カンボジアは、新型コロナウイルスの国内感染を概ね抑え込んでいます。死者はゼロです。1月31日の保健省の発表によれば、累計陽性者数は465名(1月24日から7名増)となっています。治癒数は443名です。先週の新規陽性者のうち、4名はタイに出稼ぎに行っていて帰国したカンボジア人でした。それ以外の先週の海外帰国者の新規陽性は3名でした。
国内でのクラスターとしては、11月3日にカンボジアを訪問し、その後陽性が確認されたハンガリーのシーヤールトー外務貿易大臣関係で国内感染が疑われる陽性者が11月7日以降に4名確認されました(11月3日事変と呼ばれています)。更に、11月28日市中感染事件と命名された国内感染により41名の陽性者が確認されましたが、12月29日に終息が宣言されました。
また、海外帰国者の陽性者が空港での検査や2回目以降の検査等で発見されています。大規模クラスターが発生しているタイからの帰国者が増えたこともあり、タイと国境を接しているバッタンバン州やパイリン州で帰国者86名(1月24日から4名増)が陽性と確認されました。なお、空路入国者で陽性と確認されたのは、韓国から帰国したカンボジア人1名、フィリピンから韓国経由で入国したインドネシア人1名、インドネシアからシンガポール経由で入国したインドネシア人1名でした。
1月26日、全日本空輸(ANA)は、成田~プノンペン直行便について、2月から10月30日までの運休を発表しました。ただ、ANAでは、「お客様の需要に応じて、臨時便を含めた復便については柔軟に対応してまいります。」としています。
1月26日、フン・セン首相は、2月から8月までの給与7か月分(6363万リエル:約163万円)を新型コロナの感染対策に全額寄付する考えを表明しました。また、イット・サムヘン労働相やチア・ソパラ建設相をはじめとする閣僚、政府職員、軍関係者等が給料の全額、または一部を新型コロナ対策費用として寄付する動きが出ていることに感謝の意を表明しています。なお、実業家などからも、ワクチン購入費用として合計約5700万ドル(約59億円)の寄付が集まっているとのことです。
1月27日、経済財政省のボンセイ・ビソット次官は、記者会見で、既に1100万回分(550万人分)のワクチンを手配し、更に2000万回分を目指して努力中であると説明しました。1100万回の内訳は、世界保健機関が主導する世界的なワクチン配分計画「COVAX」を通じて700万回分、中国から中国医薬集団(シノファーム)が生産する100万回分、オーストラリア政府から支援を受ける300万回分となっています。このうち中国からは30万回分が2月にも到着するとしています。残る900万回分については、フン・セン首相がインド、ティア・バン国防相がロシアにワクチン供給を要請しているとしています。次官は、「カンボジアは小国なので、ワクチン接種が本格化すれば、新型コロナによる打撃から速やかに回復し、内外からの投資拡大が見込める」との期待を示しました。
カンボジアでは、11月3日事変や11月28日市中感染事件が起きたことにより、一般国民レベルでも国内感染への不安が広まったこともあって、対策がかなり引き締められました。しかし、12月29日に終息宣言が出たこともあって、感染防止対策が次第に緩んできている模様です。イオンモールにも顧客が戻ってきていると報道されています。カンボジアの陽性者数は、欧米や日本に比べると圧倒的に少ないのですが、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念が残ります。マスク、手洗い、アルコール消毒等の感染対策を十分に行う等、十分な注意が必要です。なお、出入国手続き等につきましては、日本・カンボジアともに頻繁に変更されていますので、日本大使館のサイト等を十分にご確認ください。
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在カンボジア日本国大使館のサイト
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ANAの発表
https://www.anahd.co.jp/group/pr/202101/20210126.html?fbclid=IwAR2ws5gEyv3yAh9fWvfi2Z0mF70kop-usFfMXLjuceKqzC5IMblK-UPswr4
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