カンボジアは、新型コロナウイルスの国内感染を概ね抑え込んでいます。死者はゼロです。2月21日の保健省の発表によれば、累計陽性者数は533名(2月14日から54名増)となっています。治癒数は473名です。先週の新規陽性者のうち、47名は2月20日市中感染事件による陽性者、1名はタイに出稼ぎに行っていて帰国したカンボジア人でした。それ以外の先週の海外帰国・入国者の新規陽性は6名でした。
国内でのクラスターとしては、11月3日事変(陽性者4名:終息済)、11月28日市中感染事件(陽性者41名:終息済)に加え、2月20日市中感染事件が発生しました(2月21日現在陽性者47名)。今回の感染は、中国人女性が隔離ホテルから賄賂を使って脱走し、クラブやサービスアパートメント等で感染を広げるという悪質なケースでした。中国人の隔離脱走は、これまでも報道されていましたが、抜本的な対応が取られていなかったものと見られます。また、今回の事件により、カンボジアの一般市民の反中感情が高まっている模様であり、フン・セン首相も「国籍による差別をしないように」と訴え、火消しに躍起となっています。また、この事件に関連し、教育省は通達を発出し、20名以上の集会禁止等が指示されていますが、学校については感染の可能性のある一部を除き閉鎖の指示は出ていません。また、隔離からの脱走防止のため、罰金の大幅引き上げ(最高5000万リエル:約130万円)等が実施されています。更に、ホテルや飲食店では、QRコードを利用した入店記録を行うことが求められており、2月21日時点で1900か所以上が登録しているとのことです。
海外帰国者の陽性者が空港での検査や2回目以降の検査等で引き続き発見されています。大規模クラスターが発生しているタイから出稼ぎ労働者が帰国していることもあり、タイと国境を接しているバッタンバン州やパイリン州で帰国者90名(2月14日から1名増)が陽性と確認されました。フン・セン首相は、大量帰国が懸念される4月のクメール正月を前に、タイに出稼ぎに行っている労働者に対し、タイの規制に従ってタイに留まるように訴えています。また、国境でないところから帰国する不法入国のケースも増えているため、フン・セン首相は国境取締りの強化を指示しています。なお、空路入国者で陽性と確認されたのは、マレーシアからシンガポール経由で帰国したカンボジア人1名、チェコから韓国経由で入国したチェコ人1名、中国から韓国経由で入国した中国人1名、インドネシアからシンガポール経由で入国したインドネシア人2名、スイスからシンガポール経由出入国したスイス人1名でした。
2月14日、保健省は、カンボジアで初となる英国型変異取ウィルスを確認したと発表しました。2月3日に入国したインド人2名と、2月7日入国の中国人1名から確認されたとのことです。
カンボジアでは、感染防止対策が次第に緩んできていましたが、3回目の国内クラスター発生で、全般的に防止対策が強化されていると見られます。カンボジアの陽性者数は、欧米や日本に比べると圧倒的に少ないのですが、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念が残ります。マスク、手洗い、アルコール消毒等の感染対策を十分に行う等、十分な注意が必要です。なお、出入国手続き等につきましては、日本・カンボジアともに頻繁に変更されていますので、日本大使館のサイト等を十分にご確認ください。
(写真は、保健省のQRコードシステムのサイト)
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