるのは「原発の稼働」であろう。福島原発の事故が起こった時、東京にいる米国人は退避した。米国政府は、米国人の日本脱出の支援をした。欧州の幾つかの大使館は、しばらくの間、機能を関西に移転させた。

「再稼働反対」を述べている人は、命の危険に言及している。しかし、再稼働推進の人から、「再稼働は命を守ることだ」と主張する人はいない。だったら、再稼働は政治課題として低いはずだ。

「遺伝子組み換え農産物」も同じだろう。「遺伝子組み換え農産物」に反対する人は命への不安を述べている。「遺伝子組み換え農産物」にしなければ「命が守れない」という主張はあまり聞かれない。それであれば私達のなすべきは、「遺伝子組み換え農産物」が本当に命に害があるかの検証をすることであろう。

遅れをとる日本の賃金


4:生活水準が悪くなれば、私達の「衣食住」の環境も悪くなる。「命を守る」という観点から生活水準を上げることは重要だ。その点で多くの人がほとんど触れないデータを紹介したい。

OECD(経済協力開発機構)は経済の発達した国々が構成する機構である。ここは毎年各国の平均賃金を発表している。
2020年の年間平均賃金(米ドル表記)がどうなっているかを見てみたい。

米国69391、カナダ55342、オーストラリア55206、ドイツ53745、、OECD平均49165、英国47147、仏45581、韓国41445、日本38515。

同じく米国の情報機関CIAが発表する1人当たりGDP(国民総生産)を見てみたい。ここでは国と地域(例えば香港)を含めている。
1リヒテンシュタイン、5シンガポール、15米国、25ドイツ、32カナダ、35英国、37フランス、41韓国、42イタリア、45日本。
どうでしょうか。日本国民の中で、「平均賃金」や、「1人当たりGDP」で日本が韓国の下になっている事実をどれくらいの人が知っているか。何故こういう事態を招いたか、どれほど真剣に論議がなされているか。


5:こうしてみてくると中国や北朝鮮の軍事力にどう対応するかという問題よりも、はるかに私達の「命」に直結する問題で、日本の置かれた状況が国際的にみて悪いことが判かる。
日露戦争の頃、日本もロシアも国内的になすべきことが山のようにある中で日本とロシアは戦争した。今となって考えてみると意味のない政治スローガンに引きずられていた。
緊急性の是非気づくべきだ


6:繰り返すが、私達は政治課題を設定する時、最優先すべき政治課題は「命を守る」ことを最重視の尺度にすることである。そして、各々の政治課題が「「命を守る」視点で、どこまで緊急性があるかを見ることである。


7:もし、ある政策が「命を守る」ことと直結しておらず、「命を守る」ことから緊急性のないにもかかわらず重要な問題として提示されているなら、その動機は国民全体の利益とかけ離れた所に存在していることに気づくべきである。


8:今、日本の政治を見ると提示されている政治課題は「命を守る」ことと直結しておらず、「命を守る」ことから緊急性のない事柄があまりにも多い。そこには欺瞞がある。その欺瞞はもっともらしい「知識人」によって「大手メディア」で拡散され、多くの国民がそれを信じている。

【永岡浩一さんからの通信】MBSラジオ 月刊ニュースなラヂオ(2021/12/6)

2021-12-06 21:10:22 | 転載
【永岡浩一さんからの通信】MBSラジオ 月刊ニュースなラヂオ(2021/12/6) ラジオ報道の現場について、澤田大樹さんのお話、テレビや新聞と異なり一人で何でもやり、いい意味で広く浅く様々なテーマを問えるラジオと言うメディアを武器に開拓するものを語る


 永岡です、MBSラジオの、月刊ニュースなラヂオ(月刊第22回、通算129回)、今月も新聞うずみ火代表の矢野宏さんの司会、フリーアナウンサー北口麻奈さんがパートナーで放送されました。要点のみ書きおこしします(10分のコーナーやニュース読み上げなどは省略します)。今月はニュースなラヂオ、27日19時から1時間ですが特番もあります。

 西谷さん、朝ドラのカムカムエブリバディとコロナ対策、医療と戦争についてブログで指摘されています、https://www.nowiraq.com/blog/2021/12/post-51.html 

 ゲストは、TBSラジオ記者の澤田大樹さん、TBSラジオのセッションやアシタノカレッジで報告されて、ラジオ報道の現場という本(https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=1039&st=4 )を出されています。臨時国会も開会、澤田さん取材されてコメントされます。コロナ禍で岸田政権はどうなるか、困窮する国民を救うのか?補正予算に軍事費7700億円があり、軍事費は6兆円を超えてGDP1%突破、コロナで使途を間違えていると矢野さん指摘されました。


 澤田さん、東京からオンライン出演、帯はショッキングピンク、ラジオの記者は絶滅危惧種と言いつつ頑張る澤田さん、矢野さん、ラジオ報道の記者の仕事を問われて、澤田さん、新聞、テレビと同じく、国会や議員を取材、レポートして、TBSラジオの崎山さんもいるがラジオ選任は澤田さんのみ、災害現場、五輪も取材、政治部+社会部、運動部であり、国会は所信表明演説、文通費のことも取り上げられて、埼玉のリスナーから質問、国会は短い、シャンシャンでおかしいとあり、澤田さん、国会は短い、予算委員会も短いと説かれて、岸田総理の所信表明、10月の就任直後は手が震える、早口で慣れておらず、今日は慣れてゆっくり、時間は伸びた。

 国会に新人の議員が多く、慣れない人もいて、当院して数日、先輩が小学校みたいにリードするものもある。澤田さんの気になったものは、岸田氏の演説、明言を引用は安倍氏よくやり、冒頭に引用したものをラストに落ち、今回は中国の古典を使う、ケネディの言葉、昔の偉人のものを使用、車座集会のエピソードも入れて、個性を出し始めた。

 所信表明で寝ている議員は澤田さん気づかず、与党からヨシ、野党のヤジは少ない。ヨシと言われたのは、こういうことをやるという場合、経済立て直し、コロナ対策、薬事承認の締めにヨシが出た。

 ラジオ報道の現場から声を上げる、この時期に本を出した意味は、2月に森氏の記者会見に出て、それの記録、澤田さん、武田砂鉄さんと相談して本にしようということになり、五輪の前に出すはずがたくさんのネタ+書くのが遅れて菅氏辞任、岸田総理でこの時期にあった。

 北口さん、2月の森氏の女性蔑視発言の翌日のことを紹介されて、森氏の謝罪会見で澤田さん切込み、五輪精神に森氏反すると指摘してやめるように追及、森氏タジタジ+言い逃れ、わきまえるという表現に異議を澤田さん追及して森氏支離滅裂+ブチギレ、バトルではあり、森氏にやめるように追及して澤田さん引き下がらず、聞きたいことがたくさんあり、しかし元総理に対峙したのを矢野さん評価されて、他にも記者はいて、フリーの方もいて、森氏の右側に番記者、左に澤田さんなど組織委会見に行かない人、番記者から先に当てられて、澤田さん質問の後お腹が痛くなり(笑)、もちろん悪いものを食べたのではなく、見えないプレッシャーがあった。

 北口さん、他の記者は厳しい質問かと問われて、澤田さん、追及するものは他にもあり、TBSテレビの女性記者も厳しく追及して、顔見知りの記者も追及。リスナーより、森氏に更問いしてパージされたかと問いがあり、澤田さんは個人、TBSにクレームはなかった。そして女性が声を上げて、テレビ東京の方も番組で批判した。矢野さん、森氏、辞任後老人が悪いと言われたものに逆ギレ、問題の本質を理解していないと問われて、澤田さん、森氏は問題発言の翌日に会見、政府はそれで幕引きのつもり、しかし森氏は五輪のために謝罪のための謝罪であり、本人の立場はわかっていなかった。

 矢野さん、政治家に記者の質問が甘いと問われて、リスナーより澤田さん、政治部の記者でないのに追及、他の政治部の記者はどうして追及しないのかと質問があり、澤田さん、政治部は政治家と関係を持ち情報を得るので厳しい質問をしたら情報をもらえなくなる、マスメディアだと顕著だが、政治家の出世と記者の出世がリンクして、総理、幹事長になるといい情報が取れることになり、批判しにくくなり、失言で失脚したら自分の出世もなくなる。北口さんそれにショック、一人一問はプレッシャーかと問われて、澤田さん、TBSラジオは創立70年で、数十年前の座談会のアーカイブがあり、会見でというのが愚か、質問をするのは社会部であれだとダメというものがあり、政治部の限界もある。

 矢野さん、記者が出世して政治家が出世するものもあると説かれて、澤田さんその通り、自民の中で二階氏交替になり、二階氏担当の記者はメインストリームから外れたことがあり、担当が変わると政治部の中で交代のある例も存在する。リスナーより、政治記者として心がけているものを問うものがあり、澤田さん、リスナーに嘘をつかないこと、ラジオでは記者は一人で議員と仲良しになれず、距離を置いて客観的に見る視点はある。

 澤田さんはお酒も飲まれず、そこで仲良しになれない。矢野さん、放送局、政界は男子校出身者が多いというのにショック、澤田さん、アフタージャンクションで、それを知り、放送局、最高裁の判事、経団連の理事も男子校出身者が多く、それが女性に要職につけないマチズムの原因。

 矢野さんは、ラジオだから出来る政治報道を問われて、澤田さん、一人しか記者はいない、政治部の記者はおらず、逆に距離を置いてやれて、広くやれる、政治だけでなく、五輪をどうするか、コロナとの取材もあり、組織委とコロナの取材をつなげて、それで組織委幹部に澤田さんならコロナの専門家の取材もして、広く浅くいい意味で取材できて、ラジオでできて、テレビは放送の時間は短く、ラジオだと時間を取れる。

 リスナーより、国会論戦はどうしてつまらないのかと質問があり、澤田さん、国会は面白い、テレビに出るのは一部のみ、1日7,8時間、それも複数の委員会でやり、中ではメディアの報じない大事なことも多数あり、政府を問う駆け引きがあり、面白い議員、大臣を見つけて、それをきっかけに国会に関心を持ってほしいと説かれました。リスナーより、選挙期間出てこなかった憲法改悪はどうなるかと質問があり、澤田さん、維新の馬場氏、泉氏に憲法審査会提案があり、しかし臨時国会では憲法はテーマにならず、来年の通常国会で問題になる。国会で、代表質問と予算委員会、岸田氏も泉氏も初の場ではあり、質問にちゃんと答えるかどうか、論戦を注目して欲しいと締めくくられました、ここで止めます、以上、澤田さんのお話でした。

日曜朝に考えたこと~TBSサンデーモーニング視聴記

2021-12-05 20:54:30 | 政治・文化・社会評論
❶経済先進国ではコロナ禍も最新のオミクロン株も一定の対応策も可能かもしれない。だが第三世界諸国では、貧困や国内事情で対応しきれず流行が一気に拡大しつつある。ウイルスには国境はない。国際的対応と第三世界への国際的支援がなければ今後危機は未曽有な状態へ突き進む。



❷横浜カジノを阻止した勢力に、昔から横浜港湾事業をしきってきた「横浜のドン」と言われてきた人物がいる。横浜市長選では野党共闘で立民党候補が当選した。新潟県の政界についてよくわかっていないが、報道された範囲の「新潟のドン」の所業は、「横浜のドン」と対比的だ。



❸1960年代後半に学生運動が世界的に活発となった。日本でも日大の経営不正に学生の党派を超えて全学的に広がった。あれから半世紀近く。今もあの弊害を克服しえていない。学生の要求をとりいれパリ五月革命を成功させたフランス国家。雲泥の差だ。

❹伊藤詩織さんへの暴力は人権侵害であるとともに、心理的トラウマを与えたことで生存権侵害でもある。
強姦の加害者がTBS元アメリカ支局長だったことは、TBSに東京放送時代から信頼感をいだいてきた私にはあまりに強い衝撃だ。辛うじて人権派報道人の存在が救いである。

❺20代の若者から「#核廃絶は理想ではなくすでに現実に動いている運動です」の発言。日本は政府与党派以外の、核兵器禁止の願いを現実化する国民的な課題を実践すべきときにきている。


❻アフリカへ大量のワクチンを保障した習近平氏の中国。様々な思惑はあるがそれでも現実にコロナ救済を実行すること自体はアフリカの民衆に手をさしのべる政策と思う。習近平氏に肯定感を感じたのはじめてである。


❼#サンデーモーニングtbs

番組を見ていて思った。

コロナ禍オミクロン禍の災いの現況は
#現代における国際的階級闘争である。


最新日本政治における小沢一郎氏の意義

2021-12-02 23:22:49 | 政治・文化・社会評論
①立民党代表選で小沢一郎氏が泉健太候補の推薦者であった。なぜ立民党内右派の泉氏推薦か?
その理由を以下に私なりに推論してみた。
 小沢一郎氏はオール沖縄結成の立役者の一人だった。自民党幹事長から新進党、民主党結成と保身や利権にこだわることなく政権樹立のために奮闘した。清濁併せのむ政治家である。自民党内なら安倍晋三氏よりも石破茂氏に近い。

②小沢一郎氏は保守主義者だ。だが「自民党本流の保守主義者」(岸信介・中曽根康弘・小泉純一郎・安倍晋三)というよりも「保守本流」(石橋湛山・田中角栄・福田赳夫・大平正芳・伊東正義・鳩山由紀夫)に近い。一本のすじを持つ保守派だ。立憲保守主義を標榜する枝野幸男氏の政治信念に通ずるものがある。

③ 私は3層から成る国民統一戦線という立場を2014年(『座標ー吉野源三郎・芝田進午・鈴木正』発行いりす発売同時代社)から公開している。3層とは、❶市民と護憲共産れいわ社民の共闘層❷立民国民の立民政権派❸護憲保守派である。3つの政治勢力が、イタリア版オリーブの木のように漸次加わり、最終的にはそれぞれが円卓の論理で対等な立場で論議し決定は異論の留保を保障するゆるやかな結合の国民統一戦線を成就する政権構想である。しかしこの考えは自民幅広政権に吸収合併される危険大である。小沢氏は吸収されるだろうか?否と考える。その根拠を述べる。

④ 保守主義は日本の「風土」「空気」を考えると、保守というより体制順応主義に陥る。小沢氏が今後どのような政治手法で自らの信念を実現するか。そこから先は同時進行だ。ただ森ゆうこ、山本太郎など小沢氏の薫陶を受けた政治家の実態を見ると小沢氏を私も支持しうる政治家の一人である。

⑤ 小沢一郎を理想化しすぎないこと。小沢一郎を見逃さないこと。両者はともに必要である。いま日本共産党は、志位和夫委員長じかに立民党泉健太代表に当選の祝意を贈った。驚いた。現在の日本共産党は、過去の国際的共産主義運動の範疇を超え、市民社会における個の発達を踏まえている。日本でも、1950~60年代に、市民社会論争、大衆社会論争があった。その段階ではまだ日本は市民社会とよべる社会ではなかった。労働運動・労働組合運動や住民運動が対抗運動として国民をリードした。いまも労働運動、住民運動は重要な運動である。あらたに市民が草の根から集まり集会やデモ、運動を自発的に組織したちあがるようになった。東日本大震災に伴う福島原発事故反対運動をわずかな市民が集いそれが野党や団体に広まるころからが画期と私は考えている。

⑥最終
小沢氏を論ずることは、小沢氏個人以外の政党をも考察に収めることが重要である。立憲民主党、日本共産党。この2政党を検証しなければ小沢氏を論じきることはできない。さらにオール沖縄を考察する重要な段階だ。日本の各政党は課題として立ち向かう課題として抱えている。了