カンボジア経済

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世界銀行報告書 カンボジア経済 力強い成長が続くと予測

2017年05月23日 | 経済
 5月17日、世界銀行は、カンボジア経済アップデート(Cambodia Economic Update: CEU)2017年4月版を発表しました。英文47ページの詳細な分析です。
 カンボジアの2017年の成長率についてはこれまでの予測(6.9%)と同じ6.9%と予測しています。また、経済成長は引き続き好調が続くと予測しており、今後のGDP成長率予測は、2018年6.9%、2019年6.7%と見込んでいます。縫製輸出と建設は、伸び率は低下するものの引き続き成長すると見ています。また、観光業の回復と農業の堅調が期待されると見ています。物価上昇率は、2017年3.7%、2018年4.2%、2019年5.2%と、若干上昇傾向にあると見ています。経常収支(対GDP比)は、輸出の好調と国際原油価格の安定、建設セクターの伸び鈍化に伴う建設資材輸入の伸び鈍化等で2016年の9.5%の赤字から、2017年9.2%、2018年8.9%、2019年8.9%と改善を続ける見込みです。また、この赤字は、好調な直接投資等で埋め合わされており、外貨準備は増加を続けており、2016年末時点で65億ドル(輸出の5.4カ月分)と非常に安定的な水準です。 
 今後のリスクとしては、海外要因が多いとしており、米国利上げの影響、欧州経済のスローダウン、世界貿易の不確実性を挙げています。国内要因としては、2018年の選挙に伴う不確実性を上げています。また、課題としては、賃金の上昇に対応する意味からも、労働生産性の向上が鍵になるとしています。短期的には、職業・技術能力の向上、高付加価値製造業誘致と国際競争力強化のためのエネルギー(電力)価格の引下げが重要と指摘しています。また、貧困率の改善のためには、農村部での非農業収入の向上のトレンドを維持することが必要としています。
(写真は、高層ビルが立ち並ぶプノンペン中心部)

世界銀行の新聞発表(英文です。クメール語版もあります)
http://www.worldbank.org/en/news/press-release/2017/05/17/growth-in-cambodia-remains-strong-while-productivity-improvements-needed-going-forward


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