カンボジア経済

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新型肺炎対策に備えて 既存の政府支出予算は半減へ

2020年03月11日 | 経済
 3月4日、フン・セン首相は、新型肺炎問題に関連して財政支出が増えると予想されるため、当初予算の大幅減額を決め、各省に節約を求めました。フン・セン首相は保健省の年次会合で、新型肺炎対策に関する政府の方針を発表した際、政府支出予算について、外務省や閣僚評議会、商業省は25%削減、それ以外の省・機関は50%削減とすることを指示しました。不要不急の海外出張は認めないとし、やむを得えない場合は出張の人員を当初の計画より減らすよう求めたとのことです。また、現在開始されていない政府主導の建設事業は、着工を来年まで延期する方針を表明しました。但し、外国からの援助を受けている事業については、計画通り建設を進めるとしています。
 フン・セン首相は、「カンボジアは新型肺炎の感染拡大に必要な措置を取る必要がある」と強調しました。今後感染者が確認された場合は、感染が発生した地域の学校閉鎖や交通遮断の措置も取る用意があると述べました。
 また、経済財政省は、新型肺炎対策のための新しい経済政策を準備中であるとしています。新型肺炎の影響を大きく受けている縫製業と観光業に焦点を置いたものとなる見込みです。具体的には、縫製原材料の輸入の円滑化、中小企業銀行の開業前倒し等が検討されている模様です。
 新型肺炎問題は、観光客の激減や縫製原材料の中国からの輸入の大幅減少、世界的な需要の減少による輸出への打撃等を通じて、カンボジア経済に大きな影響を与えつつあります。EUの特恵関税制度EBAの一部停止の影響もある中で、官民挙げての対策が進められることが期待されます。
(写真は、プノンペンの経済財政省本省)



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